不倫相手の妊娠で焦るあなたへ【弁護士解説】|離婚・慰謝料・認知・中絶問題はどうなる?

不倫相手が妊娠した──突然その事実を告げられたとき、多くの方が強いショックを受け、どうして良いかわからなくなるでしょう。

既婚男性なら「妻に知られたらどうなるのか」「離婚、慰謝料、養育費はどうなるのか」と不安に思いますし、妊娠してしまった女性の立場であれば、「相手の責任をどう追及すべきか」「出産するのか中絶するのか」と深刻に悩むはずです。

さらに、妻(夫の不倫相手が妊娠した側)としても、裏切り行為のうえに妊娠まで発覚したら、離婚すべきか慰謝料を請求すべきか、頭を抱えることでしょう。どの立場に立っても、不倫×妊娠の問題には法的責任・金銭負担・時間的制限がつきまといます。

本記事では、**「不倫 相手 妊娠」**という状況で直面しやすいトラブルを整理し、男性・妻(被害者)・妊娠した女性それぞれの視点から今すぐ取るべき行動や注意点を解説します。

不倫相手が妊娠した場合、不倫をした夫、妊娠をした不倫相手女性、不倫をされた妻のいずれの立場でも大きな問題が生じます。

(執筆者)弁護士 坂尾陽(Akira Sakao -attorney at law-)

2009年      京都大学法学部卒業
2011年      京都大学法科大学院修了
2011年      司法試験合格
2012年~2016年 森・濱田松本法律事務所所属
2016年~     アイシア法律事務所開業

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不倫相手が妊娠した場合に考えるべき基本事項

不倫相手の妊娠が発覚するとき、大半の方は精神的動揺を抑えられないものです。しかし、実際には時間制限や法律的手続きを考慮して、できるだけ早く対応しなければなりません。ここでは、最初に把握しておきたい2つのポイントを紹介します。

妊娠の事実確認

不倫相手から「妊娠したかも」と言われたとき、まずは本当に妊娠しているのかを確かめることが重要です。妊娠検査薬だけでは100%確定できないので、できれば産婦人科を受診して、医師の診断を受けましょう。

  • 検査薬の陽性反応を見ても、診断書がなければ確定とは言いにくい
  • 男性側も一緒に病院に行き、事実を自分の目で確認すると安心
  • 領収書などから妻にバレるリスクもあるため、取り扱いは慎重に

妊娠が確定して初めて、具体的な話し合いに進めます。相手の勘違である、虚偽を言っている可能性もゼロではないため、ここを曖昧にしないことが肝心です。

「本当に妊娠したのか?」と疑うように聞くとトラブルになることも。不倫相手の気持ちに配慮しつつ確認しましょう。

出産or中絶をめぐる話し合い

「妊娠22週未満までなら人工妊娠中絶ができる」のが現行の取扱いです。特に12週を超えると母体への負担や費用も一気に増えるため、ずるずると先延ばしにすると本人だけでなく周囲の人生にも大きな影響を及ぼすでしょう。

  • 妊娠初期(12週未満)
    中絶費用は10~20万円前後が一般的
  • 12週以降~22週未満
    入院が必要になり、費用や身体的負担が増大
  • 中絶は要求できない
    男性が「中絶してくれ」と一方的に強要すると後々慰謝料を請求されるリスクがある

早めに話し合いができれば、「産むにしても中絶するにしても、その後の展開」を冷静に決めやすくなります。妊娠を告げられて動揺し、逃げたり連絡を絶ったりするのは最もNGな行動です。誠実さを欠いた対応は、慰謝料問題に発展しやすいので注意してください。

 

立場別:不倫相手が妊娠したときの対処法

不倫相手が妊娠した場合、多くのケースで“既婚男性”の立場から対策を探すことが目立ちます。しかし、妊娠問題は妻(被害者側)にとっても、あるいは妊娠した女性本人にとっても大きな影響を及ぼすものです。ここでは、既婚男性/妻/妊娠した女性の3つの立場に分けて、起こりやすい悩みや検討すべきポイントを解説します。

不倫相手を妊娠させた既婚男性の立場

不倫相手の女性から「妊娠したかもしれない」と告げられたとき、既婚男性は大きな動揺を隠せないでしょう。とりわけ「妻に知られたら離婚されるのでは」「高額な慰謝料や財産分与を請求されるのでは」という不安が大きく、つい逃避行動に走る人も少なくありません。ですが、ここで不誠実に対応するとトラブルは確実に深刻化します。

  • 妊娠事実の確認を怠らない
    産婦人科受診や検査結果を本人任せにせず、きちんと自分も事実確認しておくことが肝心です。もし虚偽だった場合でも、きちんと確認しなければ後から対処しづらくなります。
  • 出産か中絶か方針を確認する
    中絶可能な時期は妊娠22週未満まで。特に12週を超えると女性の身体的負担も費用も跳ね上がるので、「とりあえず先延ばし」はNGです。もっとも、最終的に出産・中絶を選択するのは妊娠をした不倫相手女性です。自分の意見を述べる場合は、妊娠中の女性の気持ちに配慮しつつ、決して中絶を強要することがないように注意してください。
  • 妻への報告・離婚リスクを想定する
    何があっても妻に知られず解決できるか、というと現実は厳しいもの。仮に認知に至れば戸籍に事実が残り、後で発覚するケースも多いです。妻に先手を打って誠実に説明するか、あるいは離婚の可能性を考慮して弁護士に相談するなど、早めの行動が必要でしょう。

さらに、男性が「離婚をしたいか」「妻との婚姻関係を続けたいか」があいまいなままだと、不倫相手の女性との話し合いも進まず、時間ばかりが経過してしまいます。

もし不倫相手が出産を希望しているなら、認知や養育費の問題は避けて通れません。自分の戸籍や将来の相続にも絡むため、曖昧にしていると妻はもちろん、親族間でも大きな衝突が起きるリスクがあります。

注意

「とりあえず相手と連絡を絶ってしまう」「気持ちが混乱している」と言って放置すると、女性側が追い詰められて強行手段をとる恐れがあります。最悪の場合、会社や家族に直接連絡が入るなどして事態が一気に深刻化するでしょう。

妻(不倫被害者)の立場

「夫が不倫していた」という時点で大きなショックなのに、さらに不倫相手が妊娠していたとなれば、妻の精神的ダメージは計り知れません。怒りや悲しみで冷静な判断が難しくなりますが、今後の生活をどうするかはやはり早めに考える必要があります。

  • 離婚か婚姻継続か
    離婚する場合、夫は不貞行為を行った“有責配偶者”となり、慰謝料・財産分与・養育費(子どもがいる場合)などをまとめて請求しやすい状況です。妻が「離婚はしない」と決めれば、婚姻継続のまま不倫相手への慰謝料だけを請求するパターンもあります。
  • 嫡出否認や戸籍の問題
    もし妻自身が妊娠中だった場合や、夫の妊娠問題が複数絡むと、戸籍がさらに複雑化する可能性があります。たとえば「自分の子ではないのに嫡出推定が働く」というケースでは、法的手続きを踏んで否認しなければなりません。
  • 弁護士への相談
    不倫によって妊娠が発生していると、慰謝料の増額要素となることが多いです。自分だけで交渉すると夫や不倫相手に言いくるめられてしまう危険性もあるため、客観的にサポートしてくれる弁護士へ依頼するのも選択肢の一つです。

夫と離婚するか否かに迷う場合は、「経済的にやっていけるか」「子どもがいるなら子育てをどうするか」なども含めて冷静に検討を。夫が不倫相手との間に子どもを認知した場合、将来の相続問題や家計への影響が出てくる恐れもあるので、長期的な視野に立って行動を決めましょう。

妊娠した不倫相手女性の立場

不倫の結果、実際に妊娠してしまった女性は、身体的にも精神的にも大きな負担を背負います。特に中絶を検討するのであれば時間的制約が厳しく、出産を決意するなら認知や養育費をどう確保するかが大問題となります。

  • 相手が逃げるリスクを覚悟
    既婚男性が発覚を恐れて連絡を絶つ、または一方的に「堕ろしてくれ」などと迫る例は珍しくありません。話し合いが成り立たない場合は弁護士に依頼することで、交渉がスムーズになる可能性があります。
  • 認知を拒否されたら…
    DNA鑑定などで父子関係が明らかならば、家庭裁判所に「認知調停」や「強制認知」の手続きを申し立てることができます。もし認知が認められれば、父親としての養育費支払い義務も生まれるため、生活の安定を図るうえでは重要な手続きです。
  • 慰謝料を請求される可能性
    相手の妻から「不倫したこと自体」に対して慰謝料を請求されることがあります。妊娠の事実が悪質とみなされれば高額化する恐れもあるため、決して軽く考えないようにしましょう。

不倫による妊娠は、女性にとっても心身ともに過酷な状況です。相手が誠実に対応してくれればまだ救いがありますが、そうでないケースでは法的手段の活用を検討し、独りで抱え込まないようにすることが大切です。各種助成制度や行政サービス、カウンセリングなどを利用することも視野に入れてください。

不倫相手が妊娠したときに起こり得る法律問題

不倫妊娠に関わるトラブルの多くは、離婚・慰謝料・認知・養育費・中絶費用などに集約されます。とはいえそれぞれ複数の法的ルールや実務上の相場が絡むため、当事者同士だけで解決しようとすると感情的対立が激化しがちです。ここでは代表的な法律問題を整理し、必要に応じて弁護士の助力が有効であることを解説します。

離婚・慰謝料の問題:不倫被害者の妻がどのような選択をするか?

不倫が発覚して妊娠となれば、離婚を検討する配偶者は多いでしょう。日本の法律では、不貞行為は離婚事由として認められる(民法770条)ため、離婚自体は成立しやすい一方、どの段階で離婚請求するかで状況は変わります。

  • 慰謝料の相場
    一般的に50~300万円くらいと幅がありますが、妊娠や出産が絡むと「有責度が増す」と見なされ、相場より高額になりやすいです。詳しくは「不倫慰謝料の相場と増減事由」をご覧ください。
  • 有責配偶者からの離婚請求は難しい
    不倫をした側(妊娠させた夫)が「自分から離婚したい」と主張しても、相手が拒めばなかなか認められません。裁判でも「有責配偶者からの離婚請求は基本的に認めない」という運用があるため、長期化するケースが多いです。
    婚姻関係を継続する場合
    「離婚はしないが、配偶者と不倫相手に慰謝料を請求したい」パターンも可能です。実際に離婚に至らなくても、精神的苦痛を理由に慰謝料を求める例があります。

不倫相手が妊娠しているという事実を知ると、配偶者としては許せない気持ちが高まり、離婚に踏み切るハードルが下がるのも事実です。どちらにせよ専門家の介入で慰謝料額や離婚条件を客観的に算定しないと、金銭面の揉め事が泥沼化しかねません。

認知・養育費:妊娠した不倫相手が出産する場合

「妊娠が進み出産に至った場合」、最も大きなポイントが認知と養育費です。仮に夫(既婚男性)が不倫相手の子どもを認知した場合、その子には法的に父子関係が成立し、扶養や相続にまつわる権利が発生します。逆に認知を拒否する男性もいますが、母子側が家庭裁判所に申し立てれば強制的に認知されるケースが多いです。

  • 認知すると戸籍に事実が記載される
    「隠したいから認知しない」は通用せず、強制認知となった場合でも戸籍には父親の名前が載ります。配偶者にいずれ知られるリスクは非常に高いです。
  • 養育費の支払い義務
    認知すれば養育費は必須となり、毎月の金額は両者の収入や子どもの数、生活状況をもとに決めます。公正証書化すれば支払いが滞ったときに強制執行が可能です。
  • 女性が既婚の場合の複雑さ
    W不倫で妊娠した場合、「民法上は夫の子と推定される」ため、まず夫による嫡出否認が必要になるなど、手続きがさらに複雑化します。

認知をするかしないかで、子どもの未来が大きく左右されます。また、養育費を払う/払わない問題は長期間にわたる争いに発展しやすいです。どちらの立場でも、話し合いが平行線になるなら、家庭裁判所や調停といった公的手段を検討したほうが良いでしょう。

中絶費用と責任分担

妊娠がわかってから「中絶」を選択する場合、妊娠をさせた既婚男性と妊娠をした不倫相手女性の責任分担はどうなるのでしょうか。法的に「男性が必ず全額負担しなければならない」とは決まっていませんが、実際には両者が費用を折半、または男性が多めに負担する例が多いです。

  • 費用の目安
    妊娠初期(12週未満)なら10~20万円程度で済むケースが一般的。しかし12週以降は手術方法が変わり、入院が必要になることもあるため、30万円~50万円超になることも。
  • 精神的・身体的負担
    女性は心身への負荷が大きく、手術後も体調不良が続く可能性があります。そのため休業損害や慰謝料を男性に求めることもあり得るでしょう。
  • 男性のNG行動
    「中絶してくれないならもう知らない」と突き放す、あるいは無理やり中絶を強要する行為はトラブルが深刻化する典型パターンです。女性が精神的苦痛を強く訴え、慰謝料請求へ発展するケースもあります。

特に妊娠22週を超えると、中絶は法的に認められず出産しか選択肢がなくなるので、話し合いの先延ばしは避けるのが鉄則です。男性が「まだ大丈夫だろう」と放置しているうちにタイムリミットが過ぎれば、養育費や離婚問題まで一気に発生する可能性が高まります。

NG行動:妊娠をした不倫相手から慰謝料請求されるリスク

最後に、不倫妊娠トラブルでよく見られる**「やってはいけない行動」**を整理します。当事者が感情的になりやすいだけに、気をつけないと大事に発展してしまいます。

  • 話し合いを放棄し連絡を絶つ
    男性が突然音信不通になると、女性は追い詰められ、職場や家庭への直接抗議など極端な行動に出る危険性があります。また法律的にも誠意を欠く対応と判断され、慰謝料請求の要因となることも。
  • 配偶者への虚偽説明・隠蔽
    妻(夫)に対して「不倫の事実はあるけど妊娠はしていない」と誤魔化すなどの隠蔽策は、いずれバレたときのダメージがさらに大きくなります。離婚条件や慰謝料で不利になる可能性大。
  • 強引な中絶要請、無責任な費用放棄
    「勝手に手術を受けてくれ」「費用は自分で出せ」などと突き放す行為は、女性の精神的苦痛を顕著にし、後々の法的請求リスクを高めるだけです。

特に「誠実さを欠く行動」は裁判例でも厳しく評価される傾向にあります。例えば、東京地裁平成27年7月31日判決は、子どもを産んでも認知しないと手のひら返しの対応をしたため中絶せざるを得なくなったとして約160万円の慰謝料を認定しています。

不倫相手を妊娠・中絶させた場合、現実的に不倫相手から中絶慰謝料を請求されるリスクがあります。

時間的に余裕のない妊娠問題だからこそ、逃げるほど事態が深刻化するのだと理解しておくことが大切です。自分だけで対処が難しいなら、早めに弁護士など第三者を頼るほうが、最悪の事態を回避できる可能性は高いでしょう。

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不倫が妊娠した場合、弁護士に相談するべきか?

不倫相手との妊娠は、法的・金銭的・感情的に非常に複雑な問題をはらんでいます。専門家である弁護士に早めに相談することで、次のようなメリットを得られます。

  • 妥当な慰謝料・養育費の算定
    相場や事情を踏まえた交渉が可能
  • スムーズな話し合い
    当事者同士で感情的になりがちな場面を代理人が冷静に対処
  • 長期化・こじれの予防
    早期対応で時間的リスクを減らし、強制認知や訴訟に発展する前に対処

不倫トラブルは無料で法律相談を行っている弁護士は少なくありません。まずは無料相談で状況を説明し、手続きを依頼するか検討してみましょう。

夫(既婚男性)は「離婚回避と慰謝料リスクの低減」、妻(被害者)は「不倫した夫や相手への慰謝料請求」、妊娠した女性は「認知・養育費を確実に得る」など、それぞれの立場で正しい権利行使や適切な防御策を弁護士がサポートしてくれます。

不倫相手が妊娠した場合、夫・妻・不倫相手のどの立場でも早めに弁護士に相談する必要が高いです。まずは悩まず無料相談を利用しましょう!

 

まとめ:不倫相手が妊娠した場合は冷静な対応を

「不倫相手が妊娠した」という事態は、当事者だけの問題ではなく、配偶者や家族を巻き込んで非常に深刻になりやすいです。離婚や慰謝料が絡むと、何年にもわたって関係修復が難しくなるケースも多々あります。

まずは妊娠の事実確認を行い、出産か中絶か、妻(夫)にどう説明するかなど、話し合いを早急に進めることが大切です。逃げてしまうと中絶のタイムリミットが過ぎ、余計に不幸な選択を迫られかねません。認知や養育費の問題も放置すると、相手や配偶者との間で長年にわたって争いが続くリスクが高いでしょう。

一方、妻としても「不倫による妊娠」で受けたダメージは計り知れず、離婚するか婚姻関係を継続するかで悩むはずです。いずれにしても、弁護士など専門家を間に立てることで、感情だけではなく法的視点を踏まえた解決策を探れる可能性が高まります。

深刻なトラブルに陥る前に、状況を整理し、早めの相談を検討してみてください。

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