- 不倫相手の子どもを中絶する手続きや費用負担がわからない
- 夫(妻)に秘密のまま中絶できるのか知りたい
- 不倫相手が中絶費用の負担を拒否すると言っている場合、どう対応すべきか知り
不倫関係の中で妊娠してしまうと、**「中絶するかどうか」「費用はどちらが負担すべきか」「同意書はどうなるのか」**といった複雑な問題が一度に押し寄せます。さらに、夫に中絶を知られたくない場合は手続き上の悩みも深刻になりがちです。
一方で、中絶を検討する場合には、母体保護法による週数制限や手続きの流れを理解しておく必要があります。実際、妊娠週数が進むと費用が大幅に上がるだけでなく、手術による身体・精神的な負担も増えるため、早期の情報収集がとても大切です。
本記事では、不倫妊娠から中絶に至るまでの法的・実務的観点を解説しますが、実際の状況によって対応策は異なります。 必要に応じて弁護士や医師など専門家に相談しながら進めるのが安全です。不倫×妊娠×中絶の問題は、法的リスクや手続きが絡むため、時間が経つほどトラブルが深刻化する傾向にあります。焦って独断で決めるのではなく、まずは必要な情報を集めて冷静に判断しましょう。
この記事では、
- 中絶手続きに必要な基礎知識
- 不倫が絡む場合にありがちなトラブル事例
- 同意書や費用分担、慰謝料請求など法的リスク
について、できるだけわかりやすくまとめました。不倫中絶という複雑な事態に直面している方が、一つでも多くの情報を得て、後悔しない判断をするための参考にしていただければ幸いです。
2009年 京都大学法学部卒業
2011年 京都大学法科大学院修了
2011年 司法試験合格
2012年~2016年 森・濱田松本法律事務所所属
2016年~ アイシア法律事務所開業
Contents
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不倫が原因で中絶を考えるときの基本
不倫相手との子を妊娠した際、まず押さえておきたいのが**「中絶に関する基礎情報」と「不倫ならではの特有リスク」**です。中絶手術は母体保護法で認められた範囲で行われますが、不倫関係が絡むと当事者同士の話し合いがスムーズに進まず、結果的に手術時期が遅れてしまうケースも珍しくありません。
- 週数制限
妊娠22週未満しか中絶はできません。12週以降は入院を伴う手術となり費用も大きく上昇します。 - 費用負担
中絶手術に健康保険は基本的に適用されず、10~20万円程度(12週未満の場合)から数十万円に及ぶこともあります。 - 不倫特有の問題
相手が責任を回避しようとすることがあります。また、既婚者同士であれば離婚や慰謝料のリスクも高まります。
中絶手術の流れは病院ごとに若干異なりますが、初期(~11週頃)と中期(12週以降)では手術内容や身体的負担に大きな差があります。初期のうちであれば半日程度の通院で済むことが多いですが、中期に差しかかった場合は入院が必要になり、手術後の処置も複雑になります。
不倫が絡む中絶に特有の問題点
不倫×中絶の場合、「同意書」の問題や**「費用負担」のトラブル**が頻発します。母体保護法では「配偶者(夫や妻)の同意」が原則必要とされており、もし女性側が既婚者で夫の子ではない場合でも、書類上は夫の同意が要求される場面があります。
原則、妊婦本人と配偶者の同意が必要
例外的に「配偶者が行方不明」「意思表示ができない」などの場合には本人のみの同意で可能
中絶費用の相場と分担交渉
多くの人が気にするのが**「中絶費用の負担は誰がする?」**という点です。一般的には妊娠12週未満の手術が10万~20万円程度、12週以降では入院を伴い数十万円に上ることもあります。不倫相手の男性が費用を全額負担するケースや折半が多いですが、責任回避をされて揉める例も決して少なくありません。
- 妊娠初期(~11週)
通院ベースでの処置が多く、費用は10~20万円程度 - 妊娠中期(12週~22週未満)
入院・陣痛誘発のプロセスが必要で、費用は数十万円規模になる - 費用折半や全額負担の交渉
不倫相手が応じない場合は示談書を作成したり、弁護士を介して対応することも視野に
不倫相手との話し合いが決裂しそう、あるいは「まったく費用を出してくれない」という場合は、誠意ある対応を求めるためにも弁護士を活用することも考えられます。
不倫相手が中絶の話し合いに応じない場合
不倫の段階でお互いの立場をオープンにせず付き合っていたカップルだと、妊娠が判明した途端に一方が逃げることもあります。男性が「自分の子かわからない」「知らない」と否定し、連絡がつかなくなるケースは少なくありません。
- 連絡が途絶した場合
メールやSNSの履歴があるうちに専門家へ相談 - 費用負担を拒否される
示談書や合意文書を検討し、相手に責任を認めさせる - 双方とも既婚者
お互いに家庭があるため、こじれやすく早期に法的アドバイスが必要。詳しくは「ダブル不倫で妊娠したときの対応策」をご覧ください。
放置しているうちに妊娠週数がどんどん進んでしまうため、こうしたケースでは早急に方針を定めるべきです。
不倫で中絶する前に考えるべき3つのポイント
不倫による妊娠が発覚したら、最初に整理しておきたいのは下記の3つです。これらは互いに絡み合うため、順序良く情報を集め、対策を考えることが望ましいでしょう。
- 出産するか中絶するかの意思決定
- 配偶者や不倫相手との関係整理
- 中絶同意書や費用・慰謝料問題の確認
早めに出産か中絶かを決断する
妊娠週数によって選択できる余地や身体的・費用的負担が変わるため、まずは病院で正確な週数・健康状態を確認します。子を産む選択をしたい場合でも、不倫相手の協力姿勢はどうか、実際に育てられる経済基盤があるのかなど現実面をしっかり考えましょう。
配偶者・不倫相手との関係
不倫をした妻の立場で妊娠した場合、夫との関係は破綻しているのか、離婚を検討するのかによって話の進み方が変わります。既婚男性の子どもを妊娠した場合は、妻への発覚リスクや慰謝料請求の問題を踏まえて動く必要があります。
中絶同意書や費用・慰謝料問題
母体保護法で定められた「配偶者の同意」とは何か、相手が費用負担を拒否した場合の対処法や、中絶慰謝料が請求できるケースはあるのかなど、法的知識を押さえておくとトラブルを最小限に抑えられます。
中絶同意書の問題点:不倫をした妻が妊娠したケース
不倫によって妊娠した場合、夫の子ではない(不倫相手である男性との子)という状況が生じます。しかし、母体保護法では「配偶者(夫)の同意」を必要とするルールがあるため、仮に夫との間に子どもを作っていないとしても、法律上は「夫の同意が原則」となる可能性が高いのです。これは「妻が夫以外の男性との子を妊娠した場合でも、戸籍上の配偶者は夫とみなされる(嫡出推定)」という建前に基づきます。
- 夫の子どもでない場合も同意書は夫?
母体保護法14条に基づき、中絶には配偶者の同意が必要とされることが多い - 同意書が得られないケース
夫が拒否する/既に別居・破綻状態で連絡ができない/DVにより意思疎通不可など
問題は、妻自身が「夫に知られたくない」「夫の子ではないので夫の同意は無関係」と思っていても、病院側が母体保護法に従って同意書を求める場合が多いことです。なお、次のような例外に該当すれば、本人単独のサイン(同意)で中絶が可能となる場合もあります。
- 夫の行方が不明なとき
長年音信不通や失踪状態で、夫の意思確認自体が不可能。 - 夫が意思表示できないとき
精神的・身体的理由で判断能力を失っている、もしくはDV等で婚姻関係が破綻しているなど。 - 妊娠後に配偶者が死亡したとき
既に夫が亡くなっているため同意が取れないケース。
ただし、実際には病院ごとに解釈が異なるため、「夫と事実上の別居状態にある」「夫が一切協力してくれない」などの事情を説明しても、医師がリスクを考慮し、夫のサインなしでは手術を断るケースもあります。
また、女性が不倫相手に「夫の署名を偽造してほしい」などと考えるのは厳禁です。有印私文書偽造罪にあたり、発覚すれば刑事処分を受けるおそれがあります。
夫に話しづらいからといって、偽造や代筆で乗り切るのは絶対に避けてください。 病院側もリスクを回避するため、同意書を厳格に確認するケースがあります。
「夫の子ではないのに中絶への同意が必要」への疑問
多くの女性が感じるのが、**「夫の子じゃないのに、なぜ夫が同意?」**という疑問です。法律上は、戸籍上の配偶者がいる場合、子の父が誰であれ「夫という配偶者」が優先されるしくみがとられており、夫以外の男性は母体保護法上の「配偶者」には該当しません。これは、「婚姻関係にある以上、夫の同意が必要」という形式を守るためだと理解してください。
夫との関係が深刻に破綻していたり、暴力や精神的支配を受けている場合、医療機関側の裁量で「配偶者同意不要」とされることがあります。具体的には、病院に事情を伝え、別の方法で手術を認めてもらうケースも存在します。
夫に不倫がばれずに中絶する方法はある?
- 離婚後に手術を受ける
妊娠後であっても離婚が成立すれば「配偶者がいない状態」になるため、本人のみの同意で中絶が可能になる。 - 婚姻関係実質破綻を主張する
長期別居やDVなどで「夫と実質的に連絡が取れない・協議が無理」なことを病院に説明する。 - 対応してくれる病院を探す
医師の判断による部分が大きいので、複数のクリニックに問い合わせてみる。
もっとも、こうした方法は必ずしもスムーズに進むとは限りません。結果的に夫に打ち明け、理解を得るほうが早いというケースもあるため、自分だけで抱えず、弁護士など第三者を間に入れる選択も視野に入れてください。
不倫で中絶した場合の費用負担
不倫による妊娠が発覚して中絶を検討する際、避けて通れないのが**「費用負担」**の問題です。一般的な初期中絶でも10~20万円ほど、12週以降の中期中絶なら数十万円の費用がかかり、健康保険は基本的に適用されません。とくに不倫が原因の中絶では支払いを巡って揉めることが非常に多いポイントです。
不倫相手との費用折半・全額負担
中絶費用の支払いについては、**「男性が全額負担する」パターンや「折半」パターンが多いものの、法的には「どちらが何割を負担する」と明確に規定されているわけではありません。
ただし、近年の判例や実務上、「性行為は男女双方の責任であり、妊娠・中絶の不利益は分担すべき」**という考え方が強まっています。
こうした判例を踏まえると、不倫であっても男性側に中絶費用の一部または全部を負担させる交渉は可能です。ただし、不倫ゆえに相手と連絡が途絶えたり、「俺の子どもじゃない」と否定されたりするリスクは否定できません。
不倫相手に中絶費用の負担を拒否されたら?
不倫相手が「一切払わない」と主張する場合、話し合いだけでは埒が明かないことが多いです。そこで有効な対策としては、示談書や合意書を作成する方法があります。たとえば、下記のような内容を記載しておくと、後々の紛争が多少なりとも軽減されるでしょう。
- 中絶手術費用の合意
○○円をどのタイミングで支払うか - 慰謝料や損害賠償
双方の合意により放棄するのか、一定金額を支払うのか - 守秘義務や連絡手段
お互い家庭にバレないよう配慮する場合の注意点
最終的には裁判に発展する可能性も否定できませんが、そこまでいく前に示談で折り合いをつけるケースが多いです。
不倫×中絶費用と夫の関与
不倫をした妻が妊娠し「夫の子ではない」場合、夫は「自分の子じゃないのに勝手に中絶費用を出す理由はない」という立場が成り立ちます。一方、女性に収入が少なく、不倫相手も費用負担を拒否する場合、経済的な事情でどうにもならなくなるリスクがあるのも事実です。
夫に秘密のまま中期中絶に進むと高額な入院費用がかかり、夫婦の家計で不審な支出が発生したとして疑われるリスクがあります。「どの程度まで秘密にできるか」は現実的な金銭面も含め慎重に考えてください。
中絶費用以外に生じる金銭的負担
不倫で中絶する場合には以下のような金銭的な問題が生じ得ます。
- 中絶手術そのものの費用負担
- 慰謝料や損害賠償
- 出産を選択した場合の養育費
不倫相手との交渉がこじれると、これらの問題が一斉に噴出し、メンタル的にも大きなダメージを受けがちです。できるだけスムーズに費用分担をまとめるためにも、早めに意思決定し、必要に応じて専門家へ相談することがトラブル回避のポイントになります。
不倫で中絶し場合に慰謝料は請求できる?裁判例と例外ケース
不倫による妊娠が判明し、最終的に中絶という選択をした場合、「精神的苦痛を負わされたから慰謝料を請求したい」と考える方も少なくありません。しかし、中絶に至るまでの事情は様々であり、いずれの当事者にも責任が生じ得るため、いつでも必ず慰謝料が認められるわけではないのが現実です。ここでは、「中絶慰謝料」の基本的な考え方や、実際の裁判例でどのように判断されているかを解説します。
原則:不倫中絶に対する慰謝料は認められにくい
そもそも中絶行為自体は、当事者の合意があったうえで行われるケースが多数を占めます。不倫関係で妊娠した場合でも、性行為そのものは男女双方の意思に基づいて行われたと見なされがちです。したがって、原則として中絶慰謝料は請求できません。
双方に不倫の責任がある点や、妊娠を防ぐための対策を講じなかった点など、裁判所はさまざまな事情を考慮します。
慰謝料=不法行為に対する賠償
民法上、慰謝料を請求するためには「違法性のある行為」で相手方の権利利益を侵害し、その結果として損害(精神的苦痛)が生じたことが必要です。性行為が合意で行われていれば、男女の双方に責任が分散され、男性単独の不法行為と評価されない場合も多いのです。
例外的に中絶慰謝料が認められる5つのケース
もっとも、以下のようなケースでは中絶慰謝料が認められる可能性があります。
- 男性に配慮義務違反があったと判断されるケース
- 性行為を強制されたため妊娠に至ったケース
- 男性側から中絶を強要されたケース
- 「避妊している」と嘘をつかれたケース
- 「独身だ」と騙されていたケース
配慮義務違反による中絶慰謝料
近年の裁判例では、不倫によって中絶に至った場合、**「父性としての配慮義務違反」を理由に、男性側に損害賠償を命じる例が見られます。
これは、男性と女性が合意のうえで性行為を行い、結果として女性が身体的・精神的負担を負う状況が生まれたとき、男性には「不利益を軽減・解消するための行為を行う義務」**があると判断される考え方です。
- 配慮義務違反の典型例
相手が妊娠を告げたのに一切話し合いに応じず逃げる、費用を含め相談に乗らない、誤った情報を与えるなど。 - 慰謝料+中絶費用の請求
不誠実な対応によって女性がより大きな精神的苦痛を受けた場合、慰謝料が認められることがある。 - 損害の公平な分担
ただし女性側にも不倫や避妊なしで性行為を受け入れた責任があるため、全額が認められるとは限らない。男女間で損害を分担するという考え方になる。
男性があからさまに逃げる・侮辱的言動を繰り返す・中絶手術の時期を遅らせた結果、女性に大きなダメージを与えたなど、「通常の合意と異なるほど悪質な態度」があれば、慰謝料請求が認められる可能性は上がるといえます。
女性が「男性が配慮義務を怠った」と主張する場合、メールやLINEでのやり取り・妊娠告知後の男性の返信態度など、具体的な証拠が重要になります。裁判所は「男性側が知っていながら意図的に協力せず、女性を追い詰めた」事実を重視する傾向があります。
強要・虚偽説明があった場合
もし性行為の際に「避妊しているから大丈夫」などと嘘をつかれていた場合や、強制的に膣内射精された・中絶を無理矢理させられたといった状況なら、中絶慰謝料が認められる可能性が高まります。これは、「女性の意思や身体を侵害した不法行為」とみなされるためです。
- 強制性交
暴行や脅迫によって性行為を余儀なくされた場合、当然慰謝料対象となる。 - 中絶強要
女性が本当は産みたかったのに、暴力・脅迫・騙しなどで中絶に追い込まれた場合。 - 虚偽説明
「子どもができない身体だ」「避妊した」と言っていたが実際はしておらず、結果的に妊娠した等。 - 独身だと騙していた
既婚者と知らずに交際しており、妊娠発覚後に既婚者と分かったため中絶せざるを得なくなった場合等。
これらの行為が立証ができれば、法的に中絶慰謝料の請求が認められる可能性が高くなります。
中絶慰謝料を認めた裁判例
実際の判決では「母体保護法に基づき妊娠中絶手術を受けた女性が、相手男性に慰謝料を請求」するケースが少数ながら存在します。その中で特徴的な裁判例をいくつか挙げると、次のようなポイントが見えてきます。
同様に、東京地裁平成21年5月27日判決や平成27年9月16日判決などでも、妊娠した女性に対して男性が一切協力しなかった、あるいはむしろ攻撃的な態度を取り続けたため、「配慮義務違反」による不法行為責任が認定されています。
中絶費用だけでなく、女性の精神的苦痛も考慮
ただし女性側にも責任があるため、賠償額は損害の一部となる可能性が高い
不誠実な対応・話し合い拒否・虚偽言動があったかどうかが争点になりやすい
慰謝料請求のために準備すべきこと
**「相手の不誠実な態度や強要行為で大きな苦痛を受けた」**と考え、実際に慰謝料請求を検討する場合は、以下のような点を事前に整理しましょう。
- やり取りの記録
メールやSNSのやり取り、電話録音など。妊娠告知後の男性の態度が分かる証拠。 - 医療関係の書類
中絶手術に関する領収書、診察券、母子手帳の記載(妊娠週数証明)など。 - 精神的苦痛を示す資料
カウンセリングや心療内科の受診記録、周囲への相談内容など。 - 時系列メモ
妊娠判明から手術までの流れを整理しておく
ただし、不倫の当事者同士という事情もあり、女性自身も「不倫をしていた」点の非難は免れない場合があります。 そのため、慰謝料が認められても「全額請求が通るわけではない」可能性が高く、金額としては限定的となることも珍しくありません。訴訟に進む場合は、弁護士費用や時間的コストもかかるため、示談交渉での解決を目指すケースが多いのが実態です。
不倫被害者から「不倫の慰謝料」を別途請求される可能性もある点に留意しましょう。不倫相手の男性を訴えたいとしても、自分自身も不倫加害者の立場であるため同時に不倫被害者から損害賠償を追及される可能性は否定できません。
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女性が不倫で中絶を決断する前に知っておきたいポイント
不倫関係で妊娠し、最終的に**「中絶するかどうか」を判断するのは、女性にとって心身ともに大きな負担を伴う選択です。特に、夫の子ではない場合や不倫相手の男性が「妻にバレたくない」と逃げ腰**になっている場合、孤立無援のまま意思決定を迫られることも少なくありません。ここでは、中絶を決断する前に押さえておきたい重要事項を整理します。
妊娠週数が進むほど負担が増す
中絶は、妊娠22週未満でしか法律上認められません。妊娠初期(~11週)のうちであれば、日帰り・通院で完了する手術が多いものの、12週以降になると陣痛に近い過程を経て胎児を出すため入院が必要になり、身体的・精神的負担も格段に上がります。
さらに中期以降は「死産届」を役所に提出する必要があり、胎児の遺体をどのように扱うのかなど、事務的にもつらい手続きを経る場合があります。
身体的リスクと術後ケア
中絶手術は医療行為であり、術後は出血や感染症、ホルモンバランスの乱れによる体調不良など、一定のリスクが伴います。特に中期の手術になると陣痛様の痛みや高額な入院費もかかり、術後の体力回復に時間を要する方が多いです。
自宅で安静にしようにも、夫や家族に秘密にしている場合、堂々と休めなかったり、通院しづらいといった苦労が考えられます。術前にしっかり休暇やサポート体制を確保しておくことが大切です。
精神的サポート体制
中絶を決断する女性の多くは、罪悪感や後悔などの感情に苦しむことが少なくありません。さらに、不倫相手との関係が冷え込んだり、周囲に相談できる友人や家族もおらず、孤独を感じがちです。
- 心療内科やカウンセリング
術前・術後の精神ケアを専門家から受けられると安心 - 身近な人に打ち明ける勇気
最小限でも信頼できる誰かに相談しておくと、手術や術後のフォローがスムーズ - オンライン相談やSNS
匿名でも心の支えになり得る場合があるが、誤情報には注意
不倫相手が不在だからといって一人で全て抱え込むと、うつ状態や長期のPTSDにつながるリスクもあります。詳しくは「悩み別の不倫相談窓口9選」をご覧ください。
法的リスクや周囲への影響
もし女性が既婚である場合、夫に妊娠事実が発覚すると離婚問題や高額な慰謝料に発展する可能性もあります。もし将来的に離婚を望むのであれば、夫と話し合って離婚を成立させた後、本人のみの同意で中絶できる状態にする方法もあります。ただ、離婚協議を急ぐうちに妊娠週数が進む懸念もあるため、計画的に進める必要があります。
既婚男性の子どもを妊娠した場合は、不倫をされた妻からの慰謝料請求が起こる可能性にも備えなければなりません。
中絶は身体面だけでなく、精神面・法的側面でも大きな決断です。不倫相手の対応や経済状況、家庭環境などを総合的に鑑みて、「今後の自分の人生にとって最善の選択は何か」をできるだけ冷静に考えてみてください。
まとめ:不倫中絶は身体的・法的・金銭的リスクを伴う
- 不倫中の妊娠・中絶は、夫の同意書の問題や費用負担、慰謝料リスクなどが複雑に絡む
- 妊娠週数が進むほど手術費用や身体・精神的負担が増し、法的リスクや秘密保持も難しくなる
- 不誠実な対応や強要行為があった場合、配慮義務違反を理由に慰謝料請求が認められる余地がある
- 女性が中絶を決断する前に、週数や費用、法的リスク、カウンセリングなどを含めて慎重に検討すべき
不倫で中絶するという事態は、単なる恋愛トラブルとは異なり、法的・経済的・心理的な問題が同時多発的に起こりやすいのが特徴です。相手が協力的であれば比較的スムーズに解決できるかもしれませんが、逃げられたり話し合いを拒否された場合、時間だけが経過し、より厳しい状況に陥るリスクがあります。
中絶は女性にとって大きな決断ですし、可能であれば不倫相手との真摯な話し合いを行ってから最終判断を下すのが理想です。しかし、状況的に難しい場合もあるでしょう。あなた自身がどう生きたいか、どのような未来を望むかを丁寧に考え、必要に応じて専門家を活用しながら、後悔の少ない選択をしていただければと思います。
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