不倫が発覚し、不倫相手の配偶者から「謝罪してください」「慰謝料を払ってください」と連絡が来ると、頭が真っ白になってしまう方も少なくありません。中には、「不倫 謝罪はすぐにするべきなのか」「謝ったら不利になるのではないか」と悩み、焦って返事をしてしまうケースもあります。
しかし、謝罪は“誠意”を示す一方で、言い方・認め方を間違えると、後から覆しにくい不利な材料になり得ます。大切なのは、謝ること自体よりも「誰に」「何を」「どこまで」謝るかを整理して、冷静に対応することです。
この記事では、次の疑問に答えます。
- 肉体関係がない場合でも、謝罪してよいのか
- 不貞行為がある場合、何をどこまで認めて謝ればよいのか
- 謝罪したら慰謝料が減るのか、逆に不利になるのか
- 謝罪しない・開き直ると慰謝料は増えるのか
- 直接会って謝れと言われたとき、どう考えるべきか
民法上の責任の考え方や裁判例の傾向、実務上の交渉で問題になりやすいポイントを踏まえて整理します(個別事情で結論が変わる点もあります)。
坂尾陽弁護士
2009年 京都大学法学部卒業
2011年 京都大学法科大学院修了
2011年 司法試験合格
2012年~2016年 森・濱田松本法律事務所所属
2016年~ アイシア法律事務所開業

Contents
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結論:謝罪は「すぐ」より「誰に・何を」謝るかが重要
不倫がバレたときの謝罪で最も多い失敗は、焦りから「全部こちらが悪いです」「おっしゃる通り支払います」と言ってしまい、後から争えない形で話が固まってしまうことです。
結論としては、次のように整理すると安全です。
- 不貞行為(肉体関係)がないのに、不貞行為を前提に謝罪するのは危険
- 不貞行為があるなら、不倫したこと自体は謝罪する方がよい場面が多い
- ただし、謝罪の流れで慰謝料の金額・支払義務まで相手の言う通りに認める必要はない
「謝るか/謝らないか」だけでなく、**“謝罪と認定(責任・金額)を切り分ける”**ことがポイントです。
このページでいう「不倫の謝罪」は、主に“不倫相手の配偶者”への謝罪
「謝罪」と一口に言っても、相手が誰かで意味合いが変わります。
- 不倫相手の配偶者への謝罪
→ 慰謝料請求・交渉・裁判につながり得る局面での謝罪。言質や証拠化のリスクがある。 - 自分の配偶者への謝罪(いわゆる浮気の謝罪)
→ 関係修復が中心になりやすい。もちろん重要ですが、法律トラブルの論点は別になります。
この記事では、特にご相談の多い **「不倫相手の配偶者から謝罪を求められた」**ケースを中心に解説し、自分の配偶者への浮気の謝罪についてのポイントにも言及します。
まず押さえるべき3つの方針
対応方針は、次の3点に集約されます。
- 事実関係(肉体関係の有無、期間、回数)を整理してから話す
- 謝罪はしても、金額・支払方法・示談書サインは即断しない
- 不利な言質を避けるため、窓口を弁護士に切り替える選択肢も持つ
「誠意を見せたい」と「法的に不利なことは避けたい」は両立します。次章から、典型的な状況に当てはめて考え方を具体化します。
謝罪を求められる典型パターン
不倫が発覚した後、謝罪を求められる連絡の入り方はさまざまです。典型例は次のとおりです。
- 突然の電話やメッセージで「今すぐ会って謝れ」と言われる
- 「慰謝料を払え」「職場や家族に知らせる」など強い言葉で迫られる
- 内容証明などの書面で請求が届き、期限が切られている
- 謝罪文(手紙)や誓約書の提出を求められる
ここで大事なのは、「とにかく謝れば収まるはず」と思って、その場で話をまとめにいかないことです。謝罪は大切ですが、順番を間違えると取り返しがつかないことがあります。
連絡が来た直後にやるべき最低限
直後にやるべきことは、難しいことではありません。最低限、次の対応で“事故”を防げます。
- 連絡手段・相手・日時をメモし、やり取りを消さない(スクショ等)
- 返事はしても即答しない(「確認して折り返します」で止める)
- 期限付きの書面があるなら、期限と請求内容を先に確認する
- 感情的な応酬を避け、会う約束や支払約束はその場でしない
不倫発覚直後の「初動全体」を整理したい場合は、次の記事も参考になります(この記事は“謝罪の判断”に絞って解説しています)。
また、内容証明が届いている場合は、謝罪の前に「期限管理」と「返答方針」が重要です。
(参考)内容証明が届いたら
この段階で言わない方がよい言葉
相手の怒りを受け止めようとして、次の言葉を口にしてしまう方がいます。しかし、後から争点になりやすいので注意が必要です。
- 「おっしゃる通りです(相手の主張を丸ごと認める)」
→ 期間・回数・悪質性まで認めたと解釈されるおそれがあります。 - 「いくらでも払います(支払義務や金額の約束)」
→ 金額交渉や分割の余地を自分で潰すことになりがちです。 - 「肉体関係もありました(事実関係を断定)」
→ 争いがある場合、後から覆しにくい材料になります。
もちろん、事実であることを否定するために“嘘”をつくのも危険です。次で、肉体関係の有無を軸に、謝罪の考え方を整理します。
最重要:肉体関係(不貞行為)の有無で謝罪のリスクが変わる
不倫問題の慰謝料は、一般に「不貞行為(肉体関係)」が前提となることが多いです。民法上の不貞行為とは、通常、配偶者以外の者と自由な意思に基づいて性的関係を持つことを指します。
ここがはっきりしないまま謝罪してしまうと、謝罪のつもりが「不貞行為を認めた証拠」として扱われ、立場が一気に不利になることがあります。
肉体関係がないのに「不貞を前提に謝罪」するのは危険
「食事に行っただけ」「キスをしただけ」「LINEのやり取りが濃密だっただけ」など、あなたとしては“肉体関係はない”と認識しているケースもあります。
しかし、不倫相手の配偶者からの請求は、最初から「肉体関係があった」前提で進んでくることが少なくありません。その場で「申し訳ありませんでした」と頭を下げた結果、相手からは
- 不貞行為を認めた
- こちらの主張はもう変えられない
と受け取られてしまうことがあります。
肉体関係がないのに謝罪をするなら、少なくとも
- 「不貞行為(肉体関係)があった」と断定する表現を避ける
- 争いがある点(期間・回数・具体的行為)に触れない
- 「弁護士と相談して、事実関係を確認してから誠実に対応する」と伝える
といった慎重さが必要です。
不貞行為(肉体関係)があるなら、不倫したこと自体は謝罪が基本
肉体関係が事実であれば、あなたが真摯に反省している限り、不倫したこと自体について謝罪の意思を示すのは自然です。謝罪を拒んだり開き直ったりすると、紛争が長引き、結果として不利になりやすいからです。
ただし、ここで重要なのは、謝罪と同時に
- 慰謝料の支払義務
- 慰謝料の金額
- 不倫期間・回数・経緯の詳細
まで相手の言う通りに認める必要はない、という点です。
謝罪の“型”としては、たとえば次のように区切ると安全です。
- 不倫をしたこと自体は謝る(誠意)
- ただし、金額や今後の対応は「確認して改めて回答する」(交渉の余地)
「証拠がないから否定する」は多大なリスクがある
「不倫は事実だが、決定的な証拠はないはずだから否定できないか」という相談は現場で珍しくありません。
しかし実務上は、相手が慰謝料請求に踏み切る以上、何らかの材料(LINE、写真、位置情報、ホテルの履歴、目撃、当事者の供述など)を持っていることが多いです。さらに、あなたが「証拠はない」と思っていても、
- 不倫相手が認める(供述が強い証拠になる)
- 状況証拠が積み上がって認定される
- 嘘が露見して信用を落とす
といった形で不利になることがあります(参考:不倫の証拠はどこまで使える?裁判で失敗しないための必須知識【判例付き】)。
「嘘をつかない」ことと、「不利な言質を取られない」ことは両立します。謝罪をするとしても、話す範囲を最小限にし、争点に踏み込まないのが基本です。
謝罪時の注意点:慰謝料・期間・回数を“ついでに”認めない
謝罪の場面で起きやすいのが、次の2つの事故です。
1つ目は、謝罪の流れで「慰謝料を支払います」と約束してしまうことです。
謝罪をしたからといって、相手の提示する金額が適正とは限りません。相場や増減事情を踏まえて検討すべきです。
2つ目は、相手の言う「期間・回数」をそのまま認めてしまうことです。
期間や回数は慰謝料額に影響しますが、相手は正確に把握していないことも多く、悪質性を強調するために多めに見積もって主張してくることがあります。
そのため、謝罪をする場合でも、
- 期間・回数・経緯の詳細は話さない(または「確認してから」と留保)
- 書面(示談書・誓約書)にはその場でサインしない
という線引きが重要です。
(参考)不倫示談書マニュアル
不倫の慰謝料請求には、ケースによって時効を主張できる場合があります。時効が成立しそうな場面で、軽い気持ちで「支払います」と認めてしまうと、時効の主張が難しくなるおそれもあります。
不安があるときは、謝罪の前に時効の見通しも含めて確認しましょう。
(参考)不倫慰謝料の時効
謝罪は慰謝料の金額に影響する?(増額/減額の考え方)
「謝罪した方が慰謝料が安くなるなら謝りたい」「謝罪したら不利なら黙っていたい」――こうした損得の悩みは、とても現実的です。
まず前提として、謝罪をしたかどうかは、慰謝料の金額を決める唯一の要素ではありません。一般に慰謝料は、たとえば
- 婚姻期間
- 不貞行為の期間・回数
- 離婚に至ったか(別居・破綻の程度)
- 不倫の悪質性(継続、隠ぺい、挑発等)
- その後の対応(謝罪、関係解消、誠実さ)
など複数要素の総合評価で決まります。
その中で、謝罪は「その後の対応(誠実さ)」として、増減事情に組み込まれることがあります。
謝罪が“減額方向”に考慮された裁判例
謝罪をしたことを慰謝料の減額方向に考慮する裁判例は少なくありません。
たとえば、東京地裁平成23年2月24日判決では、裁判所が「不貞行為について自己の非を認め、陳謝している」趣旨を指摘した上で、慰謝料として70万円を認定しています。
この事案では、当事者間で事情の主張に食い違いもあり(相手方から強制的だった旨の主張が出ていたものの、裁判所は強制の事実を認定できないと判断したケースです)、完全に争いがない事案ではありませんでした。それでも、一応の謝罪の態度が、評価要素として取り込まれています。
ここから言えるのは、次の点です。
- 争いがある部分があっても、誠実な態度を示すこと自体は意味がある
- ただし、だからといって相手の主張(期間・回数・金額)を丸ごと認める必要はない
謝罪しないことが“増額方向”に考慮された裁判例
逆に、謝罪をしていないことが増額方向に考慮される例もあります。
東京地裁平成20年10月8日判決は、婚姻期間が8年に及ぶこと、不貞行為が原因で離婚に至ったことなどと並べて、「不貞行為について謝罪をしていない」趣旨を指摘し、慰謝料として230万円を認定しました。
この事案では、不倫相手側が離婚時に別途慰謝料を支払った事情もあり、裁判所としては総額で相応に高い水準を認めたものと考えられます。いずれにせよ、謝罪をしない・開き直る態度は、婚姻期間や離婚の有無と同様に、裁判所が重視し得る要素です。
「謝れば安くなる」「謝らなければ勝てる」とは限らない
ここまでの裁判例から、「謝罪=必ず減額」「謝罪しない=必ず増額」と単純化するのは危険です。
謝罪の影響は、次のように“条件付き”で出やすい、という理解が現実的です。
- 減額方向になりやすい例
→ 早期に関係を解消し、争点を整理し、誠実に交渉したケース - 増額方向になりやすい例
→ 逆ギレ、挑発、関係継続、相手を追い込む言動があったケース
また、謝罪には「不利になる側面」もあります。たとえば、争いがあるのに不貞行為を前提とした謝罪をしてしまうと、後から訂正しても「最初に認めた」と扱われやすいからです。
だからこそ、実務では
- 不倫したこと自体は謝罪する(誠意)
- ただし、責任や金額の結論は「確認してから」(冷静さ)
という形で、両者を両立させる対応が取られます。
内容証明で期限が切られている場合は、「謝罪」よりも先に、回答の枠組みを作ることが重要になることもあります。
(参考)内容証明の回答書
謝罪を求められたときの対応:端的に謝罪しつつ、争点は留保する
不倫相手の配偶者から連絡が来たとき、あなたが本当に反省しているなら、誠意を示したい気持ちは自然です。実務でも、不貞行為(肉体関係)が事実である場合に、全く謝罪しない・開き直る対応は得策ではないことが多いです。
ただし、謝罪は「相手の主張を丸ごと認めること」と同義ではありません。謝罪の場面で最も重要なのは、次の線引きです。
- 不倫したこと自体については謝罪する(誠意)
- 慰謝料の支払義務・金額・期間回数などは、その場で確定させない(冷静)
この線引きを崩すと、相手のペースで話が固まりやすく、後から修正が難しくなります。
まず「謝罪」と「支払・合意」を切り分ける
相手が怒っている場面では、こちらが言い返せば火に油です。一方で、勢いに任せて「払います」「サインします」と言うのも危険です。
そのため、最初の返答は次の“型”で十分です。
- ① 謝罪(感情面の受け止め)
- ② 今後の対応は確認して誠実に進める(結論を保留)
たとえば電話・対面であれば、次のような言い方が現実的です。
この度は大変申し訳ありません。
今後については、事実関係と請求内容を確認したうえで、誠実に対応します。いったん持ち帰らせてください。
ポイントは、短く・断定を避け・期限のある話は確認して折り返すことです。丁寧に話そうとして、期間・回数・経緯まで説明し始めると、相手の主張を補強する形になりかねません。
「今すぐ会って謝れ」と言われた:面会・謝罪は義務?
不倫相手の配偶者から「直接会って謝れ」と迫られることがあります。しかし一般論として、面会して謝罪すること自体が法的義務になるとは限りません。あなたが応じないからといって、直ちに違法になるわけではありません。
一方で、相手は感情が高ぶっていることが多く、面会が必要かどうかは「法律論」だけで決まらないのも現実です。そこで実務的には、次の順番で考えるのが安全です。
- まずは書面・弁護士窓口で落ち着かせる余地があるか
- 面会が避けられない場合でも、条件を整えてリスクを潰せるか
- それでも危険が高いなら、面会は断り、別手段(書面等)で謝罪する
面会のリスクとして典型的なのは、次のようなものです。
- 相手が録音・撮影しており、あなたの発言が切り取られて残る
- 「今ここで署名して」と示談書・誓約書にサインを迫られる
- 感情的に追い詰められて、期間・回数・金額を言わされる
- 口止め料や過大な条件をその場で約束させられる
もし面会するなら、最低限、次の条件を意識してください。
- 示談書・誓約書は持ち帰る(その場で署名しない)
- その場で金額を約束しない
- 話す内容は「謝罪+今後は確認して対応する」に限定する
- 時間・場所・同席者を調整する(密室を避ける)
- 可能であれば、弁護士を窓口にして面会自体を回避する
坂尾陽弁護士
電話・メール・LINEで謝罪する場合:短く、具体を語らない
相手からの連絡が電話やメッセージ中心の場合、「とりあえず文章で謝りたい」と考える方も多いです。文章で謝る場合も、基本は同じで、不利な要素(断定・詳細・約束)を入れないことが重要です。
文面は長くするほど、争点を自分から増やしてしまいます。おすすめは、次の3要素に絞ることです。
- 謝罪(迷惑・心痛を与えたことへの謝意)
- 今後の対応方針(確認して誠実に対応)
- これ以上の詳細は弁護士経由(または改めて回答)
例としては、次のような短文で足ります。
ご連絡ありがとうございます。ご心痛をおかけしたことについて、申し訳なく思っております。
今後については、事実関係とご請求内容を確認し、誠実に対応します。いったん持ち帰らせてください。
ここで「いつから」「何回」「どこで」「肉体関係は」などに自分から踏み込む必要はありません。相手が強く問い詰めてきても、確認して改めて回答するで止めるのが安全です。
謝罪文(手紙)を求められたら:書く前に判断する
「謝罪文を書け」「手紙で謝れ」と言われることもあります。謝罪文は一度出すと残り続け、後から「やはり違った」と訂正しにくい特徴があります。したがって、次のケースでは特に慎重に考えるべきです。
- 不貞行為(肉体関係)がない、または争いがある
- 相手の主張する期間・回数が誇張されていそう
- 時効が問題になり得る
- 相手が感情的で、謝罪文が「次の要求」の材料にされそう
逆に、事実関係に争いがなく、早期解決を目指す中で「形式として謝罪文を出した方がよい」場面もあります。その場合でも、謝罪文に入れる内容は最小限にし、次の点は避けてください。
- 不倫の詳細(日時・回数・場所・性的内容)
- 言い訳(相手の配偶者が悪い、夫婦関係が破綻していた等)
- 慰謝料を支払う約束や具体的な金額の明記
- 相手の主張する期間・回数の丸のみ
謝罪文は「誠意」を示す道具である一方で、「証拠」になり得る側面もあります。書く前に、最低限、争点とゴール(早期終結なのか、減額交渉なのか)を整理することが大切です。
謝罪と減額交渉は両立する
「謝罪したら減額交渉はできないのでは?」と感じる方がいますが、謝罪(反省)と、慰謝料の適正額を検討することは矛盾しません。
むしろ実務では、
- 謝罪して誠意は示す
- ただし、金額は相場・事情に照らして検討し、過大なら減額交渉する
という流れが一般的です。
減額交渉の考え方や理由の整理は、次の記事でも詳しく解説しています。
(参考)不倫慰謝料の減額交渉マニュアル
謝罪の流れで絶対にやってはいけないNG対応
謝罪の場面では、相手の怒りを受け止めたい一心で、取り返しのつかない約束をしてしまうことがあります。ここでは、実務上よくあるNGを整理します。
その場で慰謝料の金額・支払方法を約束する
「誠意を見せたい」気持ちが強いと、相手の提示する金額にそのまま同意してしまいがちです。しかし、慰謝料はケースで相場が変わり、分割・減額・支払条件なども含めて検討が必要です。
まずは、
- 金額は持ち帰る
- 支払うとしても条件は確認する
- 期限があるなら、期限内に“回答”する
という形で、即断を避けてください。
もし「払えない」「一括は無理」という不安がある場合も、放置せず選択肢を整理することが重要です。
示談書・誓約書にサインする(持ち帰らずに署名する)
謝罪の流れで、相手が用意した書面に署名押印させようとするケースは少なくありません。示談書・誓約書は、いったん署名すると覆しにくく、次のような条項が含まれていることがあります。
- 相場より高額な慰謝料の支払義務
- 分割に厳しい条件(遅れたら一括・違約金等)
- 口外禁止違反の高額違約金
- 接触禁止や退職要求など、過剰な制約
書面は必ず持ち帰り、必要なら修正交渉を前提にしてください。サインを急がせる相手ほど、内容が偏っている可能性があります。
不倫期間・回数・経緯を相手の言う通りに認める
謝罪の場面で「いつから?何回?どこで?」と詰められると、答えてしまいがちです。しかし、期間・回数は慰謝料額や悪質性評価に直結します。
あなたの認識と相手の推測が食い違うことは珍しくありません。そこで、次の対応が安全です。
- その場では詳細を述べない
- 「確認してから回答する」と留保する
- 事実関係に争いがあるなら、弁護士を窓口にして整理する
相手を刺激する言い返し・開き直りをする
「あなたの夫(妻)だって悪い」「こっちも被害者だ」「証拠あるの?」といった言い返しは、交渉を決裂させやすく、結果として不利になりがちです。
感情を受け止めることと、相手の要求を丸のみすることは別です。言い返したくなる場面ほど、短く謝罪し、判断は持ち帰るという姿勢を守ってください。
脅しや拡散の示唆に、焦って条件をのむ
「職場に言う」「家族にばらす」「SNSに出す」と言われると、恐怖で言いなりになってしまう方がいます。しかし、脅しの内容によっては違法性が問題になることもあり、対応の仕方次第で被害拡大を防げる場合があります。
このテーマは分岐が多いので、具体的に言われた内容があるなら、早めに専門家に相談し、窓口を整理するのが安全です。
不倫慰謝料を請求されたときに「やってはいけないこと」をまとめた記事もあります。
浮気(自分の配偶者)への謝罪はどう違う?
「不倫 謝罪」で検索していても、実際には「夫(妻)にどう謝ればよいか」という悩みが混ざっていることがあります。
ただ、目的が違うため、謝罪の組み立て方も変わります。
- 不倫相手の配偶者への謝罪
→ 慰謝料請求・交渉・裁判に発展し得る。言質・証拠化のリスクがある。
→ “短く、争点を増やさない”が重要。 - 自分の配偶者への謝罪(浮気謝罪)
→ 関係修復・信頼回復が中心。話し合いの中で「説明」が必要になる場面もある。
→ ただし、慰謝料請求が絡む状況なら、説明の仕方が法的リスクになることもある。
もし「配偶者に説明したいが、相手配偶者から請求も来そう」という状況なら、両方のリスクを見て対応を設計する必要があります。感情面の対応と、法律問題としての対応が衝突しないよう、順番と範囲を整理しましょう。
よくある質問
謝罪したら「慰謝料を払う義務」まで認めたことになりますか?
必ずしもそうではありません。謝罪はあくまで「迷惑をかけた」「心痛を与えた」ことへの誠意表明として意味を持ちます。
ただし、謝罪の中で
- 不貞行為の事実を断定する
- 相手の主張する期間・回数を認める
- 具体的な金額や支払方法を約束する
といった発言・記載をすると、後から争いにくくなる可能性があります。謝罪と合意を切り分けるのが安全です。
謝罪しないと訴えられますか?
謝罪しないこと自体で直ちに訴えられるケースはまれです。。ただ、謝罪を拒む態度が相手の感情を刺激し、交渉決裂→訴訟という流れを招くことはあります。
実務では、謝罪は端的にしつつ、争点や金額は持ち帰るという対応で、無用な対立を避けるケースが多いです。
「証拠は見せないが払え」と言われたら、どうすればいいですか?
まず、焦って支払約束をしないことが大切です。慰謝料請求は、証拠の有無・内容、婚姻関係の状況、あなたの認識(既婚者と知っていたか等)で結論が変わります。
相手が証拠を見せない場合でも、交渉の中で確認すべき点は整理できます。証拠の開示を求めるか、弁護士を窓口にして整理する選択肢もあります。
(参考)証拠を見せない慰謝料請求
「職場に言う」「家族にばらす」と言われたら?
相手が何を言っているか(事実を伝えると言っているのか、金銭と引き換えに黙ると言っているのか等)で、対応は変わります。
いずれにせよ、恐怖で言いなりになって条件をのむ前に、言われた文言・日時・媒体を記録し、窓口を整理することが重要です。
(参考)不倫をバラすのは違法?名誉毀損・脅迫・業務妨害になるケースと止め方
まとめ
不倫が発覚して謝罪を求められたときは、焦って「全部認める」か「全部拒否する」かの二択に走るのではなく、謝罪と合意を切り分けることが重要です。
- 肉体関係がないのに不貞を前提に謝罪すると、不利になるおそれがある
- 不貞行為が事実なら、不倫したこと自体は端的に謝罪するのが基本
- ただし慰謝料額・支払義務・期間回数は、その場で認めず「確認して対応」で止める
- 面会・直接謝罪は義務とは限らず、条件が整わないなら回避も検討する
- 謝罪の勢いで支払約束や示談書サインをしないことが最大の事故防止策
「誠意を示したい」という気持ちは大切です。その誠意を、相手の言いなりになる形ではなく、冷静で適切な対応として形にしていきましょう。
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