頭では良くないと分かっているのに、関係がやめられない。そんなときは、「自分は弱いのでは」と責めてしまいがちです。ただ実際には、相手との関係が生活の一部になっていると、別れる決断も、具体的な不倫のやめ方も見えにくくなります。
そして、不倫関係が続くほど「発覚」「慰謝料請求」「職場でのトラブル」など、現実的なリスクは積み上がります。とくに慰謝料を請求される側の立場では、感情の問題だけでなく、連絡手段・別れ方・証拠の残り方までが、あとで大きな差になります。
この記事では、弁護士の実務経験を踏まえ、(1)最初に決めること、(2)不倫をやめられない理由のほどき方、(3)状況別の終わらせ方(別れ方)を整理します。
坂尾陽弁護士
- まずは会う・連絡するルールを先に決め、迷う状況を減らす
- 「やめられない理由」は感情ではなく構造として分解すると対処しやすい
- 終わらせ方は、はっきり言う/フェードアウト/社内不倫の収束で選ぶ
- 関係が長引くほど、発覚・慰謝料・職場問題の火種が増えやすい
2009年 京都大学法学部卒業
2011年 京都大学法科大学院修了
2011年 司法試験合格
2012年~2016年 森・濱田松本法律事務所所属
2016年~ アイシア法律事務所開業

Contents
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関係を終わらせるために最初に決めること(今日やること)
ここで言う「やめる」は、気持ちをゼロにすることではなく、会う・身体の関係を持つ・私的に連絡を取り合うといった行動を止めることです。気持ちはすぐに消えませんが、行動が止まれば、時間とともに整理されていきます。
別れ話の言い方より先に、「不倫を続けてしまう場面」を作らないことが重要です。やめたいのに会ってしまう人は、多くの場合「誘われた」「流れで」「断れなかった」という状況に弱いからです。
まずは、次のポイントを紙やメモに書き出して整理してください(5分で構いません)。
- 会う場所・時間帯・導線(職場の帰り道、いつもの店など)
- 連絡手段(LINE、電話、社用端末、SNSのDMなど)
- 会ってしまう理由(寂しさ、罪悪感、相手の圧、習慣)
- 相手が言ってくる言葉(「少しだけ」「最後に」「落ち着いたら」など)
- 最悪の想定(妻に言うと脅される、職場に噂が広がる、慰謝料請求)
この整理をしたうえで、次の3点を決めると、迷いが減ります。
やめる期限を決めて、判断を先延ばしにしない
「少し落ち着いたらやめる」「次の連休が終わったら」など、先延ばしにするほど、関係は続きやすくなります。今日この場で、期限を決めてください。
期限は「月末まで」「次に会う予定をキャンセルした時点」など、具体的な方がうまくいきます。期限を決めたら、期限までにやることもセットで決めます(連絡頻度を落とす、会う予定を入れない等)。
会う回数と接点を「ゼロ前提」で設計する
「少しずつ減らす」は一見やさしい方法ですが、感情が残っていると、結局ずるずる会ってしまいがちです。まずは会わないのが原則で、例外が必要なら「いつ」「どこで」「何のために」を限定してください。
例えば社内不倫のように、同じ職場で顔を合わせる場合でも「業務上の会話に限定する」「二人きりにならない」「退勤後は同じ導線を使わない」など、会う状況を減らす工夫はできます。
連絡のルールを先に決める(返信しない時間帯も含む)
不倫がやめられない人ほど、連絡が来た瞬間に気持ちが揺れます。そこで、返信しない時間帯や、見ても返さない基準を先に決めます。
具体例としては「夜は見ない」「業務中は返さない」「返すとしても事務連絡だけ」などです。ルールがないと、その都度「返すか返さないか」で消耗し、結局相手のペースになります。
別れ方は「相手の反応」と「発覚リスク」を踏まえて選ぶ
不倫の辞め方は一つではありません。相手が冷静に受け止めるタイプか、感情的になるタイプか、職場の利害が絡むかで、最適解が変わります。
また、別れ話のタイミングで連絡が増えたり、会う回数が増えたりすると、結果として証拠が増えることがあります。「関係を終わらせる過程」も含めて、動き方を設計しておく方が安全です。
不倫が発覚するきっかけや、どのような証拠が問題になりやすいかは、次の記事でも整理しています。
不倫をやめられない理由と対処(理由→打ち手の対応表)
「やめたいのに、やめられない」という状態は、あなたの意思が弱いからではありません。多くの場合、やめられない理由が複数重なり、行動が固定化しているだけです。
まずは、理由を大きく3つに分けて整理すると、打ち手が見えます。
- 感情:寂しさ、情、罪悪感、刺激、承認欲求など
- 環境:職場が同じ、連絡手段が近い、生活動線が重なるなど
- 相手:しつこい、脅す、優しくされる、離婚の期待を持たされるなど
「感情」だけに見えても、実は「環境」「相手」の要素が強いケースが多いです。ここでは、よくある理由と対処を対応表としてまとめます。
- 寂しさ・孤独の穴埋めになっている
→ 連絡を断つ前に、夜や休日に「一人にならない予定」を先に入れます。友人と会う、短時間の運動をするなど、代替行動を用意すると成功率が上がります。 - 相手への情・罪悪感が強い
→ 「やめることが相手のためにもなる」と言語化しておきます。不倫は続くほど相手の家庭や自分の生活を壊しやすく、長引かせる方が傷が深くなりがちです。 - 刺激が強く、身体の関係が習慣化している
→ 会う前提の生活動線を切ります。帰宅時間・よく行く店・SNSの見方など、引き金になる行動を一つずつ外します。「会わない」を最初の勝ち筋にします。 - 相手が魅力的で「選ばれている自分」を手放せない
→ 承認欲求を満たす先を分散させます。仕事の目標設定、学び直し、趣味コミュニティなど、恋愛以外の「評価される場」を増やすほど依存は弱まります。 - 「いつか離婚する」「そのうち一緒になれる」という期待がある
→ 期待は、あなたを前に進ませる一方で、関係を終わらせにくくします。本当に「期待は現実になるのか」を判断する基準を持ちます。 - 家庭や恋人関係がしんどく、現実逃避になっている
→ 「不倫をやめる/家庭を立て直す/離れる」など、あなたが守りたい生活を言葉にして優先順位をつけます。不倫を続けると問題が解決するどころか、火種が増えてしまうケースが多い点も押さえておきましょう。 - 相手が怒る・泣く・脅すなど、別れ話が怖い
→ 一人で対応しない方が安全な場面があります。別れ話は短く、事実だけを伝え、感情のやり取りを増やさない。危険を感じるときは、記録を残しつつ、弁護士など第三者に相談してから動きます。 - お金・仕事・評価などの利害が絡んでいる
→ プレゼントや金銭的支援、仕事上の便宜があると関係は切れにくくなります。受け取る/頼る構造を断ち、依存の糸口を減らします。 - 社内不倫で、仕事上の接点が切れない
→ 業務連絡は必要最小限・文面は事務的に。二人きりの状況を避け、退勤後の接点をゼロに近づけます(社内不倫の終わらせ方は次章で扱います)。
気持ちが残るのは自然ですが、行動(会う・連絡する)を先に止めない限り、気持ちは整理されません。まずは行動を変える設計が先です。
不倫をやめたあとに「空白がつらい」「戻りたくなる」と感じるのも珍しくありません。気持ちの波で判断をひっくり返さないための考え方は、次の記事も参考にしてください。
(参考)不倫をやめたのに辛いと感じるときの対処(後戻り防止)
上の対応表で「怖さ(脅し・暴露)」や「利害(職場)」が当てはまる場合は、通常の恋愛の別れ方よりも慎重さが必要です。次の章で、状況別に「不倫の終わらせ方(終わり方)」を3パターンで整理します。
不倫のやめ方・終わらせ方は3パターン(別れ方の選択肢)
不倫の終わらせ方は、「どれが正しいか」ではなく、あなたの状況で安全に終わるかで選びます。相手の性格、職場の関係、発覚リスクによって、最適なやり方は変わります。
大まかには、次の3つのパターンです。
- 相手が受け止められる:はっきり伝えて短期決着
- 逆上や暴露が心配:フェードアウトで安全設計
- 職場が同じ:社内不倫の収束(業務の安全設計が先)
どのパターンでも共通する原則は、次のとおりです。
- 結論を変えない
→ 一度「終える」と決めたら、例外を作らない(会う・電話する等の例外が復活の入口になります)。 - 長文で説明しない
→ 長い説明は、相手に反論の余地を与えます。結論と境界線を短く伝えます。 - 相手を必要以上に傷つけない
→ 恨みや逆上はトラブルの火種です。できる範囲で穏やかに終える方が安全です。
はっきり伝えて終える(短期決着)
相手が冷静に話せるタイプで、暴露やストーカー等の不安が小さい場合は、短期決着が向いています。長引かせるほど情が残り、連絡の口実も増えてしまうからです。
ポイントは、相手を刺激しない範囲で、理由を長く語らず、結論と境界線をセットで伝えることです。責める言い方や過度な謝罪は、議論を長引かせる原因になります。
会って話すのが難しい事情がある場合は、無理に会う必要はありません。文章や電話で伝える場合でも、短く・同じ内容を繰り返す方が、話がこじれにくいです。
- 場所と時間を選ぶ
→ 人目のある場所、短時間で切り上げられる状況を選びます(密室は避ける)。 - 言う内容をメモにしておく
→ 感情のやり取りになるとぶれます。「終える」「連絡しない」の2点に絞ります。 - 終わった後のルールを同時に決める
→ 連絡手段の整理(通知オフ、ブロック等)を当日中に行い、引き戻しを防ぎます。
伝え方の例は、次のように短くまとめる方が安全です。
- 「今日で終わりにしたい。もう会わないし、連絡もしない」
- 「あなたを責めたいわけではない。けれど、この関係は続けられない」
- 「気持ちがあっても、行動は終わらせる。これで最後にする」
一方で、次のような言い方は相手を刺激し、恨みや報復の火種になりやすいので避けましょう。
- 「あなたより〇〇の方が好き」など、比較で煽る言葉
- 「あなたが悪い」「あなたのせいで人生が壊れた」など責任を押しつける言葉
- 「絶対に離婚すると思ってた」など、相手を追い詰める言葉
相手が「最後に会いたい」「少しだけ話したい」と言ってきても、例外を作るほどズルズル続きやすいので、例外を作るなら条件を限定しましょう。
フェードアウトで終える(安全設計)
相手が感情的になりやすい、職場や家庭へ口外される不安がある、押しに弱くて会ってしまう――このような場合は、フェードアウトの方が安全なことがあります。
ただし、フェードアウトは「何となく距離を置く」ではありません。会う回数・連絡頻度を下げるルールを先に決め、例外を作らないことが重要です。
よくある失敗は、「距離を置いたつもりでも、たまに会う」「優しさから返信してしまう」ことで、相手の期待が残り続けるケースです。フェードアウトは、優しく見えて、実は一貫性が必要な方法です。
- まず会う予定を入れない
→ 「忙しい」「都合がつかない」で予定を作らない期間を先に確保します。 - 連絡は遅らせ、短く返す
→ 反応が早いほど相手の期待が増えます。事務的・短文に寄せます。 - 最終的には一度だけ結論を送る
→ ずっと曖昧にすると相手が追ってきます。どこかで「終える」を明確にします。
最後に送るメッセージは、長文で説得するより、結論を短く伝える方が効果的です。
- 「これ以上は続けられない。今後は連絡しないでほしい」
- 「返信もしない。必要なことがあれば弁護士を通してほしい」
フェードアウト中に「別れてくれない」「しつこい」「脅される」などが出てきたときは、対応を誤ると火が大きくなりがちです。状況別の対処は次の記事で整理しています。
(参考)不倫相手が別れてくれない・しつこいときの対処(暴露・ストーカー等)
社内不倫は「職場の安全設計」を前提に終える
社内不倫は、別れたくても「毎日顔を合わせる」「業務で連絡が必要」という制約があります。この場合は、恋愛の別れ方よりも、職場で再燃しない仕組みを先に作ることが重要です。
特に、上司・部下の関係や、同じチームでの関係は、周囲の目が厳しく、噂や評価にも影響が出やすいです。別れた後も「二人だけの空気」が続くと、周囲は敏感に気づきます。
- 業務連絡と私的連絡を完全に分ける
→ 業務連絡は必要最小限・文面は事務的に。私的な連絡はゼロに近づけます。 - 二人きりにならない
→ 会議室・車内・喫煙所など、偶然でも密室になりやすい場所を避けます。 - 噂・発覚の火種を減らす
→ 退勤後に会わない、同じ店に行かないなど、周囲から見て疑われる行動を減らします。
社内不倫は、退職・異動・処分(解雇を含む)といった問題に発展することもあります。職場リスクを含めた整理は、次の記事で詳しく解説しています。
(参考)社内不倫の慰謝料請求と退職・解雇のリスク(職場での終わらせ方)
関係を終わらせたい一心で、金銭の約束や「絶対に口外しない」といった口約束を安易にしないでください。状況によっては、新たなトラブルや証拠の火種になります。
また、相手が既婚者の場合、あなたが「やめたいと思っていた」こと自体は、慰謝料の問題で免罪符にはなりません。とはいえ、関係を断つことで、発覚や請求のリスクをこれ以上広げない効果は期待できます。
「自分のケースではどの方法が良いか迷う」「具体的な不倫の辞め方をもう少し知りたい」という方は、こちらも参考にしてください。
(参考)不倫相手と別れたいのに別れられないときの手順と注意点
別れを伝えた後は、「一度だけ返して、あとは返さない」といった対応の方が、結果的に穏やかに収束しやすいことがあります。曖昧なやり取りが続くと、相手の期待が残り、会う口実も増え、発覚や慰謝料請求のリスクが広がりやすいからです。
どうしても業務上の連絡が必要な事情(社内不倫など)がある場合は、内容を事務連絡に限定し、私的な話題を入れないことが重要です。返信も勤務時間内にまとめ、夜間や休日にやり取りが続かない形にします。
不倫をやめても、過去の行為がなかったことになるわけではありません。ただ、関係を断つことで、慰謝料の交渉や生活の立て直しに向けて、次の一手が取りやすくなります。
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別れ際に起きがちなトラブル(暴露・金銭要求・ストーカー)と回避策
不倫をやめたい人が一番つまずきやすいのは、「関係を終わらせる」と決めた直後です。別れ話をした瞬間から、相手の感情が揺れ、行動が読めなくなることがあります。ここでは、別れ際に起きがちなトラブルと、被害を大きくしないための回避策を整理します。
まず前提として、不倫は意外とバレやすいです。あなたが慎重に行動していても、相手のスマホや行動の変化、周囲の目撃、会話の矛盾などから配偶者が「薄々気づいている」ケースは少なくありません。配偶者側が弁護士に相談して、証拠をそろえるために静かに動いていることもあります。
「揉めないように別れる」だけを目標にすると、相手の要求に引っ張られてしまうことがあります。心当たりがあるなら、揉めても被害が拡大しない別れ方を先に作っておく方が安全です。
不倫が発覚するきっかけ(どこでバレやすいか)を知っておくと、別れ話の局面での注意点も見えやすくなります。
別れ話を始める前にやっておきたい準備
トラブルを避けるための準備は、難しいことではありません。大切なのは、別れ話の勢いで判断を誤らないことです。
- 別れ話は「会って」より「文章」で始める(感情の爆発・長時間化を避ける)
- 連絡は1つに絞り、やり取りは保存できる形にする(削除しない)
- 会う場所・帰宅動線を変え、相手が押しかけにくい状態を作る
- 職場・家族・友人など、必要最低限の「相談できる人」を確保する
別れ話の前後は、相手の反応次第でリスクが急に上がります。少しでも不安があるなら、「一人で会って説明する」よりも「記録が残る形で端的に伝える」方が安全です。
どうしても対面で話すなら守るルール
相手が「会って話したい」と言い張り、完全に避けるのが難しいこともあります。その場合でも、危険を減らすルールを決めてください。
- 場所は人目のあるカフェなどにする(車内・相手の自宅・ホテルは避ける)
- 時間を区切り、長時間の話し合いにしない
- 帰り道で二人きりにならない(乗せてもらわない)
- 言い争いになりそうなら、その場を離れると決めておく
「最後に一度だけ会って穏便に」という発想が、相手の執着を強めるきっかけになることもあります。対面を選ぶなら、関係を続けないための選択として、淡々と短く終わらせることが大切です。
「妻に言う」「職場にバラす」と脅された場合
別れ話の局面では、「奥さんに全部言う」「職場にばらす」などの脅し文句が出ることがあります。ここで恐怖から、会う約束をしたり、要求をのんだりすると、相手が「脅せば言うことを聞く」と学習してしまい、長期化しがちです。
基本は、次の順で対応します。
- 感情的に反論せず、短く「関係は終わり。今後は連絡しないでほしい」と返す
- 以後のメッセージは保存し、スクリーンショット等で記録を残す
- 脅しが続くなら、連絡頻度を下げ、接点を増やす対応(会う・長文返信)はしない
- 職場の上司部下など立場差がある場合は、ハラスメント化も想定して早めに相談する
返信例(テンプレ):「関係は終わりにします。これ以上の連絡は控えてください。今後は必要な連絡以外は返信しません」。ポイントは、理由の説明で説得しようとしないことです。
なお、脅しの内容が具体的(日時・方法・相手の配偶者の連絡先を示す等)で、エスカレートしている場合は、あなたの安全を優先してください。状況により、弁護士に間に入ってもらい、窓口を一本化する方が収束しやすいことがあります。
金銭を要求された場合(口止め料・借金・示談金など)
「黙っていてほしいなら金を払え」「今までの分を払え」など、金銭を要求されることがあります。この場合、まず整理してほしいのは、相手(不倫相手)からの要求と、配偶者からの慰謝料請求は別問題だという点です。
不倫相手にお金を渡しても、配偶者の慰謝料請求が消えるわけではありません。むしろ、金銭の授受が新たな証拠になったり、要求が繰り返されたりして、問題が複雑化することがあります。
口約束でお金を払う、相手の言うとおりに会う、条件をのんだうえで関係を続ける――こうした対応は、さらに要求を強めるきっかけになり得ます。支払いや約束をする前に、必ず一度立ち止まってください。
対応の基本は、①要求は記録する、②即答しない、③安易に支払わない、④必要なら専門家に相談する、です。配偶者側から正式に慰謝料請求が来た場合は、相場や減額のポイントも含めて整理する必要があります。
ストーカー化・つきまといが怖い場合
別れ話をきっかけに、相手が逆上して執着し、つきまといや押しかけに発展するケースもあります。頻度は高くありませんが、「起きるときは急に起きる」のが特徴です。
次のような兆候があれば、早めに距離を取りましょう。
- 帰宅経路や自宅付近に現れる/職場の出入りを待つ
- 連絡が過剰(短時間に大量の電話・メッセージ)
- 「会えないなら全部壊す」など極端な発言が出る
- あなたの交友関係や家族へ接触しようとする
この場合、説得よりも安全確保が優先です。連絡手段を整理し、記録を残し、必要なら警察相談も含めて外部の力を使ってください。別れ話で相手が感情的になるほど、「会って落ち着かせる」は危険な選択になり得ます。
別れを切り出したのに相手が別れてくれない、連絡が止まらないといった状況では、次の記事も参考になります。
(参考)不倫相手が別れてくれない・しつこいときの安全な距離の置き方
社内不倫をやめたい・終わらせ方|退職・解雇のリスクを踏まえた対処
社内不倫は、関係を終わらせた後も同じ職場で顔を合わせる可能性が高く、「業務連絡」と「私的な関係」が混ざりやすいのが特徴です。感情の整理だけで押し切ると、職場トラブル(退職圧力・懲戒・ハラスメント化)や、慰謝料問題に発展するリスクが高まります。
社内不倫の終わり方(終わらせ方)として、優先順位が高いのは次の4点です。
- 業務外で会わない・連絡頻度を落とし、職場での接触機会を減らす(公私の切り分け)
- 別れ話は「説得」より、関係終了の意思を端的に伝えて長期戦にしない
- 退職を求められた場合は「法的に必要か」と「現実にどう収束させるか」を分けて判断する
- 解雇・懲戒、ハラスメント化、慰謝料請求の兆しがあるなら早めに弁護士へ相談する
別れた後も仕事は続きます。だからこそ、次のように「業務連絡のルール」を決め、私的な関係に戻る余地を減らすことが重要です。
- 連絡は業務チャット・社用メールなど会社のルールに沿った手段に限定する
- 内容は業務に必要な要点のみ(雑談や私的な話題を入れない)
- 時間帯を決め、夜間・休日のやり取りを作らない
以下、相談が多い論点(退職・解雇・上司部下・ダブル不倫・接触禁止)を、実務目線で補足します。
退職を求められた場合(社内不倫 退職)
社内不倫が発覚しても、法律上「不倫をした=当然に退職しなければならない」とは限りません。他方で、会社側の対応(注意指導・配置転換・異動)や、周囲の目によって、事実上“居づらくなる”ケースがあるのも現実です。
ここで大切なのは、「退職する/しない」を二択で即断しないことです。次の観点で状況を整理してください。
- 会社が求めている内容は何か(退職なのか、異動・注意なのか)
- 就業規則や職場秩序への影響がどこにあるか(業務時間中の私的接触など)
- あなたの生活への影響(収入、転職可能性、家計への波及)
- 不倫相手との関係を切るために「職場での距離」をどう作るか
退職届の提出を急かされたり、感情的に責め立てられたりすると、判断が鈍りがちです。いったん持ち帰り、状況を整理したうえで落としどころを検討しましょう。
(参考)社内不倫で慰謝料を請求されたとき退職の必要性や減額のポイントを解説
解雇される?懲戒処分になる?(社内不倫 解雇)
「社内不倫がバレたら解雇されるのでは」と不安になる方は多いですが、解雇や重い懲戒処分は、一般に会社側が無条件にできるものではありません。
ただし、次の事情が重なると、会社が“職場問題”として介入しやすくなります。
- 上司・部下など、評価・指揮命令関係がある(公正性やパワハラ疑義が出やすい)
- 業務時間中の私的接触、社用端末での私的連絡など、職務専念義務との衝突がある
- 別れ話の後に、つきまとい・嫌がらせ・情報拡散などの二次被害が起きている
重要なのは、「恋愛の話」ではなく「雇用・職場秩序の問題」として整理される場面があることです。社内不倫をやめたい人ほど、早めに論点整理をしておく方が安全です。
上司・部下/同僚で論点が変わる(ハラスメント化の注意)
立場差がある関係では、あとから「同意がなかった」「断れなかった」と評価され、ハラスメント問題に発展することがあります。別れ話で感情的なやり取りを重ねるほど、職場への波及が広がりやすくなります。
上司部下のケースは、一般の社内不倫よりもリスクが上がりやすいので、こちらも参考にしてください。
ダブル不倫でやめられない場合
ダブル不倫になると、当事者の配偶者がそれぞれ関与し、問題が“四者”に広がることがあります。関係を終わらせたいのに、相手方が感情的になったり、配偶者同士の対立が強まったりすると、収束が難しくなりがちです。
この場合は、①慰謝料の見通し、②連絡・接触の線引き、③家族・職場への波及(情報管理)を同時に設計するのがポイントです。
(参考)ダブル不倫で請求された側の対応(減額・四者和解の考え方)
接触禁止を求められた場合(約束・条項の扱い)
不倫が問題化すると、「二度と会うな」「連絡するな」といった接触禁止を求められることがあります。しかし、とくに社内不倫等では業務上連絡を取らざるを得ない場面もあります。約束の仕方によっては、後から不利に働くこともあるため、文言・範囲・期間・違約金などを慎重に確認してください。
(参考)社内不倫の接触禁止条項(拒否・修正・違約金の注意点)
職場で発覚した/発覚しそうなときの初動(社内不倫の火消し)
社内不倫は、噂・目撃・距離感の不自然さなどから発覚することがあります。発覚直後は、焦って動くほど職場・家庭・慰謝料の問題が絡み合って悪化しがちです。
「何を言うか」より前に、「誰に・どの範囲まで・いつ説明するのか」「業務への影響をどう抑えるか」を整理したうえで対応しましょう。状況が複雑なら、先に弁護士に相談して、説明の範囲や順番を整理する方法もあります。
(参考)不倫がバレた直後の初動
(参考)不倫バレ対策|家族・職場に知られずに解決する初動と注意点
坂尾陽弁護士
不倫をやめても慰謝料請求のリスクは残る(備え方)
不倫をやめたい、関係を終わらせたい――その決断自体は、生活を立て直すうえで大切です。ただし、不倫をやめた=過去の出来事が消えるわけではありません。相手の配偶者が後から不貞を知り、慰謝料請求をしてくることもあります。
弁護士が不倫トラブルを見るときは、すでに問題が表面化していることが多いため、「もっと早く切れていれば…」というケースも少なくありません。だからこそ、関係を終わらせる過程で、同時に“万が一の備え”もしておくことが重要です。
不倫がバレると慰謝料を請求されることがある
不倫が発覚すると、配偶者から慰謝料を請求されることがあります。請求金額は事案により幅がありますが、請求額としては数百万円が提示されることも珍しくありません(例として300万円前後の請求が来ることは少なくありません。)。ただし、慰謝料は事情により増減しますし、請求された金額をそのまま支払う必要があるとは限りません。
慰謝料の相場や増減事情については、こちらで整理しています。
「不倫をやめたいと思っていた」は免罪符にならない
慰謝料を請求されたとき、「強引に口説かれた」「誘われたから仕方なく会った」「本当は不倫をやめたいと思っていた」と言いたくなることがあります。
しかし、厳しい言い方になりますが、「やめたいと思っていた」だけで許されるわけではありません。相手方(配偶者)の受け止め方次第では、言い訳に聞こえて怒りを強めることもあります。また、法律上も「やめたいと思っていた」という事情が、直ちに慰謝料額に反映されるとは限りません。
主張するなら、感情論ではなく、交際期間、会った頻度、相手夫婦の状況など、評価に影響する事情を落ち着いて整理することが大切です。
不倫終了から時間が経っても請求されることがある
「もう別れたから大丈夫」と思っていたところ、数年経ってから慰謝料請求が来て驚く方もいます。発覚のタイミングは、不倫期間中とは限りません。スマホの履歴や写真、周囲の証言などで後から発覚することもあります。
もちろん、慰謝料請求には一定の期間制限(時効)が問題になることもありますが、いつから進行するかは事情で変わり得ます。安易に「時効だから無視してよい」と判断するのは危険です。請求書や内容証明が届いた場合は、放置せず、早めに状況整理をしてください。
請求が来たときの初動(やってはいけない対応も含む)
慰謝料請求が来たときに大切なのは、「反射的に返さない」ことです。あなたの一言が、交渉を難しくしたり、証拠になったりすることがあります。
- まずは請求書・LINE等のやり取りを保存する(削除しない)
- 相手(配偶者)と感情的な応酬をしない(長文・謝罪の乱発は避ける)
- 支払いの約束、分割の口約束、示談書のサインを急がない
- 不倫相手と口裏合わせをしない(後で矛盾が出ると不利になり得る)
どのように対応すべきか迷うときは、早めに全体像を把握してから動く方が安全です(参考:慰謝料を請求されたら)。
相手の協力が必要になる場面もある(ある程度良好な関係を保つ)
不倫を終わらせた後でも、慰謝料請求への対応で、相手(不倫相手)側の協力が必要になる場面があります。たとえば、相手から「夫婦関係はすでに破綻していた」と聞かされていたケースでは、その点が争点になることがあります(ただし、口頭で「破綻していた」と聞いただけでは足りず、客観的事情が必要です)。
このため、将来に備えて、相手と最低限連絡が取れる状態を残すことは実務上も意味があります。ここでいう「良好な関係」とは、恋愛関係を続けることではなく、次のような“線引きした関係”です。
- 会わない(会うと再燃リスクが上がるため)
- 連絡は必要最小限・事務的にし、夜間や長文のやり取りを避ける
- 感情的なやり取りになりそうなら、やり取りを止めて時間を置く
- 連絡先は残しても、ブロックではなく「通知オフ」等で自分の生活を守る
相手の配偶者から連絡が来たとき、直接やり取りをすると火に油を注ぐことがあります。
弁護士を窓口として連絡を取り、事実関係を整理したうえで対応した方が、結果として負担が軽くなりやすいです。
「不倫をやめたいのに、やめられない」状態から抜けるためには、相手との距離を作ることが最優先です。一方で、万が一の慰謝料請求に備えて、相手と最低限の協力関係を保つ――この2つは両立できます。ポイントは、会わない・私的な関係に戻らないという線引きを徹底することです。
実際に慰謝料を請求された場合の全体像(初動、減額の考え方、やってはいけない対応)については、こちらでまとめています。
(参考)不倫慰謝料を請求されたら|初動対応・支払義務・高すぎる/払えないとき
不倫を断ち切った後がつらいとき(喪失感・罪悪感)と再発防止
不倫をやめると決めて距離を取った直後は、気持ちが軽くなるどころか、反対に苦しくなることがあります。相手からの連絡が途絶えた喪失感、思い出がよみがえる寂しさ、そして「自分が誰かを傷つけたかもしれない」という罪悪感が、波のように来るからです。
ここで大切なのは、つらさを「意思が弱い証拠」と決めつけないことです。関係が長いほど、連絡・会う予定・感情の高ぶりが生活のリズムに組み込まれています。リズムが崩れれば、反動が出るのは自然です。
「連絡したい」衝動は、感情ではなく行動で処理する
衝動が強いときに考え込むほど、頭の中で相手が美化されやすくなります。ポイントは、気持ちを消そうとするのではなく、連絡してしまう状況を作らないことです。
- スマホの通知を切り、連絡先・SNSの導線を見えにくくする(衝動の入口を減らす)
- 「今日だけは連絡しない」と期限を区切り、我慢を細切れにする
- 深夜・飲酒時など、判断が弱る時間帯に一人で連絡しない仕組みを作る
- どうしても苦しいときは、友人・家族・専門家など“別の窓口”に話す
「我慢できないから連絡する」ではなく、「連絡しないための仕組みを先に置く」と、少しずつ楽になります。
罪悪感が強いときは、「やめ続けること」を償いに変える
罪悪感は、あなたが状況を改善したいと思っているサインでもあります。ただ、罪悪感が強いほど「せめて最後に会って話したい」「きちんと謝りたい」といった行動に引っ張られ、再燃につながることがあります。
やめることを決めたなら、償いは“連絡して謝ること”よりも、やめ続けることで実現できます。相手に「優しい別れ方」を提供するより、関係を終わらせて新しい火種を作らない方が、結果として多くの人の負担を減らします。
再発防止は「空白を埋める計画」で決まる
不倫をやめた後の最大の敵は、時間と気持ちの空白です。空白を放置すると、寂しさが強い日に連絡してしまいます。以下のように、生活の穴を具体的に埋めていきましょう。
- 週の予定を先に埋める(運動・趣味・学び・人に会う予定など)
- 一人の時間の“定番行動”を作る(散歩、ジム、映画、読書など)
- つらさが長引くなら、カウンセリング等を含めて相談先を確保する
大切なのは、「気持ちが落ち着いたら行動する」ではなく、行動が先で、気持ちは後からついてくるという順序です。
なお、別れ方や別れた後の距離の置き方で迷う場合は、状況に応じて関連記事も参考にしてください。
- 不倫をやめるなら、まずは会わない設計と連絡ルールを先に決める
- やめられない理由は「気持ち」ではなく構造として分解すると対処しやすい
- 別れ際は、暴露・金銭要求・つきまとい等のトラブル回避を優先する
- やめた後は、空白を埋める計画と、連絡してしまう状況を作らない仕組みが重要
坂尾陽弁護士
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