不倫をばらすのはなぜ?不倫相手が妻・夫に告げる心理・目的・リスクと対処法

不倫相手が妻・夫に不倫をばらす理由は、罪悪感や謝罪だけではありません。別れを告げられたことへの反発、復讐、離婚させて自分を選ばせたい気持ち、妊娠・出産など、複数の動機が重なっていることがあります。

とくに「奥さんや夫に申し訳ないから真実を伝える」と言っていても、別れ話の直後であれば、罪悪感と「自分だけが捨てられるのは納得できない」という怒りが混在することがあります。告知の時期、要求内容、連絡方法まで見る必要があります。

ただし、妻・夫本人に一度事実を告げたことだけで、当然に違法になったり、必ず不倫慰謝料が増額されたりするわけではありません。反復する電話、相手を嘲る連絡、金銭や交際継続などの条件付き要求、会社・SNSへの拡散まで進むと、法的評価は大きく変わり得ます。

この記事では、不倫相手が妻・夫本人へ直接告げる場面と、「妻・夫へばらす」と予告する場面を中心に、心理・目的、リスク、違法性や慰謝料への影響を整理します。

  • 不倫をばらす動機は、罪悪感と別れへの反発・復讐が重なることがあります
  • 妻・夫への一度の事実告知だけで、当然に違法となったり、慰謝料が増額されたりするとは限りません
  • 反復電話、揶揄、条件付き要求、職場・SNSへの拡散はリスクが高まります
  • 「ばらす」と言われた側は、連絡内容を保存し、感情的な返信を避けることが重要です
  • 実際に告知を受けた妻・夫は、証拠を保存してから真偽を確認しましょう

坂尾陽弁護士

告知する側も、告知を予告された側も、感情だけで動くと問題が広がります。まずは連絡内容と目的を整理し、会社や家族へ広がる前に対応を決めることが大切です。
(執筆者)弁護士 坂尾陽(Akira Sakao -attorney at law-)

2009年      京都大学法学部卒業
2011年      京都大学法科大学院修了
2011年      司法試験合格
2012年~2016年 森・濱田松本法律事務所所属
2016年~     アイシア法律事務所開業

不倫慰謝料に詳しい坂尾陽弁護士

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不倫をばらす行為は、告知先と方法でリスクが変わる

「不倫をばらす」といっても、告知先、方法、回数によって問題は異なります。妻・夫本人への直接告知と、会社やSNSを巻き込む拡散は分けて考えなければなりません。

まず、直接告知、告知予告、条件付き要求、反復連絡、第三者への拡散を切り分けてください。

不倫相手が妻・夫本人に直接告げる

不倫相手が、妻・夫本人に電話、LINE、手紙、SNSのダイレクトメッセージなどで事実を告げる場面です。謝罪、別れ話への反発、妊娠や子どもの告知など、目的はさまざまです。

妻・夫本人は婚姻関係の当事者であり、不特定多数の第三者とは立場が異なります。一度、事実だけを伝えた行為が直ちに違法になるとは限りませんが、虚偽・誇張、反復電話、侮辱、私的画像の送信などが加われば評価は変わり得ます。

「妻・夫にばらす」と予告する

「別れるなら奥さんに全部話す」などと予告する場合、単なる行動予告なのか、相手を怖がらせて関係継続や離婚を迫るものなのかは、文言と前後の経緯で判断が変わります。

告知しないことと引換えに金銭、交際継続、離婚、退職などを求める場合は、別の問題が生じ得ます。言い争わず、LINE、メール、留守番電話、通話履歴を保存してください。詳しくは、不倫トラブルで「ばらす」と脅された場合の対処法で解説しています。

会社・職場、家族、SNSなど第三者に広げる

勤務先、親族、知人、SNSの閲覧者などへ広げる行為は、直接告知より被害範囲が大きくなります。事実が真実でも、必要性、内容、告知範囲、表現方法によって、名誉毀損やプライバシー侵害などが問題となることがあります。

会社への報告前は不倫を会社へ報告する法的リスクを、伝わった後は会社にばらされた後の対応を確認してください。SNS等はSNSや匿名投稿で暴露された場合の対応で解説しています。

行為 主な問題 詳しく確認する内容
妻・夫本人への直接告知 目的、内容、方法、反復性によって評価が変わる 本記事で心理・リスク・違法性を解説
「ばらす」と予告する 関係継続や金銭等の条件と結び付くか 脅迫への対処
会社・職場へ伝える 仕事、信用、プライバシーへの影響 会社報告の法的リスク
SNSや知人へ広げる 拡散範囲が広く、削除や被害回復が難しくなる SNS・匿名投稿への対応

第三者への拡散や条件付き要求へ移った場合は、早い段階で直接告知と分けて対応しましょう。


不倫相手が妻・夫にばらす心理・目的

不倫相手が自分にも不利益が及び得るのに告げる背景には、罪悪感、怒り、不公平感、関係を失う恐怖などがあります。

「謝罪したい」と「自分を捨てた相手を困らせたい」という気持ちが同時に存在することもあります。

罪悪感から謝罪し、真実を伝えたい

不倫を続けるうちに、不倫をされた妻・夫や子どもに対する罪悪感が強くなり、「これ以上隠し続けられない」「自分の口から謝りたい」と考える人はいます。不倫をした配偶者が事実を一部しか話していないと感じ、自分が知っている経緯を伝えることが真実に近づくと考える場合もあります。

もっとも、謝罪目的であれば、どのような方法でも許されるわけではありません。相手の生活時間を無視した反復電話、突然の自宅訪問、子どもを巻き込む連絡、侮辱的な表現まで正当化されるものではなく、目的と手段は分けて考える必要があります。

別れへの反発や復讐で相手を困らせたい

実務上よく見られるのは、不倫をした配偶者から関係解消を告げられた後に、告知予告が始まるケースです。不倫相手から見れば、自分は関係や将来への期待を失うのに、不倫をした配偶者だけが家庭へ戻って以前の生活を続けるように映ります。

その不公平感から、「自分だけが傷つくのはおかしい」「家庭も無傷ではいられないようにしたい」という反発や復讐心が生まれることがあります。告知が、妻・夫への謝罪というより、不倫をした配偶者への意趣返しとして使われる場面です。

別れを受け入れてもらえず、連絡や接触が続いている場合は、告知問題だけでなく関係解消の進め方も整理してください。不倫相手が別れてくれない場合の対処法では、距離の置き方とトラブルを広げない連絡管理を解説しています。

「妻・夫に申し訳ない」は本心でも、反発や復讐が重なることがある

不倫相手が「奥さんや夫に申し訳ないので話す」と述べている場合、その罪悪感が直ちに嘘だと決めつけるべきではありません。ただし、本人が罪悪感を抱いていることと、捨てられたことへの怒りや復讐心が併存することは矛盾しません。

実務上よくある動機の重なり

「妻・夫に申し訳ないから話す」という言葉が本心でも、別れ話の直後には、捨てられたことへの怒りや復讐心が同時に働くことがあります。どれか一つに決めつけず、行動全体から見極めることが重要です。

表向きの説明だけで判断せず、次の事情を確認すると、告知の主な目的を整理しやすくなります。

  • 別れ話との時間的な近さ:別れを告げた直後に告知予告が始まっているか
  • 告知しないための条件:交際継続、離婚、金銭、退職などを求めているか
  • 連絡の内容:謝罪や事実説明より、非難、揶揄、侮辱が中心になっていないか
  • 告知先の広がり:妻・夫本人だけでなく、親族、子ども、会社、SNSへ広げようとしているか
  • 告知後の要求:関係継続や離婚を迫る連絡が続いているか

妻・夫と離婚させ、自分を選ばせたい

不倫相手が、「妻・夫に知られれば夫婦は離婚し、自分との関係が正式なものになる」と期待して告げる場合もあります。不倫をした配偶者から「いずれ離婚する」「夫婦関係は終わっている」と説明され、その言葉を信じ続けてきたときに起こりやすい動機です。

しかし、告知したからといって、不倫をした配偶者が自分を選ぶとは限りません。妻・夫への発覚をきっかけに、不倫関係を完全に解消し、連絡を遮断し、弁護士を通じた対応へ切り替えることもあります。告知は、望んだ関係を実現するどころか、関係終了を早める結果にもなり得ます。

妊娠・出産・認知・養育費の問題を動かしたい

不倫相手が妊娠した、すでに子どもを出産した、認知や養育費の話が進まないといった事情から、妻・夫へ直接知らせようとすることがあります。不倫をした配偶者が問題を先送りしたり、約束した支払や話合いに応じなかったりすると、告知によって状況を動かしたいと考えることがあります。

もっとも、認知や養育費は子どもの権利に関わる問題です。妻・夫への告知を圧力にすることと、認知請求や養育費の手続は分け、必要に応じて弁護士へ相談してください。

自分だけに責任を負わせないため、事実を残したい

不倫をした配偶者が「相手から誘われた」「もう終わっている」などと自分に有利な説明をしていると感じ、不倫相手が自分の言い分や経緯を妻・夫へ伝えようとすることがあります。約束、交際期間、既婚であることを告げられた時期、別れ話の内容などを示し、自分だけに責任を押し付けられないようにしたいという自己防衛の動機です。

事実を残す目的と、告知方法が相当かは別問題です。大量のメッセージや第三者への送付は、自己防衛の範囲を超える可能性があります。


不倫相手が自らばらすことで生じるリスク

不倫をばらす行為は、不倫相手自身が慰謝料請求、証拠化、関係解消、別の損害賠償請求を受けるきっかけにもなります。

慰謝料請求や証拠収集の端緒を自ら作る

妻・夫が不倫を知らなかった場合、不倫相手からの告知は、慰謝料請求を検討する直接のきっかけになります。告知後に、不倫をした配偶者への確認、適法な範囲でのスマートフォンや決済履歴の確認、探偵への依頼などが始まり、これまで見つかっていなかった資料が集まることがあります。

告知のLINE、メール、手紙、録音に、交際期間、肉体関係、既婚認識、宿泊、妊娠などを認める内容があれば、証拠の一つになり得ます。ただし、告知だけで不貞行為や故意・過失が当然に証明されるわけではありません。不倫慰謝料の金額に影響する一般的な事情は、不倫慰謝料の算定要素も参考にしてください。

期待した離婚・関係継続ではなく、関係解消につながる

妻・夫へ知らせれば自分が選ばれると期待しても、逆に関係を終わらせ、連絡先を変更し、弁護士を窓口にすることがあります。

告知によって信頼関係も失われやすくなります。不倫をした配偶者から見れば、秘密を共有していた相手が家庭へ直接連絡したことになり、その後の関係継続が難しくなるためです。告知は「関係を確定させる手段」ではなく、関係を完全に終わらせる契機にもなり得ます。

電話・LINE・手紙が証拠として保存される

受け取った側は、画面、送信日時、アカウント、電話番号、留守番電話、封筒などを保存できます。送信取消しやアカウント削除をしても、スクリーンショットや録音が残ることがあります。

とくに、告知しない条件として金銭や交際継続を求めた記録、相手を侮辱する文言、会社や家族への拡散を予告する文言は、不倫慰謝料とは別の問題を検討する資料にもなり得ます。送信前には、その文章が後から第三者に読まれても説明できる内容かを考える必要があります。

反復連絡や第三者拡散が別の責任につながることがある

一度の直接告知から、何十回もの電話、無言電話、自宅訪問、待ち伏せ、職場への連絡、SNS投稿へエスカレートすると、単なる告知とは別の法的問題が生じやすくなります。不倫をされた側が精神的被害を受け、通院や転居を余儀なくされた場合には、その被害も具体的な事情として主張される可能性があります。

連絡を止めるよう求められているのに接触を続けている場合は、早い段階で本人同士の応酬をやめるべきです。反復連絡やつきまとい等に発展している場合は、不倫相手からの継続的な嫌がらせへの対処も確認してください。

告知の狙い 想定している結果 起こり得る逆効果
妻・夫を困らせる 家庭に混乱を起こす 慰謝料請求や証拠収集のきっかけになる
離婚させて自分を選ばせる 不倫関係を正式化する 関係解消や弁護士対応に切り替わる
自分の言い分を残す 責任を公平にする メッセージ自体が証拠として保存される
告知を材料に要求する 金銭や交際継続を得る 脅迫・強要・恐喝等の問題が検討される

妻・夫への直接告知は違法か、慰謝料に影響するか

妻・夫へ不倫をばらす行為の法的評価では、二つの問題を分ける必要があります。一つは、告知行為そのものが独立した不法行為として損害賠償の対象になるかという問題です。もう一つは、告知やその後の行動が、不貞慰謝料の金額を判断する事情として考慮されるかという問題です。

一度事実を告げただけで当然に違法とは限らない

民事上の不法行為責任は、故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害し、それによって損害が生じた場合に問題となります。妻・夫本人へ一度、事実を伝えたというだけで、常に違法と判断されるわけではありません。妻・夫本人への直接告知は、勤務先やSNSの多数の閲覧者へ広げる行為とも異なります。

もっとも、「事実なら何をしてもよい」という意味ではありません。告知の必要性が乏しいのに、侮辱的な表現を加え、深夜に繰り返し連絡し、私生活上の画像を送り付け、子どもや親族まで巻き込むような場合は、手段の相当性が問題になります。謝罪や真実告知という主観的な目的があっても、方法による被害が大きければ、それだけで法的責任を免れるとは限りません。

目的・内容・方法・反復性・告知先・被害が判断材料になる

直接告知が違法か、慰謝料にどのような影響を与えるかは、次の事情を総合して判断されます。

  • 目的:謝罪・事実説明なのか、意趣返し、圧力、関係継続の強要なのか
  • 内容:事実に沿っているか、虚偽、誇張、侮辱、私的画像が含まれるか
  • 方法:一度の連絡か、深夜の電話、自宅訪問、会話を聞かせる行為等か
  • 反復性:連絡拒否後も電話やメッセージを続けたか
  • 告知先と範囲:妻・夫本人だけか、子ども、親族、勤務先、知人、SNSまで広げたか
  • 生じた被害:強い精神的苦痛、通院、転居、仕事への影響等が生じたか

これらの事情は、一つだけで結論が決まるものではありません。単発の告知と、告知後も続く嫌がらせを分け、さらに第三者への拡散があるかを確認することが重要です。

裁判例では告知後の反復行為を含む複合事情が評価されている

東京地裁平成21年1月14日判決では、不倫相手が約3年から4年近く不貞関係を続け、不倫をした夫の子どもを出産した後、妻へ匿名で電話し、不貞関係と子どもの存在を告げました。その後、不倫相手は、夫との面会を妻に要求し、妻を揶揄する内容のメールも送りました。

裁判所は、不貞関係と妊娠・出産に加え、匿名電話、面会要求、揶揄するメールが妻により一層の精神的苦痛を生じさせたとして、慰謝料250万円の算定における基礎事情としました。また、判決は、子どもの問題をめぐって不倫をした夫との関係が悪化した後、不倫相手が夫への意趣返しの意図で行動したことがうかがわれるとも述べています。

東京地裁平成22年12月9日判決では、不倫相手が妻宅へ少なくとも複数回電話し、電話を通じて不倫をした夫とのやり取りを聞かせたほか、短時間に複数回電話し、連絡がなければ自宅を訪れる旨を留守番電話に残した事情などが認定されました。裁判所は、不貞関係が一度発覚して解消された後に再開したこと、夫婦関係への影響、妻がうつ病で通院していたことなどを総合し、慰謝料150万円を認めました。

さらに、東京地裁平成21年10月29日判決では、妻宅や事業用電話への多数の嫌がらせ電話・無言電話が認定され、妻について慰謝料80万円と治療費が認められています。この事案も、不貞行為に加えて反復的な電話と精神的被害を含むものであり、一度の事実告知とは異なります。

裁判例の金額に関する注意

上記の250万円、150万円、80万円は、告知や電話だけの金額ではありません。不貞関係の期間・再開、妊娠・出産、婚姻関係への影響、反復行為、通院などを含む総合判断です。

これらの裁判例から分かるのは、妻・夫への告知があれば自動的に一定額が増えるということではありません。告知の目的・内容・方法と、その後の反復行為や具体的被害が、事案全体の中で評価され得るということです。単発の直接告知だけで結論を出さず、その後の連絡や拡散を含めて判断する必要があります。


「妻・夫にばらす」と言われた不倫した配偶者の対処法

不倫相手から「別れるなら妻・夫に全部話す」と言われると、焦って相手の要求を受け入れたくなるかもしれません。しかし、交際継続や高額な金銭の支払をその場で約束すると、問題が長期化するおそれがあります。

基本的な順序は、証拠を保存する、危険度を見極める、連絡方法を整理するの3段階です。不倫をしたことへの責任と、相手による威迫や嫌がらせへの対応は分けて考えましょう。

LINE・メール・通話履歴・要求内容を保存する

まず、LINEやメールの本文だけでなく、相手のアカウント名、電話番号、送受信日時、添付資料、通話履歴、留守番電話まで保存してください。スクリーンショットは前後の流れが分かるように撮り、可能であればトーク履歴等の元データも残します。

「妻に言わない代わりに金銭を払ってほしい」「関係を続けなければ会社にも話す」などの条件が付いている場合は、その条件部分が重要です。メッセージの削除や相手のブロックをする前に、必要な証拠を保存してください。

感情的に反論せず、虚偽の約束で先延ばししない

相手を責める、侮辱する、脅し返すといった返信は、対立を激しくし、相手に保存される証拠にもなります。他方で、「必ず離婚する」「もう一度付き合う」など、実行するつもりのない約束で告知を先延ばしすることも適切ではありません。

すぐに回答できない場合は、連絡を確認したことと、回答まで時間が必要であることを短く伝えるにとどめ、電話や対面での長い言い争いを避ける方が安全です。

金銭・離婚・退職などの条件をその場で受け入れない

告知しないことと引換えに、金銭、離婚、退職、交際継続などを求められても、内容を確認せず受け入れないでください。要求の内容や伝え方によっては、脅迫・強要・恐喝などが問題となる可能性がありますが、単に「妻・夫に話す」と述べただけで直ちに犯罪になるわけではありません。

条件付きの要求がある場合は、不倫トラブルで「ばらす」と脅された場合の対処法や、不倫慰謝料を口実とした恐喝への対応も確認してください。

連絡窓口を整理し、必要なら弁護士を介する

連絡が続く場合は、電話、複数のSNS、勤務先への連絡などを並行させず、記録が残る一つの窓口にまとめます。本人同士では感情的な応酬を止められないときや、条件付き要求があるときは、弁護士を窓口にすることも検討してください。

一方的に連絡を遮断する前に、証拠保存と緊急性の確認を行うことが重要です。自宅への押しかけ、待ち伏せ、生命・身体への危険を感じる言動がある場合は、弁護士への相談に加えて、警察への相談を含む安全確保を優先します。

会社・SNS・自宅訪問・反復連絡へ発展したら場面別に対応する

会社への連絡、SNS投稿、自宅訪問、多数回の電話などへ広がった場合は、妻・夫本人への直接告知とは別の対応が必要です。反復連絡は不倫相手からの継続的な嫌がらせへの対処を、SNS等への投稿はSNSや匿名投稿で不倫を暴露された場合の対応を確認してください。


実際に不倫相手から告知された妻・夫がまず確認すること

不倫相手から突然、電話、LINE、手紙などで告知を受けた場合は、感情的に返信する前に、送信者、日時、本文、電話番号・アカウント、添付資料、通話履歴を保存してください。画面の一部だけを切り取らず、前後関係と送信元が分かる形で残すことが大切です。手紙は封筒も含め、電話は着信履歴や留守番電話も保存し、画像や文章を編集しないでください。

次に、相手の説明をそのまま確定事実とせず、不倫の時期、回数、場所、相手が示した証拠の内容を確認します。なりすまし、誇張、別の目的による連絡の可能性もあるため、証拠を保存する前に配偶者へ問い詰めて、メッセージや写真を消される事態は避けるべきです。確認するときも、質問事項と保存済みの資料を整理し、相手の説明と証拠を分けて記録しましょう。

また、怒りに任せて不倫相手の親族、知人、勤務先やSNSへ情報を広げないでください。東京地裁令和2年2月10日判決では、不倫をされた側が不倫相手の父親、不倫をした配偶者の父親、不倫相手の知人へ不倫情報・写真等を送った行為について、名誉毀損及びプライバシー侵害が認められ、慰謝料と弁護士費用の支払が命じられました。

返信するか、面会に応じるか、配偶者へいつ確認するか、慰謝料を請求できるかという具体的な初動は、夫・妻の不倫相手から連絡が来たときの証拠保存と返信方法で詳しく解説しています。


不倫相手が告知する前に確認すべきこと

妻・夫へ真実を伝えたい、謝罪したいという気持ちがある場合でも、感情のまま連絡すると、目的と異なる結果になり得ます。誰に何を伝え、何を解決したいのかが曖昧なままでは、謝罪ではなく相手を傷つける行為と受け取られることもあります。告知の実行方法を考える前に、次の点を整理してください。

  1. 達成したい目的を明確にする

    謝罪、関係解消、妊娠・子どもの問題、金銭問題、相手への復讐では、取るべき方法が異なります。罪悪感と別れへの反発が重なっていないかも振り返りましょう。

  2. 妻・夫本人への連絡と第三者への拡散を区別する

    子ども、親族、勤務先、知人、SNSを巻き込めば、被害範囲と法的リスクが大きくなります。本人への説明が必要だと考える場合でも、関係のない第三者へ広げる必要があるとは限りません。

  3. 告知を条件付き要求に使わない

    「金銭を払えば言わない」「離婚しなければ会社にも話す」など、告知しないことと引換えに要求を通そうとすると、脅迫・強要・恐喝等の問題につながり得ます。

  4. 妊娠・認知・養育費等は適切な手続で進める

    子どもの身分関係や養育に関する問題は、配偶者への告知だけで解決するものではありません。感情的な告知と、必要な家事手続・請求を混同しないことが重要です。

  5. 直接連絡の前に弁護士へ相談する

    伝える必要性、伝える内容、相手方への請求や手続を整理することで、不要な拡散や新たな紛争を避けやすくなります。

直接告知以外にも、弁護士を通じた書面連絡や、認知・養育費等の手続を先に進める方法があります。相手を傷つけることが中心目的になっていると感じるときは、直ちに連絡せず、時間を置いて目的を再確認してください。


不倫をばらすことに関するよくある質問

不倫相手の妻・夫に直接伝えるだけでも違法ですか

一度、妻・夫本人へ事実を伝えたことだけで、当然に違法になるとは限りません。ただし、虚偽・誇張、侮辱、深夜の反復電話、私的画像の送付、第三者への拡散などが加われば、法的評価は変わります。

謝罪や真実を伝える目的なら問題ありませんか

謝罪や真実告知という目的は一つの事情ですが、それだけで方法の相当性が保証されるわけではありません。罪悪感と復讐心が混在する場合もあるため、内容、時期、連絡回数、告知先まで含めて判断する必要があります。

不倫相手が自ら告げると慰謝料は増額されますか

自ら告げたことだけで自動的に増額されるわけではありません。告知後の揶揄、反復連絡、第三者拡散、具体的な精神的被害などが、事案全体の慰謝料算定事情として考慮されることがあります。

「妻・夫にばらす」と言うだけで脅迫になりますか

その一言だけで常に脅迫になるとはいえません。相手を怖がらせる目的や言い方、害悪の内容、金銭・離婚・退職・交際継続などの要求と結び付いているか、前後の経緯によって判断が変わります。

匿名電話や捨てアカウントなら特定されませんか

匿名に見えても、通話履歴、アカウント情報、保存されたメッセージ、サービス側の記録等から特定につながる場合があります。常に特定できるとは限りませんが、匿名なら責任を問われないと考えるべきではありません。

妊娠や子どもの存在を妻・夫に告げる場合はどう考えますか

妊娠・出産や子どもの存在は重大な事実ですが、認知、親子関係、養育費等の問題は適切な手続で整理する必要があります。告知を金銭や離婚の要求と結び付けたり、子どもや親族へ広げたりせず、早めに弁護士へ相談してください。


まとめ|不倫をばらす前後は、記録と目的を整理して対応する

不倫相手が妻・夫に告げる背景には、罪悪感、謝罪、別れへの反発、復讐、離婚要求、妊娠・出産などがあり、複数の動機が重なっていることもあります。表向きの説明だけで決めつけず、告知の時期、要求内容、方法、その後の行動を確認することが大切です。

  • 直接告知、条件付き要求、反復嫌がらせ、会社・SNSへの拡散は区別する
  • 「ばらす」と言われた不倫した配偶者は、証拠を保存して安易な約束をしない
  • 告知する不倫相手は、目的を整理し、金銭や離婚等の要求と結び付けない
  • 告知を受けた妻・夫は、原本を保存して真偽を確認し、報復的に拡散しない
  • 違法性や慰謝料への影響は、目的・方法・反復性・被害等の個別事情で変わる

不倫をした配偶者は連絡内容と条件を、不倫相手は告知の目的と必要な法的手続を、不倫をされた妻・夫は受け取った資料と確認したい事実を整理してください。会社、親族、SNSへ広がる前に弁護士へ相談することで、紛争の拡大を防ぎやすくなります。

坂尾陽弁護士

「ばらす」「ばらされた」という局面では、感情より先に記録を残すことが重要です。告知先と要求内容を整理し、本人同士で収まらない場合は早めに相談しましょう。

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