無料相談はアイシア法律事務所

不倫慰謝料を完全拒否できる5つのパターンと拒否による3つのリスク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

不倫慰謝料を完全拒否できる5つのパターンと拒否による3つのリスク

不倫相手の配偶者から高額な慰謝料を請求された場合は必ず支払わなければならないのか不安を抱く人も多いでしょう。

法律上、不倫の慰謝料請求が認められるためにはいくつかの条件を満たす必要があります。従って、あなたの言い分によって、慰謝料請求の条件を満たさないと判断されれば、慰謝料の支払いを拒否することができます。

この記事では、どんな場合に請求された慰謝料の支払いを拒否できるかや、もし慰謝料の支払いを完全拒否した場合にはどんなリスクがあるかを解説します。

【本記事の執筆者】弁護士 坂尾陽 Akira sakao -Attorney at law-
2009年 京都大学法学部卒業

20011年 京都大学法科大学院修了

2011年 司法試験合格

2012年 森・濱田松本法律事務所入所

2016年 アイシア法律事務所設立

1.     不倫慰謝料を拒否できる5つのケース

不倫相手の配偶者から慰謝料を請求されたとしても、不倫慰謝料の要件を満たしていなければ不倫慰謝料を拒否できます。

不倫慰謝料は法律上は民法709条に基づいて請求されるのですが、民法709条の要件に該当しないと反論できれば不倫慰謝料を拒否できるのです。

不倫慰謝料を請求するには不貞行為があること、既婚者であることを知っていた又は知り得たことなどを証明する必要があるのです。

このような前提条件を満たしていなければ、不倫慰謝料を請求されても支払いを完全に拒否できることになります。

実務上は、不倫慰謝料の支払いを拒否できるパターンは主に5つあるので、具体的に見ていきましょう。

1.-(1)  不倫慰謝料を拒否できるケース①:肉体関係がない

不倫慰謝料を拒否できる1つ目は「不倫相手と肉体関係がない」ケースです。

不倫慰謝料は「不貞行為」があった場合に請求できると考えられていますが、「不貞行為」とは、自由な意思に基づいて既婚者が配偶者以外の異性と肉体関係を持つことであると定義されています。

従って、相手と抱き合ったりキスをしたり、食事を共にしたりする程度の関係であった場合は不貞行為がないため慰謝料の支払いを原則として拒否できます。

もっとも、肉体関係がなくても一緒にラブホテルに行ったような場合は慰謝料が認められる例外的なケースもあります。例えば、東京地裁平成25年3月25日判決は、ラブホテルの継続利用は不貞行為が存在すると推認されるべき事情として指摘して慰謝料の請求を認めました。

1.-(2)  不倫慰謝料を拒否できるケース②:既婚者と知らなかった

不倫慰謝料を拒否できる2つ目は「既婚者であると知らなかった」ケースです。

既婚者と知らずに不倫をしていても、不倫相手の配偶者を傷つけるつもりがなかったことから不倫慰謝料の支払義務を負わないのです。

ただし、いくら既婚者だと知らなかったと主張しても、既婚者と知らなかったことを立証できない又は既婚者と知り得たことを理由に慰謝料の支払いが認められることもあります。

例えば、交際期間中に宿泊の有無、SNSの内容などによっては既婚者であることが推察できたはずだと判断され、不倫慰謝料の拒否が認められない可能性もあるので注意しましょう。

1.-(3)  不倫慰謝料を拒否できるケース③:不倫相手の夫婦関係が破たんしていた

不倫慰謝料を拒否できる3つ目のケースには「不倫相手の夫婦関係(婚姻関係)が破たんしていた」ことが挙げられます。

不倫慰謝料は、不倫によって不倫相手の夫婦関係を悪化させたことによる精神的苦痛を賠償するものです。

従って、不倫時点で夫婦関係が破たんしていたような場合は、不倫によって夫婦関係を破壊したと言えないため慰謝料を拒否できます。

例えば、最高裁平成8年3月26日判決は、離婚調停を申立てをして別居していた事案において、「肉体関係を持った当時、…婚姻関係が既に破綻して」いることを理由に慰謝料請求を認めませんでした。

1.-(4)  不倫慰謝料を拒否できるケース④:時効が成立したとき

不倫慰謝料を拒否できる4つ目のケースは「時効を迎えた」ときです。

不倫慰謝料請求権は不倫の事実と不倫の加害者を知ってから3年以上又は不倫の事実から20年が経過すれば消滅します(民法724条)。

もっとも不倫慰謝料の時効は以下のような事情があるためいつからスタートするかに関して解釈が難しい点があります。

  • 不倫関係は継続・反復的に行われるため複数の起算点が考えられる
  • 離婚した場合と離婚しない場合で取扱いが異なるとの見解があり得る
  • 不倫相手であるあなたを知った時点が明確ではない場合がある

不倫関係が終了してから3年以上経過していても、慰謝料請求を拒否できないこともあるので注意が必要です。

1.-(5)  不倫慰謝料を拒否できるケース⑤:証拠が不十分であるとき

不倫慰謝料を拒否できる5つ目に「証拠が不十分」という場合も挙げられます。

(参考)不倫慰謝料の証拠について

請求された慰謝料の支払いを完全に拒否し続けていれば裁判を起こされることになります。裁判では、慰謝料を請求する側が不倫があったこと等を立証する必要があります。

もし、不倫慰謝料の請求が認められるだけの証拠がなければ、慰謝料の請求が認められないことになります。

もっとも、不倫慰謝料の証拠は不倫相手と肉体関係があったことを示すものに限りません。

例えば、ホテルに出入りや肉体関係そのもののシーンの写真や動画、探偵や興信所など専門業者による報告書類、SNSやメールの内容などの様々な証拠を積み重ねて不倫が立証されることもあります。

また、不倫相手の証言・供述も立派な不倫の証拠です。

不倫がばれたときに不倫相手と口裏合わせをしていても、時間の経過によって夫婦関係が仲直りをした不倫相手が不倫の事実を認めることもあります。

従って、証拠が不十分であるとして不倫慰謝料を拒否しようとしても、不倫が事実であれば結局は不倫慰謝料が認められることがほとんどです。

証拠がないことだけを理由に不倫慰謝料を拒否するのは止めておいた方が良いでしょう。

2.     不倫慰謝料を拒否する3つのリスク

肉体関係が事実だとしても不倫に至った経緯等から自分が不倫慰謝料を請求されることに納得できないこともあるでしょう。

このため、実際に肉体関係にあったとしても、不倫慰謝料の支払いを拒否したいと考えられるかもしれません。

しかし、不倫慰謝料の減額ではなく、支払いを完全に拒否する場合には思いがけぬリスクもあるので注意が必要です。

2.-(1)  訴訟を起こされるリスク

もし正当な理由なく慰謝料の支払いを拒否した場合は配偶者側から訴訟を提起されるリスクがあります。

あなたの目から見て不倫慰謝料を拒否できるケースだと考えても、慰謝料を請求する配偶者や弁護士があなたが言い訳や嘘をついていると思うことは少なくありません。

むしろ、不倫慰謝料の支払いを完全拒否すれば、裁判所で白黒をつけるために訴訟を起こされる場合がほとんどです。

肉体関係があるときは不倫慰謝料を拒否できるのはむしろ例外的な場合です。

証拠関係や事実関係次第では、不倫慰謝料を拒否できると思っていたのに、裁判所が慰謝料請求権を認める可能性も十分あります。

もし最後まで不倫慰謝料を拒否しても、裁判所の判決に基づいて強制執行を起こされて最終的に慰謝料の支払いを強制されるリスクがあります。

2.-(2)  不倫相手の配偶者暴走によるリスク

また、不倫慰謝料を拒否していると配偶者の怒りがおさまらず暴走するリスクもあります。

不倫慰謝料を請求する配偶者は夫婦関係の愛情が絡むため、冷静な損得勘定ではなく、感情の赴くままに暴走することもあります。

例えば、職場に不倫を告発するビラを撒く等の嫌がらせをする、あなたの家族に不倫をばらす、SNSで不倫の事実を拡散する等のリスクがあります。

不倫慰謝料の減額交渉であれば、配偶者側の感情を受け止めながら不倫を秘密にして円満に解決できることがほとんどです。

しかし、慰謝料の支払いを完全拒否すると、不倫相手の配偶者と完全に敵対関係になるため予想外の暴走行為によるリスクがあります。

2.-(3)  高額な慰謝料が認められるリスク

不倫慰謝料を請求されたときは最初に大まかに対応方針を決めることになります。ポイントは、慰謝料の支払いを拒否するか又は慰謝料をできるだけ減額するかです。

(参考)不倫慰謝料を請求された場合 3つの大きな方針と注意点

不倫慰謝料の減額は不倫を反省した上で減額理由を主張するのに対し、不倫慰謝料を拒否するのは不倫を反省していないと取られかねず方針が全く異なります。

不倫慰謝料を拒否する方針を取って、最終的に支払いが認められたときは、十分な慰謝料減額事由を主張できない又は不倫を反省していない等を理由として高額な慰謝料が認められるリスクがあると言えます。

不倫慰謝料を拒否するリスクを踏まえて慎重な判断が必要

このようにさまざまなリスクがあるため、安易に不倫慰謝料の支払いを拒否するのは危険なのです。

大きなトラブルになれば余計な時間も精神的なストレスもかかるため、訴訟になる前に話し合いに応じたほうが良いかもしれません。

不倫慰謝料を拒否できると考えても、できるだけ誠実・慎重に対応することが重要です。

3.     不倫慰謝料の拒否ではなく、減額の方針も検討する

相手が既婚者であることを知っていたり、肉体関係を持っていたりした場合は、基本的に慰謝料を支払わなければなりません。

3.-(1)  不倫慰謝料は減額できる

しかし、高額な不倫慰謝料を請求されたからといって、その金額を素直に支払う必要はありません。

高額な不倫慰謝料を請求された事案はほとんどの場合に大幅な慰謝料減額が可能です。一般的には不倫慰謝料として200万円~300万円ほど請求されるケースが多いです。

しかし、慰謝料減額に強い弁護士に依頼すれば、弁護士費用と解決金を合わせても請求金額よりも大幅に減額できる場合がほとんどです。

(参考)不倫慰謝料金額の相場と減額見込み

3.-(2)  不倫慰謝料を拒否できる事情は減額理由にもなり得る

また、不倫慰謝料を拒否できる5つのケースに該当する事情があるときは、有力な慰謝料の減額理由にもなります。

裁判になったときに慰謝料を完全に拒否できるかは五分五分でも、慰謝料の減額理由としては強力な事情と言えます。

不倫慰謝料の支払いを拒否し続けて、裁判になって結局は高額な不倫慰謝料が認められるリスクを取るのではなく、最初から不倫を反省している姿勢を見せる一方で不倫に至った事情を減額理由として主張することも考えられます。

3.-(3)  不倫相手に対する求償権の放棄

また、不倫の慰謝料を拒否したくなる理由として、あなただけが慰謝料を請求されたことに納得がいかないケースもあるでしょう。

不倫相手の配偶者は、(i)あなただけ、(ii)不倫相手だけ、(iii)あなたと不倫相手の両方といういずれのパターンでも慰謝料を請求できます。

しかし、不倫の責任はあなただけではなく不倫相手にもあります。従って、あなたにだけ慰謝料請求された場合は、慰謝料を支払った後に不倫相手に対して2分の1の額を請求する権利があるのです。

これを「求償権」といいますが、求償権を放棄する代わりに慰謝料を減額してもらえることも少なくありません。

もし、あなたにだけ慰謝料請求されたことが納得いかないのであれば、求償権の放棄を理由とする慰謝料減額を主張することも考えられます。

(参考)求償権の放棄による慰謝料減額とは

4.     不倫慰謝料を払いたくても払えないときの対処法は?

また、不倫慰謝料を拒否する理由として不倫慰謝料が払えない場合もあるでしょう。

自分の資産が少なく、慰謝料を減額してもらっても支払えないという場合は、分割払いにしてもらうという方法もあります。

不倫慰謝料を支払うつもりがあるのであれば、慰謝料を拒否するのではなく現金一括払いが難しいことを配偶者側に説明し、分割払いに合意してもらえるようお願いしましょう。

分割払いに応じてもらうためには、「お金がないから支払えません」「あなたの夫も悪いのでは?」などと配偶者に対して攻撃的な態度をとるのではなく、不倫を反省して心から謝罪する姿勢を見せることが大切です。

詳しくは下記記事を参考にしてください。

(参考)不倫慰謝料を分割払いや借入れで支払う場合のポイント

5.     不倫慰謝料を拒否するリスクに要注意!慰謝料は拒否や減額もできる

慰謝料請求されるとすぐに支払わなければならないと思いがちですが、決してそんなことはありません。

実務上は不倫慰謝料を拒否できるパターンとして大きく5つのパターンがあります。しかし、不倫慰謝料を拒否することにはリスクもあります。

不倫慰謝料を拒否する以外にも減額を求めたり、分割払いを求めることも考えられます。慰謝料を拒否できるパターンとリスクを理解したうえで適切な対応をとりましょう。

高額な慰謝料の減額・免除の無料相談へ(24時間365日受付)

  • 0円!完全無料の法律相談
  • 弁護士による無料の電話相談も対応
  • お問合せは24時間365日受付
  • 土日・夜間の法律相談も実施
  • 全国どこでも対応いたします

 

>>✉メールでのお問合せはこちら(24時間受付)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加