不倫慰謝料で「裁判(訴訟)になった/なりそう」「調停を申し立てたい(申し立てられた)」とき、真っ先に気になるのが費用です。
ただ、いわゆる“裁判費用”は、人によって指しているものがバラバラになりがちです。
この記事では、**裁判所に納める実費(印紙代・郵券など)**と、弁護士費用を切り分けて、負担の結論まで整理します。
- 裁判所に払う実費(印紙代・予納郵券)は、だいたいどれくらい?
- 誰がいつ払う?(請求する側/請求された側で違う)
- 負けたら相手の弁護士費用まで払う?
- 和解した場合、費用はどうなる?
不倫裁判(調停・訴訟)の流れ全体を先に把握したい方は、こちらが近道です。
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2009年 京都大学法学部卒業
2011年 京都大学法科大学院修了
2011年 司法試験合格
2012年~2016年 森・濱田松本法律事務所所属
2016年~ アイシア法律事務所開業

Contents
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結論:不倫裁判の費用は「裁判所費用(実費)」+「弁護士費用」に分かれる
不倫慰謝料の裁判費用は、大きく次の2つです。
- 裁判所に納める費用(実費)
訴訟:訴え提起手数料(収入印紙)+予納郵券(郵便切手など)+必要に応じて証人等の費用
調停:申立手数料(収入印紙)+予納郵券(郵便切手など)
- 弁護士費用
相談料、着手金、報酬金、日当など(事務所・事件内容で幅があります)。
なお、裁判所に納める手数料は、法律で定められ、基本は収入印紙を申立書類に貼って納付します。
「弁護士費用をどれくらい見ておけばいいか」は、最終的には依頼先の料金体系によります。目安や費用の考え方は料金表ページで確認できます。
(請求された側向け)弁護士費用の考え方をもう少し詳しく知りたい方はこちら
訴訟(裁判)で裁判所に払う費用|印紙代(手数料)・予納郵券・その他の実費
訴訟になったとき、裁判所に払う実費の中心は次の2つです。
- 訴え提起手数料(印紙代):請求額(訴額)に応じて決まる
- 予納郵券(郵券):裁判所から当事者へ書類を送る郵便代(当事者数や裁判所で変動)
加えて、ケースによっては次も発生します。
- 証人の旅費・日当(証人尋問をする場合など)
- 書類作成・提出の実費(コピー代、戸籍等の取得費など)
【誰がいつ払う?】
- 訴える側(原告):訴状提出時に、印紙代と郵券を用意するのが基本
- 訴えられた側(被告):裁判所に「印紙代」を払うのは通常不要(ただし反訴=カウンター請求をする場合などは別)
【印紙代はどう決まる?】
印紙代(訴え提起手数料)は、請求額に応じて定まっています。たとえば、100万円請求=10,000円、300万円請求=20,000円、500万円請求=30,000円が目安です。
【納付方法の注意】
手数料は原則として収入印紙ですが、手数料額が大きい場合は現金での納付が案内されることもあります(裁判所の案内に従います)。
調停で裁判所に払う費用|申立手数料(印紙)・予納郵券
不倫慰謝料の調停(民事調停)でも、裁判所に納める費用の基本は次の2つです。
- 申立手数料(印紙)
- 予納郵券(郵券)
【調停の手数料(印紙代)は、訴訟より低いことが多い】
同じ請求額ベースで見ると、調停の申立手数料は、訴訟の訴え提起手数料より低く設定されています。たとえば、100万円相当の調停=5,000円、300万円相当の調停=10,000円が目安です。
調停手続の流れや「調停が向くケース/向かないケース」は、費用以外の判断材料も含めてこちらで整理しています。
いくらかかる?請求額別の目安|印紙代の早見と、郵券を足したざっくり総額
ここ捉えておくと、費用の不安がかなり減ります。
**「印紙代(手数料)=請求額でほぼ決まる」「郵券=裁判所と当事者数でブレる」**です。
【訴訟(裁判)の印紙代:よくある請求額の目安】
(訴え提起手数料=収入印紙)
- 100万円:10,000円
- 200万円:15,000円
- 300万円:20,000円
- 500万円:30,000円
【調停の印紙代:よくある請求額の目安】
(民事調停の申立て手数料=収入印紙)
- 100万円:5,000円
- 200万円:7,500円
- 300万円:10,000円
- 500万円:15,000円
【郵券(予納郵券)の目安】
郵券は裁判所・当事者数で異なりますが、例として、東京地方裁判所の一覧では、通常訴訟(原告1名・被告1名)の郵便料は6,000円とされています。調停も同様に6,000円の例が示されています。
また、東京地方裁判所では、当事者が1名増えるごとに一定額が加算される旨も記載されています(実務上は「被告が複数」「相手方が複数」だと増えやすい)。
「裁判所実費」だけを見ると、100〜300万円程度の不倫慰謝料請求なら、印紙代+郵券で“数万円以内”に収まる場面が多いです(ただし当事者数・事件内容で増減)。
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誰が負担する?負けたらどうなる?|訴訟費用と弁護士費用は“別物”
ここが一番誤解されやすいポイントです。
【原則:法律で定められた「訴訟費用」は、基本的に負けた側が負担】
裁判所の案内でも、法律で定められている訴訟費用は基本的に敗訴者負担である旨が説明されています。
ただし現実には、
- 一部だけ認められる(全面勝訴/全面敗訴ではない)
- 和解で終わる
- といったケースも多く、負担のされ方は結論により変わります。
【重要:弁護士費用は、原則として「訴訟費用」に含まれない】
他方で、弁護士費用は訴訟費用には含まれません。裁判所も、弁護士費用は訴訟費用に含まれない旨を明示しています。
つまり、たとえ勝ったとしても、相手に“当然に”弁護士費用を全額払わせられるわけではありません。
【例外:損害として弁護士費用相当額が認められることがある】
不法行為に基づく損害賠償(不倫慰謝料も典型的には不法行為)では、事案により、相当範囲で弁護士費用相当額が損害として認められることがあります。
※ただし「全額がそのまま出る」ものではありません。
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【負けたら“金銭的に”何が起きる?(典型イメージ)】
負けた場合に問題になるのは、裁判所実費(数万円)よりも、次の合計になりやすい点です。
- 慰謝料(認容額)
- 遅延損害金(起算点・割合は請求内容等で変動)
- 自分側の弁護士費用(依頼している場合)
- (結論によって)相手側の訴訟費用(印紙代・郵券など)
「負けたらどうなる?」を費用以外も含めて整理したい方は、こちらで全体像を確認できます。
費用で後悔しないための実務ポイント|初動・和解・制度(救助/扶助)の使い方
最後に、費用面の不安を減らすための“現実的な打ち手”をまとめます。
- 「いま交渉段階か/調停か/訴訟か」を切り分ける(手続が決まれば実費が読める)
- 相手の請求額が妥当かを検討する(争点整理が、長期化=費用増を防ぐ)
- 早期和解を含めて落としどころを決める(弁護士費用・時間コストのコントロール)
- 弁護士費用は料金表・見積りで早めに可視化する(分割など支払方法も相談)
交渉〜裁判までの流れ全体(どこで費用が増えやすいか)を把握したい方は、こちらも参考になります。
また、資力が乏しい場合の制度として、裁判所は「訴訟上の救助」や「民事法律扶助による立替制度」について案内しています。
※利用要件・対象は制度ごとに異なるため、該当しそうなら早めに確認するのが安全です。
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