もし、あなたが独身女性で、既婚男性との不倫に悩んでいるならこの記事をお読みください。不倫相手を本気で好きになってしまったら、様々な悩みや不安がつきまとうことと思います。
不倫で慰謝料を請求された事案を数多く扱う弁護士が実務的な視点から、不倫が遊びか本気かを見極める方法、不倫で本気になったときのリスクや対応方法、不倫から幸せになれるケース等を解説します。
2009年 京都大学法学部卒業
2011年 京都大学法科大学院修了
2011年 司法試験合格
2012年~2016年 森・濱田松本法律事務所所属
2016年~ アイシア法律事務所開業
Contents
1. 不倫が本気か遊びかが問題となるケース
1.-(1) 不倫相手を本気で好きになったときに生じる問題
不倫をしているうちに不倫相手の既婚者を本気で好きになってしまい、後戻りできなくなったという人は意外と多く存在します。
しかし、自分が本気で思っていても、相手はあなたのことを単なる浮気相手に過ぎないと思っており、そこまで本気ではないというケースも少なくありません。
不倫相手を本気で好きになりそうなときは、不倫相手があなたをどう思っているかや不倫のリスクについて知っておく必要があります。
1.-(2) 本気と遊びが判断しにくい不倫のパターン
不倫には様々なパターンがありますが、弁護士として不倫問題を扱うと本気か遊びかの迷いが生じるのは既婚男性と独身女性の不倫のケースが多いように感じます。
男性は色んな異性と浮気をしやすく、女性は1人の異性との関係を重視する傾向にあると一般的に言われていることと関係あるのかもしれません。
既婚女性が不倫をするときは夫婦生活に思いつめたケースが多いのに対し、既婚男性が不倫をするときは軽い遊びの気持ちであることも少なくありません。
そのため、既婚男性と独身女性の不倫については、独身女性側が本気で不倫相手を好きになると不倫相手が本気か遊びかよくわからずに迷いが生じることになります。
2. 本気の不倫と遊びの不倫の判断基準
ひと口に不倫といってもその形は人によってさまざまで、割り切った関係性を続けていく人もいれば、本気で相手を好きになって配偶者と別れるような人もいます。
弁護士として不倫で慰謝料を請求された事案を扱っていると、既婚者側が都合のいい言葉ばかりかけていながら煮え切らない態度をとって独身の不倫相手を困惑させるケースを見かけます。
どれだけ甘い言葉をかけられても、それが本気でなければいつまでもどっちつかずな関係が続くだけなので、不倫の本気度を確かめるポイントを押さえておかなければなりません。
しかし、いったいどういうところを見れば不倫相手が本気で自分のことを思ってくれているのかを測ることができるのでしょうか。
2.-(1) 不倫の本気を判断する基準:離婚に向けて動いているか?
不倫相手の既婚男性に経済力があり、愛人として一生面倒を見るというケースも本気の不倫と言えるかもしれません。
この場合、あなたは不倫関係を継続しながらも、本気で愛されているというパターンもあり得るかもしれません。
しかし、大半の男性は複数の女性を経済的に支援することは難しいでしょう。現在の家庭生活を維持しながら、あなたと本気で不倫関係を継続することは難しいと言えます。
従って、もし、あなたとの関係を本気で考えているなら、離婚に向けて具体的に動いているはずです。
2.-(2) 家庭が上手く行っていないは信用できない
しかし、不倫相手である既婚男性が「家庭が上手く行っていない。妻と別れて君と結婚したい」等と言っても、それだけで信用してはいけません。
不倫で慰謝料を請求された独身女性側の弁護士としては、ほとんどの事案と言って良いぐらいに既婚男性からそのように言われて不倫関係を続けてしまったという話を聞きます。
既婚男性が都合の良い言葉をかけようとも、それだけを信じることはあまりにも危険です。
そこで不倫相手である既婚男性の行動から、「本当に家庭を捨てて私と本気で付き合う気があるのか?」を考える必要があります。
3. 不倫の本気度を確かめる具体的なチェックポイント
3.-(1) デートをする曜日・時間
まず、不倫相手はいつ自分と会ってくれるのかを考えてみます。
もし週末や休日に会うことを避けられているのであれば、あまり本気で向き合ってもらえていないかもしれません。
家族が揃う休日に家を出るのはリスクが伴うため、家庭を壊したくないと思っている人は週末にデートをするのを嫌がる傾向にあります。
平日の仕事終わりなどに短い時間しか会ってくれないような人は、普段どれだけ口で甘い言葉を並べていても、いざというとき相手にしてくれないことがほとんどです。
逆に、休日でも真っ先に会ってくれるような人は本気で思ってくれているかもしれません。
相手の気持ちを確かめたいのであれば、平日に会うのをやめて週末のデートに誘ってみることをおすすめします。
デートの約束をするか?
遊びの不倫だと約束を交わしてデートすることがあまりないというのも特徴の一つです。
割り切れていない人はデートの帰り際などに次の予定を組んだりして定期的に会おうとします。
しかし、遊び感覚の人は都合のいいときにだけ会えばいいという考えなので、相手のスケジュールを押さえることがあまりありません。家族が出張でいないときや、性欲が溜まっているときなど、欲求を満たして欲しいときにだけ連絡があるようなら注意が必要です。
3.-(2) 身体目当ての不倫でないか?
デートのパターンにも注目してみてください。いつも行動パターンが一緒という人は注意が必要です。もし大事に思ってくれているのであれば二人でいろいろな思い出を築こうとするはずですが、思いが希薄だとデートコースに頭を凝らすようなことはありません。
特に、ラブホテルにしか行かないというような極端なケースは絶望的です。身体目当てで甘い言葉をかけて不倫関係を継続しているケースかもしれません。
どれだけ関係を維持しても明るい未来は期待できません。不倫関係に不安を抱いている人は、普段どんな所でデートをしているのか一度振り返ってみることをおすすめします。
3.-(3) 記念日とプレンゼント
不倫相手があなたの誕生日やクリスマスを一緒に祝ってくれるかどうかもポイントです。
もし誕生日を忘れられていたり、クリスマスに会ってくれなかったりした場合は、あなたのことは大事に思っていない可能性があります。
他方で、記念日を大事にしない男性も最近は増えているようです。
あなたとの記念日だけでなく、家庭の記念日も忘れがちな男性は単にそういう性格かもしれません。
そのような場合はプレゼントをおねだりすることが考えられます。不倫関係でプレゼントをやり取りすることに躊躇する男性も多いので、プレゼントをくれるのであればあなたのことを大事に思っているかもしれません。
3.-(4) 好きや愛していると言う
遊びの不倫ではお互いが好きという言葉をあまり使わない傾向があります。
好きという言葉はダイレクトに響くためどうしても一歩踏み込んだ関係に発展しがちですが、割り切れている人はそうなることが分かっているのであらかじめ愛情表現を行わないようにしています。
例えば、あなたのことを「可愛い」や「綺麗」と褒めるわりに、「好き」や「愛している」と言わない場合は単なる遊び相手だと思われている可能性があります。
もっとも、あなたが不倫相手に「私のことは好き?」と普段からよく聞いているような場合はチェックポイントとしては役に立たないでしょう。
3.-(5) 別居に向けて具体的に行動している
離婚に向けた準備をしていると既婚男性が言う場合、どのような準備をしているかは重要なチェックポイントです。
もし、不倫相手の男性が本気で離婚するつもりであれば、別居に向けた行動をしているはずです。
これに対して、「離婚について妻と話し合っている」というのは口先だけの言葉の可能性が高いでしょう。
なぜなら、既婚男性は不倫をしている有責配偶者であり、本気で離婚したいなら早めに別居する必要があるからです。
また、「家庭内でどんな話をしているか?」はあなたには分からないため、離婚準備について嘘をつきやすいとも言えます。
これに対して、別居に向けた具体的な行動はあなたにも分かることであり、男性があなたに嘘をついていない証拠だと言えるからです。
4. 不倫が本気になりやすい理由と幸せになるパターン
「不倫をして幸せになれるか?」という質問に対しては、不倫で幸せになれる可能性は低いと言わざるを得ません。弁護士としても、不倫は決しておすすめしません。
しかし、不倫の果てに結ばれるケースが存在するのも確かです。不倫が本気になりやすい理由と幸せになれるパターンについて説明します。
あなたと不倫相手に当てはまっているかを考えてみてはいかがでしょうか?
4.-(1) 不倫が本気になりやすい理由
独身女性が既婚男性との不倫関係に溺れて、不倫に本気になることは少なくありません。最初は少し良いなと思って軽い気持ちで遊んでいたつもりが、ずるずる不倫相手を本気で好きになるケースです。
既婚男性との不倫に本気になりやすいのは、端的に既婚男性が魅力的だからです。
- 家庭を持っていることによる精神的な安定感
- あなただけに依存しないため程よい距離感
- 不倫の後ろめたさによるあなたへの優しさ
他方で、もし既婚男性があなたと本気で生活を再スタートするときは、既婚男性の魅力を支えていた上記のようなポイントがなくなります。
本当に不倫相手のことが好きなのか、又は不倫相手が既婚者だから魅力的なのかは再度考えてみても良いでしょう。
4.-(2) 幸せになれるパターン①:夫婦生活が既に破たんしている
不倫が本気になるパターンはいくつかありますが、よく本気の関係に発展しやすいのは既婚者の婚姻関係が破綻しているときです。
不倫関係がズルズル続くのは、家庭を壊したくないという思いがあることが一番の要因になってるといっていいでしょう。しかし、そもそも家庭が壊れているのであればそのようなことを気にする必要もありません。
また、そのような状況下にいる人は寂しい気持ちを抱きやすいです。寂しさを埋めてくれるような人を求めるのはある意味当然のことともいえますし、浮気をするのに躊躇がありません。
夫婦生活が既に破たんしているなら、不倫相手の男性は精神的にも辛い状況にあるはずです。それでも、あなたが不倫相手のことを魅力的に感じる又は支えたいと思えるなら、不倫関係から幸せになれる可能性もあるでしょう。
4.-(3) 幸せになれるパターン③:妊娠をきっかけに責任を取る
また、あなたが妊娠したことをきっかけに態度を入れ替えるというケースも少なくありません。
人それぞれシチュエーションが異なるので一概にはいえませんが、例えば子供好きだったが自分の家庭では子宝に恵まれなかったというような男性は、不倫相手が妊娠したことで腹をくくることもあるでしょう。
しかし、妊娠は必ずしも幸せをもたらすわけではないということも意識しておかなければなりません。逃げられたり、裁判に発展したりすれば、本気になるどころか状況は悪化していく一方です。
もし不倫で妊娠した場合はそれなりの覚悟が必要になります。
5. 不倫で本気になった場合のリスク
5.-(1) 世間的に非難されるリスク
不倫はハマればハマるほどリスクが高まっていくものです。
どれだけ自分の思いは純粋だと自負していても、相手が既婚者である限りモラルに反する行為であり世間に認めてもらうことはできません。
あなたの人間関係にもよりますが、不倫をしていることが周囲にばれて職場の人間や友人から後ろ指をさされる可能性もあります。
とくに不倫相手に本気になって周囲の人間をないがしろにするのは辞めた方が良いでしょう。仲の良い友人があなたを心配して不倫相手を悪く言うと、熱くなってしまうかもしれません。
しかし、冷静さを失った結果、周囲の人間関係が壊れてしまい元の生活に戻れなくなってしまうリスクがあるので注意が必要です。
5.-(2) 慰謝料の支払義務を負うリスク
不倫関係を続けていると不倫がばれる可能性がどんどん高くなります。
(参考)不倫コラム:不倫がバレる確率と不倫がバレる5つの理由【弁護士執筆】
しかし、不倫がバレると、不倫相手の奥さんから高額な慰謝料を請求されることになります。
不倫の慰謝料は300万円程度の請求がなされることがほとんどです。慰謝料減額に強い弁護士に依頼をすれば、請求された慰謝料をそのまま支払う必要はありません。
しかし、それでも不倫慰謝料としてまとまったお金を払うことになるリスクはあります。
なお、不倫がばれて慰謝料を請求されたときは、弁護士に相談することをおすすめします。慰謝料請求は突然なされるため、パニックなって大きな損をする方も少なくありません。
慰謝料請求はいつされるか分かりません。もしかすると、現在進行形で不倫相手の奥さんがあなたに慰謝料を請求する準備をしている可能性すらあります。
慰謝料を請求された直後はいくつかのNG事項がありますので、もし慰謝料を請求されたら慎重に対応しましょう。
(参考)不倫慰謝料を請求された場合にしてはいけない4つのこと
5.-(3) 不倫が本気か分かる審判の時
不倫が本気か遊びかを判断する基準を説明してきましたが、不倫が本気か分かるのは慰謝料を請求されたときです。
不倫相手の奥さんは、あなたと不倫相手に慰謝料を請求できます。
高額な慰謝料を請求されたことで不倫相手が怖くなって、夫婦生活をやり直すこともあるのです。
不倫相手自身も本気であなたと付き合いたいと思っていても、高額な慰謝料を請求される現実に直面して気持ちが変わることも少なくありません。
あなたとしては見捨てられたことになりますが、不倫の最大のリスクは慰謝料を請求されて不倫相手の気持ちが冷める可能性があることかもしれません。
6. 不倫で本気になったときは慎重な見極めが必要
不倫相手があなたに甘い言葉を囁いても、もし、あなたが不倫相手と本気で関係を継続したいなら不倫相手の行動を慎重に見極めましょう。
不倫はモラルに反する行為です。いけないことだと分かっていてものめり込んでしまうことがあるかもしれませんが、様々なリスクもあります。
不倫相手に本気になって幸せになりたいのであれば、リスクを覚悟した上でしたたかに振舞う必要があるでしょう。
不倫がばれると慰謝料を請求されますが、慰謝料請求はいきなりされます。
高額な慰謝料を恐れて不倫相手が逃げ出すこともあるので注意が必要です。また、突然の慰謝料請求にパニックになって下手な対応をすると大きな損をしかねません。
不倫相手に本気になったのであれば、いつか慰謝料請求がされることを見越して、予め慰謝料請求をされた場合の知識を身につけることをおすすめします。
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