不倫相手が別れてくれない・しつこい｜安全な距離の置き方とトラブル回避

不倫関係を終わらせたいのに、相手が別れてくれず、しつこい連絡が続くと精神的に消耗します。放置しても収まらず、職場に来られたり、脅しのような言動が出たりすると「自分だけではもう止められない」と感じる方も多いでしょう。

この記事では、次の疑問に答えます。

不倫は慰謝料などのトラブルに発展し得るため、感情面だけでなく「安全」「証拠（記録）」「連絡手段の設計」という実務面から整理します（個別事情により最適解が変わることはあります）。不倫慰謝料問題に10年以上取り組んできた弁護士の視点で、拗れやすいポイントを踏まえて解説します。

「別れてくれない・しつこい」が起きる典型パターン

相手が引き下がらない背景はさまざまですが、よくあるのは次のパターンです。

1）感情の依存・執着が強い

「ここで終わったら全部失う」という不安が強いほど、連絡回数が増えたり、返信を引き出す言動（泣く・怒る・体調不良を訴える等）になりやすいです。

2）利害が絡んでいる（家庭・立場・秘密）

相手が既婚者である場合、「関係が切れたら困る」「秘密が漏れるのが怖い」といった利害で食い下がることがあります。

3）環境的に切れない（職場が同じ・共通の知人が多い）

接点が残ると、距離を置いたつもりでも復活しやすく、「偶然を装った接触」も起きがちです。

4）あなたの対応が“交渉の余地”になっている

責めるつもりがなくても、返信や電話に応じていると、相手は「まだ可能性がある」と受け取りやすくなります。結果として、連絡が長期化します。

なお、まだ別れ話自体ができていない・言い方に迷う段階なら、まずは別れを実行する流れを整理した記事が役立ちます（本記事は「別れた後も相手が引かないケース」に重点を置きます）。

不倫相手と別れたいのに別れられない｜関係を終わらせる手順と注意点

まず優先すべきは「安全確保」と「証拠（記録）」

相手がしつこい局面では、「説得」よりも先に安全の確保と**記録（証拠化）**が重要です。ここを押さえると、後で相談する場合もスムーズになります。

1）危険サインがあるなら、1対1で会わない

「今から行く」「家の前にいる」「職場で待つ」

「死ぬ」「会社や家族に言う」

こうした言動が出るなら、直接会って話すほど危険が増えることがあります。会えば会うほど、相手は「会えた＝関係が続く」と受け取ることもあります。

2）連絡の内容は削除せず、スクリーンショット等で残す

しつこい連絡は、「しつこさ」そのものが重要な事情になります。

LINE等のメッセージはスクリーンショット、着信履歴、留守電、SNSのDM、メールなど、時系列が分かる形で残しましょう。

「見たくないから全部消す」は気持ちは分かりますが、後で対処が必要になったときに不利になり得ます。

3）周囲に“最低限”共有する（全部話さなくていい）

職場が同じなど、偶発的な接触があり得る場合は、信頼できる同僚・上司・家族などに「特定の相手から連絡が多くて困っている」「二人きりになりたくない」と必要最小限だけ共有しておくと、いざという時に助けになります。

しつこい連絡への現実的な対処（返信ルール／連絡手段の整理／ブロック）

連絡が止まらないときの基本は、相手の感情に巻き込まれず、あなた側の運用を固定することです。ポイントは「連絡を減らす」のではなく、あなたが反応しない設計にすることです。

まず、優先順位を整理すると次のとおりです。

1）「返信しない」が最重要（返すなら“最後の1回”だけ）

相手は「返信＝話が続く」と受け取ります。説得や説明を重ねても、相手の目的が「別れないこと」であれば、結局また連絡が来ます。

どうしても区切りが必要なら、長文にせず、次のように短く一回で終える方が安全です。

例：

「今後は連絡を受け取れません。返信もしません。これで最後にします。」

このあとに反論が来ても、追加で説明を始めると“交渉”になります。そこで止めることが大切です。

2）連絡手段を整理する（通知オフ→受け口の限定）

ブロックに踏み切る前に、まずは通知を切って、あなたの生活に入り込ませない工夫をします。

また、職場が同じ等で「完全遮断が難しい」場合は、業務連絡のための経路（社内チャット等）だけを残して、私的な連絡手段は閉じる、という考え方もあります。

3）ブロック／着信拒否は“悪いこと”ではないが、使いどころに注意

ブロックは有効ですが、相手が強く逆上するタイプだと、別アカウントで連絡してくる、職場や自宅に来るなど別ルートに移ることがあります。

不安が強い場合は、ブロック前に「記録を残す」「周囲に共有する」「相談先を確保する」を整えておくと安全です。

4）「話し合い」を口実に会おうとする場合の注意

会ってしまうと、相手は「まだ可能性がある」と受け取りやすく、結果的に関係が長引きます。安全面でもリスクがあります。

会うとしても、人目がある場所、短時間、第三者同席など安全条件が必要ですが、そもそも「会わない」方が着地が早いケースが多いです。

職場が同じ場合の距離の置き方

職場が同じと、「連絡を断つ」だけでは終わりません。業務上の接点が残るので、職場でのルール設計が必要です。

1）業務連絡のルールを“形式化”する

・業務連絡は社内チャット／メールのみ

・私用の連絡はしない

・会話は用件のみ（雑談しない）

こうしたルールは、あなたの態度を安定させ、相手の期待を削ります。

2）二人きりの状況を作らない

・会議は同席者を入れる

・帰宅動線や休憩場所をずらす

・残業や出張での同行を避ける

「偶然」を減らすだけでも、相手は動きづらくなります。

3）上司・人事に相談するなら“恋愛の詳細”は言わなくてよい

相談は、必ずしも不倫の事情を開示する必要はありません。

「特定の相手から私的な接触が増えて業務に支障がある」「二人きりを避けたい」など、職場での安全配慮として伝える方法があります。

相談の目的は、あなたを守る職場ルール（席替え・担当変更・接触回避）を作ることです。

「脅し」「暴露」などが出たときの分岐（刺激しない・証拠化・相談）

相手がしつこいだけでなく、次のような言動に進むと、対応の軸が変わります。

・「家族（配偶者）に言う」

・「会社にばらす」

・「家に行く」

・「金を払え」など金銭要求を示唆する

こうした局面では、言い返したり、挑発したりすると拗れやすいです。基本は次の3点です。

1）反射的に謝り続けない／約束しない

その場しのぎで「分かった」「払う」などと言うと、相手は要求を強めることがあります。

2）画面・録音などで“脅しの内容”を残す

脅しは、後から止めるための重要な材料になります。スクリーンショット等で確実に保存しましょう。

3）詳しい対処は早めに専門家へ（ここは別記事で深掘り）

「ばらす」などの暴露を止める考え方や、脅迫・恐喝が疑われる場面の動き方は、論点が多く、状況判断が重要です。次の記事で詳しく整理しています。

不倫をバラすのは違法？名誉毀損・脅迫・業務妨害になるケースと止め方

不倫がバレて脅迫されたらどうする？口止め料・恐喝の対処と証拠の残し方

まとめ

相手が別れてくれず連絡が止まらない状況では、説得よりも「安全」と「接点を減らす仕組み」を優先した方が、結果的に早く落ち着きます。

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