不倫・浮気のトラブルでは、「どこからが不貞行為なの?」という線引きが、慰謝料請求や離婚の見通しを大きく左右します。特に**「不貞行為 どこから」**で検索する方の多くは、「不貞行為 キス」「不貞行為 フェラ」といった“ギリギリの境界線”が気になっているはずです。こんな疑問や不安を抱えていませんか?
- 不貞行為はどこから成立するのか(キス・フェラ・LINE等)
- 「キスだけ」「フェラ(口淫)だけ」は不貞行為になるのか
- 肉体関係の証拠がなくても慰謝料が発生することはあるのか
この記事では、法律上の不貞行為の定義を押さえたうえで、あとで行為別に「原則/例外/推認(状況から性行為があったと判断されること)」まで整理していきます。
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具体的なシチュエーションに基づき、ギリギリの境界線について解説していきます!
2009年 京都大学法学部卒業
2011年 京都大学法科大学院修了
2011年 司法試験合格
2012年~2016年 森・濱田松本法律事務所所属
2016年~ アイシア法律事務所開業

Contents
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はじめに:不貞行為は「どこから」問題になるのか
日常会話では、配偶者以外と親密に付き合えば「浮気」「不倫」と呼ばれます。けれども、慰謝料や離婚の場面で問題になるのは、感情的なラベルではなく、法律上の**「不貞行為」**に当たるかどうかです。
たとえば、次のような場面で悩みが深くなりがちです。
- あなたがちょっと「キスしただけ」、流されて「フェラをしただけ」と思っていても、相手側が「不貞行為だ」と言ってくる
- 逆に、あなたが請求したい側なのに「肉体関係の証拠はない」と否認される
- LINEの内容やホテルの出入りなどを根拠に、性行為があったと“推定”されそうで不安になる
同じ「親密な行為」でも、不貞行為に当たるか、不貞行為ではないが**別の不法行為(夫婦の平穏を乱す行為)**として責任が生じ得るかで、見通しは変わります。つまり、線引きを誤ると「本当は争えるのに支払ってしまう」「本当は弱いのに強気で進めて失敗する」といった事故につながりやすいのです。
結論から言うと、法的な不貞行為は原則として**「自由な意思による性行為」です。ただし“キス・フェラ・LINE”のような境界線では、状況証拠の積み重ねや例外類型**が絡み、結果が変わることがあります。
結論:法律上の「不貞行為」の定義と判断軸
不貞行為の線引きを考えるときは、最初に「判断の物差し」を固定するのが近道です。ここでいう物差しは、大きく2つあります。
1つ目は、不貞行為そのもの(性行為があるか)。
2つ目は、性行為がはっきりしなくても、行為態様によっては**不法行為(夫婦関係の平穏を侵害する行為)**として慰謝料が認められることがある、という視点です。
この2つを区別しておくと、「キスだけなら絶対ゼロ?」「フェラは性行為に入る?」「LINEだけでアウト?」といった疑問に対して、落ち着いて整理できます。
不貞行為の基本定義(最高裁昭和48年11月15日判決)
法律上の「不貞行為」は、一般に**「配偶者のある者が、自由な意思で、配偶者以外の者と性的関係を結ぶこと」**と理解されています(最高裁昭和48年11月15日判決が示した考え方として広く参照されています)。
また、民法770条1項1号は「配偶者に不貞な行為があったとき」を裁判上の離婚原因の一つとして定めています。ここでいう「不貞な行為」は、実務上「不貞行為」とほぼ同趣旨で捉えられます。
ここで重要なのは、あくまでポイントが**「性的関係」と「自由意思」**に置かれている点です。
たとえば、性暴力などで自由意思がない状況で性的関係に至った場合、被害者側に不貞行為が成立するとは通常言えません。逆にいえば、「強引に迫られた」「断りきれなかった」という程度では自由意思が否定されないと判断されることもあり、ここは個別事情の評価が分かれやすいところです。
「浮気・不倫」と「不貞行為」の違い
「浮気」「不倫」と「不貞行為」は、同じように見えて射程が違います。ここを混同すると、結論を読み違えます。
- 浮気・不倫(一般の言葉)
肉体関係の有無にかかわらず、配偶者や恋人以外と親密な関係になれば「浮気」「不倫」と呼ばれがちです(感情・価値判断の言葉)。 - 不貞行為(法律の言葉)
原則として「自由意思による性的関係」が前提になります。したがって、キスや手つなぎ、連絡のやり取りだけでは、直ちに“不貞行為”とは言い切れないのが基本です。
つまり、「道徳的にアウト」かどうかと、「法律上の不貞行為」かどうかは別問題です。あなたが知りたいのは後者のはずなので、この記事では法律の物差しで整理していきます。
不貞行為ではなくても慰謝料が出ることがある
「性行為がないなら、慰謝料は絶対に発生しない」——これは半分だけ正しく、半分は危険です。
たしかに、慰謝料請求の王道は「不貞行為(性行為)の立証」です。ところが現実の紛争では、性行為がはっきりしないケースが少なくありません。そのとき裁判所が注目することがあるのが、次の2つです。
- 状況証拠から“性行為があった”と推認できるか(例:ホテル出入り+親密なやり取り等)
- 性行為の立証が弱くても、相手方の行為が夫婦関係を積極的に壊すような態様で、慰謝料を認めるだけの違法性があるか
つまり、キスやLINEが“単体”では弱くても、ほかの事実と組み合わさって「性行為があったはず」と判断されたり、場合によっては不貞行為そのものではなくても「夫婦の平穏を侵害した」として責任が認められたりすることがあります。
この後のパートでは、検索が多い**「不貞行為 フェラ」「不貞行為 キス」**を中心に、行為別に「原則はどうか」「どんなときに推認されるか」「例外で責任が出るのはどんなときか」を具体的に解説します。
行為別:どこまでが不貞行為?(早見+裁判例)
「不貞行為どこから?」の答えは、結局のところ**“性行為があったといえるか”**に尽きます。とはいえ現実のトラブルでは、当事者が否認したり、決定的な証拠がなかったりして、線引きが難しくなりがちです。
そこでまずは、全体像をざっくり掴める早見を置きます。あなたの状況がどれに近いか、当てはめながら読み進めてください。
- 性行為・性交類似行為(フェラ/手淫など)
→ 原則として「不貞行為」に当たりやすい(争点は“本当にあったか”“自由意思か”になりやすい) - キス・ハグ・LINEだけ
→ 原則は「不貞行為」ではないが、状況次第で
①性行為があったと“推認”される
②夫婦の平穏侵害などで慰謝料が出る(例外)
の両ルートがあり得る - ホテル・旅行・同室宿泊
→ 性行為があったと推認されやすい代表例。否認はかなり苦しくなりやすい - 離婚を迫る・別居を強く勧める等
→ 性行為が立証できなくても、関与の仕方によっては責任が認められることがある(例外)
いずれもキス/フェラ/ホテル・宿泊/離婚を迫るという行為の「類型」ではなく、具体的な状況で何をしたかという「具体的な行動」で判断が分かれる可能性があります。
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まず押さえる:性行為と「性交類似行為」の扱い
法律上の不貞行為は、原則として「自由な意思による性的関係」です。ここでいう“性的関係”は、いわゆる性交(挿入)だけに限定されると考えると、判断を誤りやすくなります。
実務上は、次のような行為も性交類似行為として「性的関係」と同視されやすい傾向があります。
- フェラチオ(口淫)
- 手淫(手での性的行為)
- その他、性的満足を得る目的で行われる強い身体接触
もちろん、最終的な判断は「当事者の供述」「前後の状況」「やり取りの内容」などを総合して行われます。ただ、少なくとも**“挿入がない=不貞行為ではない”**と決めつけるのは危険です。
この前提を踏まえたうえで、とくに検索が多い 「不貞行為 フェラ」「不貞行為 キス」 を同じ重みで掘り下げます。
不貞行為 フェラ:口淫は「性行為」とみなされる?
結論から言うと、フェラ(口淫)は、実務では不貞行為に当たり得る行為として扱われることが多いです。理由はシンプルで、“夫婦の性的独占”を侵害する程度が強く、性交と同程度の親密性・性的性質があると評価されやすいからです。
「挿入がない」「最後までしていない」といった事情は、ケースによって慰謝料額の評価(増減)に影響することはあっても、不貞行為そのものを否定する決定打になりにくい点に注意が必要です。
一方で、フェラが問題になる場面には大きく2パターンあります。
1つは、当事者がフェラを認めており、「それが不貞行為に入るか」が争点になるケース。
もう1つは、当事者が否認しており、「そもそもフェラがあったか」が争点になるケースです。
後者の方が多く、争いは“証拠と推認”になりやすいのが実情です。
フェラを否認/主張するときの典型争点
フェラ(口淫)をめぐるトラブルでは、次のようなポイントが争点になりやすいです。
- 実際に行為があったか(事実認定)
→ これが最大の争点。否認する側は「なかった」、主張する側は「状況からあったはず」と組み立てます。 - 自由意思があったか
→ “強制”や“同意の有無”が問題になることがあります。自由意思が否定されるほどの事情があるかがカギです。 - 一度だけ/短時間だった
→ 不貞行為の成立自体を左右しにくい一方、慰謝料額(増減)の材料になり得ます。 - 夫婦関係がすでに破綻していたか
→ 不貞行為があっても慰謝料が認められない(又は小さくなる)方向の主張として出てきやすい論点です。
ここで大事なのは、フェラについて「それは性行為じゃない」と言い張る方向よりも、現実的には**“証拠の評価”と“状況の説明”**をどう組み立てるかの方が結果を左右しやすい、という点です。
「フェラだけなら不貞行為じゃないはず」と思って対応が遅れると、相手のペースで話が進みやすくなります。請求されている側は、まず“何を根拠に言われているのか”の整理が優先です。
フェラの立証に使われやすい証拠
フェラは、外形的に証拠が残りにくい行為です。そのため、立証は「一点突破」ではなく、複数の材料を重ねて推認に持ち込まれることが多いです。
たとえば、次のようなものが組み合わされます。
- LINE・メール等で、性的関係をうかがわせる具体的な文言がある
- ホテルの出入りや宿泊(同室)の事実がある
- 会った日時・場所と、二人の行動の説明が不自然(言い分が変わる等)
- 当事者が一部を認めている(「キスはした」など)+周辺事情が強い
もちろん、証拠があるからといって即アウト、証拠がないからといって絶対セーフ、というわけではありません。ただ、フェラのような性交類似行為は、裁判所から見ても「性的関係があった可能性が高い」と評価されやすく、状況証拠が揃ったときのリスクは大きいと考えておいた方が安全です。
不貞行為 キス:キスだけで慰謝料は発生する?
次に多いのが「不貞行為 キス」です。キスは、多くの人が「それって不貞行為なの?」と戸惑う典型例ですが、結論は少し整理が必要です。
ポイントは2段階です。
- キスだけで**不貞行為(性行為)**と言えるか
- 不貞行為ではないとしても、状況次第で慰謝料の対象になり得るか
この順で見ていきましょう。
キスだけ=原則不貞行為ではない
一般に、キスだけでは「性的関係(性行為)」とまでは言いにくく、原則として不貞行為には当たりにくいと整理されます。ここは、日常的な「不倫」の概念より、法律の概念の方が狭い、という話にもつながります。
ただし、ここで安心しきるのは早いです。なぜなら、キスが問題になるのは多くの場合、「キスしかなかった」ではなく、次のどちらかだからです。
- キス以外にも関係があったのでは?と疑われ、性行為が推認される
- 性行為としては認められなくても、キスを含む一連の行動が、夫婦関係への侵害として評価される
同じ“キス”でも、置かれている状況次第で評価が変わります。
“キスだけ”でも危ないパターン(推認・夫婦破壊)
キスだけで不貞行為になりにくいとはいえ、次のような事情が重なると、話は変わります。
- キスの証拠+ホテル出入りや同室宿泊がある
→ 「キスしかない」という主張より、「性行為があった」と推認されやすくなります。 - 親密度が高いLINEや写真が複数ある
→ 文言ややり取りの内容次第で、性的関係の推認材料になります。 - 交際を隠している、説明が変わる、行動が不自然
→ “やましさ”の評価につながり、推認を後押ししやすいです。 - 離婚・別居を迫るなど、夫婦関係に強く介入している
→ 性行為の証拠が弱くても、夫婦の平穏侵害として慰謝料が認められることがあります。
「キスだけだから大丈夫」と言い切りたい気持ちは分かりますが、現実には“キス+周辺事情”で評価されます。大事なのは、キスそのものより周りの事実の強さです。
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実務上は「キス」+「何か」でアウトになるイメージです。
LINE・メールだけで不貞行為になる?
「LINEだけで不貞行為になるの?」という疑問も非常に多いです。これも結論から言うと、やり取り“だけ”で直ちに不貞行為(性行為)と断定されるとは限りません。
ただし、LINEは次の意味で強力です。
- 性的関係を直接うかがわせる文言があれば、性行為の推認に役立つ
- 「いつ・どこで会った」「泊まった」など、行動事実が記録に残り、他の証拠とつながる
- 当事者の認否よりも、客観的なテキストとして評価されやすい
たとえば、「昨日ホテル楽しかった」「また同じ部屋がいいね」といった具体性のある内容は、他の事情とセットで強く働く可能性があります。一方で、抽象的な好意表現だけでは、それ単体で性行為まで推認するのは難しいこともあります。
「LINEの内容が軽いから大丈夫」「ログを消したから大丈夫」と自己判断するのは危険です。相手側が保存していたり、別の証拠(レシートや写真)と結びついたりすると、推認の材料になります。
ホテル・旅行・同室宿泊は推認されやすい
「不貞行為どこから?」を考えるうえで、最も分かりやすい“危険ライン”がホテル利用や同室宿泊です。とくにラブホテルは、その施設の性質上、裁判所から見て「性行為目的で利用した」と推認されやすい傾向があります。
よくある反論に「休憩しただけ」「お酒に酔って寝ただけ」「別々の部屋だった」がありますが、これが通るには相当説得的な事情が必要になりやすいのが実情です。行動全体が不自然だったり、説明が後から変わったりすると、推認はさらに強まります。
また、旅行も同様です。二人で旅行し、同室に泊まっている場合は、性行為があったと推認されやすい典型例になります。たとえ「同室でも何もしていない」と主張しても、旅行の前後のやり取りや隠し方など、周辺事情が重視されることがあります。
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性的不能が事実であっても、ホテルで一緒にいたことから損害賠償が認められた裁判例もあり厳しめに見られがちです。
例外:夫婦関係を壊す言動で慰謝料が認められることも
ここまで見てきた通り、基本は「性行為があるか」です。ところが例外として、性行為の立証が弱くても、夫婦関係を積極的に壊すような言動が問題視され、慰謝料が認められることがあります。
典型は、不倫相手が既婚者に対して次のような働きかけを繰り返すケースです。
- 「今すぐ離婚して」
- 「別居してこっちに来て」
このように“夫婦共同生活の破壊”への関与が強い場合、性行為の有無とは別に「違法な介入」と評価され、責任が認められることがあります(肉体関係が確認できないのに慰謝料が認められた裁判例がある、という整理で押さえてください)。
キスやLINEのように単体では弱い要素でも、「夫婦を壊す目的で」「継続的に」「強く」関与していると評価が変わる点が、この例外の怖いところです。
特殊ケース(枕営業・人工授精・強制性交等)
最後に、境界線がさらに難しい特殊ケースをまとめます。ここは結論が割れ得るため、一般論として押さえ、具体的事情がある場合は早めに相談するのが安全です。
【枕営業・売買春】
営業目的で性的関係を持った場合でも、原則としては「自由意思による性的関係」に当たり得ます。ただし、事情によっては「婚姻共同生活を破壊する行為とは言いがたい」として責任が否定された裁判例もあり、評価が分かれ得ます。重要なのは、「商売だから常にセーフ」ではない、という点です。
【人工授精】
肉体関係がなくても、第三者との生殖に関わる行為は、配偶者に大きな苦痛を与えるとして慰謝料が認められることがあります。性交の有無だけで単純に割り切れない類型です。
【強制性交等】
自由意思がない(性暴力の被害)場合、被害者側に不貞行為が成立するとは通常言えません。一方で、加害者側には別の責任(刑事・民事)が問題になります。
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ここまでをまとめると、ポイントは次の3つです。
- フェラ(口淫)などの性交類似行為は、不貞行為に当たりやすい
- キスやLINE“だけ”は原則弱いが、周辺事情で「推認」や「例外責任」に繋がる
- ホテル・旅行・同室宿泊は推認が強く、否認の難易度が上がる
次のパートでは、不貞行為が認められた場合に「何が起きるか」(離婚・慰謝料の基本)を整理し、同時に“証拠と推認”の考え方、請求する側/された側の初動の違いまで解説します。
不貞行為が認められると何が起きる?(離婚・慰謝料の基本)
不貞行為(またはそれに準ずる違法な関与)が認められると、現実には大きく次の2つに波及します。
- 離婚の場面で不利になり得る(裁判上の離婚原因になり得る)
- 慰謝料(損害賠償)を請求・請求され得る
ここでは、「不貞行為どこから?」の先にある “結局どうなるのか” を、初めての方でも誤解しないよう最小限の枠組みで整理します。
離婚原因としての不貞行為(何が争点になりやすい?)
裁判上の離婚では、「配偶者に不貞な行為があったか」が重要な争点になります。もっとも、離婚の可否は「不貞行為の有無」だけで決まるわけではなく、次のような事情もあわせて見られます。
- 不貞行為があったとして、婚姻関係がどの程度傷ついたか(継続可能性)
- 夫婦がすでに別居していたか、破綻していたか
- 不貞行為の態様(期間・回数・悪質性)
特に「一度だけ」「キスだけ」「フェラだけ」という境界線のケースは、**“何があったか(事実)”と“夫婦関係への影響”**が絡み合い、当事者の見立てと結論がズレやすい領域です。
慰謝料は誰に、いくらくらい請求できる?(請求する側・された側)
慰謝料の場面では、ざっくり言うと次の構図になります。
- 請求する側(配偶者側)
→ 配偶者本人と、不倫相手の双方(またはいずれか)に請求を検討することが多い - 請求された側(配偶者/不倫相手)
→ 「不貞行為がない」「夫婦が破綻していた」「既婚者だと知らなかった(不倫相手側)」などを含め、反論の組み立てが必要になる
金額(相場)は一概に断言できませんが、一般論としては次の要素で大きく動きます。
- 不貞行為の期間・回数(長期・複数回ほど高くなりやすい)
- 夫婦の婚姻期間や子どもの有無
- 最終的に離婚に至ったか(至った方が高くなりやすい傾向)
- 不貞行為の態様(悪質性、隠し方、相手方への配慮の欠如など)
「キス」「フェラ」「LINE」など境界線の話は、慰謝料の“ゼロ/非ゼロ”に直結しがちですが、実務ではそれ以上に、証拠の強さ・推認のされ方・夫婦関係の状況で結果が変わります。
減額・支払い拒否が問題になる典型パターン(要点だけ)
請求された側(とくに不倫相手側)では、次の争点がよく出てきます。
- 夫婦関係がすでに破綻していた(破綻が先か不倫が先か)
- 既婚者だと知らなかった(知らなかったことに落ち度がないか)
- 不貞行為がない(キス・食事・連絡だけ等)/証拠が弱い
- 時効(請求期限が問題になる)
「キスだけだから」「フェラだけだから」と自己判断して、通知書や請求を放置するのは危険です。放置すると話が一方的に進み、後から争いにくくなることがあります。まずは“相手が何を根拠に、何を求めているのか”を整理しましょう。
証拠と“推認”の考え方:決定打がなくても認定される理由
不貞行為の争いは、極端に言えば「本当に性行為があったか」をめぐる事実認定です。しかし、そこに“決定的な証拠”があることは多くありません。だからこそ実務では、複数の事情を積み上げて、裁判所が 「性行為があったとみるのが自然だ」 と推認する構造がよく使われます。
ここを理解しておくだけで、次のような誤解が減ります。
- 「挿入の証拠がないから絶対に不貞行為にならない」
- 「本人が否認しているから大丈夫」
- 「キスやLINEだけなら証拠にならない」
推認とは何か?(やさしい言い方で)
推認とは、ざっくり言うと「直接見ていなくても、周りの事情からそうだったと判断する」ことです。
たとえば、ラブホテルへの出入りが撮影されていて、前後のLINEが恋愛・性的関係を強く示しているなら、裁判所は「性行為がなかった」との説明をそのまま信じないことがあります。日常感覚でも、“その状況で何もない”と言われると不自然に感じるのと同じです。
推認が強く働きやすい材料(典型)
推認の材料になるものは多岐にわたりますが、よく問題になるのは次のようなものです。
- ホテル(特にラブホテル)・同室宿泊・旅行の事実
- 会った日時・場所・滞在時間の具体性(深夜帯、長時間、密室など)
- LINE・メールなどで、性的関係をうかがわせる具体的な文言
- 供述が変わる、説明が不自然、隠しているなどの行動の不自然さ
- 探偵の調査報告書、領収書、クレカ明細などの客観資料
不貞行為 フェラ/不貞行為 キスのように“境界線”のケースでは、単体の証拠が弱くなりがちです。その代わり、複数の材料が揃うと一気に推認が強くなる点が重要です。
請求する側・された側で“証拠の見方”が違う
同じ証拠でも、立場によって見るポイントが変わります。
- 請求する側
→ 1つの証拠で完勝を狙うより、複数の事情を重ねて「性行為があったとみるのが自然」と組み立てる発想が重要 - 請求された側
→ “無い”で押し切るより、押し切るなら押し切れるだけの説明整合性が必要(矛盾が出るほど推認は強くなる)
「何が証拠になるか」よりも先に、**“相手が何を材料に推認しようとしているか”**を把握するのが近道です。そこが見えれば、必要な反論や補強(または交渉方針)も見えてきます。
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請求する側/請求された側:まず何をすべき?
ここからは実務パートです。境界線の理解だけで終わらせず、あなたの立場に合わせて「最初の一手」を整理します。
※以下は一般的な考え方です。実際は、証拠・関係者・家庭事情(家族バレ等)で最適解が変わります。
請求する側:まずやること(証拠→連絡→交渉の順番)
請求する側が最初にやるべきは、感情の整理よりも “事実の固定” です。
- 証拠(LINE、写真、領収書、日記メモなど)を消えない形で保存する
- いつ・どこで・何があったか、時系列を箇条書きで整理する
- 相手に直接詰めすぎない(証拠隠しや口裏合わせのリスクが上がる)
- 交渉のゴール(謝罪、再発防止、金銭、離婚の有無)を言語化する
「不貞行為 キス」「不貞行為 フェラ」のように境界線ほど、戦い方は“白黒”ではなく“組み立て”になります。材料が揃っていれば強く出られますし、弱ければ別の落とし所(合意形成)を考える方がよい場合もあります。
請求された側:まずやること(無視しない・不用意に認めない)
請求された側(配偶者や不倫相手)で一番多い失敗は、焦って次の行動をしてしまうことです。
- その場しのぎで「全部認めます」と言ってしまう
- 逆ギレ・脅し返しなどで状況を悪化させる
- 無視して放置する(手続きが進む)
まずは冷静に、次の順で整理してください。
- 相手の主張は何か(不貞行為?キス?フェラ?いつ?どこで?)
- 根拠は何か(証拠の種類・内容・強さ)
- 自分の立場はどれか
→ 不貞行為がない/夫婦破綻/既婚と知らなかった/金額が過大 など - 目標は何か→
減額・分割・早期解決・家族や職場に知られない など
詳しくは「慰謝料請求されたときの初動対応ガイド」もご覧ください。
証拠の総合判断になりやすい以上、「自分の中ではキスだけ」「フェラはない」という感覚だけで戦うと、推認で負けることがあります。必要なら早めに専門家へ相談し、主張の整理・交渉の窓口を整える方が結果的に安全です。
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よくある質問(Q&A)
法律上の不貞行為は原則として「自由意思による性的関係」です。キスだけでは原則として不貞行為に当たりにくい一方、ホテル利用や親密なやり取りなどの周辺事情があると、性行為が“推認”されることがあります。また、夫婦関係を壊すような強い関与があると、例外的に慰謝料が問題になることもあります。
フェラ(口淫)は性交類似行為として、実務では「性的関係」と同視されやすく、不貞行為に当たり得ます。争点は「本当に行われたか」「自由意思か」「周辺事情はどうか」になりやすく、証拠の組み立て(推認)が重要です。
やり取り“だけ”で直ちに性行為まで断定されるとは限りません。ただし、具体的な文言(性的関係をうかがわせる内容)や、ホテル・旅行などの他証拠と結びつくと、推認が強まることがあります。
回数だけで不貞行為が否定されるわけではありません。1回でも「自由意思による性的関係」と認定されれば、不貞行為に当たり得ます。
絶対とは言い切れません。決定打がなくても、ホテルの出入りややり取りの内容などを重ねて「性行為があった」と推認されることがあります。また、性行為の立証が弱くても、関与の態様によっては夫婦の平穏侵害として責任が問題になる例外もあります。
まずは相手の主張と根拠を整理し、放置や不用意な全面認めを避けましょう。推認の材料が何か(ホテル、LINE文言など)を把握したうえで、整合的な説明・反論を準備することが重要です。必要に応じて弁護士に相談し、交渉の窓口を整えると安全です。
まとめ:境界線の要点と早めの相談推奨
最後に、「不貞行為どこから?」の結論を、ポイントだけに絞って整理します。
- 不貞行為は原則として**「自由意思による性的関係」**で、フェラ(口淫)などの性交類似行為は不貞行為に当たり得る
- キスやLINEだけは原則として不貞行為に直結しにくいが、ホテル・旅行・具体的文言などが重なると「性行為があった」と推認されることがある
- 性行為の立証が弱くても、夫婦関係を壊すような強い関与があると、例外的に慰謝料が問題になることがある
- 請求する側は「事実の固定と証拠の積み上げ」、請求された側は「無視しない・不用意に認めない・推認の材料を把握」が重要
境界線のケースほど、結論は“あなたの感覚”ではなく、証拠と状況の総合判断で決まります。「キスだけ」「フェラだけ」と思っていても、周辺事情が揃えばリスクが上がりますし、逆に争えるのに早合点して譲ってしまうのも損です。
不安があるときは、早い段階で状況を整理し、必要なら専門家に相談して、あなたにとって最も安全な着地(減額・早期解決・家族や職場に知られない解決など)を選ぶことをおすすめします。
慰謝料請求された事案の無料法律相談実施中!
- 0円!完全無料の法律相談
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- 土日・夜間の法律相談も実施
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