訴状が届いたら【不貞慰謝料】|無視はNG・期日呼出状とは等を弁護士が解説

はじめに:不倫慰謝料の訴状が届いた…どうすればいい?

  • いきなり裁判所から封筒が届いて、開けてみたら“不倫慰謝料請求の訴状”だった…
  • 期日呼出状というものも同封されているが、どう対応するのか分からない
  • 無視していれば、そのままフェードアウトできる? でも何かまずそう…

不倫がバレて、「訴状」が届いてしまったら、まずは書類をしっかり確認し、絶対に放置・無視せず対応を始めることが重要です。

なぜなら、訴状には原告(不倫をされた配偶者)があなたに対してどんな請求をしているか、そして裁判所がいつ何をするかが書かれているからです。もし何も対応しないと、あなたがそこにいないまま裁判が進行し、原告の言い分がそのまま認められる「欠席判決」が下されるリスクがあります。

本記事では、**「訴状が届いたら」**まずどんな行動を取るべきか、不貞行為の慰謝料を巡る裁判手続きで押さえておきたいポイントや、同封される「期日呼出状」を無視するとどうなるかを中心に解説します。

訴状が届いたら不貞行為が事実でない場合でもすぐに対応しましょう!

(執筆者)弁護士 坂尾陽(Akira Sakao -attorney at law-)

2009年      京都大学法学部卒業
2011年      京都大学法科大学院修了
2011年      司法試験合格
2012年~2016年 森・濱田松本法律事務所所属
2016年~     アイシア法律事務所開業

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不貞行為で訴状が届いたらまずチェックすべきポイント

裁判所から送られてくる封筒には、以下のような書類が同封されているはずです。

  • 訴状
    原告(不倫相手の配偶者など)が、あなた(被告)を相手に「慰謝料○○万円を支払え」と裁判所に訴えを起こした書面。どのような理由で、いくら請求しているのかが記載されています。
  • 期日呼出状
    第1回口頭弁論期日(裁判所での最初の期日)がいつ行われるのか記された書面。訴状と同封されていることが多く、「○月○日△時に○○裁判所の△号法廷」と書いてあるはずです。
  • 答弁書用紙(簡易テンプレート)
    あなたが主張や反論を書いて提出するための書面。裁判所が見本を同封しているケースがほとんど。

まずはこれらを開封したうえで、**「口頭弁論期日がいつに設定されているのか」「答弁書を何日までに提出するのか」**を確認する必要があります。開封すらしないで放置すると、あなたの知らない間に裁判が進み、判決が出てしまうことにもなりかねません。

訴状が届いたのに無視・放置するとどうなる?

欠席判決が出るリスク

民事裁判では、被告が何も行動を起こさず、期日にも出席しないと、原告の主張が「争いがないもの」とみなされて、そのまま慰謝料請求が認められる判決が出る可能性が高いです。これを「欠席判決」といい、以下のような流れで進みます。

  • 第1回口頭弁論期日に、あなたが欠席&答弁書も出さない
  • 原告は自分の主張(不倫の事実、精神的苦痛、慰謝料額など)を陳述
  • 裁判所が「被告が争わない(認めた)もの」と扱い、原告の請求をそのまま判決で認める可能性が高い

不倫慰謝料として300万円、400万円という大きな金額を請求されていても、あなたが無視していると、その金額がそのまま判決に認定されてしまうケースもあります。

不貞行為の事実がなくても正しく反論しないと、裁判所は原告が主張するとおりの不貞行為があったと認定します。

給与や預金口座の差押え

もし欠席判決が出てしまい、判決で「○○万円の慰謝料支払い」を命じられたにもかかわらず、あなたが無視を続ければ、原告は「強制執行」という法的手段であなたの財産を差し押さえ、強制的に金銭を取り立てることが可能です。具体的には以下のようなリスクがあります。

  • 給与差押え:
    勤務先に連絡が入り、毎月の手取りの一部(最大で4分の1程度)を原告に渡すよう会社が強制される
  • 預金口座の差押え:
    あなたの口座を凍結し、一定額を原告へ移す手続きが行われる

差押えが実行されれば、家族や職場にも不倫で訴えられている事実が伝わってしまうリスクがかなり高くなり、社会的信用や人間関係へのダメージは避けられません。

期日呼出状とは? 無視したらどうなる?

第1回口頭弁論期日の欠席と答弁書の提出

訴状と同封される期日呼出状には、「第1回口頭弁論期日:○月○日 △時~」という情報が記載されています。

初回期日は被告側の都合を聞かずに決定されるため出席でないことがあります。そこで、初回期日に欠席しても、答弁書さえ提出していれば「擬制陳述」といって、書面の内容を期日で述べたものとみなす扱いがあります。ただし、答弁書を出さずに期日も無視すると前述の欠席判決が出るリスクが高まります。

もし「当日どうしても出席できない」という場合には、少なくとも答弁書を期日までに裁判所へ提出し、「欠席せざるを得ない事情」を書面で伝えるのが望ましいでしょう。

2回目以降の期日も無視し続けると…

第1回期日で欠席した場合はまだしも、2回目・3回目の期日でも出席しないとなると、裁判所は「争いの意思なし」と見なして、原告の主張どおりに判決を出しやすくなります。たとえ最初に簡易的な答弁書を提出していても、その後の主張を行わなければ意味がなく、「被告が積極的に反論しない=請求を認めた」と判断されるリスクが高まるのです。

もし期日呼出状を無視して欠席判決が出たら…

一度判決が出てしまうと、後から「やっぱり反論したい」と思っても基本的には手遅れとなるケースが多いです。判決内容に不服があるなら、控訴などの手段もありますが、時間と手間がさらに増えますし、欠席判決に対しては主張が通りにくいのが実情です。給料や預金の差押えを受けて社会的信用を失う前に、最初の段階で必ず対応を始めることが大切です。

 

訴状が届いた後の流れ:不貞慰謝料請求訴訟の基本フロー

  1. 訴状送達
  • 原告が訴状を裁判所に提出し、裁判所が手続チェック後、被告へ送付
  1. 第1回口頭弁論期日
  • 被告は答弁書提出や出席で反論
  • ここで何もせず無視すると欠席判決になる危険
  1. 第2回以降の期日・弁論準備
  • お互いの主張整理、証拠提出
  • 不倫の証拠(メール・LINE・ホテル領収書など)や時効、夫婦破綻などの主張を確認
  1. 和解 or 判決
  • 双方が合意すれば和解成立
  • まとまらなければ判決で終了

裁判は通常、1~2か月に1回のペースで期日が開かれ、数回の期日を経て判決や和解に至るケースが多いです。いずれにしても、最初の「訴状が届いた段階」をどう乗り切るかが勝負といえます。

裁判で不貞行為を否定・減額したい場合の初動対応

不貞行為で慰謝料を払わないで済むパターン

訴状に「○年○月ごろに肉体関係を持った」などと書かれていても、身に覚えがないならば「不貞行為がなかった」と主張できます。

あるいは不倫自体は認めるが「夫婦はすでに破綻していたため慰謝料が発生しない」「時効が成立している(不倫を知ってから3年以上)」などの抗弁が可能な場合もあります。詳しくは「不倫慰謝料を払わないで済む方法7選」をご覧ください。

ただし、これらを正しく主張・立証するには、書面の書き方や証拠の提示が必要です。期日呼出状を無視して欠席すると、それらの主張を一切できずに終わるので、裁判所に自分の立場を伝えたいなら、無視せず書類を提出する、もしくは弁護士に依頼するのが近道といえます。

不貞行為が事実でも裁判で慰謝料を減額できる

不倫慰謝料の裁判上の相場は、離婚に至らないケースなら数十万円~100万円程度、離婚した場合で100万~300万円程度が多いとされます。

もし訴状で極端に高額(500万、600万など)を請求されている場合でも、「金額が高すぎる」と反論しなければ裁判所は検討してくれません。答弁書や口頭弁論でしっかり主張することが減額に繋がる可能性があります。詳しくは「不倫慰謝料減額マニュアル」をご覧ください。

 

訴状が届いたらすぐに弁護士に相談する

不倫訴訟の被告側としては、「不倫自体は事実でも慰謝料が高すぎる」「身に覚えがない」など、いろいろな論点が考えられます。しかし、裁判書面を正しく書き、期日に出席し、法律用語や判例知識を踏まえて主張するのは難しいものです。

裁判対応には高度の専門的知識が必要です。また、訴状が届いたら時間的猶予はありません。基本的には訴状が届いたら不貞が事実だろうが、事実でなかろうがすぐに弁護士に相談するべきです。

  • 書面作成・証拠準備を一任できる
    自分だけでテンプレを参考に書いても、要点が抜けていたり誤字脱字がある場合が多い
  • 減額交渉・和解のプロセスで有利に進めやすい
    相場を理解し、法的根拠を踏まえた主張ができるため、過度な高額請求を下げる余地が生まれやすい
  • 期日呼出状が来ても代理人が対応
    被告本人は尋問以外の期日に出席せずに済むケースもあり、仕事や家庭への負担を減らせる

たとえ費用が気になるとしても、一度は相談だけでもしてみる価値があります。結果的に慰謝料が大幅に下がれば、費用倒れにならないケースも多いからです。

弁護士に依頼すれば、弁護士費用以上に慰謝料を減額できることがほとんどです。弁護士に相談するメリットがあるか無料相談でご確認ください。

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まとめ:訴状が届いたら不貞行為がない場合でもすぐに対応するべき

この記事では不貞行為を理由とする慰謝料請求の訴状が届いた場合のポイントについて以下のとおり解説しました。

  • 届いた封筒を開封し、「訴状」と「期日呼出状」をまず確認
  • 提出期限や期日を見落とさない:放置すれば欠席判決・強制執行のリスク
  • 無視はNG:裁判所は訴状どおりの言い分を丸呑み
  • 反論の余地があるなら、答弁書提出&出席でしっかり主張
  • 訴状が届いたらすぐに弁護士に相談する

不倫を理由に訴えられると、ショックや恐怖でパニックに陥りがちですが、裁判手続きには必ず「期日」や「書面提出の期限」が設定されています。ここを逃さず行動すれば、あなたの言い分を裁判所に伝えるチャンスがきちんと与えられます。期日呼出状を無視してしまうと、せっかくの主張機会をみすみす放棄してしまい、最終的に取り返しがつかない事態(差押えなど)に発展しかねません。

「どう書けばいいか分からない」「時間がなくて手続きできない」と感じるときは、早めに弁護士へ相談してみてください。プロの手を借りることで、適正な慰謝料へと減額できたり、期日の対応を任せられるメリットは大きいでしょう。まずは封筒を開封し、現状を把握して行動を始めることが、この問題を最小限のダメージで乗り切る鍵となります。

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