はじめに:不倫慰謝料の訴状が届いたら「今すぐやること」があります
ある日、裁判所から封筒が届き、開けてみたら不倫慰謝料(不貞慰謝料)の訴状だった——。
この状況は、誰でも動揺します。
- 「訴状って何? もう負け確定なの?」
- 「口頭弁論期日呼出状が入っているけど、仕事で行けない…」
- 「無視すれば自然消滅しない?」
- 「家族にバレたら終わりだ…」
こうした不安を抱えるのは当然です。ですが結論から言うと、訴状が届いた以上、“無視”は最も危険な選択肢になります。
この記事は、まさに「不倫慰謝料の訴状が届いた(届いたら)」という方に向けて、まず最初にやるべきことを整理するためのものです。この記事は不倫慰謝料の訴状が届いた方に向けて、
- 不貞慰謝料の訴状が裁判所から届いた直後に、まず何をすべきか
- 口頭弁論期日 呼出状を無視するとどうなるか(欠席判決・差押えのリスク)
- 訴状の封筒を開けたら最優先で確認すべき「期限」と「書類」
- パニックでも手続ミスを防ぐための考え方
について解説しています。
不倫慰謝料トラブルの**全体の流れ(内容証明→交渉→裁判→解決)**や期間の目安を先に把握したい方は、「不倫慰謝料問題の解決までの流れ・期間」の全体像をまとめた記事を読むと、見通しが立てやすくなります。
このページではまず、あなたがいま直面している「訴状到達直後」の局面で、最低限押さえるべきポイントをお伝えします。
坂尾陽弁護士
2009年 京都大学法学部卒業
2011年 京都大学法科大学院修了
2011年 司法試験合格
2012年~2016年 森・濱田松本法律事務所所属
2016年~ アイシア法律事務所開業

Contents
慰謝料請求された事案の無料法律相談実施中!
- 0円!完全無料の法律相談
- 弁護士による無料の電話相談も対応
- お問合せは24時間365日受付
- 土日・夜間の法律相談も実施
- 全国どこでも対応いたします
まず最初にやること:封筒を開けて「期限」を確認する
訴状が届いた直後に、最優先でやるべきことはシンプルです。
封筒を開けて、期日と期限を確認する。
これだけで、取り返しのつかない展開(欠席判決など)を避けられる可能性が一気に上がります。
「怖いから開けたくない」という気持ちは分かります。ですが、未開封のまま置いておくと、あなた自身が気づかないうちに期限が過ぎてしまうことがあるのが、裁判手続の怖いところです。
同封書類の一覧(訴状/期日呼出状/答弁書用紙など)
裁判所から届く封筒(多くは特別送達)の中身は、だいたい次のセットになっています。全部を完璧に理解する必要はありませんが、「どれが何の書類か」は把握しておきましょう。
- 訴状
相手(原告)が「あなた(被告)に慰謝料を支払え」と裁判所に求めている内容です。相手が主張する“事実”と“金額”、その理由が書かれています。 - 口頭弁論期日呼出状
裁判所が指定した最初の期日(第1回口頭弁論)が「いつ・どこで」行われるかが記載されています。「○月○日○時、○○裁判所、○号法廷」などの形式です。 - 答弁書催告状/答弁書用紙(ひな形)
あなたが裁判所に提出する「答弁書」について、提出を促す書類や簡易な様式です。提出期限が記載されていることが多いので重要です。 - 証拠(写し)や証拠説明書(同封される場合)
相手が証拠として提出している資料の写しが入っていることがあります(探偵報告書の一部、写真、LINEの印刷など)。
ここで覚えておいてほしいのは、訴状が届いた直後の最優先タスクは「勝ち筋を考えること」よりも、**“期限を落とさないこと”**だという点です。
最優先で確認する3点(第1回期日・答弁書期限・請求内容)
封筒を開けたら、最低限次の3点だけを先に確認してください。
- 第1回口頭弁論期日(日時・裁判所・法廷)
- 答弁書の提出期限(いつまでに出すか)
- 請求内容(いくら請求されているか/何を根拠にしているか)
この3点が分かれば、次の行動が決められます。
- 期日に行けるか/行けないか
- 期限までに答弁書を準備できるか
- 争うべき点がどこにありそうか(事実の有無、期間、金額など)
逆に、ここを確認しないまま「とりあえず放置」は、かなり危険です。訴状が届いたら、答弁書の提出期限や期日対応があり、時間との勝負になります。「訴状が届いたら弁護士相談」で、今すぐやるべき初動(期限・書類・方針)を整理できます。裁判対応は早いほど選択肢が広がります。
家族に見られないための“当日できる”最低限の対策(概要)
「訴状が届いた=家族にバレるのでは」と不安になる方は多いです。ここでは詳細に踏み込みすぎず、今日できる最低限だけお伝えします。
- 書類一式は、まずあなた自身が目を通してから、一か所にまとめて保管する
- 同居家族が開けない場所(鍵付き引き出し等)に入れるなど、管理ルールを決める
- むやみに家族の前に置きっぱなしにしない(“うっかり”が一番バレやすい)
なお、家族・職場に知られるリスクや、取れる対策は個別事情で大きく変わります。
「家族にバレたくない」「職場にばれるのが怖い」という不安が強い場合は、訴えられた後の不安(家族・職場バレ等)に焦点を当てた解説記事も参考になります。
坂尾陽弁護士
無視はNG:期日呼出状・訴状を無視すると起こること
検索でよく見かけるのが、**「口頭弁論期日 呼出状 無視」**のようなキーワードです。
結論から言うと、無視はおすすめできません。
なぜなら民事裁判は、「言い分がある側が、期限内に出して、主張して、証拠を出す」という手続だからです。あなたが何もしなければ、裁判所はあなたの代わりに反論を探してくれません。
答弁書なし+欠席のリスク(欠席判決が出る可能性が高い)
不倫慰謝料訴訟で危険なのは、次の組み合わせです。
- 答弁書を出さない
- 第1回口頭弁論期日に出ない
この状態になると、裁判所は「争いがない(反論がない)」ものとして扱いやすくなり、相手(原告)の主張がそのまま認められてしまうリスクが高まります。いわゆる欠席判決が問題になる場面です。
そして厳しいのは、あなたの側に
- 「不貞行為はしていない」
- 「そもそも事実が違う」
- 「金額が高すぎる」
- 「婚姻関係は破綻していた」
などの反論があったとしても、出さなければ“なかったこと”と同じ扱いになり得るという点です。
坂尾陽弁護士
判決後に起こり得ること(差押え等で露見リスクが上がる)
もし判決で慰謝料の支払いを命じられ、それでも支払わない状態が続くと、相手は**強制執行(差押え)**を検討できます。代表例は次のとおりです。
- 給与の差押え
勤務先に裁判所から手続書類が届き、給与の一部が相手に支払われる仕組みです。職場に事情が伝わるリスクが上がります。 - 預金口座の差押え
口座が凍結され、一定額が回収される可能性があります。生活への影響も大きくなりがちです。
さらに、ケースによっては慰謝料だけでなく、遅延損害金や訴訟費用、裁判で認められる範囲の弁護士費用相当額などが上乗せされることもあり、放置は結果的に負担を重くしやすいのが現実です。
「家族に知られたくない」「職場にばれたくない」と考える方ほど、放置は逆効果になりやすい点は、強く意識しておいてください。
「初回だけ欠席なら大丈夫?」の判断軸(答弁書が鍵)
「第1回口頭弁論に行けない。欠席したら終わるの?」という不安もよくあります。
ここで大事なのは、欠席=無視ではない、という点です。
一般に、第1回口頭弁論期日は手続上の確認が中心になることも多く、答弁書を期限までに提出していれば、初回は欠席しても直ちに致命的にならないケースがあります(ただし、何もせず欠席すると危険です)。
つまり、初回に行けない事情があるときほど、まずは
- 答弁書を期限までに提出する
- 必要なら、早めに弁護士に相談して段取りを整える
ことが重要になります。
次の章では、訴状が届いた直後にやることを、**「24時間以内/3日以内/期限まで」**のチェックリスト形式で具体的に整理します。
坂尾陽弁護士
訴状が届いた直後のToDoチェックリスト(24時間/3日/期限まで)
「不貞慰謝料の訴状が届いた」「不倫慰謝料の訴状が届いた」――この段階で一番大切なのは、感情を落ち着けることよりも先に、手続として“落としてはいけないポイント”を押さえることです。
民事裁判は、期限と手続がハッキリしている反面、放置するとあなたの言い分が出せないまま進むことがあります。ここでは、いまからできる行動を**時間軸(24時間以内/3日以内/期限まで)**に分けて整理します。全部完璧にやる必要はありませんが、「これだけは外さない」という順番で進めてください。
今日(24時間以内)にやるToDo
まずは、今日中に“事故”を防ぎます。特に、口頭弁論期日呼出状を無視してしまう原因は「期限が分からない」「何をしたらいいか分からない」ことが多いです。今日のゴールは、次の状態にすることです。
- 期日(裁判の日)と答弁書の提出期限が、あなたの手元で一目で分かる
- 訴状に何が書かれているか(請求金額・理由)を把握できている
- 書類一式が安全に管理され、見失わない状態になっている
期限・期日を1枚にメモして固定する
封筒を開けたら、最初にやってほしいのはこれです。難しいことは要りません。「見える化」するだけでミスが激減します。
- 第1回口頭弁論期日(日付・時間・裁判所名・法廷)を書き出す
- 答弁書の提出期限(○月○日まで、など)を書き出す
- 裁判所からの書類に書かれている事件番号(例:令和○年(ワ)第○号)も控える
- できればスマホのカレンダーにも入れ、前日に通知が出るようにする
ここまでできれば、「うっかり期限を過ぎる」「期日を勘違いする」といった致命的なミスをかなり防げます。
坂尾陽弁護士
訴状の「請求の中身」を把握する(いくら・理由・いつから)
次にやるのは、訴状を“丁寧に読み込む”ことではなく、争点メモを作ることです。訴状は文章量が多く、読むだけで疲れます。今日の段階では、まず以下を抜き出してください。
- 請求額:慰謝料はいくらか(例:300万円など)
- 請求の理由:相手はどんな事実を根拠にしているか(不貞行為があった、離婚した等)
- 不貞行為の主張時期:いつ・どれくらいの期間・何回くらい、という書きぶりか
- 証拠の有無:証拠のリストや写しがあるか(探偵報告書、LINE、写真など)
そして、読みながらこう考えてください。
- 「事実として合っている/違う」はどこか
- 「期間・回数が盛られていないか」
- 「離婚の原因が本当に不倫だけなのか」
- 「金額が相場感から見て高すぎないか」
この時点で“結論”を出さなくても大丈夫です。まずは「どこが争点になりそうか」を把握することが、次の答弁書づくりの材料になります。
書類一式を“誰にも見られない形”で保管する(概要)
手続の書類は、とにかく「なくさない」「見られない」「あとで見返せる」状態が大事です。今日できる最低限の対策としては、次を意識してください。
- 書類一式をクリアファイル等にまとめ、置き場所を固定する(毎回探さない)
- できれば訴状・呼出状・答弁書用紙はスマホで撮影/コピーを取って控えを作る
- 同居家族がいる場合は、開封した状態で放置しない(机の上・居間などは避ける)
「家族にバレないか」「職場に知られないか」を本気で心配している方は多いと思います。ただ、ここで一つだけ覚えておいてください。書類を隠すことより危険なのは、期限を落とすことです。期限を落として欠席判決になり、強制執行(差押え)に進むと、結果的に露見リスクが上がることがあります。
3日以内にやるToDo(事実整理・証拠確保)
次の3日でやるのは、答弁書の材料を揃える作業です。ここが雑だと、あとで主張がブレたり、準備書面の作成が大変になったりします。
- 時系列(いつ・何があったか)を作る
- 使える資料・証拠を確保する(消さない・改変しない)
- 「争う点/争わない点」を仮で分ける
時系列(いつ・どこで・何が)を作る
時系列は、あなたの記憶が鮮明なうちに作ります。裁判で争点になりやすいのは、「不貞行為の有無」だけではありません。婚姻関係がどんな状態だったかや、「いつ相手が不倫を知ったか」なども重要になることがあります。
書き出す項目の例は、次のとおりです。
- あなたが相手(既婚者)と知り合った時期・交際開始時期
- 肉体関係の有無/あった場合はおおまかな時期・回数
- 相手夫婦の状況として聞いていた内容(別居、夫婦不仲の話など)
- 連絡頻度・会った場所・期間の大まかな区切り
- 相手が不倫を発覚した(と主張している)時期
- 内容証明や連絡が来た時期、訴状が届いた日
ポイントは、正確な日付が分からない部分を無理に作らないことです。曖昧なら「○月頃」「春ごろ」などでも構いません。後で資料と突き合わせて精度を上げれば十分です。
証拠の確保(削除・改変はしない)
この段階で「証拠」というと、相手をやり込める材料を想像するかもしれません。ですが、被告側(請求された側)にとっての証拠は、次の2種類があります。
- 相手の主張が違うことを示すもの(期間・回数が違う等)
- 減額や責任の軽減につながる事情を示すもの(夫婦の破綻状況を信じた経緯等)
たとえば、LINEのやり取り、通話履歴、会った日の記録、相手が既婚だと隠していた痕跡、相手からの誘い方が分かるメッセージなどが、状況によっては意味を持つことがあります。
ここで大事なのは、消さないことです。焦りからメッセージを削除したくなる人がいますが、後から「あなたが不利な事実を隠した」と受け取られたり、反論材料を自分で消してしまったりするリスクがあります。
“争う点/争わない点”を分ける(方針の仮置き)
答弁書やその後の準備書面では、「何を争うか」の整理が生命線です。まだ結論が出ていなくても、3日以内に一度“仮置き”してください。
- 不貞行為(肉体関係)の有無を争うのか
- 不貞行為は認めるが、期間・回数が違うのか
- そもそも婚姻関係が破綻していたなどの事情を主張するのか
- 既婚者と知らなかった/だまされていたなど、認識の問題があるのか
- 時効の可能性を検討すべきか
- 金額について、相場から見て高すぎるとして争うのか
ここで整理できると、「答弁書で何を書けばいいか」が見えやすくなります。
期限までに必ずやるToDo(答弁書提出・期日対応の決定)
最後に、期限までに必ずやるべきことです。繰り返しになりますが、最悪なのは「何も出さずに期日も欠席」することです。ここを避けるだけで、状況は大きく変わります。
答弁書を“最低限”でも出す(期限優先)
答弁書は、裁判所に対して「こちらは争う(または一部争う)」「こういう主張でいく」という入口です。完璧な文章でなくても、期限内に提出して“争う意思”を示すことに意味があります。
時間がないときの考え方は、「完成度より期限」です。
どうしても間に合わないなら、まずは“最低限の答弁書”を期限内に提出し、詳細は追って整理する方針を取ることが現実的な場合があります(事案により最適解は変わるため、不安が強いときは弁護士に相談してください)。
第1回口頭弁論に行く/行けないの判断(無視ではなく“手続で対応”)
「口頭弁論期日呼出状があるけど、行けない」という方も多いです。まず押さえておきたいのは、行けない=無視ではないという点です。
- 行けるなら、裁判所の案内に従って出廷する
- 行けないなら、答弁書を期限までに提出し、今後の対応方針を整える
この二択に整理してください。
期限が迫っているなら、出廷の可否より先に答弁書の準備です。
弁護士に相談するなら「いつ・何を持っていくか」を決める
訴状が届いた段階では、時間との勝負になりやすいです。もし弁護士に相談するなら、相談の質とスピードを上げるために、最低限次を揃えておくとスムーズです。
- 訴状・期日呼出状・答弁書用紙など、届いた書類一式
- 期限と期日をまとめたメモ
- 作成した時系列(ざっくりでOK)
- 手元にある関連資料(LINE、メール、通話履歴、写真等の控え)
坂尾陽弁護士
答弁書の基本:最低限ここだけ押さえる(書き方・骨格)
答弁書は、「あなたの言い分を裁判所に伝える最初の書面」です。難しそうに見えますが、目的はシンプルです。
- 相手の請求に対して、認めるのか/争うのかを示す
- 争うなら、どこをどう争うのか、骨格を示す
- 期限内に提出して、欠席判決のリスクを減らす
ここでは、専門用語をできるだけかみ砕きながら、最低限の答弁書の考え方を整理します(個別の事案で最適な書き方は変わるため、重要局面では弁護士への相談も検討してください)。
答弁書で書くべき基本パーツ(認否・結論・主張の柱)
答弁書は、ざっくり次のパーツでできています。裁判所から同封される「答弁書用紙(ひな形)」も、基本的にはこの流れです。
- 請求の趣旨に対する答弁
相手が求めている結論(例:慰謝料○○万円の支払い)について、認めるのか、争うのかを書きます。 - 請求原因に対する認否
相手が主張する事実(いつから不倫した、何回関係を持った、離婚の原因だ等)について、「認める」「否認する」「知らない(不知)」などの形で整理します。 - 反論(抗弁・主張)
たとえば「不貞行為はない」「期間が違う」「金額が高すぎる」「婚姻関係は破綻していた」など、あなたの言い分の柱を書きます。
ポイントは、答弁書の段階で“すべてを完全に書き切る”必要は必ずしもないことです。まずは、争点の方向性を示し、期限内に提出することが重要になります。
全部書けないときの最低限(取り急ぎの形)
訴状到達から期日までが短いと、仕事や家庭の事情で「とても全部書けない」となることがあります。その場合でも、最小限としては次の考え方が現実的です。
- 期限内に提出する(ここが最優先)
- 事実関係がまだ整理できていない部分は、無理に断定しない
- “争う意思”があることを明確にし、詳細は追って整理する余地を残す
ただし、「本当は明らかに違うのに認めてしまう」「逆に、本当は明らかに認めざるを得ないのに全面否認する」など、雑な認否は後で苦しくなることがあります。迷うときは、少なくとも次のルールを意識してください。
- 確実に真実だと分かることは、その範囲で整理する
- 記憶が曖昧なことは、資料を確認してからにする
- 分からないことは、無理に作らない(“不知”の扱いを含め、慎重に)
「どこまで認めて、どこを争うか」が決めきれない場合は、早い段階で弁護士に相談した方が安全なケースもあります。
提出方法と期限の落とし穴(控え・郵送の考え方)
答弁書は、内容だけでなく「出し方」も重要です。提出でつまずきやすいポイントをまとめます。
- 提出先は裁判所
基本は事件を担当している裁判所に提出します。提出方法(持参・郵送など)は、裁判所が同封する案内に従ってください。 - 期限ギリギリは避ける
郵送の場合、到着が間に合わないリスクがあります。余裕を持って送るのが安全です。 - 控えを必ず残す
提出する答弁書は、手元に同じもの(写し)を残してください。後で内容を確認するときに必須です。 - 署名押印が必要な場面もある
裁判所の案内や様式に従い、必要な箇所を埋めます。分からないときは、裁判所の案内をよく確認してください。
「相手方にも送るのか」については事件によって運用が異なることがあります。原則として裁判所に提出しますが、相手方代理人がいる場合など、写しの送付を求められることもあります。裁判所の指示・案内があるときはそれに従ってください。
やってはいけない対応(不用意な認め・証拠消し・直接連絡)
訴状が届いた直後は、焦りから“悪手”を選びやすいタイミングです。次の行動は、状況を悪化させたり、後から取り返しがつかなくなったりする可能性があるため、避けてください。
・ 訴状(特に期限)を見ないまま放置する(欠席判決のリスクが上がる)
・証拠になり得るデータを削除・改変する(あなた自身の防御材料を失うことがある)
・相手に直接「電話・SNS」で感情的に連絡する(言質・トラブル拡大の原因になりやすい)
・内容を理解しないまま、相手の提示する書面にサインする(不利な条件で固定されることがある)
・SNS等で裁判の話を書き散らす(本人特定・二次被害につながるおそれ)
不倫慰謝料の裁判は、「正しい手続を踏んだ人が、主張と証拠で戦う」場面です。あなたが不利な状況にいるとしても、期限内に答弁書を出し、争点を整理していけば、取れる手段が残るケースは少なくありません。
次の章以降では、答弁書の形をもう少し具体化したり、期日対応の判断軸を整理したりしていきますが、ここまでの内容だけでも「やるべき順番」は見えたはずです。まずは、期限を落とさずに、手続として前に進めましょう。
口頭弁論期日(呼出状)への対応:出廷の要否と欠席時の注意
訴状と一緒に届くことが多いのが、「口頭弁論期日呼出状」です。ここで多い誤解が、「行けない=終わり」「無視しても大丈夫かも」という発想です。
結論としては、無視はNG。ただし、“行けないならどうするか”の手段はあります。
ここでは口頭弁論期日が何のためにあり、出廷する・しないをどう判断し、欠席する場合に何をすべきかを整理します。
第1回口頭弁論期日で何が起きる?
第1回口頭弁論期日は、ざっくり言うと「裁判を動かし始める最初の節目」です。
ここでいきなり判決が出るわけではありません(多くの事件では、ここから争点整理・証拠の出し合いに入っていきます)。
第1回期日で行われやすいことは、次のとおりです。
- 被告(あなた)が答弁書を提出したかの確認
- 争っているポイント(不貞の有無、期間、金額、破綻、時効など)が何かの確認
- 今後の進め方の指定(次回期限、書面の提出方法、期日の入れ方の目安など)
- 事件によっては、早い段階で和解の意向を探られることもある
つまり、第1回期日は「裁判のスタート地点」です。ここで最も大事なのは、繰り返しになりますが、答弁書を期限までに出して、争う意思を示すことです。
第1回期日に欠席しても、期限までに答弁書が提出されていれば、その答弁書の内容を期日で述べたものとして扱われる(いわゆる“擬制陳述”)ことがあります。
ただし、答弁書を出さずに欠席すると、欠席判決のリスクが一気に高まるため要注意です。
欠席するなら何をする?(答弁書提出が鍵)
「平日昼間で行けない」「仕事を休めない」という方も多いと思います。
そこで大切なのは、欠席を“無視”にしないことです。欠席する場合は、最低限、次のポイントを押さえてください。
答弁書を期限までに提出する(これが最重要)
欠席する・しない以前に、答弁書を期限までに提出してください。
口頭弁論期日呼出状を無視してしまう人の多くは、結果として「答弁書も出せていない」状態に陥ります。ここに入ると非常に危険です。
答弁書の中身が完璧でなくても、まずは次の最低限は押さえます。
- 相手の請求(慰謝料支払い等)に対して、認めるか/争うか
- 事実関係について、どこが違うのか(または不知なのか)
- 金額が高すぎる等、主張の柱があるなら簡潔に示す
欠席する場合は「提出済みか」を自分で確認する
郵送の場合、期限当日ギリギリだと到達が間に合わないことがあります。
そのため、欠席するなら特に、「答弁書を出したつもり」にならないよう注意してください。
- できれば期限に余裕を持って提出する
- 提出した答弁書は必ず控えを残す
- 不安があるときは、裁判所の担当部署に「答弁書が届いているか」確認することも検討する
「期日変更(延期)」を相談できる場合もある(ただし先に動く)
どうしてもその日に出廷が必要で、かつ出廷できない事情があるときは、裁判所に期日変更を相談できる場合もあります。
ただしこれは、事件の状況や裁判所の判断によりますし、直前では難しくなることが多いです。
期日変更の相談をする場合でも、答弁書の提出が不要になるわけではありません。
「期日をずらせるかも」と期待して何もしないのが一番危険です。
2回目以降の流れ(準備書面・証拠・和解)—全体像は/flowへ
第1回期日の後は、多くの不貞慰謝料訴訟で次のフェーズに入ります。
- 準備書面(主張を書いた書面)のやり取り
- 証拠の提出(LINE、写真、探偵報告書、別居の経緯を示す資料など)
- 争点が整理されてきた段階で、裁判所から和解の打診がされることが多い
- 和解できなければ、本人尋問→判決、という流れになる場合がある
この「その後の全体像(どの順番で、どれくらいの期間で進むのか)」は、別記事で解決までの流れ・期間としてまとめています。
いまはまず、あなたの目の前の呼出状に対して、**期限内に“手続で対応する”**ことを最優先にしてください。
坂尾陽弁護士
争点の早見表:この段階で検討する「支払義務なし/減額」ポイント
訴状が届くと、「もう払うしかないのでは」と思いがちです。
しかし、不貞慰謝料(不倫慰謝料)は、すべてのケースで同じ結論になるわけではありません。
ここでは、訴状到達直後の段階で検討したいポイントを「支払義務なし(または大幅に争える)」と「減額(支払いは想定しつつ金額を下げる)」に分けて整理します。
あくまで“入口の早見表”なので、個別の見込みは事情によって大きく変わりますが、答弁書の方向性を決める材料になります。
不貞行為(肉体関係)の有無・程度を争う
不貞慰謝料は、一般に「不貞行為(不倫)」があったことが前提になります。
この“不貞行為”は、単なる食事やLINEのやり取りではなく、**肉体関係(性交渉、またはそれに近い性的関係)**が問題になるのが基本です。
そのため、次のような争点が出ます。
- そもそも肉体関係がない(交際の実態が違う)
- 肉体関係はあっても、相手が主張する「期間・回数」が誇張されている
- “いつから・いつまで”の区切りが違う(時期の認定がズレている)
ただし注意したいのは、裁判では直接証拠(決定打)だけでなく、LINE等の状況証拠の積み重ねで不貞が認定されることもある点です。
「証拠が弱そうだから勝てる」と決めつけず、訴状に添付されている証拠や主張を見て、争える点を冷静に整理することが重要です。
婚姻関係の破綻(別居・関係性)を主張できるか
不倫慰謝料で非常に重要なのが、不倫当時に夫婦関係が“すでに破綻していた”と言えるかです。
「夫婦仲が悪かった」「喧嘩が多かった」だけでは足りず、一般には回復が難しいほど関係が壊れていたかが見られます。
破綻の主張を検討したい代表例は次のとおりです。
- 長期間の別居が続いていた
- 夫婦としての同居・生活実態がほぼ失われていた(家計が完全別など)
- 離婚協議・調停など、具体的な離婚手続が進んでいた
- 第三者から見ても婚姻共同生活が成り立っていないと言える事情が揃っている
破綻を主張する場合は、時系列整理が特に重要です。
「いつから別居なのか」「不倫との前後関係はどうか」が曖昧だと、説得力が落ちやすいからです。別居開始の時期、生活費の支払い状況、離婚の話し合いの記録など、客観資料があると組み立てやすくなります。
既婚者と知らなかった(故意・過失がない)を主張できるか
あなたが「相手が既婚者だと知らなかった」場合、状況によっては責任を争える可能性があります。
ポイントは、単に「知らなかった」と言うだけではなく、**知らなかったことに“落ち度(過失)があったか”**が問題になり得る点です。
検討ポイントの例は次のとおりです。
- 相手が独身だと明確に偽っていた(プロフィール、発言、生活実態など)
- 結婚を疑うサインがあったのに、確認を避けていた(過失を指摘されるリスク)
- 交際の経緯として、あなたがだまされた(または信じてもやむを得ない)事情がある
この論点は、当時のやり取り(メッセージ等)が重要になることがあります。削除してしまうと主張の裏付けが難しくなるため、証拠の扱いには注意してください。
時効(請求期限)にかかっていないか
不倫慰謝料にも時効(消滅時効)があります。
一般に問題になるのは、「不倫の事実と相手を知ってから」一定期間が経過しているかです(起算点が争いになることもあります)。
時効は、当事者の主張がないと裁判所が勝手に判断してくれるとは限りません。
「もしかして時効では?」と思う場合は、いつ相手が不倫を知ったのか、相手がいつあなたを特定したのかなど、時系列の整理が重要です。
時効は結論を左右することがあるため、詳しくは時効(請求期限)に特化した解説記事も参照し、早めに相談することをおすすめします。
金額が高すぎる:減額の方向で争う(相場・増減事由)
支払義務そのものを争うのが難しい場合でも、金額は争えることが少なくありません。
訴状で数百万円の請求が書かれていても、その金額がそのまま認められるとは限りません。
減額の検討ポイントとして、実務上よく問題になる事情は次のようなものです。
- 不倫期間が短い/回数が少ない
- 離婚に至っていない(夫婦が再構築している等)
- 不倫関係の主導がどちらだったか(誘導・立場関係など)
- すでに一定の解決が図られている(謝罪、接触解消、誓約など)
- 相手の主張が過大で、客観的事情と噛み合っていない
一方で、長期・反復・悪質と評価されやすい事情があると増額方向に働くこともあります。
どちらに転ぶかは、訴状の主張と証拠、あなた側の整理状況で変わります。
「支払うか、争うか、いくらに落とすか」は、答弁書の段階で方向性を仮置きしておくと、その後の対応がかなり楽になります。金額の考え方や減額の実務については、「不倫慰謝料減額マニュアル」も参考にしてください。
坂尾陽弁護士
慰謝料請求された事案の無料法律相談実施中!
- 0円!完全無料の法律相談
- 弁護士による無料の電話相談も対応
- お問合せは24時間365日受付
- 土日・夜間の法律相談も実施
- 全国どこでも対応いたします
弁護士に相談するタイミングと、相談前に揃える資料
不貞慰謝料の訴状が届いた直後は、頭が真っ白になりがちです。ただ、裁判手続には期限があり、「時間だけは待ってくれない」のが現実です。
ここでは、どんな場合に“今すぐ相談”が必要になりやすいか、そして相談をスムーズにするために事前に揃えておくとよい資料を整理します。
今すぐ相談した方がいいケース
次のいずれかに当てはまる場合、自己判断で抱え込むより、早めに弁護士へ相談するメリットが大きいです。
- 答弁書の提出期限が迫っている(準備の時間が足りない)
- 口頭弁論期日に出廷できないが、手続の進め方が分からない
- 請求額が高額(例:300万円以上など)で、金額の妥当性が判断できない
- 不貞行為自体に身に覚えがない/事実関係が大きく違う(否認の組み立てが必要)
- 家族・職場に知られたくない不安が強い(放置すると差押え等で露見リスクが上がる場合がある)
- 相手方(原告)に弁護士がついていて、連絡・書面のやり取りが一方的に進みそう
特に、**「口頭弁論期日 呼出状 無視」**を考えている方は要注意です。
無視して欠席判決→強制執行の流れに入ると、結果的にダメージが大きくなりやすいからです。
坂尾陽弁護士
相談前に揃える資料(訴状一式・時系列・証拠など)
相談を短時間で実のあるものにするには、**「何が届いて、期限がいつで、何を争えそうか」**が分かる材料を持っていくのが近道です。完璧でなくて大丈夫なので、次を揃える意識を持ってください。
- 裁判所から届いた書類一式(訴状/口頭弁論期日呼出状/答弁書用紙・催告状/証拠の写し等)
- 期限・期日をまとめたメモ(第1回期日、答弁書提出期限、事件番号)
- 時系列メモ(知り合った時期、不貞とされる期間・回数、発覚時期、内容証明の有無など)
- あるものだけでOKの関連資料(LINE・メール・通話履歴・写真・相手の発言の記録など)
「証拠」と聞くと身構えるかもしれませんが、被告側で重要なのは、相手を叩く材料だけではありません。
期間・回数が違う、既婚だと知らなかった、夫婦がすでに破綻していたと聞いていたなど、あなたの主張の裏付けになり得るものも含まれます。
相談前に焦ってデータを消したり、内容を改変したりするのは避けてください。
後から「不利な事実を隠した」と受け取られるリスクがあるだけでなく、あなたの防御材料を自分で消してしまうことがあります。
相談後の流れ(窓口一本化・期日対応)※一般的な見通し
弁護士に依頼した場合、一般的には次のように進みます(事件の内容により異なります)。
- 答弁書・準備書面の作成を任せられる(期限対応の負担が軽くなる)
- 相手方(原告)やその代理人との連絡窓口が弁護士に一本化され、精神的負担が減る
- 期日も原則として弁護士が対応し、本人は必要な場面(本人尋問等)だけ対応する形になりやすい
「仕事を休めない」「家族に知られたくない」などの事情がある方ほど、手続の伴走者がいるメリットは大きいでしょう。
よくある質問(訴状が届いた直後の疑問)
- おすすめできません。訴状は期限と期日がセットで動きます。開封しないまま期限を過ぎると、答弁書が出せず、欠席判決のリスクが高まります。まずは封筒を開けて「答弁書の提出期限」と「第1回口頭弁論期日」を確認してください。
- 「無視」は危険です。特に、答弁書を出さずに期日も欠席すると、相手の主張がそのまま認められる(欠席判決)リスクが上がります。行けない事情があるなら、無視ではなく「答弁書を期限までに提出する」など、手続で対応することが重要です。
- 終わりではありません。多くのケースでは、期限までに答弁書を提出していれば、初回期日は欠席しても直ちに致命的にならないことがあります。ただし、事件の進み方は個別事情で変わります。欠席するなら、まず答弁書を期限内に提出し、必要に応じて弁護士に相談して方針を整えることをおすすめします。
- 自動的には調整されません。民事裁判は、当事者が主張して初めて争点になります。金額が高すぎると思うなら、答弁書や準備書面で「金額が過大である理由(期間・回数、婚姻関係の状況、離婚の有無など)」を示して争う必要があります。減額の考え方は減額特化の記事も参考になります。
- 状況によりますが、訴状が届いた直後に感情的に連絡すると、言質を取られたりトラブルが拡大したりすることがあります。まずは期限対応(答弁書提出)を優先し、そのうえで交渉のルート(弁護士を入れるか等)を検討するのが安全です。
- まずは「期限を落とさないこと」が最重要です。放置して欠席判決→強制執行(差押え)に進むと、結果的に露見リスクが上がる場合があります。具体的な不安(自宅送達、職場への連絡など)が強い方は、家族・職場バレの論点に特化した記事も確認し、必要なら早めに弁護士へ相談することをおすすめします。
まとめ:今すぐやるべき3つの結論
最後に、**不貞慰謝料の訴状が届いた(不倫慰謝料の訴状が届いた)**直後に、まずやるべきことを3つにまとめます。
- ① 封筒を開け、答弁書の提出期限と口頭弁論期日を確認する
- ② 無視しない:答弁書を期限内に提出して、欠席判決リスクを避ける
- ③ 争点(支払義務なし/減額)を早めに整理し、不安や期限が厳しいなら弁護士に相談する
訴状が届いた直後は、気持ちが追いつかず「見ない」「考えない」方向に逃げたくなるものです。ですが、裁判手続は淡々と進みます。
あなたを守る第一歩は、感情より先に期限対応をすることです。
「どう書けばいいか分からない」「期日に行けない」「家族に知られたくない」など、具体的な不安がある場合は、早めに専門家へ相談して、今できる最善の手を選んでください。
坂尾陽弁護士
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