配偶者の不倫が発覚した場合、精神的な苦痛を受けるのは当然のことです。その損害に対して請求できるのが「不倫慰謝料」です。しかし、「実際にどれくらいの金額を請求できるのか?」と疑問を持つ方も多いでしょう。
この記事では、不倫慰謝料の相場や裁判例をもとに、慰謝料額の決まり方、請求方法、請求された場合の対処法などを詳しく解説します。
2009年 京都大学法学部卒業
2011年 京都大学法科大学院修了
2011年 司法試験合格
2012年~2016年 森・濱田松本法律事務所所属
2016年~ アイシア法律事務所開業
Contents
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不倫慰謝料の相場とは?
不倫慰謝料の金額はケースによって異なりますが、一般的な相場は50万円~300万円 です。なお、不倫慰謝料の請求金額は一般的に200万円から300万円程度です。つまり、不倫慰謝料の相場よりもやや高額な金額を請求することが実務上は少なくありません。
不倫慰謝料の具体的な金額は以下のような要因によって変動します。
不倫慰謝料の一般的な相場
- 不倫が短期間(数ヶ月以内):50万円~100万円
- 不倫が長期間(1年以上):100万円~200万円
- 不倫が原因で離婚に至った:200万円~300万円
- 妊娠・出産を伴う不倫:300万円以上
慰謝料額は、不倫の影響の大きさや証拠の有無によって増減するため、具体的な事情を考慮する必要があります。
不倫慰謝料の相場に影響を与える要因
慰謝料の金額は、以下の要因によって変動します。
① 不倫の期間
数ヶ月の関係 → 低額(50万円程度)
1年以上の関係 → 増額(100万円以上)
② 婚姻期間
結婚直後の不倫 → 低額
長年連れ添った場合 → 増額
③ 子供の有無
子供がいる → 精神的負担が大きいため慰謝料が増額されやすい
子供がいない → 慰謝料が比較的低くなる傾向
④ 配偶者との関係性
夫婦関係が破綻していた場合 →免除・減額される可能性がある
夫婦円満な状況での不倫 → 慰謝料は高額になりやすい
⑤ 不倫相手の態度
謝罪し、示談を希望 → 減額の可能性
開き直り、裁判に発展 → 慰謝料が高額になる可能性
⑥ 証拠の有無・強さ
確実な証拠(LINEのやりとり、ホテルの領収書、探偵の報告書)がある場合、慰謝料請求は有利になる
証拠がない場合、相手が否認すると請求が難しくなる
裁判例にみる慰謝料相場
長期間の不貞関係が認められたケース
東京地裁平成28年2月26日判決
慰謝料額:250万円
概要:婚姻期間中、夫が約9年間にわたり不貞関係を継続し、その後、配偶者の死亡後に不貞相手に対して慰謝料請求が行われました。裁判所は長期間の不貞関係を重く見て、慰謝料250万円の支払いを命じました。
この事例は、長期間にわたる不貞行為が慰謝料額の増加要因として考慮されたものです。不貞行為の期間や内容は、慰謝料の金額に大きく影響を与えることが裁判所の判断からも伺えます。
不貞行為の頻度が多く、長期間にわたったケース
東京地裁平成28年2月1日判決
慰謝料額:250万円
概要:被告は原告の配偶者と約3年4ヶ月にわたり不貞関係を継続していた。途中約1年の中断期間があったものの、その後関係が再開された。裁判所は、不貞行為の期間と頻度を重視し、慰謝料として250万円の支払いを命じた。
訴訟で虚偽を述べたことや幼い子供がいる状況での不貞行為が悪質と判断されたケース
東京地裁平成29年10月26日判決
慰謝料額:250万円
概要:被告は原告の配偶者と約5ヶ月間不貞関係を持ち、避妊をせずに子供を作る意図があったと認められた。原告と配偶者の間には2歳の子供がいたことから、裁判所は被告の行為を悪質と判断した。さらに、訴訟の過程で、被告は原告の配偶者と同居していたことを隠し、原告の配偶者と会っていない虚偽の主張をしていたことも踏まえて、慰謝料として250万円の支払いを命じた。
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慰謝料請求の方法と流れ
慰謝料を請求する方法は大きく分けて3つです。
①直接交渉する
メリット:早期解決が可能
デメリット:感情的になりやすく、合意が難しい
② 内容証明郵便を送る
メリット:正式な請求の証拠になる
デメリット:相手が拒否する可能性がある
③ 裁判を利用する
メリット:法的強制力がある
デメリット:時間と費用がかかる
弁護士に慰謝料請求を依頼するメリット
慰謝料を請求する場合に、自分で請求するか弁護士に依頼するか迷われるかもしれません。弁護士に依頼することで、以下のようなメリットがあります。
- 高額な慰謝料金額の獲得:裁判例や慰謝料相場に基づいて高額な慰謝料を請求できる
- 交渉の代理人として対応:感情的な対立を避け、冷静な交渉が可能。
- 証拠の整理と法的手続きの支援:証拠の収集や書類作成のサポートを受けられる。
- 裁判手続による請求が可能:裁判で慰謝料を請求する場合は弁護士に依頼することが一般的です。
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慰謝料請求された場合の対応策
慰謝料を請求された側にとっても、不倫慰謝料の相場を知っておくことは重要です。とくに、実務上は慰謝料相場よりも高額な金額を請求されることが多いため、不倫慰謝料の相場を知っていれば慰謝料を減額できることも少なくありません。
冷静に内容を確認する
まずは、請求された慰謝料の金額と理由を確認しましょう。証拠が不十分な場合は争う余地があります。慰謝料を請求された直後に確認するべきポイントについては下記記事を参考にしてください。
(参考)慰謝料を請求されたらどうする?今すぐ確認すべき5つのポイント
減額交渉を行う
「不倫関係が短かった」「夫婦関係がすでに破綻していた」などの理由で減額できる可能性あります。具体的な慰謝料の減額交渉のポイントは下記記事を参考にしてください。
法的手続きを視野に入れる
不倫トラブルを裁判沙汰にしたくないと考える方は少なくありません。しかし、慰謝料相場を大幅に超える請求がされた場合は裁判による対応も検討しましょう。裁判になった場合、相場を超えた慰謝料請求は認められない可能性は高いためです。
弁護士に相談し、適切な対応をとる
慰謝料を請求された場合は、とくに弁護士に早めに相談するべきです。慰謝料を請求する側は被害感情が強く、自分で慰謝料の減額交渉をしても、相手に「不倫をしたくせに反省していない」と思われてしまいます。自分で対応をしたため大きなトラブルに巻きこまれることもあるため、一度は弁護士に相談することをおすすめします。
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慰謝料相場についての深く知りたい方へのQ&A
慰謝料は分割払いできるの?
はい、慰謝料は分割払いが可能です。ただし、相手が合意しなければならず、示談書や公正証書で支払い計画を明文化することが重要です。裁判で決定した場合も、経済状況によっては分割が認められることがあります。
婚約中の浮気でも慰謝料は請求できる?
可能ですが、婚姻関係ではないため、相場は50万円~100万円程度と低めです。ただし、結婚式直前の裏切りや妊娠・中絶を伴う場合は、相場が上がることもあります。
離婚しない場合でも慰謝料は請求できる?
可能です。「婚姻関係が破綻しなかった場合」でも、精神的苦痛に対する損害賠償として慰謝料請求ができます。ただし、離婚しない場合の相場は100万~200万円程度が一般的です。
妊娠・出産を伴う不倫の場合、慰謝料はどうなる?
妊娠・出産が絡む場合、不倫による精神的苦痛の度合いが大きくなるため、慰謝料が300万円を超えるケースもあります。
不倫相手が既婚者であることを知らなかった場合、慰謝料は請求される?
原則として、相手が既婚者だと知らなかった場合、慰謝料の支払い義務はありません。ただし、合理的に「気づくべきだった」場合(=過失がある場合)は慰謝料の支払義務が認められる可能性もあります。
(参考)既婚者と知らなかったのに慰謝料請求されたときの対応方法
公務員が不倫した場合、慰謝料は相場より高くなる?
直接的に慰謝料の相場に影響はありませんが、公務員は「信用失墜行為」に該当する可能性があり、懲戒処分の対象になることがあります。そのため、交渉次第では慰謝料の増額が認められるケースもあります。
不倫相手が会社の上司だった場合、慰謝料相場に影響はある?
「職場での不倫」は、職場内での影響(ハラスメント・人事トラブル)を伴うため、慰謝料相場に影響する可能性があります。例えば、既婚上司が立場を利用して部下の女性に関係を迫った場合は慰謝料が減額されることもあります。
(参考)社内不倫で慰謝料を請求されたとき退職の必要性や減額のポイントを解説
慰謝料相場を弁護士に相談するメリット
弁護士に相談することで、慰謝料の相場を適正に判断し、適切な請求・交渉が可能になります。
① 適正な慰謝料額の判断
不倫慰謝料の相場は50万円~300万円ですが、個々のケースによって大きく変動します。弁護士は過去の判例や状況を踏まえ、相場に基づいた適正な慰謝料額を算定します。とくに不倫慰謝料に強い弁護士であれば、あなたと同様の事案を数多く担当しています。実務的な経験や最近の傾向に照らした慰謝料相場を知るためにも弁護士に相談するべきです。
② 不当に低い金額での示談を防ぐ
不倫をした側は様々な事情を主張して低額の示談金を提示するケースがあります。慰謝料を請求する前に弁護士に相談することで、不当に低い慰謝料で示談しないよう適切なアドバイスを受けられます。
③ 不当に高額な請求を避ける
慰謝料を請求された場合、相場を超えた高額な慰謝料を請求されている可能性が少なくありません。弁護士が適正な額を基準に交渉し、裁判になった際も合理的な範囲で主張できるようサポートします。
④ 適切な証拠の収集と交渉の代行
慰謝料請求には証拠が必要です。弁護士は有効な証拠の収集をサポートし、また直接の交渉を代行することで精神的な負担を軽減できます。
慰謝料の請求や減額交渉を考えている方は、慰謝料の相場について早めに弁護士に相談しましょう。
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早めに慰謝料相場を知っておくことが重要
慰謝料請求や減額交渉は、精神的にも大きな負担となることが多いものです。適正な慰謝料額を知り、最適な対応を取るためには、専門的な知識が必要となります。特に、証拠の整理や交渉の進め方を誤ると、期待する結果を得られない可能性があります。
不倫慰謝料について疑問や不安がある場合は、まずは弁護士に相談することをおすすめします。適切なアドバイスを受けることで、納得のいく解決を目指すことができます。早めの相談が、スムーズな問題解決につながるでしょう。この記事では以下のような点について解説しました。
- 不倫慰謝料の相場は50万円~300万円が一般的
- 婚姻期間や不倫の長さ、証拠の有無によって金額が変動する
- 請求方法には「直接交渉」「内容証明郵便」「裁判」の3種類がある
- 慰謝料請求を受けた場合、冷静に証拠や請求内容を確認し、適切に対応する
- 弁護士に相談することで、適正な慰謝料額での解決が可能
不倫慰謝料の問題はデリケートで、法的知識が求められます。適切な対応を取るために、まずは弁護士に相談することをおすすめします。
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