突然、浮気・不倫などを理由に慰謝料を請求されると、「とにかく早く返事をしなきゃ」「今すぐ払わないと大ごとになるのでは」と焦ってしまいがちです。ですが、請求直後の行動しだいで、交渉や裁判の見通しが変わることがあります。この記事では、慰謝料請求されたときのNG行動(やってはいけないこと)を先に整理し、あなたが不利にならない動き方を解説します。
この記事では、次の疑問に答えます。
- 慰謝料請求は無視していい?放置するとどうなる?
- 相手に呼び出された…直接会って話すべき?
- 示談書・誓約書にその場で署名押印して大丈夫?
- LINE・電話で問い詰められたとき、何を言わない方がいい?
- 「弁護士通さず慰謝料請求」(本人から直接請求)が来た…どう対応する?
- 高額を要求された…言われるがまま払うのは危険?
本記事は、一般的な法的枠組みと実務上の注意点を踏まえて「不利になりやすいNG対応」を整理します(個別事情で結論が変わるため、迷う場合は弁護士へ相談してください)。
坂尾陽弁護士
2009年 京都大学法学部卒業
2011年 京都大学法科大学院修了
2011年 司法試験合格
2012年~2016年 森・濱田松本法律事務所所属
2016年~ アイシア法律事務所開業

Contents
慰謝料請求された事案の無料法律相談実施中!
- 0円!完全無料の法律相談
- 弁護士による無料の電話相談も対応
- お問合せは24時間365日受付
- 土日・夜間の法律相談も実施
- 全国どこでも対応いたします
このページは「NG行動」に特化:まず“やらないこと”を決めて不利を防ぐ
慰謝料請求が来た直後は、「とにかく謝る」「すぐ払う」「会って話す」など、感情に引っ張られた判断をしやすいタイミングです。ですが、最初にやってはいけないこと(NG)を避けるだけで、状況が悪化するリスクを大きく減らせます。
このページが扱うのは、あくまで「やってはいけない行動(Don’t)」です。
「今日やるべきこと(初動の手順)」は、別ページの初動チェックリストで5分で確認できます。
また、「支払義務の有無」「請求額が妥当か」「連絡手段別の対応」など、全体像から知りたい方は、ハブページの**不倫慰謝料を請求されたら(総合)**もあわせてご覧ください(このページは“地図”として使えます)。
慰謝料請求されたときのNG行動(やってはいけないこと)
ここからは、慰謝料請求を受けた側がやってはいけない行動を、典型例→なぜNGか→代替行動(こうすればよい)の順で解説します。重要なのは、「感情を抑えること」だけではなく、“不利な材料を増やさない”動き方に切り替えることです。
まず結論:避けるべきNG行動8つ(早見表)
「細かい理屈より先に、まず危ない行動だけ知りたい」という方は、次の8つをチェックしてください。いずれも、あとから取り返しがつきにくくなる典型パターンです。
- 請求を無視する(既読スルー・放置)
- 相手と直接会って話し合う(呼び出し・面談)
- 事情を話しすぎる/全面的に自白する
- 示談書・誓約書にその場で署名押印する
- 言われるがまま高額を即日支払う
- 嘘をつく/証拠を消す(LINE削除など)
- 感情的に反論・暴言・脅しで対抗する
- SNSや職場・家族を巻き込んで拡散する
以下、1つずつ「なぜ危ないか」と「代わりに何をすればよいか」を具体化します。
請求を無視・放置する(既読スルー、返信しない)
「夫婦の問題だから自分は関係ない」「払うつもりはないから無視でいい」と考えて、請求に反応しないまま時間が過ぎてしまうことがあります。ですが、無視は最も避けたい選択肢の1つです。
なぜNGか:話が“次の手段”へ進みやすくなる
無視をすると、相手は「話し合いができない」と判断し、より強い手段に切り替える可能性があります。たとえば、次のような流れが典型です。
- 電話・LINEの頻度が増え、精神的に追い込まれる
- 内容証明郵便など、書面での正式な請求に移行する
- 相手が弁護士に依頼し、窓口が代理人になる
- 交渉が難航し、訴訟(裁判)という選択肢が現実味を帯びる
さらに、放置期間が長いほど「誠意がない」「反省していない」と受け取られ、感情的な対立が深まってしまうことがあります。結果として、落としどころを作りにくくなるのが無視の怖い点です。
代わりにすること:受領連絡+期限確認までで止める
無視の代わりに、まずは「受け取った」ことと「検討する」旨を、短く事務的に返すのが基本です。ここで重要なのは、事実関係や金額の是非に踏み込まず、初動を整えることです。
- 「通知を受領しました。内容を確認のうえ、追ってご連絡します」と短く返す
- 支払期限・回答期限が書かれているかを確認する(メモする)
- やり取りのスクショ・メール・書面は削除せず保全する
- 窓口(連絡手段)を1つに絞る(LINE→メール等)ことも検討する
返信の言い回しや、LINE・電話・メールなど連絡手段別の注意点は、**LINE・メール・電話で請求されたら(返信・無視の注意点)**で整理しています。
相手と直接会って話し合う(呼び出し、面談に応じる)
「会って謝れば収まるかもしれない」「電話だと誤解が解けない」と思い、直接会う約束をしてしまうケースがあります。しかし、慰謝料請求の局面での“直接面談”は、基本的にリスクが高い行動です。
なぜNGか:誘導・録音・書面サインの流れになりやすい
面談では、その場の空気や相手の感情に押されて、意図せず不利な発言をしてしまうことがあります。さらに、面談は次のようなリスクも伴います。
- その場で「今ここで認めて」と迫られ、反射的に謝罪・自白してしまう
- 録音され、発言の一部だけ切り取られる(後から争点になり得る)
- 誓約書・示談書を出され「署名押印だけ」と迫られる
- 「会社に言う」「家族に連絡する」など、圧力をかけられやすい
面談は、相手のペースで進むことが多く、あなたが冷静に判断するための“間”が取れないのが最大の問題です。
代わりにすること:書面・メール中心にし、持ち帰って判断する
直接会う代わりに、連絡はできるだけ文章(メール等)で行い、検討する時間を確保しましょう。もし面談を求められても、次のように切り替えるのが安全です。
- 「口頭では誤解が生じるので、書面(メール)でお願いします」と伝える
- 会う必要がある場合でも、第三者同席(弁護士等)を前提にする
- “その場で結論を出さない”と決め、必ず持ち帰る
「会うだけなら大丈夫」は危険です。面談は“話す→認める→サインする”の流れが一気に進みやすく、後から戻しにくい局面になりがちです。
坂尾陽弁護士
事情を話しすぎる/全面的に自白する(不用意な発言)
LINEや電話で問い詰められると、「誤解を解きたい」「正直に言えば許してもらえるかも」と考えて、関係の経緯や頻度、肉体関係の有無、ホテル利用など、具体的な話をしてしまうことがあります。
しかし、“話しすぎ”は、たとえ悪意がなくても、後の交渉で不利な材料になり得ます。
なぜNGか:争点が固まり、修正が難しくなる
慰謝料請求は、「何が事実で、どこまで責任があるか」「金額が妥当か」という争点で進みます。ここで不用意に詳細を語ると、次のような問題が起こり得ます。
- 事実関係を“自分の言葉”で確定させてしまい、後から訂正しづらい
- 言い回しが曖昧で、相手に都合よく解釈される
- 反省のつもりの謝罪が「全面的に認めた」と受け取られる
- 相手が記録(スクショ・録音)を保存しており、交渉カードにされる
「謝ったら終わり」ではなく、謝った内容が“どこまでの責任を認めたことになるか”が問題になる点に注意が必要です。
代わりにすること:事実整理が終わるまで“必要最小限”にする
話しすぎの代わりに、まずは時系列と証拠(やり取り等)を整理し、争点を把握してから返答するのが安全です。すぐに返さなければならない場合も、次の範囲に留める意識を持ちましょう。
- 「現時点では詳細は回答できません。確認の上で対応します」と区切る
- 相手の質問に逐一答えず、回答範囲を限定する
- やり取りは文章(メール等)中心にして、言った言わないを防ぐ
謝罪そのものが常にNGというわけではありません。ただし、「何について」「どこまで」謝罪するかで意味が変わります。焦って“全部認める形”にならないよう、言葉選びは慎重に行いましょう。
示談書・誓約書にその場で署名押印する(サインする)
「署名押印だけで終わる」「とりあえずサインすれば落ち着く」と言われ、示談書・誓約書・念書などにその場で署名押印してしまうのは非常に危険です。書面は、口約束とは違い、後から争いにくい“合意の証拠”になりやすいからです。
なぜNGか:不利益な条件が固定されることがある
書面の内容次第では、金額だけでなく、支払方法、連絡禁止、違約金、守秘義務、求償(第三者への請求)に関する条項など、あなたに不利な条件が盛り込まれていることがあります。特に、次のような条項は要注意です。
- 高額な違約金(再接触で〇〇万円等)が設定されている
- 支払期限が短く、分割の余地がない
- 「事実をすべて認める」等の包括的な文言がある
- 第三者(不倫相手など)への請求や求償の扱いが一方的に決められている
一度署名押印してしまうと、後から「やっぱり納得できない」と言いにくくなり、交渉の選択肢が狭まります。
代わりにすること:必ず持ち帰り、条件を整理してから判断する
書面を渡されたら、その場で結論を出さず、必ず持ち帰って確認することが基本です。相手が急かしてきても、次のように対応しましょう。
- 「重要な書面なので確認の時間が必要です。持ち帰って検討します」と伝える
- 金額・支払方法・清算条項(この合意で終わりか)を中心にチェックする
- 署名押印前に、専門家へ確認することを検討する
示談書の基本的な考え方やチェックポイントは、**不倫示談書マニュアル【テンプレート付】**でも解説しています。
坂尾陽弁護士
言われるがまま高額を即日支払う(そのまま払う・一括で振り込む)
「払えば終わるなら…」と、請求された金額をそのまま振り込んでしまう人もいます。ですが、支払いは“解決”ではなく、条件次第では新しい火種になることがあります。
なぜNGか:金額・条件の妥当性を検討しないまま固定してしまう
慰謝料請求は、状況(不貞の期間、離婚の有無、婚姻関係の状態、当事者の事情など)によって金額が変わり得ます。にもかかわらず、検討前に支払ってしまうと、次のようなリスクが生じます。
- 請求額が相場から見て高額でも、減額交渉の余地を自ら捨ててしまう
- 「支払った=全面的に認めた」と受け取られ、交渉の主導権を失いやすい
- “清算条項(この支払いで終わりか)”がないと、追加請求や再燃の余地が残る
- 支払いの証拠や条件が曖昧だと「まだ払っていない」と争いになることがある
もちろん、支払う選択が適切なケースもあります。ただ、支払うとしても「金額」「方法」「終わらせ方」を整えてから進めないと、かえって長引くことがあります。
代わりにすること:金額の見直しと“終わらせる条件”をセットで考える
いきなり振り込むのではなく、まずは次の順番で整理するのが安全です。
- ① 支払義務がある前提か(争点があるか)を整理する
- ② 請求額が高すぎないか、増減要素を確認する
- ③ 支払う場合は、分割や期限、清算条項(これで解決)を含めて書面化する
請求額が高すぎるか不安な方は、請求額が高すぎるチェックリストで、相場感と減額の考え方を先に確認できます。
また、支払いが難しい場合は、いきなり「払えない」と突っぱねるのではなく、分割・減額など現実的な案を検討した上で伝える方が、揉めにくい傾向があります。**払えないときの対処法(減額・分割)**もあわせて参考にしてください。
嘘をつく/証拠を消す(LINE削除・履歴消去・口裏合わせ)
請求されると怖くなって、「そもそも会っていない」「既婚だと知らなかった」などと、とっさに嘘をつきたくなることがあります。また、LINEのトークや写真、通話履歴を消して“なかったこと”にしようとする人もいます。
しかし、嘘や証拠消しは、トラブルを小さくするどころか、むしろ拡大させやすいNG行動です。
なぜNGか:信用を失い、交渉が一気に不利になる
嘘が発覚したときに起きるのは、「不貞の有無」だけの問題ではありません。相手から見れば「誠実に話し合う意思がない」と映り、強硬な対応(代理人・訴訟等)に切り替わりやすくなります。
- 発言の矛盾が残り、後から訂正しても信用が戻りにくい
- 証拠を消しても、相手側の記録(スクショ等)で覆ることがある
- 「隠した」「改ざんした」という印象がつくと、交渉が硬直しやすい
- 不倫相手と口裏合わせをすると、連絡が増えて発覚リスクが上がる
代わりにすること:まずは“保全”と“連絡遮断”に寄せる
嘘をつく代わりに、いったん連絡の量を減らし、事実関係を整理することが先決です。とくに、やり取りの保存は重要です。
- LINE・メール・書面は削除せず、スクショや保存で保全する
- 相手(請求者)との連絡は、必要最小限・文章中心にする
- 不倫相手との連絡は、必要があっても慎重に(証拠化・再燃に注意)
感情的に反論・暴言・脅しで対抗する(強い言葉で押し返す)
「理不尽だ」「こっちだって被害者だ」と感じる場面はありますし、相手が強い口調で迫ってくると、こちらも強い言葉で返したくなるかもしれません。しかし、感情的な対抗は、長期的に見ると損になりやすい行動です。
なぜNGか:争点が増え、トラブルが“二重化”する
強い言葉は、その場ではスッキリしても、後から読み返される・記録されることで火種になります。また、攻撃的な対応は“慰謝料の話”とは別の問題(名誉毀損・脅迫など)に発展するリスクもあります。
- 相手がスクショ・録音を保存し、交渉材料にされる
- 相手の怒りが増幅し、要求が強硬化する(早期解決が遠のく)
- やり取りの回数が増え、家族・職場に発覚するリスクが上がる
- 「暴露する」「職場に言う」などの応酬で、二次被害が拡大する
代わりにすること:事務的対応に切り替え、窓口を一本化する
感情的に返したくなったときほど、“型”を持っておくと暴発しにくくなります。具体的には次のような動きが有効です。
- 返信は即レスしない(時間を置いて文章で返す)
- 言い返すのではなく「検討のうえ回答します」で区切る
- 連絡手段をメール等に寄せ、やり取りを可視化する
- 自分だけで抱えず、第三者(弁護士等)を窓口にすることも検討する
相手が弁護士を立ててきた、内容証明が届いた、裁判の可能性が見えるなど、局面が重い場合は、早めに「弁護士なしで対応してよい範囲か」を確認した方が安全です。判断の目安は、**弁護士なしで大丈夫?(危険サイン)**で整理しています。
SNS投稿・第三者への拡散(職場・家族を巻き込む)
相手が強気だと、「こっちも晒してやる」「周りに相談して味方を増やす」と考えてしまうことがあります。ですが、SNSへの投稿や、職場・家族・第三者を巻き込む行為は、慰謝料問題を“別の紛争”に変えてしまいかねません。
なぜNGか:名誉・プライバシーの争いが上乗せされる
当事者以外に広げるほど、情報が戻らなくなります。さらに、投稿内容や伝え方によっては、名誉毀損やプライバシー侵害など、別の法的リスクが生じる可能性があります。
- 投稿が拡散し、削除しても完全には回収できない
- 相手が「晒された」「脅された」と受け取り、対抗措置を取る
- 会社・家族に伝わり、あなた自身の生活基盤にダメージが出る
- 本来の争点(慰謝料の金額・条件)より、感情の対立が前面に出る
代わりにすること:相談先を絞り、外部に出さない
不安を吐き出したいときこそ、相談先を“限定”することが大切です。SNSで発散する代わりに、次のように整理しましょう。
- 相談は信頼できる少数(弁護士等)に限定する
- 証拠・経緯・相手の要求を時系列でメモにまとめる
- “職場・家族バレ”が怖い場合は、連絡窓口の工夫(文章中心・時間帯配慮等)を先に考える
この章のまとめ:迷ったら「会わない・サインしない・無視しない・すぐ払わない」
ここまでのNG行動は、言い換えると「相手のペースで進めない」「不利な材料を増やさない」という原則に集約できます。判断に迷ったときは、次の4つを“合言葉”にしてください。
- 直接会わない(面談で流されない)
- 署名押印しない(持ち帰って確認)
- 無視しない(受領連絡で止める)
- すぐ払わない(条件を整えてから)
NGを避けるための「安全な初動」最低限(ここだけ押さえれば致命傷を防げる)
ここまでのNG行動を避けられれば、状況はかなり落ち着きます。次は「何をするか(Do)」ですが、このページでは深掘りしません(初動の手順はチェックリストで確認するのが最短です)。
ここでは、NGを踏まえた“安全な初動”の最低限だけをまとめます。ポイントは、相手に流されず、後から検討できる状態を作ることです。
まずはこの5つだけ:安全な初動のミニチェック
請求直後にやることは、突き詰めると次の5つです。どれも「今後の判断材料を失わない」ための行動です。
- 期限(回答期限・支払期限)を確認してメモする
- やり取り(LINE/メール/書面)を削除せず保全する
- 相手への返信は“受領+検討中”までで止める
- 直接会わない・電話で長話しない(文章中心に寄せる)
- 争点を整理する(支払義務/証拠/金額/終わらせ方)
この5つを押さえるだけでも、**「話がこじれて裁判に寄る」「その場で署名押印して固定される」**といった最悪の展開を避けやすくなります。
「返信しない」ではなく「言い切らない」:最小限の返し方
無視がNGなのは解説した通りですが、だからといって、すぐに中身へ踏み込む必要はありません。最初の返信は、“言質を取られない”範囲で区切るのが安全です。
- (例)通知を受領しました。内容を確認し、追ってご連絡します。
- (例)現時点では詳細な回答は控えます。確認の上で回答します。
- (例)口頭では誤解が生じるため、以後はメール(書面)でお願いします。
ここで大事なのは、**「支払う/支払わない」「不倫の事実」「金額の妥当性」**を、早い段階で断定しないことです。断定すると、あとで方針を変えたくなっても動きづらくなります。
相手の質問に“全部答える義務”はありません。まずは自分のペースを取り戻すことが優先です。
弁護士通さず慰謝料請求(本人から直接の請求)に特有の落とし穴
弁護士を通さない慰謝料請求は、LINEやメールなど「軽い連絡」に見えやすい分、反射的に動いて失点しやすいのが特徴です。
本人同士のやり取りでは、次のような落とし穴が起きやすいので注意してください。
- その場の即決に誘導されやすい
「今すぐ会え」「今日中に払え」「サインだけでいい」など、面談・即払い・署名押印へ一気に進められやすく、後から修正が難しくなりがちです。 - スクショ・録音で“自白の証拠”を作られやすい
やり取りが記録に残りやすく、焦って詳細を語ると「全面的に認めた」と解釈され、争点が固まりやすくなります(謝罪文の要求も同様です)。 - 請求の前提や条件が曖昧なまま進みやすい
「いつ・何を理由に・いくら請求するのか」「この支払いで終わるのか(清算)」が曖昧なまま進むと、支払後に追加請求・再燃が起きる原因になります。
本人からの連絡でも、「会社に言う」「家族に知らせる」など暴露を示唆する言動や、即日支払・面談・署名押印を強く迫る場合は、危険サインとして早めに相談を検討した方が安全です。判断の目安は、**弁護士なしで大丈夫?(危険サイン)**で整理しています。
返信の言い回しや、LINE・電話・メールなど連絡手段別の注意点は、**LINE・メール・電話で請求されたら(返信・無視の注意点)**で整理しています。
また、内容証明郵便や訴状など“重い書面”が来た場合は、次のポイントも押さえてください。
請求手段が重いほど「焦りやすい」:内容証明・訴状は扱いが別
LINEやメールの請求と比べて、内容証明郵便や訴状などは形式が重く見えます。その分、焦って「即払い」「面談」「署名押印」に進みやすいので注意が必要です。
- 内容証明=「絶対に払え」の最終通告ではない(ただし放置は危険)
- 訴状=期限内に対応が必要(無視は選択肢にしない)
- 書面が来たときほど、やり取り保全と期限管理が重要
「重い書面が来たから、すぐ結論を出す」ではなく、期限を守りつつ、判断材料を揃えるのが正しい順番です。
弁護士に相談・依頼を検討すべき典型ケース(危険サイン)
慰謝料請求は、本人同士の話し合いで落ち着くこともあります。一方で、条件が揃うと一気に難しくなり、独力対応だと“取り返しがつかないミス”が起こりやすい局面もあります。
ここでは、判断の目安として「危険サイン」を整理します。該当する場合は、早めに弁護士へ相談する選択肢を検討してください(相談=即依頼ではありません)。
今すぐ相談を検討したい危険サイン(チェック)
次のいずれかがある場合、交渉が硬直しやすく、慎重な対応が必要になりやすいです。
- 相手が弁護士を立てている/弁護士名で連絡が来た
- 内容証明郵便が届いた、または訴状・裁判所からの書面が来た
- 請求額が高額で、期限が短い(即日・数日内など)
- 「会社に言う」「家族に知らせる」など、暴露を示唆する言動がある
- 示談書・誓約書への署名押印を強く迫られている
- 不倫の事実・既婚認識・夫婦関係の破綻など、争点が複雑
訴状が届いているのに放置すると、手続きが進むおそれがあります。まずは期限を確認し、早めに専門家へ相談してください。
「依頼すべきか」は別問題:相談で整理すべきポイント
弁護士へ相談する目的は、単に「代わりに交渉してもらう」だけではありません。相談の段階で、次のような整理ができると、無駄な譲歩を避けやすくなります。
- 支払義務がある前提か(争点があるか)
- 相手がどの証拠を持っていそうか/こちらに不利な材料は何か
- 請求額の妥当性(増減の見込み)と、交渉の落としどころ
- 示談書で必ず押さえる条項(清算条項・違約金など)
- 家族・職場バレを避けるための連絡設計(窓口一本化など)
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よくある質問(請求直後の“あるある”に短く回答)
ここでは、「今この瞬間に迷いやすいポイント」をQ&A形式でまとめます。個別事情で結論が変わることも多いので、迷う場合は早めに相談も検討してください。
無視してしまった(既読スルー含む)。今からでも間に合う?
結論として、今からでもリカバリーは可能です。大切なのは「放置を続けないこと」と「慌てて全部を話さないこと」です。
- まずは「受領しました。確認して回答します」と短く連絡する
- 連絡頻度を下げ、やり取りは文章中心(メール等)へ寄せる
- 過去のやり取り(LINE等)を削除せず保全する
- 期限が切迫している書面(内容証明・訴状等)がないか確認する
無視を取り戻そうとして、いきなり長文の謝罪や詳細説明を送ると、「話しすぎ」リスクが出ます。**“短く区切る”**のが安全です。
謝罪文を書いてと言われた。書くと不利?(謝れば終わる?)
謝罪文は、書き方次第で不利にも有利にもなり得ます。危ないのは、「事実関係や法的責任まで全面的に認めた」ように読める文章になってしまうことです。
- 不用意に「肉体関係の回数」「期間」など具体を盛り込みすぎない
- その場の勢いで、金額や支払義務まで言い切らない
- 提出先・提出方法・目的(何のために書くのか)を先に確認する
謝罪文を“提出しない”という判断が適切なケースもあります。迷ったら、まずは文章案を作る前に方針を整理した方が安全です。
録音してもいい?逆に不利になる?
録音は、状況によっては「言った言わない」を防ぐ助けになります。ただし、録音の有無よりも、面談や電話で長話しすること自体がリスクになりやすい点に注意してください。
- 録音に頼るより、やり取りを文章中心(メール等)に寄せる方が安全
- 相手に挑発されても、感情的な言葉を返さない
- 「録音してます」と宣言すると対立が深まることがある
「証拠の扱い」や「記録の残し方」まで含めて整理したい場合は、まずは“保全”を優先し、第三者に相談できる状態を作るのがおすすめです。
示談書にサインしてしまった。撤回できる?
一般論として、一度署名押印した合意を後からひっくり返すのは簡単ではありません。ただし、書面の内容や経緯によっては、主張の余地が検討できる場合もあります。
まずは次の確認が重要です。
- 書面のタイトル・日付・署名欄・押印の有無(写しを確保)
- 「清算条項(これで終わり)」の有無
- 違約金、連絡禁止、口外禁止などの条項内容
- 支払期限・支払方法が現実的か
一番やってはいけないのは、焦って相手に「やっぱり無効だ」と断定して喧嘩を売ることです。まずは書面を整理し、次の打ち手を考えましょう。
「高すぎる」「払えない」と言いたい。どう切り出す?
言い方を間違えると対立が深まります。切り出しは、感情ではなく“検討の順番”で伝えるのが安全です。
- (例)金額の根拠を確認したいので、資料をいただけますか
- (例)現時点で一括は難しいため、支払方法を含めて協議したいです
- (例)条件整理のため、書面(メール)でやり取りをお願いします
「払えない=払わない」と誤解されると一気に硬直します。払う/払わないを即断せず、条件交渉の入口を作るのがポイントです。
「支払義務がそもそもない可能性がある」「支払拒否も含めて整理したい」という方は、慰謝料を払わない方法も参考になります。
「証拠を見せないのに払え」と言われた。どうする?
証拠が開示されないと不安になりますが、ここでもNGは「感情的に突っぱねる」「話しすぎる」「即払い」です。まずは、争点整理のために確認事項を文章で出すのが基本です。
- 請求の理由(いつ・何を・どういう不法行為と主張するか)の明確化を求める
- 金額の根拠(算定の前提)を確認する
- 回答期限があるなら、延長の相談をする
証拠が見えないままの対応は判断が難しいので、専用ページも用意しています。
「会社にバラす」「家族に言う」と脅されたらどうする?
脅しに屈して即払い・面談・署名押印に進むのは危険です。まずは、やり取りをエスカレートさせないことが重要です。
- 相手を刺激する言い返し(暴言・挑発)はしない
- 「検討して回答します」と区切り、連絡頻度を落とす
- やり取りを文章中心にして、記録を保全する
- 危険サインとして、早めに専門家へ相談を検討する
脅しが強いほど、個人で抱えると判断を誤りやすくなります。無理に一人で対応を続けない方が安全です。
まとめ:慰謝料請求されたときのNGを避ければ、解決の選択肢が増える
最後に、この記事の要点を短く整理します。慰謝料請求されたNG対応で一番多い失敗は、焦って「相手のペース」に乗ってしまうことです。
- 無視はNG。返信は「受領+検討中」までで区切る
- 直接面談・電話の長話は避け、文章中心で対応する
- 署名押印・即払いはしない(持ち帰って条件整理)
- 嘘・証拠消し・感情的反論は、状況を悪化させやすい
- 危険サイン(訴状・脅し等)があれば早めに相談を検討
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