不倫で探偵に依頼すべき?費用相場・見積もりの見方・依頼前チェックリスト

「不倫 探偵 依頼」で検索している方は、多くの場合、疑いは強いのに“決定打の証拠”がなく、探偵費用をかけるべきか迷っています。探偵に頼めば必ず勝てるわけではありませんが、目的と状況が噛み合えば、交渉や裁判の流れを大きく変えられることもあります。

最初に結論を述べます。

自分のモヤモヤ解消のためではなく法的手続きを少しでも考えているなら、弁護士への無料相談で「探偵に依頼する必要があるか」を確認しましょう!

なぜそう言えるのか、この記事では次のような疑問に答えます。

  • 探偵に依頼すべきケースと、避けた方がよいケースは?
  • 不倫調査の費用相場はどれくらい?何で金額が変わる?
  • 見積もりで必ず見るべき「内訳」と「追加料金」のポイントは?
  • 調査報告書はどう使う?弁護士と連携すると何が変わる?
  • 依頼のタイミングと、依頼前に準備しておくべきことは?

探偵調査は、探偵業法などのルールに沿った適法な範囲で行うことが大前提です。結論は個別事情で変わるため、重要局面では弁護士に相談したうえで判断してください。

基本的には探偵は「疑いを確信に変える道具」ではなく「立証を固める道具」です。目的から逆算しましょう。

(執筆者)弁護士 坂尾陽(Akira Sakao -attorney at law-)

2009年      京都大学法学部卒業
2011年      京都大学法科大学院修了
2011年      司法試験合格
2012年~2016年 森・濱田松本法律事務所所属
2016年~     アイシア法律事務所開業

不倫慰謝料に詳しい坂尾陽弁護士

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探偵に依頼すべきケース/やめた方がよいケース

まず最初に整理したいのは、「探偵に何をしてもらいたいのか」です。ここが曖昧だと、調査日がズレたり、必要な証拠が取れなかったりして、費用だけが膨らみやすくなります。

不倫の慰謝料や離婚で“強い証拠”になりやすいのは、一般に 不貞行為(肉体関係)を推認できる客観的な状況 です。たとえば、ラブホテルや宿泊先への出入り、同一人物の継続的な接触状況などが典型です(ただし、状況や他の証拠との組み合わせで評価は変わります)。

探偵依頼が有効になりやすいのは、次のようなケースです。

  • 会う曜日・時間帯・場所など「張り込む当たり」がある(成功率が上がる)
  • 相手が警戒していて、自力での尾行・撮影では限界がある
  • 示談交渉だけでなく、調停・裁判まで視野に入っている(証拠の質が重要)
  • 不倫相手の特定(氏名・住所など)が必要になりそう
  • こちらが感情的に動くと不利になりやすく、第三者に任せた方が安全

反対に、やめた方がよい(または先に別の手を打つべき)ことが多いのは、次のようなケースです。

  • 目的が「事実確認だけ」で、法的手続きに進む予定がない
  • いつ会っているか全く分からず、調査日を当てられない(空振りが増えやすい)
  • すでに十分強い証拠が揃っていて、追加調査の費用対効果が薄い
  • 予算的に厳しく、生活を圧迫する(長期戦になりやすい)

「どんな証拠が必要で、探偵がどこを補えるのか」を全体像から確認したい場合は、まずこちらが近道です。

不倫 証拠の総合ガイド|使える証拠一覧・収集方法・裁判での証明力

また、「今は証拠がほぼない」状態からどう動くか(違法にならない集め方)も、判断材料になります。

不倫証拠なしでも諦めない!合法的に立証する具体的対処法

費用相場の目安と料金が増える要素(時間制/パック/成功報酬)

探偵費用は地域・会社・調査難易度で幅がありますが、イメージとしては 「スポット(短期)なら数十万円以内に収まることもある一方、複数日・長期だと数十万円〜100万円超」 まで見ておくと現実的です。

費用がブレる理由は、調査コストの中心が次の要素で決まるからです。

  • 調査員の人数(1人か、複数人か)
  • 稼働時間(何時間張るか、深夜帯か)
  • 日数(1回勝負か、複数回で固めるか)
  • 車両の有無、移動距離、高速代、宿泊費などの経費
  • 対象者が警戒しているか、行動パターンが読めるか

料金体系は大きく3つに分かれます。

(1)時間制(人員×時間)

「調査員○名×○時間×単価」という形で見積もりが出るタイプです。空振りのリスクはありますが、内訳が明確なら比較しやすいのがメリットです。

(2)パック(一定時間・一定日数のセット)

20時間・30時間など枠が決まっていて、必要に応じて消化していくタイプです。行動パターンが読めず“何回か張る必要がある”ケースだと合うことがあります。

(3)成功報酬型(着手金+成功条件)

「成功の定義」が超重要です。成功条件が曖昧だと、後で揉めやすくなります(例:ホテル出入り1回で成功扱いなのか、複数回なのか、相手特定まで含むのか等)。

MEMO

「安い=得」ではありません。必要な証拠が取れないと、結局やり直しで高くつくことがあります。

見積もり・契約の見方:ここを外すと“追加料金”で揉めやすい

見積もりは「総額」だけ見ても判断できません。重要なのは、内訳が合理的で、追加料金のルールが書面で固定されているか です。探偵に依頼する前に、最低限ここはチェックしてください。

  • 内訳が明確か(調査員数・時間・単価、車両費、経費の扱い)
  • 延長や追加稼働の条件が書面化されているか(上限・承認方法)
  • 成功報酬の「成功条件」が具体的か(成功の定義/不成立時の扱い)
  • 調査範囲が具体的か(日時の候補、対象者、調査方法、報告頻度)
  • 成果物が明確か(調査報告書の内容、写真・動画データの受領方法)
  • 探偵業の届出をしているか(証明書の提示/重要事項説明の有無)
注意

違法になり得る調査(アカウント不正アクセス、無断の盗聴・盗撮など)を提案されたら要注意です。証拠を取るつもりが、逆にあなたがトラブルを抱えることがあります。

契約前に確認しておくと安心なのは、他にも次の点です。文章での説明が曖昧なら、必ず書面(契約書・重要事項説明など)に落としてもらいましょう。

  • キャンセルや日程変更の扱い(手数料・返金の有無)
  • 個人情報・データの保管期間と廃棄(漏えいリスク対策)
  • 調査中の連絡方法(都度承認が必要か、緊急対応の範囲)

調査報告書の質で結果が変わる:弁護士と連携して“使える形”にする

探偵の価値は「張り込み」だけではなく、最終的に出てくる 調査報告書の質 にあります。交渉・裁判で使うなら、少なくとも次の要素が揃っているほど強くなります。

  • 日時や場所が連続して分かる(いつ、どこで、何をしたか)
  • 対象者と不倫相手の同一性が分かる(顔、服装、車両等の識別)
  • 行動の流れが追える(合流→移動→滞在→退出など)
  • 写真・動画が“意味のある瞬間”を押さえている(出入り、同伴等)
  • 報告書として体裁が整っている(記載の正確性・客観性)

一方で、写真が数枚あるだけ、日時が曖昧、前後関係が飛んでいる…といった報告書だと、相手方から「推測に過ぎない」「切り取りだ」と争われやすくなります。

「証拠が裁判でどこまで使えるか」「どう評価されやすいか」を先に掴みたい場合は、こちらで全体像を確認してください。

不倫の証拠はどこまで使える?裁判で失敗しないための必須知識【判例付き】

また、探偵費用をかける前に知っておきたいのが、「その費用を相手に請求できるのか」という現実です。結論はケース次第で、必要性・相当性などが問題になります。

探偵費用は相手に請求できる?認められる条件と交渉・裁判のポイント

すでに「探偵費用を払う必要があるのか(請求された側)」で揉めている場合は、こちらも参考になります。

不倫 探偵 費用は払う必要がある?認められる条件・裁判例と減額のポイント【解決事例】

依頼タイミングと準備:無駄打ちを避ける「段取り」

探偵依頼は、タイミングがズレると空振りが増えます。おすすめは「感情がピークのときに即契約」ではなく、次の段取りで“当たり”を作ってから依頼することです。

(1)目的を1つに絞る

慰謝料請求をしたいのか、離婚を進めたいのか、不倫相手の特定が必要なのか。目的が複数だと調査設計がブレます。

(2)相手の行動パターンを整理する

怪しい曜日、残業・出張の頻度、帰宅が遅い日、よく行くエリア。ここが具体的だと、調査時間を短縮でき費用も下がりやすいです。

(3)「先に弁護士へ相談」も選択肢に入れる

探偵で何を取るべきか、逆に取らなくてもよいか(すでに足りているか)を整理すると、依頼の過不足が減ります。報告書を受け取った後の進め方(示談書、請求の順序)も含めて設計できます。

(4)複数社で比較し、見積もりは“内訳”で判断する

総額が安く見えても、追加費用が重なる設計だと結局高くなります。逆に高い見積もりでも、調査員の配置や車両の使い方に合理性がある場合もあります。

(5)調査が入ったら、本人に問い詰めない

調査中に相手を問い詰めると警戒され、行動パターンが変わって証拠が取りづらくなることがあります。報告書が出てから、弁護士と一緒に“攻め方”を決める方が安全です。

なお、あなたが「請求された側」で、探偵報告書を突き付けられそう・すでに突き付けられた場合は、見方(同一性・文脈・違法収集など)の観点が変わります。

(請求された側向け)相手の証拠が弱いときの反論|否認・信用性・違法収集のポイント

探偵=法的手続きの証拠集めと考える場合、法的手続きを行う弁護士に現時点での証拠だと足りないかを最初に確認することをおすすめします!

まとめ

探偵に依頼するか迷ったら、「目的」「当たり(情報)」「見積もりの透明性」「報告書の質」「依頼後の段取り」の5点で判断すると失敗が減ります。

  • 目的が「立証」なら探偵が有効になる場面がある
  • 相場は幅が大きく、人数・時間・日数で費用が変わる
  • 見積は総額より内訳と追加料金ルールを重視する
  • 報告書は時系列・同一性・連続性が揃うほど強い
  • 調査中に問い詰めると空振りが増えやすい

関連記事・次に読むべき記事

迷ったら「証拠は十分か」と「使う場面」を先に考えてください。そこが定まると、探偵に払うべき金額の上限も見えてきます。

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