夫婦関係は破綻していると言われて不倫してしまったあと、「本当は夫婦円満だった」と知り、慰謝料請求を受けている方は少なくありません。
「だまされた自分は悪くないのでは?」「でも不倫は事実だから全額払うしかないの?」と、気持ちが大きく揺れてしまう場面だと思います。
ここでは、「夫婦関係は破綻している」「もう離婚する」と説明されて不倫関係を続けてしまったケースで、慰謝料がどのように減額されたのかを、実際の解決事例をもとに具体的にご紹介します。
まずは、この記事でお伝えしたいポイントを整理しておきます。
- 「夫婦関係は破綻している」と言われて信じてしまった事情が、慰謝料の金額にどう影響するか
- SNSや職場で知り合った既婚者との不倫で、どのような事情が「減額の評価要素」となり得るのか
- 実際に500万円→80万円、200万円→50万円まで減額できた解決事例の具体的な流れ
- 自分のケースでどのような点を整理して弁護士に相談すべきか
あなたと似た状況の事案を読むことで、「どの程度まで減額が期待できるのか」「どのような事情が交渉で武器になるのか」のイメージを持っていただければと思います。
坂尾陽弁護士
2009年 京都大学法学部卒業
2011年 京都大学法科大学院修了
2011年 司法試験合格
2012年~2016年 森・濱田松本法律事務所所属
2016年~ アイシア法律事務所開業

Contents
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- 全国どこでも対応いたします
夫婦関係は破綻していると言われて不倫した場合、慰謝料はどうなる?
「夫婦関係は破綻している」「もう離婚調停に入っている」と言われて不倫関係を続けてしまった場合でも、不倫をした事実自体は消えません。
そのため、原則として「絶対に慰謝料を払わなくてよい」とまでは言い切れないのが実務上の感覚です。
一方で、あなたが置かれていた状況や、どこまで信じてもやむを得なかったかといった事情は、慰謝料の金額を決めるうえで重要な評価要素になります。
たとえば次のような事情があると、裁判例や実務でも「金額を下げる方向に働きやすい」と考えられます。
- 既婚者であることを知ったタイミング
→ 交際の初期段階では独身と説明されていたのか、途中から既婚だと明かされたのか。 - 夫婦関係についてどのような説明を受けていたか
→ 「離婚調停中」「別居中」「もう会話もない」など、具体的な説明があったか。 - あなたの側で、夫婦関係の様子を知り得る機会がどの程度あったか
→ SNSでの出会いで共通の知人もおらず、家庭の実情を確認しづらかったのか、職場で本人の発言からしか情報がなかったのかなど。 - 事実として、相手方夫婦の婚姻期間や関係の実態がどうだったか
→ 婚姻期間が短いのか長いのか、小さな子どもがいるのか、家庭が円満だったのか。 - 発覚後の対応
→ 深く反省して謝罪しているか、逆ギレしたり相手配偶者を責めるような言動がないか。
法律的には、「本当に婚姻関係が破綻していたため慰謝料請求自体が認められない」というケースも存在します。
しかし、本記事で扱うのは、**「現実には破綻していなかったが、破綻していると説明されて信じてしまったケース」**です。
このようなケースでは、
- 「慰謝料請求が一切認められない」というより、
- 「金額をどこまで下げられるか」が大きな争点になる
ことが多いと考えてください。
また、「自分はだまされた側だから、まったく責任はない」と言い切ってしまうと、かえって交渉がこじれるリスクもあります。
実務上は、
- 既婚者側の虚偽説明や不誠実さ
- あなたが信じてしまったことにも一定の軽率さがあること
- それでも、通常の不倫と比べれば責任の程度が軽いこと
といった点をバランスよく整理し、感情論ではなく冷静に「減額の理由」として伝えていくことが大切です。
ここからは、実際に「破綻している」と説明されて不倫関係を続けてしまったケースで、500万円→80万円、200万円→50万円に減額できた解決事例を取り上げながら、具体的に見ていきます。
解決事例1:SNSで知り合った既婚男性から「離婚調停中」と言われ…500万円→80万円に減額
事案の概要(SNSで知り合い、離婚調停中と説明されたケース)
最初の事例は、20代の独身女性のケースです。
依頼者の方は、SNSを通じて一人の男性と知り合い、メッセージのやりとりを重ねるうちに交際関係へ発展しました。
当初、その男性は自分は独身であると説明しており、依頼者の方もその言葉を疑っていませんでした。
やがて関係が深まり、肉体関係を持つようになった後、男性が既婚者であることが発覚します。
男性はそのタイミングで、
- 「夫婦関係はもう壊れている」
- 「今は離婚調停中で、別居もしている」
といった説明をしました。
依頼者の方としては、「家庭はすでに終わっていて、離婚に向けて手続が進んでいる」という印象を強く持ち、「ならば自分が家庭を壊したわけではない」と考えて交際関係を継続してしまいました。
ところが、実際には男性の婚姻関係は続いており、奥様との間には子どももいる状態でした。
ある日、男性とのメッセージのやりとりや写真などから不倫の事実が奥様に知られ、依頼者の方は500万円もの高額な慰謝料を請求されることになります。
SNSでの出会いの場合、
- 共通の知人がほとんどおらず、相手の素性を裏取りしにくい
- 家庭の様子や日常生活を直接見る機会がほとんどない
- 実際の生活ぶりは、相手の言葉を信じるしかない
という特徴があります。
依頼者の方も、男性の言葉をうのみにしてしまったことへの反省はありつつも、「そもそも500万円を払えるはずがない」「本当に全額払うしかないのだろうか」と強い不安を感じていました。
アイシア法律事務所に依頼した理由(高額請求と不安)
500万円という金額は、一般の方にとっては想像しがたいほど大きな負担です。
依頼者の方は請求書を受け取ったあと、
- 何もせずに放置していいのか
- とにかく謝って、言われた金額を払うしかないのか
- 弁護士に相談したら、さらに費用がかさんでしまうのではないか
と、どう動いてよいか分からない状態でした。
そこで、インターネットで不倫慰謝料について調べるなかで、慰謝料を請求された側の減額事例が多数紹介されているサイトを見つけ、当事務所の無料相談を利用することを決められました。
ご相談の際には、次のような点を特に気にされていました。
- 500万円という請求額が、そもそも妥当な水準なのか知りたい
- 「夫婦関係は破綻している」「離婚調停中」と言われていた事情が、どれくらい減額に役立つのか
- SNSでの出会いで相手の家庭事情を確認しづらかったことを、どのように説明すべきか
- 今の収入や資産状況で、現実的に支払える金額の目安を教えてほしい
当事務所としては、これまでにも高額請求から大幅減額に成功してきた事案が多数あったため、それらの経験を踏まえながら、
- このケースで想定される相場感
- 減額のポイントになり得る事情
- 解決までのスケジュール感や、家族・職場への影響の抑え方
などを丁寧にご説明しました。
そのうえで、「自分一人で交渉するのは不安」「きちんと法律の専門家に任せたい」というお気持ちから、正式にご依頼いただくことになりました。
解決までの流れと主張したポイント
本件の交渉では、まず請求額500万円が妥当かどうかを冷静に検討しました。
一般的な不倫慰謝料の相場や、ご夫婦の婚姻期間、子どもの有無なども踏まえると、500万円という金額はかなり高額な部類に入ります。
そのうえで、依頼者の方の責任の程度に関して、次のような点を重点的に整理して主張しました。
- 交際開始時には「独身」と説明されていたこと
- 既婚者であると知ったあとも、「離婚調停中」「婚姻関係は破綻している」と具体的に説明されていたこと
- SNSでの出会いの性質上、共通の知人もおらず、家庭の様子を確認する手段が乏しかったこと
- 依頼者の方にとっては「家庭はすでに崩壊しており、自分は新しい人生の相手として選ばれたのだ」という認識だったこと
単に「破綻していると聞いていた」と言うだけではなく、
**「どのタイミングで、どのような言葉で、どれだけ具体的に説明を受けていたか」**を、LINEのメッセージの文面なども踏まえて丁寧に整理しました。
また、依頼者の方が「自分が家庭を壊した」という意識を持っていなかったことも重要です。
奥様に対しては申し訳ない気持ちを持ちつつも、
- 自分が関係を始める前から、夫婦関係は相当に悪かったと説明されていた
- 今の家庭を維持することよりも、自分との関係を優先したいと男性が言っていた
といった事情があり、「家庭の平穏をわざわざ壊そうとしたわけではない」という点を冷静に伝えていきました。
さらに、
- 依頼者の方の収入・貯蓄では、500万円を一括で支払うことは現実的に不可能であること
- 高額な支払いを強要したとしても、かえって支払いが滞ってトラブルが長期化するおそれがあること
など、現実的な支払能力という観点も含めて、総合的な解決案を提示しました。
解決結果:500万円請求→80万円で合意
交渉の結果、当初の請求額500万円から、最終的には80万円を支払う内容で示談が成立しました。
420万円もの大幅な減額であり、依頼者の方にとっては、現実的に支払える範囲におさめることができたといえます。
この事案では、次のような事情が特に大きく評価されたと考えられます。
- 交際開始時に男性が独身と偽っていたこと
- 既婚者だと告げてからも「離婚調停中」「破綻している」と具体的に説明していたこと
- SNSでの出会いで家庭の実情を知り得る機会が乏しかったこと
- 依頼者の方が深く反省し、誠実に交渉に臨んだこと
もちろん、「破綻していると聞いていたから」という理由だけで、必ずしも同じような結果になるとは限りません。
しかし、事情を丁寧に整理し、法律的な観点から適切に主張していけば、高額請求からでも大幅な減額を実現できる可能性があるという一つの具体例といえるでしょう。
解決事例2:職場上司から「夫婦関係は破綻している」と言われ…200万円→50万円に減額(2か月で解決)
事案の概要(職場不倫×破綻誤信)
次にご紹介するのは、職場の上司との不倫に関する事案です。
依頼者の方は20代の独身女性で、同じ職場の既婚男性上司と飲みに行く機会が増えるなかで、徐々に距離が近づき、やがて肉体関係を持つようになりました。
男性は既婚者であることを隠していたわけではありませんが、その一方で、
- 「夫婦としてはほとんど会話もない」
- 「家では口もきかないし、完全に冷え切っている」
- 「事実上の仮面夫婦で、もう長くは続かない」
といった話を繰り返していました。
依頼者の方はその説明を信じ、「法律上は夫婦でも、実質的にはほとんど破綻しているのだろう」と受け止めてしまいます。
しかし、現実には男性の家庭は全くの別世界でした。
子どもが生まれたばかりで、家族で旅行に行くなど、むしろ円満な家庭生活を送っていたのです。
男性は、家庭の実情を依頼者の方に伝えないまま、「破綻している」という一方的なイメージだけを与え続けていました。
やがて不倫の事実が奥様に知られ、依頼者の方は200万円の慰謝料請求を受けます。
職場内での関係だったこともあり、「会社に知られたらどうしよう」「仕事を辞めざるを得ないのではないか」といった不安も大きく、精神的な負担は相当なものでした。
当事務所に相談した理由(無料相談と減額実績)
慰謝料を請求されたあと、依頼者の方はすぐに弁護士に相談したわけではありません。
最初は、
- 自分が悪いのだから、言われた金額を払うしかないのではないか
- そもそも弁護士に相談すると高額な費用がかかり、かえって負担が増えてしまうのではないか
と考え、インターネットで情報収集を続けていました。
そのなかで、不倫慰謝料を請求された側の減額事例が多数掲載されているページを目にし、
- 慰謝料を請求された人向けの相談に力を入れていること
- 初回の電話相談や来所相談が無料であること
- 「夫婦関係が破綻していると信じていたケース」の解決事例が掲載されていること
などから、「まずは話だけでも聞いてみたい」と思い、当事務所に連絡をいただきました。
相談の場では、次のような不安を率直に打ち明けられました。
- 「夫婦関係は破綻している」と信じていた自分の気持ちは、言い訳と受け取られないか
- 職場の上司相手の不倫で、会社に知られずに解決できるのか
- 自分の収入では200万円を払うのは難しいが、交渉でどこまで減額が現実的か
- 夫婦関係が円満だったことを知らなかった事情を、どのように説明すべきか
当事務所からは、職場不倫特有のリスク(会社バレ・人事への影響など)も踏まえつつ、解決までのイメージや減額の可能性をお伝えしました。
「一人で抱え込まず、交渉は弁護士に任せたい」というお気持ちが固まり、その場で正式なご依頼をいただくことになりました。
解決までの流れ:直接謝罪と婚姻期間の短さが評価された
本件で特に重要だったのは、依頼者の方が自分の行動を軽く正当化しようとせず、しっかりと反省していたことです。
男性の説明を信じてしまった点には一定の軽率さがあると認めつつも、「結果的に奥様を深く傷つけてしまった」という事実を真剣に受け止めていました。
そこで、交渉にあたっては、
- まずは依頼者の方の反省の気持ちをきちんと伝えること
- 相手方が希望するのであれば、直接謝罪の場を設けることも検討すること
を前提に進めることにしました。
依頼者の方は、「自分の口で謝りたい」という強い希望をお持ちでしたので、慎重に準備をしたうえで、奥様との間で直接謝罪の機会を設けました。
感情的なぶつかり合いにならないよう、当事務所が同席し、謝罪の場の進行や言葉の選び方についても事前に助言しました。
また、金額面での交渉においては、次のような点を重視して主張しました。
- 男性が「夫婦関係は破綻している」と繰り返し説明していたこと
- 実際には、子どもの誕生や家族旅行など、夫婦円満をうかがわせる事情があったにもかかわらず、依頼者の方にその事実を隠していたこと
- 男性と奥様の婚姻期間が2年程度と比較的短く、一般的な不倫慰謝料の相場からすると高額な請求であること
- 依頼者の方が深く反省し、直接謝罪の場で真摯な態度を示したこと
婚姻期間が長い場合、「長年築いてきた家庭を壊された」という評価から慰謝料が高くなりやすい傾向があります。
一方で、婚姻期間が比較的短い場合には、相場よりも高すぎる金額が請求されているときには、減額の余地があると考えられます。
本件でも、婚姻期間の短さや依頼者の支払能力を踏まえ、
「現実的に支払える範囲で、かつ奥様のお気持ちにも一定の配慮をした金額」としての落としどころを探っていきました。
解決結果:200万円請求→50万円で合意(約2か月でのスピード解決)
こうした交渉の結果、当初200万円の請求を受けていたところから、最終的に50万円を支払う内容で示談が成立しました。
150万円の減額に成功しただけでなく、交渉開始から約2か月という比較的短い期間で合意に至ることができた点も大きなポイントです。
この事案では、特に次のような点が評価されたと考えられます。
- 「夫婦関係は破綻している」という男性の説明を、依頼者の方が信じてしまった経緯が具体的だったこと
- 依頼者の方が自分の軽率さを認め、奥様に直接謝罪を行ったこと
- 婚姻期間が比較的短く、相場とのバランスから見て200万円が高額であったこと
- 弁護士を通じて冷静に交渉を行い、感情的な対立を避けながら解決案を提示したこと
依頼者の方は、「一生終わらないかもしれない」と感じていた不安から解放され、仕事や日常生活に集中できる状態を取り戻すことができました。
金額だけでなく、解決までのスピードも含めて、「早めに相談して良かった」とのご感想をいただいた事案です。
ここまで見てきた2つの事例は、いずれも「夫婦関係は破綻している」と説明されて不倫関係を続けてしまったケースです。
共通しているのは、「だまされたから自分は悪くない」と言い張るのではなく、事実を丁寧に整理しながら減額の余地を探っていったことです。
次からは、これらの事例を踏まえて、「夫婦関係は破綻していると言われて不倫した」という事情がどこまで慰謝料の減額に役立つのか、
また、どのような点を意識して今後の対応を考えるべきかを、より一般的な視点から解説していきます。
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「夫婦関係は破綻していると聞かされていた」ことはどこまで慰謝料の減額に役立つ?
SNSでの出会いでも、職場での出会いでも、既婚者から
- 「うちはもう夫婦としては終わっている」
- 「離婚調停中で、形だけの夫婦だ」
などと言われて不倫関係を続けてしまうケースは、決して珍しくありません。
ただ、「破綻していると聞かされていた」という事情があったとしても、
- 慰謝料を一切払わなくてよくなるわけではない
- しかし、あなたの責任の程度を軽く評価してもらえる可能性はある
というのが、実務上のリアルなラインです。
ここからは、本当に婚姻関係が破綻していたケースとの違いと、「破綻を誤信していた」ことがどのように評価されるのかを整理していきます。
法律上の基本:本当に破綻していた場合との違い
まず押さえておきたいのは、
「法律上の婚姻関係が続いている=必ず慰謝料が認められる」
「破綻していると一度でも言われたら慰謝料はゼロになる」
というような単純な話ではない、ということです。
一般的に、不倫慰謝料が認められるかどうかを考えるときには、
- その時点で夫婦が「婚姻関係としての実体」を保っていたか(同居・協力・扶助など)
- 不倫行為によって、その夫婦関係にどれだけダメージを与えたか
- 不倫をした側が、既婚者であることや夫婦関係の状況をどれだけ認識していたか
といった要素が、総合的に考慮されます。
仮に、すでに夫婦関係が完全に破綻しており、形式的に婚姻が残っているだけという状態であれば、第三者が関わっても「夫婦の平穏な共同生活を侵害した」とまでは言いにくくなります。
このようなケースでは、
- 配偶者からの慰謝料請求自体が認められない
- 少なくとも金額が大きく抑えられる
と判断される余地が大きいといえます。
これに対して、本記事で扱っているのは、実際には夫婦は円満、または通常の範囲で生活していた。それにもかかわらず、「破綻している」「離婚調停中」と説明され、それを信じて不倫してしまったというケースです。
この場合、
- 夫婦の側から見ると、「まだ壊れていない家庭を壊された」という構図は変わらない
- 一方で、不倫相手側の「悪さの程度」は、通常の不倫より軽く評価し得る
という、少し複雑なバランスになります。
つまり、
- 「破綻していると聞かされていた=慰謝料ゼロ」ではなく、
- 「破綻していると聞かされていた=減額の重要な要素の一つになり得る」
と捉えるのが現実的です。
破綻誤信が減額要素として評価されたポイント
先ほどの2つの事例(500万円→80万円/200万円→50万円)では、いずれも、「破綻していると聞かされていた」ことを、単なる言い訳ではなく、交渉の中で「減額の評価要素」として位置づけたことがポイントでした。
具体的には、次のような点が総合的に評価されています。
- 相手からの説明内容がどの程度具体的だったか
→ 「終わっている」だけでなく、「離婚調停中」「別居中」など、一定の具体性があるか。 - その説明が一度きりか、繰り返されていたか
→ 何度も同じ説明を受けていれば、「信じてしまったこと自体」を一定程度は理解してもらいやすい。 - あなた側から見て、家庭の実情を確認する手段がどれくらいあったか
→ SNSで共通の知人もいない、家族と会う場面がまったくないなど、確認しづらい事情があるか。 - 実際に夫婦の関係がどうだったか
→ 本当に別居していたのか、同居していたのか、小さな子どもがいたのかなど。 - 説明を信じてから不倫関係を続けた期間や頻度
→ 長期間にわたって頻繁に会っていたのか、比較的短期間だったのか。 - 発覚後の対応
→ 深く反省し、謝罪や誠実な交渉を行ったかどうか。
特に、**「客観的に見て、信じてしまっても仕方ない部分がどこまであったか」**が重要です。
たとえば、
- 交際の初期には独身と説明されていた
- 途中で既婚と伝えられたものの、「離婚調停中」「家庭はもう崩壊している」と繰り返し言われた
- 共通の知人もおらず、家庭の様子を確かめる術がほとんどなかった
といった事情が積み重なっていれば、
「まったく確認せず軽率に不倫に飛び込んだ」ケースとは、責任の重さが変わってきます。
また、
- 婚姻期間が比較的短い
- 子どもの有無や家庭への影響の程度が一般的なケースと比べてどうか
といった点も、金額を決めるうえで重要な検討要素になります。
破綻誤信がほとんど評価されにくいケース
一方で、「破綻していると聞いていた」と主張しても、あまり減額に結びつきにくいケースもあります。
たとえば、次のような場合です。
- 家族ぐるみの付き合いがあり、夫婦仲が良さそうな様子を日常的に見ていた
→ 一緒に食事をしたり、家族旅行の話を聞いていたような場合。 - SNS等で、家族写真や記念日の投稿を頻繁に見ていた
→ 明らかに「破綻している」とは言えない投稿が多数あるのに、「破綻している」という本人の言葉だけを信じていたケース。 - 相手が配偶者と同居していると知っていたのに、深く確認しようとしなかった
→ 別居中の説明がないにもかかわらず、「破綻している」と言われただけで関係を続けたような場合。 - 「破綻している」と言われた後も、子どもの誕生や家族行事があることを知っていた
→ それでもなお、「破綻している」という説明だけを根拠に不倫を続けていた場合。
こうしたケースでは、「破綻していると聞いていた」という主張は、客観的な状況とあまりにかけ離れており、「本当にそう信じていたのか?」と疑われやすいという問題が出てきます。
- 「相手がそう言っていたから」を免責の理由にするのは危険
- 客観的な事情と矛盾するなら、かえって信頼性を損なってしまうこともある
重要なのは、
- 自分がどう感じていたか
- だけでなく、
- 客観的に見て、第三者からも「そう信じてしまうのも無理はない」と思ってもらえるか
という視点です。
「破綻していると聞かされていた」という事情は、うまく整理すれば強い減額要素になり得ますが、過度な期待を持ちすぎず、「他の事情と組み合わせて総合的に評価される」と考えておくことが大切です。
夫婦関係の破綻を理由に減額を主張するときの注意点とよくある失敗
「夫婦関係は破綻していると聞いていた」と主張する際には、いくつか気をつけるべきポイントがあります。
ここを間違えてしまうと、
- 言い訳ばかりしているように受け取られてしまう
- 相手方の感情を逆なでして、交渉がかえってこじれてしまう
という、望ましくない結果につながりかねません。
「破綻していると言われただけ」では足りない理由
まず一番多い失敗は、「相手が『破綻している』と言っていた」という一言だけで、自分の責任は軽いはずだ、と主張してしまうことです。
配偶者の立場から見れば、
- 「破綻している」と言ったのは自分の配偶者であり、不倫相手ではない
- 不倫相手がその言葉をうのみにして関係を続けた結果、家庭が深く傷つけられた
という認識になります。
そのため、
- 「破綻していると言われたから、自分は悪くない」という言い方
- 「全部あなたのご主人(奥様)が悪い」と相手の配偶者を責めるような言い方
は、非常に受け入れられにくく、かえって相手の感情を刺激してしまいます。
「破綻していると言われた」という事情は、あくまで「責任の程度を考えるうえでの一つの材料」です。
それだけを前面に押し出すと、相手からは「言い訳ばかりしている」と受け取られがちです。
大切なのは、
- 「結果的には家庭を傷つけてしまった」という事実を正面から受け止めること
- そのうえで、「自分にも軽率なところはあったが、こういう事情があった」という形で伝えること
です。
誤信を裏付ける証拠・経緯のまとめ方
減額交渉や、場合によっては裁判で事情を説明する場面では、単に「そう聞いていた」と話すだけでなく、それを裏付ける材料があるかどうかが重要になります。
たとえば、次のようなものです。
- LINE・メールなどに残っているメッセージ
→ 「離婚調停中」「仮面夫婦」「もう夫婦としては終わっている」といった記載のスクリーンショットなど。 - 通話の内容を思い出してメモしたもの
→ 通話直後に「こんなことを言われた」とメモしていたノートや日記。 - 友人などに相談していた履歴
→ 「相手にこう言われた」と相談したLINEやメールのやりとり。 - 相手の家庭状況について、あなたが知りうる情報の範囲
→ 住所や同居状況をどの程度知っていたか、子どもがいることをいつ知ったか、など。
これらを整理する際には、時系列を意識することが大切です。
- いつ知り合ったのか
- いつ「独身」と聞かされ、いつ「既婚」と知ったのか
- その後、「破綻している」「離婚調停中」といった説明をいつ受けたのか
- それぞれの時期に、夫婦の様子をうかがわせる情報をどれだけ知っていたのか
このように時系列で整理しておくと、弁護士も
どのタイミングまでは誤信の余地があったのか
どこから先は、責任が重く評価されやすいのか
を判断しやすくなり、交渉や反論の組み立てに役立ちます。
証拠類は、削除したり加工したりせず、そのままの状態で保存しておくことが重要です。
スクリーンショットをまとめる際も、元データは必ず残しておき、弁護士に見せるときに整理版を使うようにしましょう。
他の減額事由とあわせて主張する(婚姻期間・謝罪・支払い能力など)
「破綻していると聞かされていた」という事情だけで、すべてが決まるわけではありません。
実務では、次のような要素もあわせて総合的に見られることがほとんどです。
- 婚姻期間の長さ
→ 結婚して間もないのか、何十年も続いていたのか。 - 不倫関係の期間・回数
→ 一時的な関係なのか、長期かつ反復的な関係なのか。 - 相手方夫婦に子どもがいるかどうか
→ とくに小さな子どもがいる場合、精神的ダメージが大きいと評価されやすい。 - 不倫の発覚経緯
→ 自ら関係をやめたのか、発覚するまで関係を続けていたのか。 - 発覚後の対応
→ 早い段階で謝罪し、誠実に交渉に応じているかどうか。 - あなた自身の収入・資産状況
→ 現実的に支払える範囲を超える金額かどうか。
たとえば、先ほどの事例では、
破綻誤信+SNSで確認しづらい事情(事例1)
破綻誤信+婚姻期間の短さ+直接謝罪(事例2)
といったように、**複数の事情が組み合わさることで、最終的な減額幅が決まっていきました。
「破綻していると聞かされていた」ことは、その中核となる要素の一つですが、それだけにこだわらず、ほかに主張できる事情がないかも一緒に洗い出していくことが、結果的に有利な解決につながります。具体的な慰謝料減額の理由や手順については、「不倫慰謝料 減額の完全マニュアル」をご覧ください。
慰謝料を請求されたときに今すぐとるべき対応と、弁護士に相談するメリット
ここまで、「夫婦関係は破綻していると聞かされて不倫してしまったケース」での減額の考え方や解決事例を見てきました。
では、実際に今あなたが慰謝料請求を受けている、または受けそうな状況にある場合、具体的に何から始めればよいのでしょうか。
してはいけないNG行動
まずは、絶対に避けたいNG行動から確認しておきましょう。
不倫慰謝料の問題では、最初の対応を誤ると、その後の交渉や裁判で不利に働くことがあります。「とりあえず感情のままに動く」のは危険です。
代表的なNG行動としては、次のようなものが挙げられます。
- 内容証明や請求書を無視して放置する
→ 何度も催促が来たり、いきなり訴訟を起こされたりするリスクがあります。 - 一人で相手に会いに行き、感情的に謝ってしまう
→ その場で不利な条件をのまされてしまったり、「言った・言わない」の争いになったりする危険があります。 - 相手の配偶者を責めるような発言をする
→ 「あなたの夫(妻)がだました」といった言い方は、感情を逆なでしやすく、交渉がこじれがちです。 - SNSなどに不倫やトラブルのことを書き込む
→ 証拠として残ってしまうだけでなく、名誉毀損など別のトラブルに発展するおそれもあります。 - 安易に「一筆書いてほしい」と言われるままに署名する
→ 自分にとって極めて不利な内容の合意書・誓約書にサインさせられることがあります。
感情的に追い詰められていると、「とにかく謝って許してもらいたい」「もう何でもいいから終わらせたい」と考えてしまいがちです。
しかし、その結果として、
- 必要以上に高額な慰謝料を支払うことになってしまったり
- 今後の人生に大きな影響を残す内容の合意書にサインしてしまったり
するケースも少なくありません。
婚姻関係が破たんしていると説明された事案で早めに弁護士に相談するメリット
慰謝料請求を受けた場合、できるだけ早い段階で弁護士に相談することを強くおすすめします。
とくに、「夫婦関係は破綻していると聞かされていた」というような複雑な事情が絡むケースでは、自分だけで判断するのは危険です。
弁護士に相談するメリットとしては、例えば次のような点が挙げられます。
- 請求額が相場として妥当かどうか判断してもらえる→ あなたの事案の事情を踏まえて、「高すぎる」「このくらいなら相場の範囲」などの目安が分かります。
- 減額や免責の余地がどこまであるかを見極めてもらえる→ 破綻誤信の事情や、婚姻期間、発覚経緯などを総合して、現実的な落としどころを検討できます。
- 相手方とのやりとりを弁護士に任せられる→ 感情的なぶつかり合いや、「言った・言わない」のトラブルを避けられます。
- 家族や職場に知られないよう配慮した解決方法を検討できる→ 連絡方法や書面の扱いなど、プライバシーへの配慮も含めて戦略を立てられます。
- 支払方法(分割・減額など)も含めた現実的な解決案を提示してもらえる→ 一括払いが難しい場合でも、現実的な支払いプランを交渉してもらうことができます。
不倫慰謝料を巡る交渉は、どうしても感情的になりやすい問題です。
当事者同士だけで話し合おうとすると、**「謝罪したのに許してもらえない」「逆に怒りを買ってしまった」**という結果に終わることも少なくありません。
第三者である弁護士が間に入ることで、
- お互いの感情を整理しながら
- 法律に基づいた冷静な解決案を提示し
- 必要以上に争いを長引かせない
という効果が期待できます。
坂尾陽弁護士
家庭内別居や婚姻関係破たんと説明されて不倫してしまったケースは非常に多いです。一度、専門家の意見を聞いてみてください。
破綻誤信を含む複雑な事情をどう伝えればよいか
「夫婦関係は破綻していると聞かされていた」「離婚調停中だと信じていた」という話は、
あなた自身にとっても恥ずかしさや後ろめたさが伴うテーマかもしれません。
しかし、弁護士が事案を適切に評価し、最善の解決策を考えるためには、
できるだけ正確に事情を伝えていただくことが重要です。
相談前に、次のようなポイントをメモにまとめておくと、スムーズに話を進めやすくなります。
- 相手との出会い方
→ SNSなのか、職場なのか、友人の紹介なのか。 - 相手が既婚者であることを知ったタイミング
→ 最初から知っていたのか、途中で打ち明けられたのか。 - 「破綻している」「離婚調停中」などの説明を受けた時期と内容
→ いつ、どのような言葉で説明を受けたのか。メッセージの記録があれば理想的です。 - その説明を信じた理由
→ 共通の知人がいなかった、家庭の様子を知る機会がなかった、などの事情。 - 実際の夫婦の様子をうかがわせる情報を、どの程度知っていたか
→ 子どもの存在、家族旅行の話、SNSの投稿など。 - 不倫関係の期間や回数
→ おおよその期間、会っていた頻度など。 - 慰謝料の請求内容
→ 金額、支払い期限、記載されている内容(家族や会社に知らせるとの文言があるか等)。 - 現在の収入や貯蓄、家族の状況
→ 現実的に支払える金額の目安を一緒に考えるための情報です。
これらを全て完璧に整理してからでなければ相談できない、というわけではありません。
まずは大まかなところだけでも構いませんので、隠さず・盛らず、ありのままを話すことが何より大切です。
弁護士は、あなたを責めるためではなく、どうすれば少しでも良い形で解決できるかを一緒に考えるために話を聞きます。
「こんなことを話したら怒られないだろうか」と心配せず、気になっていることは率直に伝えてください。
夫婦関係が実際に破綻していたケースと違い、「破綻していると説明されてそう信じていた」というケースは、
法律上の評価も、感情面のわだかまりも、とても微妙なバランスのうえに成り立っています。
だからこそ、
- 自分一人で抱え込まず
- 事実関係を丁寧に整理し
- 専門家と一緒に、現実的な落としどころを探していく
ことが、結果的にあなた自身を守ることにつながります。
「夫婦関係は破綻していると言われて不倫してしまった。自分はどう評価されるのか、どこまで減額が期待できるのか」と不安なときは、
早い段階で法律相談を利用し、今後の見通しと具体的な対応策を確認しておくことをおすすめします。
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