社内不倫がばれるきっかけや5つのリスクを弁護士が徹底解説

社内不倫に悩まれている方へ

もし、あなたが社内不倫で悩んでいるなら、この記事をお読みください。不倫で慰謝料を請求された事案を数多く取り扱う弁護士が、豊富な実務経験から社内不倫がばれるきっかけや懲戒リスクを解説します。

(執筆者)弁護士 坂尾陽(Akira Sakao -attorney at law-)

2009年      京都大学法学部卒業
2011年      京都大学法科大学院修了
2011年      司法試験合格
2012年~2016年 森・濱田松本法律事務所所属
2016年~     アイシア法律事務所開業

 

1.     社内不倫は意外と多い

社内不倫は不倫で慰謝料を請求される事案の大半を占めます。会社という日常的に出会うきっかけがあるため、既婚者でも男女関係に発展しやすいからです。

 

1.-(1)  社内不倫で多いパターン

 

とくに上司の男性と部下の女性は、職場の上司部下という関係があるため、とくに不倫カップルで多いパターンです。

既婚者の男性上司から熱心に口説かれて、ついつい不倫に流されてしまうというケースも少なくありません。このような場合は不倫を止めたいと悩んでいるうちに、不倫相手の奥さんに不倫がばれて慰謝料を請求されたという相談も多いので注意が必要です。

 

1.-(2)  社内不倫の多い職場は?

 

個人的な見解になりますし、会社内の不倫とは異なりますが、病院内の不倫関係(医師と看護師)は非常に多いと感じます。

  • 医師はもてる
  • 医師は病院内で守られているため不倫をすることに抵抗が少ない
  • 医師と看護師は上下関係や信頼関係が仕事柄強い

ことが原因だと思われます。

 

病院内の不倫関係は、お互いが関係を割り切っていることや医師の奥様の世間体があるためか、既婚男性医師の奥様から女性看護師が慰謝料を請求されるケースは少ないようです。

他方で、不倫相手(愛人)とのトラブルを持て余したお医者様からのご相談は他職業に比べても非常に多いです

この点は、病院内の不倫関係で特殊と言えます。

 

1.-(3)  社内不倫のきっかけ

 

もし、あなたが職場の既婚者から口説かれて社内不倫に発展しそうと悩んでいるなら、社内不倫のきっかけになりやすいシチュエーションを知っておきましょう。社内不倫のきっかけを知っていれば、社内不倫を回避できるかもしれません。

 

①    打ち上げで飲みに行く

社内不倫のきっかけは2人で飲みに行くことです。とくに、会社の業務に区切りがついて、「打ち上げをしよう」と誘われたら要注意です。

お酒を一緒に飲むことはただでさえ恋愛関係に発展しやすい上に、打ち上げは業務が終わった開放感でつい羽目を外してしまい社内不倫のきっかけになりやすいからです。

 

②    職場の飲み会

会社の部署内の歓送迎会や懇親会という職場の飲み会も社内不倫のきっかけになります。

2人きりで飲む場合に比べて安心だと思われるかもしれません。しかし、他に職場のメンバーも居るからという安心感があるからこそ、思いがけず社内不倫に発展する場合があります。

 

③    社員旅行

社員旅行も社内不倫のきっかけになるシチュエーションです。何となくお互いが意識しているような場合に、社員旅行で日常生活から離れたことがきっかけとなり大胆な行動へ繋がることも多いようです。

 

④    仕事の悩み

既婚女性と社内不倫になるきっかけとして仕事の悩みがあります。最初は、会社の人間関係や業務内容に関する相談だったのが、夫婦関係の相談に発展するうちに不倫関係に発展するパターンも非常に多いです。

職場の既婚女性からご主人の悪口を言われて不倫関係になった場合はどうしても同情しがちです。ご主人から不倫慰謝料を請求されても不倫関係を継続する形で解決を希望される方も多いです。

 

⑤    残業中

業務が忙しくなって残業中に社内不倫のきっかけができることもあるようです。一緒に残業を繰り返すうちにお互いに恋愛関係が芽生え、不倫交際に発展するパターンです。

 

⑥    2人きりの業務時間中

少し特殊なケースですが、会社の社長・役員と社内不倫になるパターンでは2人での業務時間に社内不倫をする場合もあります。

自分の業務時間をコントロールできる社長・役員ならではの社内不倫とも言えるでしょう。会社の社長が、お昼休み中や外回り中に女性社員とホテルに行っていたという事例もあります。

 

2.     社内不倫をする人の特徴

2.-(1)  仕事に対して一生懸命

 

社内不倫は、職場の関係をベースにすることから男女問わずに仕事に一生懸命な人が多いです。

仕事に一生懸命な人を身近で見ていると、かっこよく見えたり、助けてあげたくなったりすることから、恋愛関係に発展しやすいのです。

 

2.-(2)  コミュニケーション能力が高い

 

社内不倫を続けるためにはコミュニケーション能力が必要です。職場の人間の目があるため、自分の感情をコントロールできる人が社内不倫をしやすいと言えます。

 

社内不倫を続けるためには以下のように細かな注意が必要となるため、コミュニケーション能力がないと続かないとも言えます。

  • 不倫関係になってからも日常業務では態度を変えない
  • 仕事終わりのデートで会うときに怪しくないよう工夫をする
  • ケンカを引きずらないように感情をコントロールする。

 

2.-(3)  家庭が上手く行っていない

 

不倫がばれて慰謝料を請求された事案の法律相談では、不倫関係を継続するか不倫関係を終了するかが問題となります。

社内不倫の事案では、家庭が上手く行っていないため、慰謝料を請求されても不倫関係を継続することを希望する人が多いように感じています。

 

不倫をする人の家庭が上手く行っていないのは当たり前と感じられるかもしれません。しかし、不倫をするからと言って、必ずしも家庭関係が悪いわけではありません。とくに、SNSや出会い系経由の不倫は遊び感覚のことも多いです。

(参考)【弁護士執筆】SNS不倫で慰謝料請求されたときの落とし穴

 

これに対し、社内不倫は、職場内の人間関係や自分のキャリアを破壊することになりかねないため遊び感覚ではできません。家庭が上手く行ってないからこそ、リスクの高い社内不倫に踏み切ると言えるのかもしれません。

 

3.     社内不倫がばれるきっかけ

社内不倫がばれる場面には以下の2つがあります。

  • 職場の人間に社内不倫がばれる
  • 既婚者の配偶者に不倫がばれる

 

ここでは前者を念頭において社内不倫がばれるきっかけを説明します。しかし、あなたが社内不倫をしているのであれば、「社内不倫はもうばれている」と思った方が良いでしょう。

社内恋愛は雰囲気で何となくわかりますし、社内であの二人が怪しいというレベルであれば予想より早く噂になるからです。

 

既婚上司とできてる、既婚者同士で怪しいと社内不倫が疑われるきっかけには以下のようなものがあります。

 

3.-(1)  アイコンタクトやボディタッチ

 

社内不倫の発覚は「あの二人は最近雰囲気いいね」という話から最初は始まります。職場でいい雰囲気の男女がいれば、さりげないアイコンタクトやボディタッチでも目についてしまうからです。

社内不倫の当事者同士では隠しているつもりでも、上司とできている、あの二人は怪しいと思われているかもしれません。

 

3.-(2)  過度によそよそしい

 

他方で、社内不倫を隠そうとしたため、過度によそよそしくて不自然な態度になることが不倫がばれるきっかけになる場合もあります。

とくに「既婚者同士のため怪しいと思われないようにしよう」と約束しているようなケースでは、お互いを無理に無視するような態度になって社内不倫が発覚するきっかけになりかねません。

 

3.-(3)  オフの時間を一緒に取る

 

退社時間や有給を取るタイミングが被ってしまって不倫がばれるきっかけになることもあります。例えば、退社時間はある程度ずらすとしても、他のメンバーが残業中に「最近はあの二人はいつもいないね」ということから、「あの二人はできているのでは?」と不倫がばれるきっかけになるのです。

 

3.-(4)  デートの現場を偶然目撃される

 

最終的にデートの現場を偶然目撃されることによって、社内不倫が職場内でばれてしまいます。デートで会っているところを見られても、裁判で社内不倫を立証するのに足りる証拠とは言えないかもしれません。

(参考)不倫の証拠について

 

しかし、既婚者と社外で会っているところを目撃されれば、少なくとも職場内では社内不倫は確定的な事実として扱われてしまいます。

今までは「社内恋愛は雰囲気で分かる」、「あの二人が怪しい」だったのが、「上司とできている」、「既婚同士でダブル不倫している」という噂に変わる瞬間です。

 

3.-(5)  社内不倫が既婚者の配偶者にばれるきっかけ

 

社内不倫は、なんとなく雰囲気で分かりますし、「上司とできているのでは?」、「あの二人は怪しい」という意味で、職場内でばれるのはすぐです。

 

職場内で社内不倫がばれるのはともかく、既婚者の配偶者に社内不倫がばれると事態は深刻です。職場内にばれるだけであれば見て見ぬふりも考えられますが、既婚者の配偶者にばれると弁護士を通じて又は裁判で不倫慰謝料を請求される事態に発展しかねません。

 

社内不倫が既婚者の配偶者にばれるきっかけは様々です。職場内でばれるのとは無関係にばれることの方が多いでしょう。不倫がなぜ既婚者の配偶者にばれるのかは下記記事で詳しく説明していますのでご覧ください。

(参考)不倫がバレる確率と不倫がバレる5つの理由【弁護士執筆】

 

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4.     社内不倫 5つのリスク

社内不倫はその他の不倫関係に比べてもリスクが大きいと言えます。

 

4.-(1)  職場の人間関係への悪影響

 

社内不倫が誰にも知られずに終わったとしても、別れた相手と同じ職場であることから気まずい思いをすることになります。

また、社内不倫が職場内でばれると会社内で信用を失ってしまいます。恋愛関係は当事者の自由ですが、職場で不道徳なことをしていた又は上司部下の関係を乱用したと思われてしまいます。

とくに、そりの合わない上司やライバルに社内不倫を知られるとキャリアに悪影響を及ぼす可能性すらあります。

 

4.-(2)  会社からの懲戒処分や不利益のリスク

 

社内不倫が公になると会社との関係でリスクも生じます。

特別な事情がない限りは正式な懲戒処分を受けることは原則としてはないでしょう。しかし、お互いが納得した上で部署異動をさせられる、又は人事評価上でマイナスに考慮されることは十分あり得ます。

会社側としても、表向きは社内不倫を理由に不利益な処分をするとリスクがあります。しかし、出世コースに乗るか否かというところで社内不倫の事実が何となくマイナスに考慮されることはあるでしょう。

 

4.-(3)  既婚者の配偶者に不倫がばれたときの大きなリスク

 

①    不倫で慰謝料を請求される

社内不倫が既婚者の配偶者にばれたときは慰謝料を請求されるリスクがあります。不倫の慰謝料は300万円程度の高額な請求がなされることが多く、社内不倫が既婚者の配偶者にばれると深刻なリスクがあります。

(参考)不倫慰謝料の相場

 

②    家庭が崩壊する(離婚する)

社内不倫が既婚者の配偶者にばれると家庭崩壊・離婚のリスクもあります。自分の家庭が崩壊するのはもちろん、不倫相手の配偶者が崩壊するのも気分が良い人は少ないでしょう。

もっとも、社内不倫では、既に夫婦関係が破たんしているケースも少なくありません。とくに、既婚女性の悩み相談が社内不倫のきっかけであるときは、既婚女性がご主人と離婚することを望むケースも多いように感じます。

不倫が既婚者にばれて慰謝料を請求されても、不倫関係を続けることは可能です。こちらが離婚したいと思っている場合は、最初から不倫関係を継続することを前提とした社内不倫もあるでしょう。

(参考)不倫をやめることを強制されるか?

 

③    退職を求められる

社内不倫で慰謝料を請求されたときは退職を求められることも少なくありません。退職は強制されることはありませんが、慰謝料を減額する条件として退職を受け入れることもあるでしょう。

また、職場の雰囲気や文化次第では、社内不倫が職場内でばれたら退職せざるを得ない状況に追い込まれるリスクもあります。

(参考)社内不倫で慰謝料を請求されたとき退職の必要性や減額のポイントを解説

 

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5.     社内不倫をやめるには

社内不倫をやめたい、終わらせたいと思うのであれば以下の点に注意して対応することをおすすめします。

 

5.-(1)  相手が別れたいと思うように工夫する

社内不倫は、別れた後も職場の人間関係が残ります。本当はあなたの方が社内不倫をやめたいと思っていても、相手から別れを切り出すように仕向ける方が円満に別れることができます。

とくに効果があるのは家庭の話題をすることでしょう。自分から家庭の話題をすることは不倫を終わらせる絶好の機会になります。

 

5.-(2)  業務上で必要な接触以外は断つ

社内不倫では一度別かれても、会社で日常的に会うため復縁しやすいと言えます。そのため確実に社内不倫を終わらせるためには、業務で必要な接触以外は完全に断つことをおすすめします。

また、社内不倫で慰謝料を請求されたときは、既婚者の配偶者は、本心としては慰謝料を獲得するよりも確実に別れさせたいと思っていることも少なくありません。万が一慰謝料を請求されたときも、「別れた後は業務で必要な連絡以外は取っていません」と主張すれば、慰謝料の減額がしやすくなります。

 

5.-(3)  感情的に話し合いをしない

不倫相手との別れ話ではお互いが感情的になってしまいがちです。

感情的に別れ話をすると、相手がストーカーのようになる又は職場や家族にばらすと脅迫する等のように暴走するリスクがあります。

一般的には、冷静に話し合えば社内不倫はリスクが高く得るものがないためお互いにとって別れるのばベストな選択であることが確認できるはずです。別れたい、別れたくないという感情論ではなく、社内不倫のメリット・デメリット・リスクを踏まえた冷静な話し合いにもっていくようにしましょう。

 

(参考)いきなり連絡を絶たない(お医者さんに多い)

お医者様の男女トラブル事案(婚約破棄や愛人トラブル)では、面倒になったのかいきなり連絡を絶って放置したために問題が大きくなる事例が多いように感じます。「社内不倫の多い職場は?」の通り、病院内の社内不倫はよく聞きますが、別れるときにいきなり連絡を絶つことはおすすめしませんのでご注意ください。

 

6.     まとめ

今回は、社内不倫についてばれるきっかけやリスクを説明しました。

 

不倫で慰謝料を請求された事案を数多く扱っていると社内不倫は非常に多い類型であると感じます。社内不倫は、SNSや出会い系経由の不倫に比べると、会社や職場内に悪影響を及ぼす可能性があるためリスクが高いと言えます。

 

もし社内不倫に悩んでいるのであれば、現在置かれている状況を客観的に把握し、今後どうするべきかを冷静に判断することをおすすめします。

そして、社内不倫をやめることを決意したのであれば、粛々と別れる準備をしましょう。社内不倫が長引くと、どんどんリスクは高まります。問題が大きくならないうちに社内不倫を終わらせた方が良いでしょう。

 

また、社内不倫が原因で慰謝料を請求されたのであれば、弁護士に相談することをおすすめします。社内不倫で慰謝料を請求された場合の特有の問題点は下記記事を参考にしてください。

(参考)社内不倫で慰謝料を請求されたとき退職の必要性や減額のポイントを解説

 

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