ダブル不倫で妊娠した場合、最初に問題になるのは「出産するかどうか」だけではありません。妊娠した子が法律上誰の子として扱われるのか、戸籍にどう記載されるのか、不倫相手に認知や養育費を求められるのか、配偶者や不倫相手の配偶者から慰謝料を請求されるのかが、同時に問題になります。
特に、婚姻中の女性が妊娠・出産した場合には、実際の血縁関係とは別に、法律上は夫の子として扱われる可能性があります。そのため、ダブル不倫で妊娠したケースでは、DNA鑑定だけでなく、嫡出推定、嫡出否認、認知、養育費、慰謝料の関係を順番に整理することが重要です。一般的な不倫妊娠の全体像は不倫妊娠トラブルの総合解説で扱っているため、ここではダブル不倫特有の問題を中心に解説します。
- ダブル不倫で妊娠すると、2組の夫婦関係と子どもの父子関係が同時に問題になります。
- 妊娠した子が夫の子と扱われるか、不倫相手の子と扱われるかは、戸籍・認知・養育費に直結します。
- DNA鑑定で血縁が分かっても、それだけで戸籍が当然に変わるわけではありません。
- 妊娠・出産があると、慰謝料が高額化することがあります。
- 中絶や一般的な不倫妊娠の詳細は、別記事で確認する方が整理しやすいです。
坂尾陽弁護士
2009年 京都大学法学部卒業
2011年 京都大学法科大学院修了
2011年 司法試験合格
2012年~2016年 森・濱田松本法律事務所所属
2016年~ アイシア法律事務所開業

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ダブル不倫で妊娠…まず何をすればいい?
ダブル不倫の妊娠が分かった直後は、誰に話すべきか、夫や妻に知られるのか、不倫相手が責任を取ってくれるのかなど、不安が一気に押し寄せます。しかし、焦って相手に詰め寄ったり、配偶者に隠したまま手続や話し合いを進めたりすると、後から戸籍・認知・慰謝料の問題がさらに複雑になることがあります。
まずは、妊娠の事実、妊娠週数、父親の可能性、出産・中絶の意向、夫婦関係の見通し、慰謝料請求の可能性を分けて整理しましょう。不倫相手が妊娠した場合の一般的な初動は不倫相手が妊娠した場合の対応でも解説していますが、ダブル不倫ではさらに「双方の配偶者」が関わる点に注意が必要です。
ダブル不倫で妊娠した場合の問題点
ダブル不倫とは、既婚者同士の不倫をいいます。妊娠が絡むと、単に「不倫が発覚した」という問題にとどまらず、妊娠した女性の夫、不倫相手男性、不倫相手男性の配偶者まで含めた4者関係の問題になります。
特に重要なのは、子どもが法律上誰の子として扱われるかです。妻が婚姻中に妊娠・出産した場合、血縁上は不倫相手の子であっても、法律上は夫の子として扱われる場面があります。そのまま放置すると、戸籍上の父、血縁上の父、実際に養育する人がずれてしまい、認知や養育費、離婚、慰謝料請求が連鎖的に問題になります。
また、ダブル不倫では、妊娠した側の配偶者だけでなく、不倫相手の配偶者からも慰謝料を請求される可能性があります。慰謝料請求を受けた場合の全体像はダブル不倫で慰謝料請求された場合の対応で整理しています。
妊娠の事実と父親の確認
最初に確認すべきなのは、本当に妊娠しているか、妊娠週数がどの程度かです。妊娠検査薬だけで判断せず、産婦人科で診断を受け、妊娠週数や今後の選択肢を確認する必要があります。妊娠週数は、出産準備だけでなく、中絶を検討する場合の期限や身体的負担にも関わります。
次に、性交渉の時期から父親の可能性を整理します。夫との性交渉と不倫相手との性交渉が近い時期にある場合、当事者の記憶だけで父親を断定することは危険です。DNA鑑定が検討されることもありますが、鑑定の実施には相手の協力や医学的な確認が必要になることがあり、鑑定結果が出たからといって戸籍が当然に変わるわけでもありません。
父親の可能性を確認することと、法律上の父子関係を変えることは別問題です。血縁関係の確認だけで安心せず、戸籍・認知・養育費まで見通して整理しましょう。
出産するか、中絶するかを検討する
妊娠が確定したら、出産するのか、中絶を検討するのかを早めに考える必要があります。どちらを選ぶ場合でも、ダブル不倫では「相手にどう責任を取ってもらうか」だけではなく、「自分の配偶者にどう説明するか」「不倫相手の配偶者から請求を受ける可能性があるか」も問題になります。
中絶を検討する場合には、妊娠週数による期限、手術の身体的・精神的負担、費用負担、相手方との話し合いが問題になります。ただし、中絶同意書、費用負担、中絶をめぐる慰謝料の詳細は本記事の主戦場ではありません。詳しくは不倫中絶トラブルのポイントで確認してください。
出産する場合には、子どもの戸籍、認知、養育費、夫婦関係の修復可能性を検討することになります。出産後の認知・養育費・戸籍の一般論は不倫で子どもが生まれた場合の解説でも扱っています。
4者別に確認すべきこと
ダブル不倫で妊娠した場合、同じ出来事でも立場によって確認すべきことが変わります。感情的な連絡や責任の押し付け合いを始める前に、自分がどの立場で、何を整理すべきかを確認してください。
- 妊娠した妻:妊娠週数、夫との性交渉時期、不倫相手との性交渉時期、出産・中絶の意向、夫に説明するタイミングを整理します。夫に隠したまま戸籍や認知の問題を放置することは避けるべきです。
- 妊娠した妻の夫:自分の子ではない可能性がある場合、父子関係を争う手続や期限が問題になります。感情的に責めるだけでなく、戸籍・養育費・慰謝料を分けて検討する必要があります。
- 不倫相手男性:認知、養育費、慰謝料請求、自分の配偶者への発覚リスクを確認します。連絡を遮断したり、強引に中絶を求めたりすると、慰謝料交渉で不利になることがあります。
- 不倫相手男性の配偶者:慰謝料請求、離婚するかどうか、証拠の整理、相手方との連絡方法を確認します。相手の職場や家族へ過剰に連絡すると、別の紛争を招くおそれがあります。
慰謝料の負担関係が複雑になる場合には、4者での和解や求償関係も問題になります。ダブル不倫の相殺や求償の考え方はダブル不倫の相殺・求償権の解説も参考になります。
ダブル不倫で妊娠…よくある4つのシナリオ
ダブル不倫の妊娠後の方針は、当事者の感情だけでは決まりません。2組の夫婦が離婚するのか、婚姻を続けるのか、出産するのか、中絶するのかによって、戸籍・認知・養育費・慰謝料の整理が変わります。ここでは、代表的な4つのシナリオを確認します。
シナリオ1:両夫婦が離婚し、当事者同士が再婚する場合
不倫当事者双方がそれぞれの配偶者と離婚し、その後に再婚して子どもを育てるケースです。一見すると、子どもの実父母が一緒に育てるため分かりやすいように見えますが、実際には前婚の清算が大きな負担になります。
- 2組の夫婦で離婚協議が必要になる
- 双方の配偶者から慰謝料請求を受ける可能性がある
- 前婚の子がいる場合は養育費や面会交流も問題になる
- 再婚前後で子どもの戸籍や認知の整理が必要になる
再婚を目指す場合でも、配偶者が離婚に応じるとは限りません。不倫をした側からの離婚請求は難しくなることもあるため、勢いで約束をするのではなく、離婚・慰謝料・子どもの手続を分けて検討する必要があります。
シナリオ2:一方だけ離婚し、もう一方は婚姻を継続する場合
妊娠した側だけが離婚し、不倫相手側は配偶者との婚姻を続けるケースもあります。この場合、離婚した側には生活再建や子どもの養育の問題が残り、婚姻を続ける側にも配偶者への説明、慰謝料、認知への抵抗感が残ります。
たとえば、妊娠した女性が夫と離婚しても、不倫相手男性が自分の妻と離婚しない場合、認知や養育費について争いになりやすくなります。また、離婚した配偶者と離婚しなかった配偶者の間で、慰謝料額や心理的負担に差が生じ、不公平感が強くなることもあります。
シナリオ3:どちらも離婚せず、婚姻を続ける場合
双方の夫婦が離婚を避け、婚姻関係の継続を選ぶこともあります。もっとも、妊娠した子を夫の子として扱うのか、不倫相手に認知を求めるのかを曖昧にしたままでは、後から発覚したときに紛争が大きくなるおそれがあります。
特に、夫に十分な説明をしないまま出産し、後からDNA鑑定などで血縁関係が分かった場合、単なる不倫発覚よりも強い精神的衝撃を与えることがあります。夫婦関係を続けたい場合ほど、どこまで事実を共有し、どのように戸籍・認知・養育費を整理するのかを慎重に考えるべきです。
シナリオ4:中絶を選ぶ場合
中絶を選ぶ場合でも、ダブル不倫の問題が当然に消えるわけではありません。妊娠・中絶をめぐる対応が不誠実だった場合、相手方との間で慰謝料や費用負担が争われることがありますし、中絶後に配偶者へ発覚して離婚・慰謝料請求へ進むこともあります。
- 中絶の期限や身体的負担を早めに確認する
- 費用負担を誰がするかを整理する
- 強引に中絶を求める言動は避ける
- 中絶後も不貞行為の慰謝料問題は残り得る
中絶は時間的制約が強く、当事者だけで冷静に話し合うことが難しい場面があります。中絶費用や同意書、相手方の対応義務などの詳しい論点は、不倫中絶トラブルの解説を確認してください。
ダブル不倫で妊娠した場合:子どもに関する法律関係
ダブル不倫で妊娠した場合に最も整理が難しいのは、血縁上の父親と法律上の父親が一致しない可能性があることです。夫以外の男性との間の子であっても、婚姻中に妊娠・出産した子は、法律上、夫の子として扱われる場面があります。
ここを誤解すると、「DNA鑑定で不倫相手の子だと分かれば、当然に戸籍も変わる」「不倫相手が認知すれば、すぐに養育費を請求できる」と考えてしまいがちです。しかし、実際には、嫡出推定、嫡出否認、親子関係不存在確認、認知という手続の順番を確認する必要があります。
ダブル不倫の子どもは誰の子どもか:「嫡出推定」とは
民法では、一定の場合に、子どもを夫の子と推定する仕組みがあります。これを嫡出推定といいます。たとえば、妻が婚姻中に妊娠・出産した場合、実際には不倫相手男性との間の子であっても、まずは夫の子として戸籍に記載されることがあります。
これは、子どもの身分関係を早く安定させるための制度です。ただし、ダブル不倫の妊娠では、この制度によって、血縁上の父親と法律上の父親がずれることがあります。子どもを出産する場合には、出生届を出した後に戸籍上どのように扱われるのかを、早い段階で確認する必要があります。民法772条の内容は、e-Gov法令検索の民法で確認できます。
令和6年4月1日施行の改正により、嫡出推定や嫡出否認の扱いは見直されています。出生時期や申立人によって扱いが変わるため、「以前は1年以内だった」といった古い情報だけで判断しないようにしてください。
嫡出否認・親子関係不存在確認の違いと期限
夫の子と推定される子について、その父子関係を争う代表的な手続が嫡出否認です。現在は、父と推定される夫だけでなく、一定の場合には子や母なども申立てができるようになっており、期間も原則として3年と整理されています。制度改正の概要は法務省の解説、手続の申立人や期間は裁判所の嫡出否認調停の案内で確認できます。
もっとも、実際にどの手続を使うかは、子どもの出生時期、夫婦の同居状況、夫がいつ出生を知ったか、嫡出推定が及ぶ事案かどうかによって変わります。夫の子と推定される場合は嫡出否認が中心になりますが、そもそも夫との間で妊娠する可能性が客観的にないなど、嫡出推定が及ばないと評価される場合には、親子関係不存在確認が問題になることもあります。
整理すると、次のように考えると分かりやすいです。
- 嫡出否認:夫の子と推定される子について、その父子関係を否定するための手続です。期間制限があるため、放置しないことが重要です。
- 親子関係不存在確認:嫡出推定が及ばない、又は法律上の親子関係が存在しないことを確認するための手続です。使える場面は限定されます。
- DNA鑑定:血縁関係を確認する資料にはなりますが、鑑定結果だけで戸籍が当然に変わるわけではありません。
- 認知:法律上の父子関係を発生させる手続ですが、夫の子として扱われる状態が残っている場合には、その整理が先に問題になります。
なお、最高裁平成23年3月18日判決では、妻が婚姻中に夫以外の男性との間にもうけた子について、夫が自然的血縁関係がないことを知らされず、法的手段を失った後に、妻が離婚後の監護費用を求めたことが権利濫用と判断されました。これは、法律上の父子関係と血縁関係のずれを放置すると、後の養育費・監護費用にも深刻な紛争が生じ得ることを示す例です。
子どもの認知を巡る問題
不倫相手男性に子どもを認知してもらえばよい、と考える方もいます。しかし、認知は、法律上の父子関係を発生させる重要な手続であり、夫の子として推定されている状態では、単純に不倫相手男性が認知すれば済むとは限りません。
たとえば、妻が婚姻中に出産し、戸籍上は夫婦の子として記載されている場合、まず夫との法律上の父子関係をどう処理するかが問題になります。そのうえで、不倫相手男性が実父として認知するのか、認知を拒む場合に認知調停や認知訴訟を検討するのか、という順番になります。
認知が認められると、法律上の父子関係が生じ、養育費や相続にも影響します。認知の要否を当事者間の口約束だけで処理しようとすると、後から子どもの生活費や相続をめぐって争いが残ることがあります。
不倫相手との子どもの養育費を誰が払うか
養育費は、単に「血のつながった父親だから払う」というだけで決まるものではありません。基本的には、法律上の親子関係がある父母が、子どもの生活費を分担することになります。そのため、ダブル不倫で妊娠した場合には、まず法律上の父が誰なのかを確認する必要があります。
夫の子として扱われたままであれば、夫に法律上の父としての地位が残る一方、不倫相手男性に当然に養育費を請求できるとは限りません。反対に、不倫相手男性との父子関係が認められれば、認知後の養育費請求が問題になります。
このように、養育費の話は、父子関係・戸籍・認知の整理と切り離せません。妊娠発覚直後に「養育費を払う」「認知はしない」などと当事者だけで約束しても、後から無効・不十分・実行不能な内容になることがあります。
ダブル不倫+妊娠での慰謝料・離婚交渉
ダブル不倫で妊娠・出産に至ると、通常の不倫よりも慰謝料が高額化することがあります。単に不貞行為があっただけでなく、配偶者が自分の子だと思って出生届を出した、後からDNA鑑定で血縁関係が判明した、夫婦関係が破綻した、といった事情が重なるためです。
ダブル不倫の慰謝料相場と増減要因
不倫慰謝料の金額は、離婚の有無、婚姻期間、不倫期間、回数、夫婦関係への影響、発覚後の対応などによって変わります。一般的な不倫慰謝料の相場や増減要素は不倫慰謝料の相場解説で詳しく整理しています。
ダブル不倫で妊娠が絡む場合には、特に次の事情が重く見られやすくなります。
- 妊娠・出産により夫婦関係が修復困難になった
- 配偶者が自分の子と信じて出生届を提出した
- DNA鑑定で血縁関係のずれが明らかになった
- 不倫相手が認知・養育費などの責任を回避した
- 発覚後も不誠実な連絡や嫌がらせがあった
もっとも、妊娠したから必ず高額になるわけではありません。離婚に至ったか、婚姻関係がどの程度破綻したか、請求額の内訳に合理性があるか、証拠でどこまで立証できるかを具体的に検討します。
ダブル不倫で妊娠・出産が問題になった裁判例
ダブル不倫で妊娠・出産が問題になった裁判例として、東京地裁平成21年1月26日判決があります。この事案では、妻が不倫相手男性との間の子を出産し、その子は戸籍上、夫婦の子として記載されました。その後、DNA鑑定により、不倫相手男性との間に生物学的な父子関係があることが判明しました。
裁判所は、不倫相手男性が妻と夫との婚姻関係を知りながら関係を持ち、子どもの出生により夫婦関係を修復困難な状態にまで破綻させ、協議離婚に至らせたことなどを考慮しました。その結果、慰謝料500万円と弁護士費用50万円、合計550万円の支払を認めています。
この裁判例は、単に「不倫で妊娠した」というだけでなく、戸籍上の父と生物学上の父がずれ、DNA鑑定や嫡出推定の問題を経て、夫婦関係が破綻した点に特徴があります。本記事で扱う「誰の子として扱われるか」「慰謝料が高額化するか」という問題を具体的に示す重要な例です。
ほかにも、妊娠・出産や発覚後の対応が慰謝料判断に影響した裁判例があります。
- 東京地裁平成21年1月14日判決:不倫相手が夫の子を妊娠・出産し、さらに嫌がらせの電話やメールを送った事情などを考慮して、慰謝料250万円と弁護士費用25万円が認められました。
- 東京地裁平成22年10月7日判決:妻が不倫相手の子を妊娠し、婚姻関係が破綻した事案で、慰謝料400万円と弁護士費用40万円が認められました。
裁判例の金額は、あくまで個別事情に基づく判断です。自分のケースで同じ金額になるとは限りませんが、妊娠・出産、DNA鑑定、夫婦関係破綻、発覚後の言動が重なると、慰謝料が重く評価されやすいことは押さえておきましょう。
ダブル不倫の妊娠で慰謝料請求された場合の対応
慰謝料を請求された側は、相手の怒りや請求額の大きさに押されて、すぐに支払約束をしたり、感情的な反論を送ったりしがちです。しかし、ダブル不倫で妊娠が絡む場合ほど、まず請求関係を分けて整理する必要があります。
- 誰から請求されているか:自分の配偶者、不倫相手の配偶者、不倫相手本人のいずれからの請求かを確認します。
- 何を理由に請求されているか:不貞行為、妊娠・出産、離婚、認知・養育費、嫌がらせなど、請求理由を分けます。
- 請求額の内訳は何か:慰謝料、調査費用、弁護士費用、養育費、解決金などが混在していないか確認します。
- 減額できる事情があるか:離婚していない、請求額が高すぎる、夫婦関係が既に悪化していた、証拠が不足しているなどの事情を検討します。
特に、妊娠・出産があると相手方の精神的苦痛が大きくなりやすいため、単に「相場より高い」と反論するだけでは交渉が進まないことがあります。事実関係、謝罪の範囲、今後の接触禁止、求償関係、認知・養育費の扱いを整理したうえで、現実的な解決案を検討することが重要です。慰謝料請求を受けた場合の具体的な流れはダブル不倫で慰謝料請求された場合の対応を確認してください。
離婚に至るかどうかの判断
ダブル不倫の妊娠では、離婚するかどうかによって慰謝料額や交渉の方向性が大きく変わります。離婚に至った場合には、婚姻共同生活への影響が大きいと評価されやすく、慰謝料が高額化する傾向があります。反対に、婚姻を継続する場合でも、妊娠・出産の事実があると精神的苦痛が強いと評価されることがあります。
また、ダブル不倫では、一方の夫婦だけが離婚する、双方が離婚する、双方が婚姻を継続するなど、複数の組み合わせがあります。慰謝料を支払った後に、もう一方の当事者との負担調整や求償が問題になることもあります。負担関係の考え方は、ダブル不倫の相殺・求償権の問題として整理する必要があります。
まとめ:ダブル不倫の妊娠特有の問題点を解きほぐすことがポイント
ダブル不倫で妊娠した場合は、感情的な責任追及だけでなく、子どもの父子関係、戸籍、認知、養育費、慰謝料請求を分けて整理することが重要です。
- 婚姻中に妊娠・出産した子は、法律上、夫の子として扱われることがあります。
- DNA鑑定で血縁が分かっても、それだけで戸籍が当然に変わるわけではありません。
- 嫡出否認や親子関係不存在確認には、使える場面や期間の制限があります。
- 認知や養育費は、法律上の父子関係の整理とセットで考える必要があります。
- 妊娠・出産が絡むと、慰謝料が高額化することがあります。
請求された側は、相手の請求額や感情にそのまま反応するのではなく、まず請求関係と事実関係を整理してください。妊娠・出産がある事案では高額請求になりやすい一方で、請求額の内訳、夫婦関係の状況、証拠、求償関係によって交渉の余地が残ることもあります。
坂尾陽弁護士
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