LINEだけ・会ってない不倫は不貞行為？慰謝料請求リスクと対応

「会ってないのに不倫扱いされて慰謝料請求された…」

「LINEやSNSだけでも不貞行為になるの？」

「オンライン不倫（SNS不倫）って慰謝料の対象？」

近年、LINE・DM・SNS・マッチングアプリなど、**“会っていない関係”**が原因で慰謝料トラブルになるケースが増えています。もっとも、法律上の「不貞行為」は、日常会話の“浮気”とイコールではありません。

この記事では、次の点を「境界線」に寄せて整理します。

LINEだけ・会ってない不倫は「不貞行為」になる？まず結論

結論から言うと、会っていない／肉体関係がないのであれば、一般に「不貞行為（不貞慰謝料）」としては成立しにくい傾向があります。

法律上、慰謝料の中でもいわゆる「不貞慰謝料」は、基本的に 配偶者以外との性的関係（性交渉やそれに準ずる行為） が中心になります。

そのため、オンライン上のやり取りだけ（恋愛感情、性的な文言、親密なやり取り）だと、不貞行為の立証が難しい場面が多い、というのが大枠です。

ただし注意点があります。

1つ目は、「会ってない」と本人が言っていても、証拠の積み上げで会っていた（肉体関係があった）と推認されることがある点です。

（例：ホテル出入り、交通費、同時刻の位置情報、目撃などが重なる）

2つ目は、不貞慰謝料が難しくても、ケースによっては「夫婦関係を壊すほどの行為」と評価されて、別の主張で揉めることがある点です（ただし結論は事案によります）。

不貞行為の定義・要件（肉体関係が必要か等）を先に整理したい場合は、こちらが参考になります。

不貞行為とは？法律上の定義と要件（肉体関係が必要か）

また、不貞行為全体の「どこから不貞か」「証拠・否認・裁判」の全体像はカテゴリページに整理しています。

不貞行為とは｜どこから不貞か（定義・境界線）

境界線：会ってないのにリスクが上がるパターン（推認が強まる要素）

「会ってないのに慰謝料請求された」ケースで、リスクが上がるのは次の2タイプです。

• （A）実際は会っているのに“会ってない”と言っている
• （B）会っていないが、会う直前・会う前提の準備が揃っている

特に（A）は、LINE・SNSが“入口”になって、別の証拠で推認が固まると一気に不利になります。

逆に言うと、

• やり取りが抽象的（好意レベル）
• 会う話がなく、具体的な日時場所の連絡もない
• 客観的な痕跡（交通・宿泊等）と結びつかない
• …という場合は、「不貞行為の立証」としては弱くなりやすいです。

他方で、「ラブホテルの出入り」が絡むと推認が一気に強くなります。ホテル証拠の評価は次の記事で詳しく解説しています。

ラブホテルに入っただけで不貞行為？証拠としての評価と反論ポイント

慰謝料請求のリスク：誰に請求される？（配偶者／相手方）と要件

「LINEだけ不倫」で実際に起こりやすい請求パターンは、主に次の2つです。

1）配偶者（夫・妻）から請求される

夫婦間では、不貞行為がなくても強い非難が起きやすく、話が大きくなることがあります。

ただ、法的に「不貞慰謝料」として通すには、やはり**肉体関係（またはその推認）**が中心論点になりやすいです。

2）相手（不倫相手とされる側）として請求される（第三者請求）

相手方配偶者から「あなたが家庭を壊した」と請求される形です。

この場合、一般的には次の論点が絡みます。

会っていないなら、中心の「不貞行為」部分で争点化しやすい一方、不用意な発言や謝罪で「関係性が強かった」と解釈されると、交渉が不利になることがあります。

「肉体関係がないのに慰謝料請求された」ケースの反論テンプレ（請求された側の初動）は、次の記事で詳しく整理しています。

肉体関係がないのに慰謝料請求された：不貞行為がないと主張できる？

証拠の考え方：LINEスクショはどれくらい強い？（強い証拠・弱い証拠）

LINE・SNSのスクショ（画面保存）は、「不貞行為そのもの」を直接示す証拠としては弱いことが多い一方で、次の用途では強く働くことがあります。

一方で、スクショは「切り取り」「改変」「文脈の欠落」が争点になることもあります。

請求する側は、可能であれば 前後の流れ（時系列） まで含めて整理し、「いつ・どこで・何が起きたか」を説明できる形にすることが重要です。

「SNSや出会い系で請求されたときの“落とし穴”（スクショ・やり取りの扱われ方、拡散リスク等）」を広めに知りたい場合は、既存記事も併せてご覧ください。

SNSや出会い系の不倫で慰謝料請求されたときの落とし穴

対応の注意点：請求する側／された側の初動・NG対応

ここは勝ち負けに直結しやすい部分です。

請求された側（LINEだけと言いたい側）の初動

やるべきことは「反射的に返信しない」ことです。

まずは、請求内容と争点を仕分けします。

「認めない（否認）」で進める際の交渉・説得の組み立ては、次の記事が参考になります。

不貞行為を認めない場合も諦めない｜説得術・証拠集め・慰謝料請求方法

請求された側で、早めに状況整理したい方は相談ページもご覧ください。

慰謝料を請求された人の無料相談（不倫した側）｜初動・減額のポイント

請求する側（配偶者のLINE不倫を疑う側）の初動

請求する側は「問い詰める」より先に、証拠と時系列を整理した方が結果的に有利です。

• やり取りが“会う・宿泊・ホテル”など現実の行動に結びつくか
• 交通・宿泊・行動の痕跡があるか
• 反復継続しているか（1回か、複数回か）

不貞行為の全体像（どこから不貞か、証拠の組み立て、裁判の争点）を確認したい場合は、こちらも参考になります。

不貞行為とは｜どこから不貞か（定義・境界線）

まとめ：会ってない不倫の判断チェックリスト

会っていない／LINEだけの関係は、一般に不貞行為（不貞慰謝料）としては成立しにくい傾向がある一方で、推認が強まる材料があると一気にリスクが上がります。

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