婚約隠し交際 男女トラブルが訴訟に発展した場合の法的論点

1. 婚約を隠して交際していた場合とは

男性が婚約を隠して他の女性と交際していた場合(いわゆる浮気行為)、訴訟に発展した場合はどのような判断がなされるのでしょうか。

当事務所が法律相談等を受ける実感では、男性も女性もいずれも浮気行為を行うことがあります。しかし、ここでは仮に男性が婚約者女性の存在を隠して、他の女性と交際をした場合を例にとって解説します。

 

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2. 婚約者の男性に対する慰謝料請求(図①)

 

男性が婚約を隠して他の女性と交際をしていた場合、婚約破棄に基づく慰謝料が問題となります。一般的に問題となるのは婚約者から男性に対する婚約破棄に基づく慰謝料請求です。

婚約者から男性に対する慰謝料請求を行えることは問題がありません。この場合、慰謝料の相場としては100万円~300万円程度が認められます。

 

3. 婚約者の浮気相手に対する慰謝料請求(図②)

 

3.-(1)     婚約者の浮気相手に対する慰謝料は認められる

それでは、婚約者が浮気相手に対して慰謝料を請求することはできるでしょうか。婚約者が婚約関係を侵害されたことを理由として、浮気相手に対して慰謝料を請求することは事例として多くはありませんがあり得ることです。

例えば、東京地裁平成20年10月17日判決では、婚約者が浮気相手に対して婚約関係の侵害を理由に損害賠償を請求し、無駄になった結婚披露宴の費用約280万円、慰謝料100万円の請求が認められています。

 

3.-(2)     浮気相手が婚約関係を知ることが難しいためハードルが高い

 

他方で、婚約者の浮気相手に対する慰謝料請求が認められるためには、浮気相手が婚約関係を知っていたか、知る可能性があることが必要です。そして、不倫の事案と異なり、結婚に比べて婚約しているか否かを第三者である浮気相手が知ることは難しいと言えます。従って、妻の不倫相手に対する慰謝料請求に比べて、婚約者の浮気相手に対する慰謝料請求はハードルが高いと言えます。

東京地裁平成21年8月24日判決は、男性が婚約者の婚約や交際を隠して浮気をしていたため、浮気相手が婚約関係を知り得なかったことを理由として、婚約者の浮気相手に対する慰謝料請求を認めませんでした。

 

3.-(3)     そもそも二股行為の法的責任は?

 

 

なお、婚約関係は知らなかったとしても、男性が他の女性と交際していること(二股行為)を知っていたことはあります。しかし、裁判例においては、「『二股行為』が直ちに法的な違法行為になるということもできない」(東京地裁平成21年8月24日判決)と明言されており、とくに二股行為について法的責任が生じることはないと考えられます。

 

4. 浮気相手が婚約者に対して慰謝料を支払った場合(図③)

 

なお、浮気相手が婚約者に対して慰謝料を支払った場合、浮気相手は男性に対して求償請求ができることがあります。

婚約者が損害を被ったのは男性と浮気相手の共同行為によるものであり、損害賠償責任は男性と浮気相手で分担するべきものです。しかし、浮気相手が専ら一人で慰謝料を支払ったような場合には、男性に対して負担を求めることができるのです(求償権)。

 

5. まとめ

 

婚約を隠して交際していた場合、一般的には男性と婚約者の慰謝料が問題となりますが、婚約者から浮気相手に対して慰謝料が請求されることがあります。

婚約を隠されていたため浮気相手が婚約関係を知らず、又は知り得なかった場合には慰謝料請求は認められません。

しかし、そうでない場合、浮気相手が婚約者に対して慰謝料を支払ったときは、浮気相手は男性に対して求償請求ができることがあります。

 

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