LINE・メール・電話で不倫慰謝料を請求されたら|返信・無視・合意の注意点

不倫慰謝料の請求は、内容証明のような“書面”だけでなく、LINE・メール・電話といった日常の連絡手段で突然来ることもあります。ここで焦って返すと、やり取りが証拠になったり、意図せず合意してしまったりして、後から不利になることがあります。

この記事では、LINE/メール/電話で請求されたときに、まず何をして、どう返信(または静観)するかの基本をまとめます。

  • どの手段でも共通する安全な初動(記録・時間確保・合意しない)
  • LINEで来た場合の返信・無視・既読の注意点
  • メールで来た場合の保存・添付・なりすまし注意
  • 電話で来た場合に押し切られないコツ(口頭合意を避ける)
  • 「返信したら負け?」を避ける:無視リスクと合意の落とし穴

本記事は、慰謝料請求対応の一般論と実務上の注意点をもとに整理します(個別事情で結論が変わることがあります)。

返信は「短く・事実に踏み込まず・合意しない」。これが初動の鉄則です。
(執筆者)弁護士 坂尾陽(Akira Sakao -attorney at law-)

2009年      京都大学法学部卒業
2011年      京都大学法科大学院修了
2011年      司法試験合格
2012年~2016年 森・濱田松本法律事務所所属
2016年~     アイシア法律事務所開業

不倫慰謝料に詳しい坂尾陽弁護士

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共通:LINE/メール/電話でも最初にやること(記録・時間確保・合意しない)

手段が何であっても、最初にやることはほぼ同じです。目的は「証拠を残しつつ、こちらの検討時間を確保する」ことです。

共通の初動(最低限)

  • 連絡のスクショ・保存(文面、日時、相手アカウント、通話履歴)
  • 相手が誰か確認(本人/代理人/第三者、名乗り方の一貫性)
  • 請求の内容を分解(金額、期限、支払方法、要求事項)
  • その場で認めない/払うと言わない/会う約束をしない
  • 返信するなら「確認中、回答期限」を短く返して時間を取る

「今すぐのToDo」をチェックリストで確認したい場合は、次のページが近道です。

(参考)慰謝料 請求されたら|今すぐやるべき初動対応を弁護士が5分で解説

LINEで慰謝料請求されたら(返信・無視・既読の扱い)

LINEは手軽ですが、やり取りがそのまま証拠になりやすい連絡手段です。勢いで長文返信しないことが大切です。

LINEで特に注意したい点

  • スクショだけでなく、トーク履歴が分かる形で保全(日時・相手表示を含める)
  • 既読が付く/付かないより、内容で失点しないことが重要
  • 感情的な謝罪・経緯説明は避ける(事実認定に直結しやすい)
  • 「払います」「分割で」「会って話す」など条件を確定させない

安全な返信の考え方(例)

  • 受領の事実
  • 確認中であること
  • いつまでに回答するか
  • だけに絞ります。相手が追加質問をしてきても、争点整理前は深追いしない方が安全です。

ブロックについては、相手を刺激して連絡がエスカレートすることもあります。ブロックするなら、先に記録を確保し、必要なら専門家に相談した上で判断するのが無難です。

メールで慰謝料請求されたら(保存・添付・なりすまし注意)

メールも証拠化しやすい一方で、なりすまし・転送・引用などで拡散されるリスクもあります。まずは「保存」と「軽い返信」に徹します。

メールでの基本

  • メール本文・件名・送信元・日時を含めて保存(可能ならPDF化)
  • 添付ファイルは、内容を確認する前にウイルス等も含め慎重に扱う
  • 返信する場合も、LINE同様に「受領・確認中・回答期限」のみに絞る
  • 詳細事情を書きすぎない(後で整合が取れなくなる)

メールは文章量が増えやすいので、返信は短く。「事実の認定」や「支払条件」には踏み込まないのがポイントです。

電話で慰謝料請求されたら(折り返し・録音・口頭合意を避ける)

電話は、相手の勢いに飲まれて口頭で約束してしまうリスクが高い手段です。特に請求直後は、電話での長時間協議は避けた方が安全です。

電話対応の基本方針

  • その場で結論を言わない(認めない/払うと言わない)
  • 要点は「書面(メール等)で送ってほしい」と伝え、文章に切り替える
  • 通話内容はメモを残す(日時・相手・要点)
  • 折り返しが必要でも、時間を決めて短く(長話しない)

弁護士から電話が来たケースなど、折り返し方に迷う場合は、専用ページも参考になります。

(参考)不倫中に弁護士から電話|折り返す?無視は?対応の基本と注意点

「返信したら負け?」を避ける:無視のリスク/合意が成立する場面/証拠の考え方

「返信したら認めたことになる?」と不安で、無視を選びたくなる方もいます。ですが、返信=全面的に認める、ではありません。

むしろ重要なのは、合意(条件確定)や自白(事実認定)を避けつつ、時間を確保することです。

無視の主なリスク

  • 相手が強い手段(書面化・法的手続)に進みやすい
  • こちらの事情(反論点・支払能力・分割案)が反映されにくくなる
  • 連絡が激化することもある

メッセージ上の「合意」で特に危ない例

  • 「その金額で払います」「分割で払います」
  • 「不倫していました」「いついつ会いました」など具体の認定
  • 「二度と接触しません」「違約金を払います」など誓約の確定
  • これらは、後から撤回が難しくなりやすいので、整理前は避けるのが安全です。

また、「証拠を見せてくれない」「証拠があると言われたが提示がない」といった悩みは別論点になるため、次のページで整理しています。

(参考)慰謝料請求で証拠を見せてくれない|確認ポイントと不利にならない返答

そして、請求直後のNG行動(無視・口約束・自白など)を網羅で確認したい場合は、次のページが役立ちます。

(参考)不倫慰謝料を請求されたときのNG行動|不利になる対応と安全な初動

まとめ(安全な初動と次の一手)

LINE・メール・電話で請求されても、初動でやることは共通です。最後に「これだけは守る」を整理します。

  • まず記録(スクショ・保存・通話メモ)を取る
  • その場で認めない/払うと言わない/会う約束をしない
  • 返信するなら短く「受領・確認中・回答期限」で時間を確保
  • 無視一択にしない(状況により不利になりやすい)
  • 合意・自白につながる文言は避け、必要なら早めに相談する

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最初の返信で勝負が決まることがあります。短く返して、整理する時間を確保しましょう。

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