慰謝料を請求されたときは、まず冷静になって事実関係を整理しましょう。慰謝料請求は突然されるため、最初は困惑するかもしれません。しかし、慰謝料を請求された直後に慌てて行動したために損をすることもあります。この記事では、知らないと損をしてしまう慰謝料請求された直後にまず確認するべき5つのポイントを解説します。
私たちは、慰謝料を請求された事案についてトップクラスの法律相談・解決実績があります。慰謝料減額のための裁判例や交渉実務を踏まえて独自の観点から弁護士に法律相談するときに必ず聞かれる重要な点をまとめました。
2009年 京都大学法学部卒業
2011年 京都大学法科大学院修了
2011年 司法試験合格
2012年~2016年 森・濱田松本法律事務所所属
2016年~ アイシア法律事務所開業
慰謝料請求されたときは、まず冷静になってこの記事を最後までお読みください!
誰から慰謝料を請求されたかの3パターン
慰謝料を請求されたパターンには、以下のとおり3つのケースが考えられます。
- 既婚者と不倫しており、不倫相手の配偶者本人から請求された
- 既婚者と不倫しており、不倫相手の配偶者の代理人弁護士から請求された
- 不倫相手(愛人)から手切れ金を請求された
不倫慰謝料は不倫相手の配偶者本人又は弁護士のいずれから請求されたのかがポイントになります。本人から慰謝料を請求された場合、話し合いに行ったところ、無理矢理に念書を作られる場合や最悪のケースでは暴力を振るわれる場合があります。
弁護士から慰謝料を請求されたときは、不利な発言が後々の慰謝料の減額交渉時に不利にならないように注意しましょう。弁護士が慰謝料を請求してきたときは、不倫慰謝料を支払わずに解決できることは実務上ほとんどあり得ません。
不誠実な対応をすると即座に裁判を起こされることもあります。きちんと対応しつつ、適正妥当な金額まで不倫慰謝料の減を目指しましょう。
不倫相手(愛人)から慰謝料・手切れ金を請求されるときは、ほとんど不倫相手(愛人)本人からの請求です。ただし、あなたが既婚者であることを黙っており、不倫相手を妊娠・中絶させたようなケースでは弁護士を通じて慰謝料を請求されることがあります。
どのような形で不倫慰謝料を請求されたか
次に、どのような形で慰謝料を請求されたかをご確認ください。
電話や口頭、メール・LINEで慰謝料を請求された場合は相手方がこちらの住所を知らない可能性があります。このような場合、通知書を送るので住所を教えて欲しいと言われることがありますが、住所を教えると自宅に押しかけてこられるリスクもあるので注意が必要です。
内容証明郵便や訴状が届いた場合は相手方にあなたの住所が知られていることになります。不倫相手からバレたり、探偵を付けられて住所を知られてしまうケースが多いです。また、弁護士であれば電話番号から住所を調べられます。
ここで、どのような形で不倫慰謝料を請求されるのが一番危険か分かりますか?
答えは・・・・
訴状が届いたときが一番危険です。
放置すると請求された通りに不倫慰謝料の支払義務が生じることがあります。訴状により不倫慰謝料の請求がされているときは裁判手続きを欠席すると相手方の言い分どおりの不倫慰謝料の金額が認定されることがあります。
不倫慰謝料を請求する訴状が届いた場合は不倫慰謝料の減額に強い弁護士に直ちに法律相談してください。
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請求金額:どのぐらい慰謝料を請求されたか
実は不倫慰謝料として請求される金額で最も多い金額は決まっています。
答えは・・・
300万円です!
一般的に不倫慰謝料として請求される金額は300万円から500万円程度です。このうち最も多いのが300万であり、300万円請求された場合は普通の事案だなと思ってください。
アイシア法律事務所が法律相談・受任した事案ではおよそ半分から7割程度が300万円の請求、不倫期間が長い又は不倫が原因で離婚した場合には300万円を超える請求がなされています。
なお、不倫相手(愛人)から慰謝料・手切れ金を請求されたときは、1000万円から数千万円程度の請求がなされることも少なくありません。なお、不倫相手(愛人)にマンションを与えて住まわせているときは、マンションの建物明渡請求も関係して複雑な内容となることがあります。
もっとも、相手方から請求された通りの不倫慰謝料・手切れ金の金額が認められるわけではありません。ほとんどの事案で慰謝料を減額することが可能ですのでご安心ください。
不倫に関する言い分があるか
次に、不倫に関するあなたの言い分を確認します。次のような事情がある場合、不倫慰謝料を大幅に減額できる又は不倫慰謝料を支払わなくてすむことがあります。
減額交渉の5つの理由
- 不倫相手が離婚していない
- 不倫期間は短く、肉体関係の回数は少ない
- 不倫に対して消極的だった
- 求償権を放棄する
- あなたの配偶者も不倫を知っている
詳しくは、『不倫慰謝料の減額交渉の5つの理由』の記事をお読みください。
ここでは簡単に解説します。
①不倫相手が離婚していない
不倫相手が離婚していない場合は大幅な不倫慰謝料の減額が可能です。一般的に言われている不倫慰謝料の相場として、不倫が原因で離婚した場合は200~300万円前後なのに対し、離婚しない場合は100万円前後等と言われます。
②不倫期間は短く、肉体関係の回数は少ない
アイシア法律事務所の独自分析では不倫期間が短いことも大きな慰謝料減額の理由です。概ね3か月から半年程度であれば不倫期間は短いと言えます。不倫期間が3か月程度であれば離婚していた事案でも30~50万円程度で解決できることもあります。
③不倫に対して消極的だった
職場の上司から積極的にアプローチを受けて、やむを得ず不倫をしてしまったことは慰謝料減額の事由となります。その他に不倫関係で被った不利益は幅広く慰謝料減額事由として主張できます。
④求償権を放棄する
不倫相手の配偶者に適切な不倫慰謝料金額を全額支払ったときは、あなたは不倫相手に対して半分以上の金額を請求できます(求償権)。この求償権を放棄することを条件として、請求された不倫慰謝料を半分以上減額できることがあります。
⑤あなたの配偶者も不倫を知っている
W不倫の事案であなたの配偶者も不倫を知っている場合、あなたの配偶者も不倫相手に対して不倫慰謝料を請求できます。このことが請求された不倫慰謝料の減額材料として主張できることがあります。
支払える不倫慰謝料の金額(問題解決の予算)
不倫慰謝料を請求されたときは、大きく3つの対応方針が考えられます。このうち、不倫慰謝料の支払いを拒否する方針を取ることは実務上ほとんどありません(詳しくは、『不倫慰謝料を請求された場合 3つの大きな方針と注意点』の記事をお読みください。)
そのため、請求された不倫慰謝料の問題を解決するために、多少の費用が生じることになります。問題解決のためにどの程度の予算があるかによって、対応が変わってくるため、不倫慰謝料を請求された直後にこの点を考えておきましょう。
不倫慰謝料を請求された場合、弁護士に依頼して減額対応をときは最低限どの程度の予算を見ておく必要があるでしょうか?
答えは・・・
最低でも100万円~120万円程度です。
これは相手方に支払う解決金と弁護士費用の合計額になります。決して安い金額ではないですが、不倫慰謝料の請求金額は300万円~500万円程度、少なくとも200万円程度であるのと比べると、ご安心されたのではないでしょうか。
もっとも、不倫期間が長くて離婚に至った事案等の事情によっては、この金額では解決が難しいこともあります。また、早期・円満な解決を目指す場合は最低限度の金額から50万円程度の上積みが必要となります。
なお、不倫相手(愛人)からの慰謝料・手切れ金請求の場合は200~300万円程度の予算で考えている方が多いようです。不倫相手(愛人)に対して迷惑をかけた気持ちがあることや、不倫相手(愛人)が居る方は経済的に余裕があるため、通常の不倫慰謝料の相場よりも予算を用意される方が多いのです。
まずはご自身が支払える最大限の金額を考えた上で、事案内容や解決方針に従って弁護士と妥当な金額について法律相談されるのが良いでしょう。
まとめ
不倫慰謝料を請求された直後は動揺してしまいがちです。不倫慰謝料を請求されたことを弁護士に法律相談するときは、ここに挙げた内容は最低限度確認し、整理立てて弁護士に伝えるようにしましょう。
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