ダブル不倫(W不倫)の慰謝料|相場・請求関係・相殺/求償・家族バレ防止

ダブル不倫(W不倫)の慰謝料は、一般的な不倫と同じように、離婚の有無、不貞期間、婚姻期間、発覚後の対応などによって変わります。目安としては、離婚しない場合は比較的低めに、離婚・別居・夫婦関係の悪化が大きい場合は高めに評価されやすく、実務上は数十万円から数百万円の範囲で検討されることが多いです。

ただし、ダブル不倫では、金額だけを見て判断すると危険です。夫婦が2組あるため、被害者になり得る配偶者が2人おり、慰謝料請求が一方向ではなく二方向に進むことがあります。さらに、あなたの配偶者が不倫を知っているか、不倫相手の配偶者がどこまで知っているか、夫婦が離婚するのかしないのかによって、選ぶべき解決方法が大きく変わります。

この記事では、ダブル不倫の慰謝料相場だけでなく、誰が誰に請求できるのか、相殺・求償・4者和解をどう考えるのか、家族や職場に知られずに進めたいときに何を優先すべきかを整理します。まずは全体像をつかみ、自分の状況に近い項目から確認してください。

  • ダブル不倫の慰謝料は、相場だけでなく4人の関係を整理することが重要です。
  • 誰が不倫を知っているか、離婚するかどうかで交渉のゴールが変わります。
  • 相殺・求償・ゼロ和解は、当然に成立するものではなく設計が必要です。
  • 家族・職場に知られたくない場合は、連絡窓口・送付先・口外禁止を早めに整えます。
  • 妊娠・発覚直後・職場のダブル不倫は、慰謝料以外の問題も同時に検討します。

坂尾陽弁護士

ダブル不倫は、金額の前に「誰が知っているか」と「どこへ連絡が行くか」を整理することが大切です。
(執筆者)弁護士 坂尾陽(Akira Sakao -attorney at law-)

2009年      京都大学法学部卒業
2011年      京都大学法科大学院修了
2011年      司法試験合格
2012年~2016年 森・濱田松本法律事務所所属
2016年~     アイシア法律事務所開業

不倫慰謝料に詳しい坂尾陽弁護士

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ダブル不倫(W不倫)の慰謝料相場と通常不倫との違い

ダブル不倫とは、既婚者同士が不倫関係になり、不貞行為が問題になるケースをいいます。片方だけが既婚者である通常の不倫と比べると、慰謝料請求の相手や利害関係が増えるため、話し合いの進め方が複雑になりやすいのが特徴です。

ダブル不倫の慰謝料相場は「離婚の有無」で変わりやすい

ダブル不倫の慰謝料は、離婚しないケースでは50万円から100万円前後、離婚・別居・夫婦関係の深刻な悪化があるケースでは100万円から300万円程度が一つの目安になります。もっとも、これは機械的な基準ではありません。不貞期間、回数、主導性、夫婦関係の状況、未成年の子どもの有無、発覚後の謝罪や接触継続の有無などで増減します。

そのため、「ダブル不倫だから安い」「相手も既婚者だから慰謝料は払わなくてよい」とは考えない方が安全です。相手配偶者から請求を受けている場合、まず見るべきなのは、請求金額が高いか低いかだけではありません。誰が請求しているのか、誰に知られているのか、どの夫婦が離婚するのか、支払った後に求償や追加請求が起きるのかを一緒に確認する必要があります。

通常不倫の慰謝料相場そのものを詳しく確認したい場合は、不倫慰謝料の相場も参考になります。ただし、ダブル不倫では、通常不倫の相場をそのまま当てはめるだけでは足りません。4人の関係と、二方向の請求が起きる可能性を前提に考える必要があります。

通常不倫との一番の違いは、被害者になり得る配偶者が2人いること

通常の不倫では、典型的には「不倫された配偶者」が「不倫相手」に慰謝料を請求する構図を考えれば、全体像を把握しやすいです。これに対して、ダブル不倫では、あなたの配偶者も、不倫相手の配偶者も、それぞれ被害者になり得ます。

たとえば、あなたが既婚者で、不倫相手も既婚者である場合、あなたの配偶者は不倫相手に慰謝料請求を検討できます。一方で、不倫相手の配偶者はあなたに慰謝料請求を検討できます。つまり、同じ不倫関係をめぐって、2つの家庭から2つの請求が出る可能性があります。

MEMO

ダブル不倫の慰謝料では、「相手にいくら払うか」だけでなく、「自分の配偶者が相手に請求するのか」「支払後に求償をするのか」「4人でまとめて解決するのか」まで見通す必要があります。

ダブル不倫でも、慰謝料が当然にゼロになるわけではない

双方が既婚者であることは、慰謝料の検討に影響します。しかし、それは「お互いさまだから請求できない」という意味ではありません。法律上は、それぞれの配偶者が受けた精神的苦痛を別々に考えるため、相手配偶者からあなたへの請求と、あなたの配偶者から不倫相手への請求は、別の請求として整理されます。

また、離婚慰謝料と不貞慰謝料は区別して考える必要があります。不倫によって離婚に至った場合でも、不倫相手に対して当然に「離婚そのものの慰謝料」まで請求できるとは限りません。一方、不貞行為による慰謝料は、離婚するかどうかにかかわらず問題になり得ます。この区別を混同すると、請求する側も請求された側も、交渉の前提を誤りやすくなります。

ダブル不倫の解決では、まず相場を確認したうえで、次に「誰が誰に請求できるのか」を整理するのが出発点です。4人の関係を分けて考えると、相手の主張に振り回されにくくなります。


ダブル不倫では誰が誰に慰謝料請求できるか:4人関係の整理

ダブル不倫の慰謝料で混乱しやすいのは、登場人物が4人いるためです。この記事では、分かりやすくするために、次の4人で整理します。

  • あなた
  • あなたの配偶者
  • 不倫相手
  • 不倫相手の配偶者

この4人のうち、慰謝料請求で中心になりやすいのは、あなたの配偶者と不倫相手の配偶者です。あなたの配偶者は、不倫相手に対して慰謝料請求を検討できます。不倫相手の配偶者は、あなたに対して慰謝料請求を検討できます。

典型的には「あなたの配偶者から不倫相手へ」「不倫相手の配偶者からあなたへ」の2方向

たとえば、あなたが不倫相手の配偶者から慰謝料を請求されたとします。このとき、相手方の主張だけを見ると「あなたが一方的に支払う問題」に見えるかもしれません。しかし、ダブル不倫では、あなたの配偶者も不倫相手に対して慰謝料請求をする可能性があります。

そのため、同じ不倫関係をめぐって、次のような二方向の請求が起こり得ます。

  • あなたの配偶者から不倫相手への請求:あなたの家庭から見た被害回復の問題です。
  • 不倫相手の配偶者からあなたへの請求:相手家庭から見た被害回復の問題です。

この2つは、当事者も請求の向きも異なります。したがって、「相手にも悪いところがあるから支払わなくてよい」「こちらも請求できるから当然に相殺できる」と単純に処理することはできません。実際には、誰が請求するのか、夫婦が離婚するのか、既にいくら支払ったのか、求償権をどう扱うのかを順番に整理します。

請求された側は、金額だけでなく「発覚範囲」と「連絡ルート」を確認する

不倫相手の配偶者から慰謝料請求を受けた場合、最初に確認すべきことは、請求額の高低だけではありません。誰が不倫を知っているのか、どの連絡手段で請求が来ているのか、今後どこに書面や電話が来る可能性があるのかを確認します。

特に、あなたの配偶者がまだ不倫を知らない場合、自宅への内容証明、職場への連絡、家族が見る可能性のあるメールやLINE、金融機関の履歴などが発覚のきっかけになることがあります。慰謝料を支払うかどうかを決める前に、連絡窓口、送付先、支払方法、口外禁止条項をどう設計するかを考える必要があります。

すでに相手配偶者から請求を受けている場合の詳しい初動は、ダブル不倫で慰謝料請求された場合の対応で整理しています。この記事では、まず全体像として「誰が誰に請求できるのか」を押さえておきます。

請求する側も、請求が返ってくるリスクを考える

あなたの配偶者が不倫相手に慰謝料請求をしたい場合も、相手家庭からあなたに請求が返ってくる可能性を無視できません。双方の夫婦が離婚しない場合、家計単位で見ると、請求と支払が行き来するだけで実質的な利益が小さくなることもあります。

もっとも、だからといって請求に意味がないとは限りません。相手との接触をやめさせたい、口外禁止を取り付けたい、夫婦関係の修復のために一定のけじめをつけたい、離婚を前提に外部の責任を整理したい、といった場面では、慰謝料請求や示談条件の設定が重要になることがあります。

ダブル不倫では、請求する側も請求された側も、「自分にとって得か損か」だけでなく、「4人全体でどのように終わらせるのが安全か」を考えることが大切です。


ダブル不倫の慰謝料で最初に確認すべき分岐:誰が知っているか/離婚するか

ダブル不倫では、同じ慰謝料請求でも、誰が不倫を知っているかによって優先順位が大きく変わります。特に重要なのは、あなたの配偶者が知っているかどうか、そしてあなたの夫婦が離婚する見込みかどうかです。

この2つを曖昧にしたまま動くと、守りたかった家庭や仕事に問題が広がったり、必要以上に高い条件を受け入れてしまったり、相手方との直接やり取りで二次トラブルが生じたりします。まずは、次の順番で状況を分けて考えます。

  • あなたの配偶者は不倫を知っているか
  • 不倫相手の配偶者は不倫を知っているか
  • あなたの夫婦は離婚する見込みがあるか
  • 不倫相手の夫婦は離婚する見込みがあるか

配偶者が知っている場合は、夫婦内の方針を先に揃える

あなたの配偶者がダブル不倫を知っている場合は、まず夫婦内で方針を揃える必要があります。相手配偶者への対応、不倫相手への請求、離婚するかどうか、今後の接触をどう禁止するかなどを、夫婦の問題として整理しなければなりません。

夫婦で方針が揃っていない状態で相手方と交渉を始めると、途中で「やはり許せない」「追加で請求したい」「職場にも知らせたい」といった形で方針が変わり、解決が遠のくことがあります。反対に、離婚しない方針が固まっており、双方の家庭も事実を把握している場合は、4者で全体を清算する方向を検討しやすくなります。

配偶者が知らない場合は、秘密解決と4者和解を分けて考える

あなたの配偶者がダブル不倫を知らない場合は、家族に知られないまま解決したいという希望が強くなることがあります。この場合、まず重視すべきなのは、相手との直接連絡を増やすことではなく、連絡経路と書面の送付先を整理することです。

一方で、4者和解やゼロ和解は、基本的に4人全員が事実を把握し、合意することを前提にしやすい解決方法です。したがって、配偶者に知られずに終わらせたい場合と、4者でまとめて清算したい場合は、同じ方向とは限りません。秘密解決を目指すのか、4者で全体清算を目指すのかを混同しないことが重要です。

注意

「配偶者に知られたくないから、急いで相手に直接謝る」「指定された口座にすぐ支払う」といった対応は、かえって発覚リスクや追加請求のリスクを高めることがあります。

離婚するかどうかで、慰謝料の金額と解決目標が変わる

ダブル不倫の慰謝料は、離婚の有無によって金額の見通しが変わりやすいだけでなく、解決の目標も変わります。離婚しない場合は、夫婦関係の修復、接触禁止、口外禁止、再発防止を重視することが多くなります。離婚する場合は、外部の不貞慰謝料だけでなく、夫婦間の離婚条件、財産分与、養育費、親権、面会交流なども並行して考える必要があります。

また、あなたの夫婦が離婚しなくても、不倫相手の夫婦が離婚する場合には、相手配偶者の請求が強くなることがあります。反対に、双方の夫婦が離婚しない場合でも、接触禁止や求償権放棄、口外禁止の条件をどう定めるかによって、実質的な負担や再燃リスクが変わります。

典型的な4つのパターン

あなた側を軸にすると、まずは次の4パターンで考えると整理しやすくなります。

  • 配偶者が知っている・離婚しない:夫婦としてどこまで請求するか、接触禁止をどうするか、4者清算を検討するかを整理します。感情的な直接連絡で相手方を刺激しないことが重要です。
  • 配偶者が知らない・離婚しない:家庭に知られないまま早期収束を目指す場面です。連絡窓口、送付先、支払方法、口外禁止条項を整え、発覚リスクを下げる必要があります。
  • 配偶者が知っている・離婚する:相手配偶者との慰謝料問題と、夫婦間の離婚問題が同時に進みやすい状態です。外部の示談と内部の離婚条件を分けて考えます。
  • 配偶者が知らない・離婚する:現時点で知られていなくても、離婚協議や別居、調停の過程で不倫問題が表面化することがあります。「どうせ離婚するから同じ」と考えず、発覚時の影響を見越して進めます。

すでに不倫が発覚している、または発覚しそうな段階で具体的な初動を確認したい場合は、ダブル不倫がバレたらどうするかを確認してください。ここでは、まず「誰が知っているか」と「離婚するか」を分けることで、次に検討すべき論点が見えやすくなります。

ダブル不倫(W不倫)を家族・職場に知られずに進めるための初動

ダブル不倫では、慰謝料の金額だけでなく、家族や職場にどの範囲まで知られているかが解決方針に大きく影響します。不倫相手の配偶者から連絡が来た時点で、あなたの配偶者がまだ知らない場合もありますし、反対に、双方の配偶者がすでに事情を把握している場合もあります。

そのため、最初に考えるべきことは「どう言い訳するか」ではなく、連絡経路、書面の送付先、支払方法、口外禁止・接触禁止の条件をどう整えるかです。ここを整理しないまま直接やり取りを続けると、相手の感情を刺激したり、職場への連絡や家族への連絡を招いたりすることがあります。

「絶対にバレない方法」ではなく、発覚リスクを下げる設計をする

家族や職場に知られずに進めたい場合でも、「絶対にバレない」と断定することはできません。内容証明郵便、電話、LINE、職場への連絡、SNS投稿、支払記録、謝罪の場への呼び出しなど、発覚につながる経路はいくつもあります。

もっとも、発覚リスクを下げるためにできることはあります。典型的には、次の点を早い段階で確認します。

  • 相手方からの連絡窓口を一本化する
  • 書面の送付先を自宅以外にできるか確認する
  • 電話・LINEで感情的なやり取りを続けない
  • 支払方法と振込名義を事前に整理する
  • 口外禁止・接触禁止の条項を示談書に入れる

すでに発覚している、または発覚しそうな場合は、誰に何が知られているかを先に切り分ける必要があります。W不倫特有の発覚後対応は、ダブル不倫がバレたらどうするかで詳しく整理します。通常の不倫が発覚した直後の一般的な初動は、不倫がバレた直後の対応も参考になります。

連絡窓口・送付先・支払方法を先に決める

相手配偶者から慰謝料請求を受けたときに、自宅へ内容証明郵便が届くと、同居家族に知られるきっかけになります。電話やLINEでの連絡も、通知画面、通話履歴、深夜の連絡などから発覚することがあります。

家族に知られずに進めたい場合は、相手方に対して「どこに連絡してよいか」「どこに送ってはいけないか」を曖昧にしないことが重要です。もっとも、自分だけで相手方に強く要求すると、かえって「隠そうとしている」と受け止められ、相手の感情を悪化させることがあります。弁護士が窓口になる場合は、以後の連絡先を弁護士宛てにして、本人や家族への直接連絡を控えるよう求める設計がしやすくなります。

支払方法も同じです。慰謝料を支払う場合でも、誰の名義で、どの口座から、どのタイミングで支払うのかを考えずに送金すると、家計の動きから配偶者に不自然さを疑われることがあります。早期解決を急ぐ場面ほど、金額だけでなく、発覚リスクを下げる条件を同時に検討します。

口外禁止・接触禁止・違約金はまとめて検討する

ダブル不倫の示談では、慰謝料額だけを決めても不十分なことがあります。相手配偶者が家族や職場に話さないこと、不倫当事者同士が今後接触しないこと、違反した場合の違約金をどうするかなど、再燃防止の条件を一緒に整える必要があります。

特に、家族・職場に知られずに終えたい場合、口外禁止条項は重要です。ただし、口外禁止といっても、どこまでを禁止するのかを曖昧にすると、後で争いになります。家族、勤務先、友人、SNS、インターネット上の投稿など、想定される範囲を意識して条項を作る必要があります。

MEMO

口外禁止条項は「誰にも一切話してはいけない」と広く書けばよいわけではありません。すでに知っている配偶者、弁護士、裁判所、税務・会計上必要な範囲など、例外をどう置くかも問題になります。

家族や職場に知られずに終えた実例のイメージを確認したい場合は、W不倫を家族・職場に知られずに終えた解決事例も参考になります。ただし、事例はあくまで一つの解決例であり、同じ結果を保証するものではありません。

職場やSNSへの暴露は、別の損害賠償問題になり得る

ダブル不倫では、相手配偶者が怒りから「職場に知らせる」「SNSに書く」「家族に全部話す」と言うことがあります。しかし、不倫が事実であっても、職場やSNSに広げる行為が常に許されるわけではありません。内容や方法によっては、名誉毀損やプライバシー侵害として、別の損害賠償問題になる可能性があります。

東京地裁令和3年1月27日判決では、W不倫に関するアカウント名を作成し、勤務先等の公式アカウントをフォローした行為について、不貞慰謝料の請求とは別に、名誉毀損・プライバシー侵害の反訴も一部認められました。この裁判例は、ダブル不倫の怒りを職場やSNSに向けると、不倫慰謝料とは別の紛争が生じ得ることを示しています。

職場のダブル不倫では、退職要求、異動要求、接触禁止、業務上の接触、職場への連絡禁止などが問題になりやすくなります。勤務先に波及する可能性がある場合は、職場のダブル不倫(W不倫)の注意点で勤務継続や示談条件を分けて確認してください。

ダブル不倫で相手配偶者から慰謝料請求された場合の対応

相手配偶者から慰謝料請求を受けた場合、まず確認すべきなのは、請求額が妥当かどうかだけではありません。誰が請求しているのか、あなたの配偶者は知っているのか、不倫相手との連絡は続いているのか、相手方が職場や家族に連絡する可能性があるのかを同時に見ます。

ダブル不倫では、相手配偶者からあなたに請求が来る一方で、あなたの配偶者が不倫相手に請求できる可能性もあります。したがって、一方向の請求だけを見てすぐに支払うと、後で求償や4者清算の問題が残ることがあります。

最初に、請求者・請求額・証拠・発覚範囲を確認する

請求を受けたら、まずは事実関係を整理します。相手がどのような証拠を持っているのか、請求額はいくらか、支払期限はいつか、勤務先や家族への連絡を示唆しているかを確認します。

この段階で、次のような情報を分けておくと、交渉方針を立てやすくなります。

  • 請求者:不倫相手本人ではなく、不倫相手の配偶者から請求されているかを確認します。
  • 請求額:相場から大きく外れていないか、離婚の有無や不貞期間との関係を見ます。
  • 証拠:LINE、写真、ホテル利用、探偵報告書など、相手が何を根拠にしているかを確認します。
  • 発覚範囲:あなたの配偶者、相手の家族、職場、友人にどこまで知られているかを整理します。
  • 要求内容:金銭だけでなく、謝罪、接触禁止、退職、口外禁止、違約金などを求められているかを確認します。

この整理をしないまま「早く終わらせたい」という理由だけで支払うと、示談書の条件が不十分になったり、後から追加請求を受けたりすることがあります。

すぐに支払う・直接謝罪に行く・一人で呼び出しに応じるのは避ける

相手配偶者から強い口調で請求されると、すぐに謝罪したい、支払って終わらせたいと感じることがあります。しかし、直接謝罪に行くことや、相手の指定場所に一人で行くことは、会話の録音、念書への署名、追加要求、職場や家族への連絡のきっかけになることがあります。

また、請求額が高すぎる場合でも、いったん支払ってしまうと、後から返還を求めることは簡単ではありません。支払う場合でも、示談書を作成し、清算条項、口外禁止、接触禁止、求償権の扱いなどを確認したうえで進めるべきです。

注意

相手から「今日中に払わなければ職場に言う」「配偶者に話す」と迫られても、焦って口頭合意や送金をしないことが重要です。脅しのような表現がある場合は、その内容も保存しておきます。

証拠を消すのではなく、交渉に必要な情報を保存する

請求を受けた直後に、LINEや写真を消したくなる人もいます。しかし、証拠を消す行動は、後の交渉や訴訟で不利に評価される可能性があります。また、相手方がすでにスクリーンショットや探偵報告書を持っている場合、こちらだけが情報を失うことにもなります。

保存すべき情報は、不貞関係そのものを示すものだけではありません。相手からの請求内容、支払期限、職場や家族への連絡を示唆する発言、暴言、謝罪要求、接触禁止の条件、示談案なども重要です。自分に不利に見える情報であっても、全体の経緯を説明するために必要になることがあります。

減額交渉では、金額と示談条件をセットで見る

ダブル不倫で請求された場合、減額できるかどうかは、離婚の有無、不貞期間、回数、夫婦関係、発覚後の対応、証拠の強さなどによって変わります。もっとも、請求額だけを下げても、家族や職場に知られるリスク、接触禁止違反のリスク、求償権の問題が残れば、解決としては不十分です。

示談で確認すべき主な条件は、次のとおりです。

  • 慰謝料額と支払期限
  • 分割払いの可否と遅れた場合の扱い
  • 清算条項による追加請求の防止
  • 口外禁止条項の範囲
  • 接触禁止条項と例外
  • 求償権を行使するか、放棄するか

請求を受けた側の初動、減額交渉、4者和解、家族バレ防止を詳しく確認したい場合は、ダブル不倫で慰謝料請求された場合の対応を確認してください。

ダブル不倫で自分が慰謝料請求する/自分の配偶者が請求する場合の注意点

ダブル不倫の記事では、請求された側の悩みが目立ちますが、不倫された配偶者として請求する側の判断も重要です。あなたが不倫された配偶者であれば、不倫相手に慰謝料請求できる可能性があります。また、あなたが不倫をした側であっても、あなたの配偶者が不倫相手に請求する可能性があります。

ただし、ダブル不倫では、請求すると相手配偶者から請求が返ってくることがあります。そのため、「請求できるか」だけでなく、請求することで何を実現したいのかを整理する必要があります。

請求に意味がある場面と、慎重に考えるべき場面がある

慰謝料請求に意味がある場面としては、不倫相手夫婦が離婚しない一方で、こちらの夫婦関係が大きく傷ついた場合、相手方が悪質な対応をしている場合、再接触を止めたい場合、謝罪や清算を明確にしたい場合などがあります。

一方で、双方の夫婦が離婚せず家計も一体のままの場合、相手配偶者からこちらの配偶者に請求が返ってくることで、家計全体では実質的な利益が小さくなることがあります。この場合でも、接触禁止や口外禁止、再発防止を目的にするなら請求に意味があることはありますが、金銭面だけで判断しない方が安全です。

請求の目的を、金額・接触禁止・再発防止に分ける

慰謝料請求の目的は、金銭を受け取ることだけではありません。特にダブル不倫では、次の目的を分けて考えると、示談条件を決めやすくなります。

  • 金額:不貞行為による精神的苦痛に対する慰謝料を請求します。
  • 接触禁止:不倫相手と配偶者が今後連絡・面会しない条件を定めます。
  • 口外禁止:家族、職場、SNSなどへの拡散を防ぐ条件を定めます。
  • 再発防止:違反時の違約金や連絡手段の遮断などを検討します。
  • 全体清算:二方向の請求や求償関係をどこまでまとめるかを考えます。

慰謝料の一般的な相場や増減要素を確認したい場合は、不倫慰謝料の相場で通常不倫の基本を確認できます。ダブル不倫では、その基本に加えて4者関係や求償の問題を上乗せして考えます。

自分の配偶者が請求する場合は、夫婦内の方針を揃える

あなたが不倫をした側で、あなたの配偶者が不倫相手に請求する場合もあります。この場合、配偶者がどこまで事実を知っているか、離婚するのかしないのか、相手配偶者からの請求にどう対応するのかを夫婦内で整理する必要があります。

夫婦内の方針が揃っていないと、一方では早期解決を望んでいるのに、他方では高額請求や職場連絡を望んでいるという状態になり、相手方との交渉が混乱します。離婚しないのであれば、家庭内での再発防止と、外部の示談条件を結びつけて考えることが重要です。

請求する側でも、請求された側でも、相殺・求償・4者和解が問題になりそうな場合は、ダブル不倫の相殺・求償権を確認すると、全体の清算関係を整理しやすくなります。

ダブル不倫の慰謝料は相殺できる?求償権・ゼロ和解・4者和解の考え方

ダブル不倫でよくある誤解は、「お互いの家庭に不倫があるのだから、慰謝料は当然に相殺される」というものです。しかし、慰謝料請求権は誰が誰に対して持っているかが重要です。あなたの配偶者が不倫相手に請求する権利と、不倫相手の配偶者があなたに請求する権利は、当事者が異なるため、単純に法律上の相殺として処理できるとは限りません。

実務上は、相殺という言葉で説明されることがあっても、実際には、求償権、求償権放棄、4者和解、ゼロ和解などを組み合わせて、全体として清算する形になります。

相殺と求償権は同じではない

相殺は、本来、同じ当事者間で互いに債権債務を持っている場合に問題になります。ところが、ダブル不倫では、請求する人と請求される人が交差します。たとえば、あなたの配偶者が不倫相手に請求し、不倫相手の配偶者があなたに請求する場合、権利者と義務者が同じではありません。

これに対して、求償権は、不貞行為をした2人のうち一方が慰謝料を支払った後、もう一方に対して、負担部分に応じた清算を求める問題です。たとえば、あなたが相手配偶者に慰謝料を支払った後、不倫相手にも一定の負担を求められるか、または求償権を放棄する代わりに早期解決するかが問題になります。

MEMO

ダブル不倫で「相殺」という言葉が出てきたときは、法律上の相殺なのか、4者間で実質的にプラスマイナスを調整する意味なのかを分けて考える必要があります。

4者和解・ゼロ和解は、全員が知っている場合に検討しやすい

双方の配偶者が不倫を知っており、双方の夫婦が離婚しない場合には、4者で全体を清算する方法が検討されることがあります。たとえば、互いに慰謝料請求をしない、または一定額でまとめて清算する、今後の接触を禁止する、口外しないといった条件を4人で確認する方法です。

このうち、双方が請求を放棄して金銭の支払いをしない方向でまとめるものが、一般にゼロ和解と呼ばれることがあります。もっとも、ゼロ和解は、いつでも使える万能の方法ではありません。離婚する夫婦がある場合、片方だけが大きな損害を受けている場合、相手配偶者が強く請求している場合、双方の事実認識が一致していない場合には、成立しにくくなります。

秘密解決を優先する場合、4者和解と両立しないことがある

配偶者に知られずに解決したい場合は、4者和解やゼロ和解とは相性が悪いことがあります。4者和解は、基本的に4人全員が事実を把握し、合意することを前提にしやすいからです。

そのため、あなたの配偶者がまだ知らない場合に、安易に「4者でゼロ和解にすればよい」と考えると、かえって配偶者に知られるきっかけを作ることがあります。秘密解決を優先するなら、まずは相手配偶者との二者間示談をどう設計するか、求償権をどう扱うか、口外禁止をどう置くかを検討します。

求償権放棄は、早期解決と引き換えに使われることがある

請求された側が慰謝料を支払う場合、不倫相手に対して求償できる可能性があります。しかし、求償権を行使すると、不倫相手やその配偶者との間で新たな紛争が起こり、家族や職場に知られるリスクが高まることがあります。

そこで、示談では、支払う側が求償権を放棄する代わりに、慰謝料額を下げる、口外禁止を入れる、接触禁止を明確にする、早期に清算する、といった条件調整をすることがあります。求償権放棄は不利な条項になることもあるため、金額、秘密保持、追加請求防止とのバランスを見て判断します。

裁判例でも、支払った金額がそのまま求償の基礎になるとは限らない

東京地裁令和3年2月5日判決では、ダブル不倫に関連して、夫婦の一方が相手配偶者に250万円を支払った後、求償関係が問題になりました。裁判所は、不貞行為をした2人の責任割合を5対5としつつ、相手配偶者に対する慰謝料額を100万円と認定し、250万円のうち100万円を超える部分は早期解決などのために任意に支払われたものとして、求償の基礎を100万円にとどめました。その結果、求償額は50万円とされました。

この裁判例から分かるのは、ダブル不倫では「支払った金額の半分を当然に請求できる」と単純にはいえないということです。支払った金額、実際に相当とされる慰謝料額、責任割合、示談への関与、離婚の有無などを踏まえて判断されます。

相殺、求償権、求償権放棄、ゼロ和解、4者和解は、ダブル不倫の中でも特に誤解が多い論点です。具体的な清算方法を検討する場合は、ダブル不倫(W不倫)の相殺・求償権で、4者関係の清算ルールを確認してください。


ダブル不倫(W不倫)で妊娠した場合に注意すべきこと

ダブル不倫で妊娠が関係すると、慰謝料の金額だけでは整理できません。誰の子である可能性があるのか、出産するのか中絶するのか、配偶者にいつどのように説明するのか、認知や養育費が問題になるのか、戸籍や親子関係にどのような影響が出るのかを分けて考える必要があります。

特に、双方に家庭がある場合、妊娠の事実を誰に伝えるか、どの順番で話すか、LINEや電話でどこまで残すかによって、その後の慰謝料請求、離婚協議、職場への波及が大きく変わります。焦って当事者だけで口裏合わせをしたり、相手に強い言葉で出産・中絶を迫ったりすると、慰謝料以外の紛争に発展することがあります。

妊娠があると、慰謝料以外の論点が一気に増えます

妊娠が分かった場合は、感情的なやり取りを始める前に、論点を分けて整理する必要があります。特に、誰の子かが不明確なまま慰謝料や認知の話を進めると、後から説明が変わったときに、相手配偶者や自分の配偶者との信頼関係がさらに崩れます。

  • 慰謝料:妊娠・中絶の経緯、不貞期間、夫婦関係への影響が金額判断に関係することがあります。
  • 父子関係:誰の子かが問題になる場合、感情的な推測だけでなく、法律上の親子関係を確認する必要があります。
  • 認知・養育費:出産する場合、認知や養育費の問題が出ることがあります。
  • 戸籍・夫婦関係:婚姻中の妊娠では、戸籍や夫婦間の説明が重要になることがあります。
  • 秘密解決の限界:妊娠があると、医療機関の記録、費用負担、今後の連絡などから発覚リスクが高まることがあります。

妊娠がある場合は、通常の慰謝料減額交渉や秘密解決だけでは足りません。認知、養育費、戸籍、配偶者への説明、出産・中絶をめぐる連絡の記録など、別の専門的な整理が必要になるため、ダブル不倫で妊娠した場合の注意点で個別に確認してください。

出産・中絶の話し合いを慰謝料交渉と混同しない

妊娠後の話し合いでは、出産するか中絶するか、費用をどう負担するか、配偶者にどのように説明するかなど、重い判断が続きます。このとき、相手に中絶を強く迫る、連絡を遮断する、責任を一方的に否定する、口止め料のように金銭だけを渡すといった対応は、慰謝料問題をさらに悪化させることがあります。

反対に、妊娠した側も、感情的に職場や家族へ暴露する、相手の配偶者に突然連絡する、書面を作らずに金銭を受け取るといった対応には注意が必要です。どの立場であっても、まずは妊娠の経緯、相手との連絡状況、配偶者が知っているか、出産予定や中絶の期限、費用負担、今後の接触を整理します。

注意

妊娠が絡むダブル不倫では、慰謝料だけでなく、子どもの法律上の父、戸籍、認知、養育費が問題になることがあります。金銭だけで秘密に終わらせようとすると、後でより大きな紛争になる可能性があります。

妊娠・中絶が慰謝料額に影響することもあります

妊娠や中絶があるからといって、慰謝料が必ず高額になるわけではありません。しかし、不貞関係の悪質性や婚姻関係への影響を判断する事情として考慮されることがあります。

東京地裁平成22年9月3日判決では、既婚者同士の不貞関係が約6年半続き、週1、2回程度の肉体関係、原告の自宅での肉体関係、旅行、交際中の2回の妊娠・中絶などが問題になりました。裁判所は、妊娠した子が被告の子である可能性が高いものの断定まではできないとしつつ、妊娠させる可能性が高い交際をしていたことを慰謝料増額要素として考慮し、慰謝料400万円を認めています。

この裁判例は、妊娠・中絶があれば常に同じ金額になるという意味ではありません。長期の不貞関係や婚姻破綻への影響とあわせて、妊娠・中絶の事情が増額方向に考慮され得ることを示すものです。


ダブル不倫(W不倫)の別れ方・発覚後・職場トラブルは個別に整理する

ダブル不倫の慰謝料問題は、請求が来てから初めて始まるとは限りません。別れ方に失敗したことで相手が配偶者や職場に話してしまう、発覚直後に証拠を消そうとして不信感を強める、同じ職場で接触が続いて再発を疑われる、といった形でトラブルが大きくなることがあります。

そのため、ここでは各論を深掘りしすぎず、次の3つの場面に分けて入口を整理します。詳しい対応は、それぞれの主戦場となる記事で確認してください。

  • バレる前に関係を終わらせたい場合
  • すでにバレた、またはバレそうな場合
  • 職場のダブル不倫で勤務先に波及しそうな場合

バレる前にダブル不倫を終わらせたい場合

ダブル不倫を終わらせたい場合、重要なのは、相手を一方的に切り捨てることではなく、別れ話が暴露、呼び出し、金銭要求、職場連絡に発展しないようにすることです。既婚者同士の関係では、どちらか一方が感情的になると、双方の配偶者や職場へ問題が広がることがあります。

特に、相手が「別れるなら家族に話す」「職場に言う」「慰謝料を請求する」と言っている場合は、直接説得を続けるほど証拠が増えたり、発言が録音されたりすることがあります。別れ方、連絡の止め方、職場での接触の減らし方、別れた後の再接触防止は、ダブル不倫(W不倫)の別れ方で詳しく整理します。

一般的な不倫をやめたい場合の考え方は、不倫をやめたい場合の対応も参考になります。不倫相手が別れてくれない、別れ話がこじれている場合は、不倫相手が別れてくれない場合も確認してください。ただし、ダブル不倫では4者関係と二方向請求が絡むため、通常不倫よりも慎重な整理が必要です。

ダブル不倫がバレた、またはバレそうな場合

ダブル不倫がバレた場合は、最初に「誰に何が知られているか」を整理します。不倫相手の配偶者だけが知っているのか、あなたの配偶者も知っているのか、双方の配偶者が知っているのか、職場にも広がっているのかによって、対応は変わります。

この段階で、証拠を消す、相手に口裏合わせを求める、相手配偶者の呼び出しに一人で応じる、勤務先へ説明に行く、配偶者に場当たり的な説明をする、といった対応をすると、かえって慰謝料や離婚問題が重くなることがあります。発覚直後の具体的な対応は、ダブル不倫がバレたらどうするかで確認してください。

通常不倫一般の発覚直後の流れを確認したい場合は、不倫がバレた直後の対応も参考になります。ただし、ダブル不倫では双方の配偶者が被害者になり得るため、発覚範囲の確認がより重要です。

職場のダブル不倫では、退職要求・接触禁止・業務上接触を分けて考える

職場のダブル不倫では、慰謝料のほかに、退職要求、異動要求、接触禁止、違約金、業務上の連絡、上司・同僚への発覚が問題になりやすくなります。同じ会社、同じ部署、上司部下、取引先関係などでは、示談後も業務上の接点が残ることがあるため、単に「二度と会わない」と書くだけでは現実的でない場合があります。

退職しなければならないか、異動を求められた場合にどう対応するか、職場への連絡を禁止できるか、業務上必要な連絡をどう例外にするかは、職場のダブル不倫(W不倫)の注意点で整理します。社内不倫一般の注意点は、社内不倫の注意点、職場に不倫がバレるきっかけは不倫が職場にバレるリスクも参考になります。


ダブル不倫の状況別に次に読む記事

ダブル不倫の慰謝料では、読者の立場によって次に確認すべき記事が変わります。相殺・求償を詳しく知りたい人、請求された人、妊娠がある人、職場での接触がある人では、必要な情報が異なります。

自分の状況に近い項目から確認してください。

すべての記事を順番に読む必要はありません。まずは、請求されたのか、請求したいのか、家族や職場に知られているのか、妊娠や職場関係があるのかを基準に、近い記事から確認してください。


ダブル不倫の慰謝料でよくある質問

ダブル不倫の慰謝料相場はいくらですか。

離婚しない場合は50万円から100万円前後、離婚・別居・夫婦関係の深刻な悪化がある場合は100万円から300万円程度が一つの目安です。ただし、不貞期間、回数、婚姻期間、子どもの有無、発覚後の対応、接触継続の有無などで変わります。

ダブル不倫だと慰謝料は相殺されますか。

当然に相殺されるわけではありません。あなたの配偶者の請求と、不倫相手の配偶者の請求は、当事者が異なる別の請求です。実務上は、求償権、求償権放棄、4者和解、ゼロ和解などを使って全体を調整することがあります。

相手配偶者から請求されたら、すぐに払うべきですか。

すぐに支払う前に、請求者、請求額、証拠、離婚の有無、発覚範囲、口外禁止・接触禁止・求償権の扱いを確認します。示談書を作らずに支払うと、追加請求や家族・職場への発覚リスクが残ることがあります。

自分の配偶者に知られずに解決できますか。

絶対に知られないと断定することはできません。ただし、連絡窓口、書面の送付先、支払方法、口外禁止条項を早めに整えることで、家族に知られるリスクを下げられる場合があります。秘密解決を目指す場合ほど、初動の連絡方法が重要です。

4者でゼロ和解すれば終わりますか。

双方の配偶者が事実を知っており、双方の夫婦が離婚しない場合には、ゼロ和解や4者和解を検討しやすいことがあります。ただし、4人全員の合意が必要であり、離婚する夫婦がある場合や被害感情が強い場合は成立しにくいことがあります。

ダブル不倫で妊娠した場合、慰謝料以外に何が問題になりますか。

誰の子どもか、法律上の父子関係、認知、養育費、戸籍、出産・中絶の判断、双方配偶者への説明が問題になります。慰謝料だけで処理しようとせず、父子関係と子どもの将来の手続も含めて確認します。

職場のダブル不倫では退職しなければなりませんか。

不倫をしたからといって、常に退職しなければならないわけではありません。ただし、職場での接触、業務上の連絡、上司部下関係、会社への発覚、相手配偶者からの退職要求などが問題になることがあります。示談では、接触禁止と業務上必要な連絡の例外を分けて考えます。

ダブル不倫を終わらせたいとき、何に注意すべきですか。

別れ話がこじれて暴露・慰謝料請求・職場トラブルに発展しないように注意します。突然の連絡遮断、感情的な言い合い、密室での話し合い、金銭だけの解決は避け、連絡方法と接触停止の条件を整理します。


まとめ:ダブル不倫の慰謝料は相場だけでなく4者関係と初動が重要

ダブル不倫の慰謝料では、相場を知ることも大切ですが、それだけでは解決方針を決められません。被害者になり得る配偶者が2人いること、慰謝料請求が二方向に進むこと、相殺・求償・4者和解の整理が必要になることを前提に、状況を分けて考える必要があります。

  • ダブル不倫の慰謝料は、離婚の有無や発覚後の対応で金額が変わります。
  • 誰が誰に請求できるかを、4人関係で整理することが重要です。
  • 配偶者が知っているか、離婚するかで解決方法が変わります。
  • 相殺・求償・ゼロ和解は当然に成立するものではありません。
  • 妊娠・別れ方・発覚後・職場W不倫は、個別のリスクを分けて確認します。

相手配偶者から請求を受けている場合も、自分の配偶者が請求を考えている場合も、最初に整理すべきなのは「いくら払うか」だけではありません。誰が不倫を知っているのか、家族や職場にどこまで広がっているのか、示談後に追加請求や求償が残らないかを確認することが大切です。

坂尾陽弁護士

ダブル不倫は、早く終わらせたい場面ほど、金額・連絡経路・口外禁止・求償を同時に整理することが重要です。

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