不倫誓約書の作成ガイド【テンプレート付】|有効性・拒否や違反の対処法まで弁護士が解説

配偶者の不倫が発覚した直後は、ショックや怒りで冷静になれず、「とにかく二度としないと約束させたい」と思う一方、何から手を付けるべきか分からなくなる方も少なくありません。

そんなときに役立つのが不倫誓約書(念書)です。口約束だけだと後から「言っていない」「そんな約束はしていない」と否認されるリスクがありますが、文書にして署名押印しておけば、再発防止慰謝料交渉の土台になります。

この記事では、すぐ使える不倫 誓約書 テンプレート(例文)と、接触禁止・違約金など「効く条項」の書き方、誓約書の法的な位置づけと限界を整理します。作成を拒否された場合や違反された場合の対処法は、後半で具体的に解説します。

  • 誓約書は「不倫の事実の確認」+「二度としない約束」+「違反時ペナルティ」をセットで書く
  • 慰謝料の金額や支払い条件まで確定するなら、誓約書だけでなく示談書(合意書)も検討する
  • 再構築(離婚しない)か、離婚前提かで入れる条項が変わる(テンプレの調整が重要)
  • 相手が拒否したら無理に書かせない(強要は逆効果)。証拠整理と交渉ルートを選ぶ

坂尾陽弁護士

誓約書は「書けば何でも強制できる」魔法の紙ではありません。だからこそ、押さえるべき条項と書き方を先に固めましょう。
(執筆者)弁護士 坂尾陽(Akira Sakao -attorney at law-)

2009年      京都大学法学部卒業
2011年      京都大学法科大学院修了
2011年      司法試験合格
2012年~2016年 森・濱田松本法律事務所所属
2016年~     アイシア法律事務所開業

不倫慰謝料に詳しい坂尾陽弁護士

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不倫誓約書とは?示談書・合意書との違い

不倫誓約書とは、不倫をした配偶者(または不倫相手)に「不倫の事実を認めさせ、今後しないこと」を約束させる書面です。言い方としては「誓約書」のほか「念書」「不貞行為の誓約書」などと呼ばれることもあります。

ポイントは、誓約書が再発防止と交渉を有利にするための“土台”である一方、万能ではないことです。まずは、似た言葉である示談書(合意書)と違いを整理しておきましょう。

誓約書(念書)とは

誓約書(念書)は、基本的に「約束する側」が作成し、相手に差し入れる(提出する)書面です。夫婦間では不倫をした側が作成し、された側が保管します。

内容はケースで変わりますが、実務上よく入るのは次のような項目です。

  • 不貞行為の事実(いつ頃から・誰と・どの程度の関係だったか)
  • 謝罪と、今後二度としないという誓約
  • 不倫相手との接触禁止(連絡手段・場所・例外の定めを含む)
  • 慰謝料の支払い(支払額・方法・期限)
  • 違反時のペナルティ(違約金、追加慰謝料など)
  • 口外禁止・秘密保持(家族や職場への拡散防止)

なお、誓約書はパソコンで作成しても構いません。大切なのは、本人が内容を理解した上で署名押印することと、後から差し替えや否認が起きないように原本を適切に保管することです(「浮気 誓約書 手書き 例文」で探す方も多いですが、手書きかどうかより本人性と保管が重要です)。

示談書(合意書)との違い

示談書(合意書)は、当事者が条件に合意したことを示す書面です。慰謝料の金額・支払い方法などを取り決め、「これで最終解決(清算)とする」といった条項を入れることもあります。

誓約書と示談書の主な違いは、次のイメージです。

  • 誓約書(念書):主に「不倫をした側」が作成し、再発防止や約束を明文化する。
    再発防止・証拠化の色合いが強い。
  • 示談書(合意書):当事者双方が署名押印し、慰謝料・接触禁止・清算などを含めて最終的な合意内容を固定する。
    紛争の終結(合意の確定)の色合いが強い。

慰謝料の金額や支払い条件まで確定したい場合は、不倫示談書(合意書)の作成マニュアルも併せて確認すると整理しやすいでしょう。

誓約書でできること/できないこと

誓約書は強力な“材料”になりますが、できることと限界があります。誤解しやすいポイントなので、先に押さえておきます。

誓約書でできること(効果)

  • 不倫の事実を認めさせ、後から否認されにくくする(証拠化)
  • 接触禁止や再発防止策を明文化し、再発の抑止力を上げる
  • 慰謝料交渉・離婚交渉を進める際の土台にする

誓約書の限界(できないこと)

  • 「誓約書を書けば、必ず別れさせられる」わけではありません。
    接触禁止は重要ですが、現実には違反が起こり得ます。だからこそ、違反時のペナルティ(違約金等)や、その後の対応方針までセットで設計します。
  • 「再度浮気したら自動的に離婚成立」にはなりません。
    離婚は協議離婚(合意)か、調停・裁判などの手続で成立します。誓約書はその判断材料にはなっても、手続を飛ばすことはできません。
  • 慰謝料の不払いがあったとき、誓約書だけで直ちに差し押さえできるとは限りません。
    強制執行(差し押さえ)には、判決や公正証書(執行認諾文言付き)など、執行力のある書面が必要になることがあります。
  • 過度な制約や高すぎるペナルティは、無効になったり争点になったりする可能性があります。
    「現実的に守れる内容」と「裁判になっても説明できる相当性」のバランスが大切です。

不倫誓約書のテンプレートと基本項目

ここからは、すぐに使える不倫誓約書のテンプレート(例文)を紹介します。「浮気防止 誓約書 テンプレート」「不貞行為 念書 テンプレート」などで探している方も、基本構造はほぼ同じです。

ただし、テンプレはそのままコピペして完成ではありません。あなたの状況(再構築か離婚か、不倫相手にも書かせるか等)に合わせて、事実と禁止範囲を具体化して初めて“効く書面”になります。

テンプレートを使う前に確認したい3つのこと

書き始める前に、次の3点だけは整理しておきましょう。ここが曖昧だと、後で「何を約束したのか分からない」「違反かどうか揉める」といったトラブルが起きやすくなります。

  • 事実の特定:いつ頃からいつ頃まで、誰と、どの程度の関係だったか(期間・回数・頻度など、可能な範囲で具体化)
  • 目的の整理:再構築(離婚しない)を目指すのか、別居・離婚を見据えるのか。慰謝料の金額まで確定したいのか
  • 当事者の範囲:配偶者だけに書かせるのか、不倫相手にも書かせるのか(必要なら示談書・公正証書化も検討)

基本テンプレ(配偶者向け)

以下は「配偶者に不倫の事実を認めさせ、接触禁止と再発防止、慰謝料(または違約金)まで一通り入れる」ための基本形です。不要な条項は削除し、必要な条項は具体化してください。

※用語の整理:甲=不倫をした配偶者、乙=不倫をされた配偶者、丙=不倫相手(浮気相手)を想定しています。

不倫誓約書(例)

作成年月日:20XX年○月○日

誓約者(甲):(住所)__________(氏名)__________

相手方(乙):(住所)__________(氏名)__________

甲は、乙に対し、以下のとおり誓約する。

第1条(不貞行為の確認および謝罪)

甲は、20XX年○月頃から20XX年○月頃までの間、丙(不倫相手:__________)との間で不貞行為(性的関係)を行った事実を認める。甲は、本件により乙に精神的苦痛を与えたことを謝罪する。

第2条(不倫関係の解消・接触禁止)

甲は、本日以降、丙との不倫関係を完全に解消し、電話、メール、SNS、メッセージアプリ、職場・自宅付近での待ち伏せ等、方法を問わず丙と一切連絡・接触しない。

甲は、丙の連絡先(電話番号、SNSアカウント等)を削除し、必要がある範囲で、乙に対して削除済みであることを示す。

第3条(再発防止のための具体的行動)

甲は、乙との婚姻関係を継続し修復するため、次の事項を誠実に履行する(不要な項目は削除)。

  • 外泊・宿泊を伴う行動は、事前に乙の同意を得る。
  • 勤務時間外に異性と会う場合は、目的・相手・時間を事前に乙へ伝える。
  • 夫婦関係修復のため、必要に応じて夫婦カウンセリング等に協力する。

第4条(慰謝料の支払い)

甲は、本件不貞行為による慰謝料として、乙に対し金○○万円を支払う。

支払方法:甲は、20XX年○月○日限り、乙指定の口座に振り込む方法で支払う(分割の場合は「毎月○日までに金○円」等と期限・回数を具体化する)。

第5条(違反時の違約金)

甲が第2条(接触禁止)または第3条(再発防止の具体的行動)の義務に違反したときは、甲は、乙に対し、違約金金○○万円を支払う。

第6条(口外禁止・秘密保持)

甲は、本件に関し、乙の書面による承諾なく、第三者に対して本件の詳細を口外しない。ただし、弁護士等の専門家への相談、裁判所手続、親族への必要最小限の相談等、正当な理由がある場合はこの限りではない。

第7条(誠実協議)

本書に定めのない事項や疑義が生じた場合、甲乙は誠実に協議して解決する。

第8条(通数)

本書は2通作成し、甲乙各1通を保管する。

以上のとおり誓約する。

(甲)署名:__________ 印

テンプレは「浮気防止 誓約書 テンプレート」としても使えますが、実効性を高めるには、次の調整が重要です。

テンプレを自分のケースに合わせる3つの調整ポイント

  • 第1条は曖昧にしない:期間・頻度・相手(丙)など、後から争点になりやすい部分ほど具体化する。可能なら「いつから/どのくらいの回数」まで落とす。
  • 接触禁止の範囲を具体化する:電話・SNSだけでなく「職場での偶然の接触があり得る」など現実の事情も踏まえ、例外が必要なら例外も書く(例:業務上やむを得ない連絡は乙の事前承諾を条件にする等)。
  • 違約金は“高すぎない”ことが大切:金額が過度だと、無効主張や争いの原因になります。相場感と家庭の状況(収入・資産・婚姻期間等)に照らして「説明できる水準」にする。

また、ネット上には「不貞行為 誓約書 テンプレート 無料」などの文言で多くのひな形が出回っていますが、重要なのはテンプレの“文章”のどれが正解かではなく、本人が理解して署名押印したことと、条項があなたのケースに合っていることです。

再構築(離婚しない)前提の追記例

再構築を目指す場合、「二度としない」だけでは不安が残りやすいため、現実に守れる範囲で行動ルールを入れるのが有効です(「再構築 誓約書 テンプレート」を探している方はここが重要です)。

ただし、過度に私生活を縛る内容は、かえって破綻や紛争拡大につながります。守れる内容だけを厳選しましょう。

  • 生活リズムに関するルール(帰宅時間の共有、外泊の事前連絡など)
  • 夫婦での話し合いの場を定期的に作る(週1回など、現実的な頻度)
  • 必要に応じて、夫婦カウンセリングや家計の見直しに協力する
  • 不倫相手と同じ職場等で接点が残る場合は、配置転換の相談や連絡ルールなど“再発を防ぐ運用”を具体化する

不倫相手に書かせる場合の追記例

不倫相手(浮気相手)にも書面を求めたい場合、単なる「誓約書(片務)」よりも、慰謝料の支払い条件や接触禁止を含めた示談書(合意書)の形にした方が整理しやすいことが多いです。

それでも「浮気相手 誓約書 テンプレート」「浮気相手 誓約書 公正証書 テンプレート」などを探している方向けに、一般的に盛り込まれる条項例を挙げます(実際に使う場合は、相手の立場や既婚の認識などで論点が変わるため、専門家に確認するのが安全です)。

  • 接触禁止:あなた(夫婦)との連絡・接触を一切しない。職場・自宅付近への接近、SNSでの閲覧・接触も含めるか検討する。
  • 慰謝料の支払い:金額、期限、分割の有無、遅延した場合の扱いを具体化する。
  • 違約金:接触禁止違反や再度の関係発生時に支払う金額(高すぎる設定は争いの原因になるため注意)。
  • 口外禁止:あなたや家族・職場に不利益が広がらないよう、SNS投稿や周囲への吹聴を禁止する。

接触禁止条項の考え方(どこまで禁止できるか、拒否されたときの修正ポイント等)を整理したい場合は、接触禁止条項の解説も参考になります。

チェックリスト:最低限入れたい記載項目

最後に、テンプレを作るときに抜けやすい項目をチェックリストにしておきます。最低限ここまで入っていれば、「書いたけれど使い物にならない」という事故を避けやすくなります。

  • 当事者の特定(氏名・住所)と作成年月日
  • 不貞行為の事実(期間・相手・関係性を可能な範囲で具体化)
  • 接触禁止(禁止行為と例外、違反の判定基準)
  • 慰謝料(支払うなら金額・期限・方法・分割条件)
  • 違約金(支払条件と金額の相当性)
  • 口外禁止(例外も含め、必要最小限で)
  • 署名押印(本人の自署が望ましい)と原本の保管方法

ここまで作れたら、次に悩みやすいのが「相手が払わなかったらどうする?」「分割払いで途中で止まったら?」という点です。回収の確実性を高めたい場合は、誓約書だけで完結させず、示談書(合意書)を作ったうえで公正証書にする(強制執行認諾文言を入れる)選択肢もあります。

もっとも、公正証書化には相手の協力や費用が必要で、条項内容によって向き不向きもあります。どのケースで公正証書化を検討すべきか、また誓約書の作成を拒否された場合・違反された場合の具体的な対処は、この後の章で順に解説します。

条項別:失敗しない不倫誓約書の書き方(事実・接触禁止・慰謝料・違約金・口外禁止)

テンプレートを用意しても、実際にトラブルになりやすいのは「どこまで書くか」「どこからが違反か」「違反したら何が起こるか」という条項設計です。ここでは、誓約書で特に重要な条項を条項別に整理し、言い逃れや無効主張のリスクを減らす書き方を解説します。

結論から言うと、誓約書で大事なのは①事実の特定②接触禁止の範囲の明確化③違反時の扱い(違約金など)をセットで作ることです。どれか1つが弱いと、再発したときに「争点」になり、こちらの負担が増えます。

不貞行為の事実は「後から否認できない」レベルで具体化する

不倫誓約書は、まず不貞行為の事実を確定させる書面です。「不倫しました」「浮気しました」だけだと、後で「性的関係はない」「1回だけ」「期間は短い」といった形で争われやすくなります。

理想は、次の要素を可能な範囲で具体化することです。証拠が弱い部分まで無理に断定しない一方、曖昧にしすぎないバランスが重要です。

  • 期間:いつ頃から/いつ頃まで(「20XX年○月頃〜20XX年○月頃」など)
  • 相手の特定:氏名(可能なら)/勤務先/連絡先など、同一人物だと分かる情報
  • 行為の内容:不貞行為(性的関係)を行ったことを明記(「食事だけ」等の逃げ道を残さない)
  • 頻度:毎月○回程度、合計○回程度など、幅で示してもよい
  • 主な場所:ホテル、自宅、車内など、典型的なパターンを記載

とはいえ、発覚直後は詳細を把握できていないことも多いはずです。無理に「回数まで断定」して誤りがあると、相手に突かれる原因になります。確実な範囲にとどめつつ、必要なら「判明次第、誠実に申告する」といった条項で補強する方法もあります。

事実の書き方で迷うときは、「裁判になっても説明できるか」を基準にするとブレにくいです。感情的な言葉より、期間・相手・行為の有無など“争点になりやすい部分”を淡々と固定する意識が重要です。

二度としない誓約は「行動」に落とす

「二度としない」と書くだけでは、再発防止としては弱くなりがちです。誓約書が効くのは、約束が行動レベルまで落ちているときです。

たとえば再構築を目指す場合は、次のように現実的に守れる範囲で行動を定めます(縛り過ぎは逆効果です)。

  • 外泊・宿泊をする場合は、事前に理由と帰宅予定を共有する
  • 不倫相手との連絡先・SNSを削除し、ブロックする(可能な範囲で)
  • 職場等で接点が残る場合は、業務上必要な連絡のルールを定める

「守れないほど厳しいルール」を並べると、破られたときに結局こちらが苦しくなります。守れるルールを少数に絞り、違反した場合の扱い(後述の違約金・追加慰謝料)で実効性を担保するのが現実的です。

接触禁止は“何をしたらアウトか”を具体化する

誓約書の中核になりやすいのが接触禁止条項です。ここが曖昧だと、「偶然会っただけ」「業務連絡だった」と言われ、違反かどうかで揉めます。

接触禁止は、連絡手段接触態様を具体的に列挙し、必要があれば例外も明記します。

  • 連絡の禁止:電話、メール、SNS(DM・コメント)、メッセージアプリ、ゲーム内チャット等
  • 接触の禁止:会うこと、待ち伏せ、職場・自宅周辺への接近、車での送迎等
  • 第三者経由の接触:共通の知人に伝言させる、SNSでほのめかす等(必要なら禁止)
  • オンライン上の接触:SNSのフォロー、いいね、閲覧の強要などは現実性を踏まえて要検討

現実的に接点が残るケース(同じ職場・取引先・子どもの学校行事など)では、「完全禁止」だけだと運用できません。例外を置く場合は、次のように条件付きにすると、抜け穴になりにくくなります。

  • 業務上やむを得ず連絡が必要な場合は、事前に乙の承諾を得る(緊急時は事後報告)
  • 連絡手段は会社メールのみなど、限定する
  • 会う必要がある場合は、第三者同席や場所の限定などを定める

接触禁止の具体例や、相手から「厳しすぎる」と言われたときの修正ポイントは、接触禁止条項の解説でより詳しく整理しています。

慰謝料条項は「今回分」と「将来の違反分」を分けて考える

誓約書にお金の条項を入れる場合、混同しやすいのが慰謝料違約金です。目的が違うため、書き分けると後の紛争を減らせます。

慰謝料は、今回の不貞行為で生じた精神的苦痛に対する賠償です。一方、違約金(損害賠償額の予定)は、接触禁止などの約束に違反したときのペナルティとして機能します。

  • 今回の不倫の慰謝料:金額、支払期限、支払方法(振込先)を具体化する
  • 分割の場合:毎月の支払額、支払日、遅延した場合の扱い(期限の利益喪失など)を検討する
  • 将来の違反の違約金:どの条項に違反したら発生するか(例:接触禁止違反・再度の不貞)を明確にする

慰謝料の相場感や、増額・減額要素(婚姻期間、悪質性、家庭破綻の有無など)を整理したい場合は、不倫慰謝料の相場・増減事由も参考になります。

また、違約金条項は「高ければ高いほど良い」とは限りません。金額が過度だと、相手がサインを拒否したり、後で無効主張が出たりして、かえって回収が難しくなることがあります。違約金の考え方や相場感の注意点は、違約金条項の効果とリスクで解説しています。

注意

「再度不倫したら必ず○○万円」「一生自由にスマホを見せ続ける」など、現実に履行が難しい内容や過度な制約は、争いの種になりがちです。サインを取ること自体が目的にならないよう、実効性と相当性のバランスを意識しましょう。

口外禁止(秘密保持)は“例外”までセットで作る

不倫問題では、当事者間のトラブルだけでなく、家族・職場・友人関係へ波及することで被害が拡大します。そのため、誓約書に口外禁止(秘密保持)を入れること自体は合理的です。

ただし、口外禁止を強くしすぎると「弁護士にも相談できないのか」「親にだけは話したい」といった現実的な反発が出ます。そこで、一般的には例外を定めたうえで、必要最小限の禁止にとどめます。

  • 禁止の対象:不貞行為の具体的内容、相手の個人情報、慰謝料の金額、誓約書の内容など
  • 例外(典型):弁護士等の専門家への相談、裁判所手続、税務・金融機関手続、親族への必要最小限の相談
  • SNS:投稿・ほのめかし・第三者へのDM拡散も含めるか検討(実務上は明記すると抑止力が上がる)

口外禁止は、被害の拡散を止めるための条項です。相手を追い詰めるための道具にすると、サイン拒否や紛争化につながります。目的(拡散防止)に照らして、必要な範囲に絞って設計しましょう。

署名押印・原本管理までが「誓約書の効力」

誓約書は、内容が良くても「署名押印がない」「誰が署名したか曖昧」「日付がない」などの不備があると、証拠としての力が落ちます。最後に、形式面での失敗を防ぐポイントを整理します。

  • 作成年月日を入れる(後日作成・改ざんの疑いを減らす)
  • 当事者の住所・氏名を明記し、本人が自署する(可能なら)
  • 押印をする(認印でもよいが、本人性を高めたいなら実印+印鑑証明の検討余地)
  • 通数を定め、原本を各1通保管する(コピーだけにしない)
  • ページが複数になるなら、契印(割印)やページ番号で差し替えを防ぐ

ここまで作り込めば、「もし破られたらどう動くか」が次の課題になります。続いて、誓約書を作成するときの手順(話し合いの進め方・拒否されたときの初動)を整理します。

不倫誓約書の作成手順:言い逃れさせない進め方

誓約書は、書面だけ整えても「相手が納得していない」「署名が雑」「保存が不十分」だと、いざというときに効きません。作成手順を整えることで、言い逃れ後出しの争点を減らせます。

手順1:目的(再構築/離婚)とゴール(誓約書/示談書)を先に決める

最初に決めるべきは、「夫婦関係を継続するのか」「離婚も視野に入れるのか」です。ここが曖昧だと、入れる条項がブレます。さらに、慰謝料の金額まで確定するなら、誓約書だけでなく示談書(合意書)の方が整理しやすい場合があります。

判断に迷うときは、次のように切り分けるとスムーズです。

  • 再構築が主目的:接触禁止・再発防止策・違約金を重視(慰謝料は少額または別途協議でも可)
  • 離婚も視野:慰謝料額・支払方法・清算条項など、最終解決の設計が重要(示談書の検討)
  • 分割払い:途中で止まるリスクがあるため、公正証書化も含めて検討余地がある

手順2:事実と証拠を整理し、「書ける範囲」を確定する

誓約書の第1条(不貞行為の確認)を書くには、少なくとも「いつ頃から/相手は誰か/性的関係があったか」が必要です。ここは、感情よりも記録を優先します。

具体的には、次の材料を整理しておくと、条項の精度が上がります。

  • LINE等のやり取り、通話履歴、写真、ホテルの領収書など(ある範囲で)
  • 発覚日と、その後の話し合いの経過(メモで良い)
  • 相手の連絡先・アカウント(接触禁止の対象を明確にするため)

証拠の整理が不十分でも、誓約書自体は作れます。ただし、「事実の特定」が弱いと後で揉めやすいので、可能な範囲で整理してから条項を固めましょう。

手順3:ドラフト(下書き)を作り、争点になりそうな箇所だけ話し合う

誓約書は“交渉書面”でもあります。いきなり白紙から話し合うと感情が先行し、論点が散らばります。まずはテンプレをベースに下書き(ドラフト)を作り、争点になりそうな箇所だけを丁寧に詰めるのが現実的です。

特に揉めやすい論点は次の3つです。

  • 接触禁止の範囲:どこまで禁止するか/例外をどうするか
  • 金額:慰謝料を入れるか、違約金をいくらにするか
  • 口外禁止:誰までなら相談してよいか(例外の設計)

ドラフトを用意しておけば、「何を決めるべきか」が可視化され、話し合いの時間も短縮できます。

手順4:署名押印は“その場で”行い、原本を確保する

意外と多い失敗が、「後で署名する」と言われ、結局うやむやになるケースです。可能なら、内容に合意したタイミングでその場で署名押印してもらい、原本を確保しましょう。

原本確保のチェックポイントは次のとおりです。

  • 署名は本人が行う(代筆は避ける)
  • 押印がある(可能なら同じ印鑑で統一)
  • 日付が入っている
  • 2通作成し、各自1通を保管する

手順5:保管と“運用”を決める(再発時の動き方まで)

誓約書は、作って終わりではありません。再発しないに越したことはありませんが、万が一のときに迷わないよう、運用(違反時の動き方)まで決めておくと安心です。

たとえば次のような流れを想定します。

  • 接触禁止違反が疑われたら、事実確認と証拠確保を優先する
  • 違反が明確なら、誓約書に基づいて支払い・是正を求める
  • 応じない場合は、内容証明や調停・訴訟など次の手段を検討する(弁護士相談を含む)

なお、相手に誓約書の作成を求める場面では、どうしても感情が強くなります。ですが、誓約書は「相手を追い詰める武器」ではなく、「こちらの将来の選択肢を守るための土台」です。冷静に、現実的に運用できる形を目指しましょう。

相手に無理やり署名させると、後で「脅された」「強要された」と争われるリスクがあります。暴言・暴力・過度な脅しは避け、交渉が難しい場合は弁護士を通すなど安全なルートを選びましょう。

不倫誓約書のトラブル:拒否や違反の対処法(やってはいけない初動も解説)

誓約書は「作ったら終わり」ではなく、拒否されたとき破られたときにどう動くかまで決めてはじめて意味がある書面です。ここでは、実務で多いトラブルをケース別に整理し、感情で動いて不利にならないための対処法をまとめます。

誓約書の作成を拒否された場合

相手が「書かない」「そんなものにサインしない」と拒否するのは珍しくありません。拒否されたときに大事なのは、無理に書かせないことと、次の交渉カードを用意することです。

暴言・土下座の強要・職場への暴露をちらつかせるなど、相手を追い詰める方法で署名を取ろうとすると、「強迫された」「脅されて書かされた」と争われるリスクが上がります。結果として、せっかくの書面無効として扱われたり、紛争が拡大したりしかねません。

拒否された場合の現実的な選択肢は、次のとおりです。

  • 条件を整理して再提案する:接触禁止の範囲や違約金が過度だと拒否されやすいので、「守れるルール+違反時ペナルティ」に整理して提示する。
  • 示談書(合意書)での解決を優先する:慰謝料の支払いまで確定したいなら、誓約書より示談書(合意書)の方が話がまとまりやすいこともある。
  • 内容証明で通知する:口頭の話し合いが進まない場合、慰謝料請求や接触禁止の要求を文書で通知して交渉の土俵を整える。
  • 弁護士を間に入れる:当事者同士だと感情的になりやすいため、第三者を介して冷静に条件を詰める。

「拒否=終わり」ではありません。誓約書はあくまで交渉の一手段です。まずは再構築(離婚しない)か、離婚も視野かという目的を固め、目的に合う書面(誓約書/示談書)と証拠整理に切り替えることで、主導権を取り戻しやすくなります。

また、「あなたが誓約書を書かされる側(不倫をした側/不倫相手側)」の立場なら、拒否一択ではなく、修正提案を含めて冷静に対応するのが安全です。たとえば次の点は、その場で即答せずに確認しましょう。

  • 接触禁止の範囲が現実に守れるか(同じ職場・取引先など接点が残るなら「条件付き」にする必要がある)
  • 違約金が高すぎないか(過度だと後で紛争になりやすい)
  • 「清算条項(これで全て解決)」が入っていないか(入れるなら範囲を理解してから)

特に示談書にサインした後、「やっぱり無効にしたい」と揉めるケースもあります。サイン前に不安がある場合は、示談書の無効・取消しの論点も参考にしつつ、早めに専門家へ相談するのが無難です。

誓約書に違反されたとき(接触禁止・再発・SNSでの接触など)

「連絡しない約束だったのに、また会っていた」「SNSでつながっていた」など、違反が疑われる場面では、まず証拠の確保違反の定義の確認を優先します。感情的に問い詰めると、証拠が消されたり、逆にこちらの発言が争点になったりします。

違反対応で迷うときは、「①証拠→②通知→③手続」の順に進めるとブレにくいです。まずは記録を残し、次に誓約書の条項に沿って求め、応じなければ法的手続を検討します。

具体的な流れは次のイメージです。

  • 証拠を確保:やり取りのスクショ、通話履歴、位置情報、目撃情報のメモなど「後から説明できる材料」を残す。
  • 違反条項を確認:何をしたら違反か(連絡、会う、第三者経由など)と、違約金発生条件を確認する。
  • 是正と支払いを求める:条項に基づき、接触停止や違約金(追加慰謝料)を請求する。まずは文書化すると整理しやすい。
  • 応じない場合は手段を切り替える:内容証明、調停、訴訟などを検討する(弁護士介入を含む)。

違反かどうかがグレーな場面(子どもの行事で偶然同席した、業務連絡が必要だった等)では、感情で即断せず、条項の例外規定当日の経緯を踏まえて判断するのが安全です。誓約書作成時点で「例外が必要なケース」を想定しておくほど、将来の揉め方を減らせます。

なお、「接触禁止」に関しては、条項が曖昧だと違反認定が難しくなります。禁止の範囲や例外の置き方、拒否されたときの修正ポイントは、接触禁止条項の解説で整理しています。

慰謝料・違約金が支払われない(分割が止まった)とき

誓約書に慰謝料の支払いを入れても、「払わない」「分割が途中で止まった」というケースは起こり得ます。この場合は、支払期限と遅延時の扱いが書かれているかが重要です。

分割払いにするなら、次のような条項設計がトラブル予防になります。

  • 毎月の支払額・支払日・振込口座(誰が見ても分かる形で固定する)
  • 遅延した場合の扱い(遅延損害金、期限の利益喪失=一括請求に切り替える条件など)
  • 支払いを担保する手段(公正証書化の検討など)

相手が支払いに応じない場合、いきなり差し押さえができるとは限りません。回収の確実性を重視するなら、次章で解説する公正証書(執行認諾文言付き)を検討する余地があります。

逆に「違反だ」と言われた/不当に高額な違約金を求められた(書かされた側の対処)

誓約書は「求める側」だけでなく、「書かされた側」にもリスクがあります。たとえば、偶然の遭遇や業務上の連絡まで違反扱いされ、過大な違約金を請求されるケースです。

この場合、次の視点で整理すると対応しやすくなります。

  • 違反の定義に当てはまるか:条項に「業務上やむを得ない連絡は例外」などがあるか、連絡手段や回数が違反条件に当たるかを確認する。
  • 証拠で反証できるか:連絡の目的が業務であること、偶然であることなど、客観的に説明できる材料を残す。
  • 違約金の相当性:金額が過度だと争いになりやすい。違約金条項の考え方は違約金条項の効果とリスクも参考にする。

「言われるがままに払う」か「全面的に争う」かの二択ではなく、事実関係を整理したうえで、落としどころ(減額・条件変更)を交渉することも現実的です。こじれそうな場合は、早い段階で弁護士に相談しましょう。

ケース別に押さえるポイント:不倫相手にも書かせる?公正証書?弁護士依頼?ダブル不倫は要注意

不倫誓約書はテンプレを埋めれば完成、というものではありません。誰に書かせるか、どこまで担保するかで最適解が変わります。ここでは、よくある追加論点をケース別に整理します。

不倫相手にも書かせるべき?(メリット・注意点)

配偶者だけでなく不倫相手にも書面を求めると、接触禁止慰謝料の支払いを明文化でき、再発防止の抑止力が上がります。一方で、相手が強く反発して紛争が拡大することもあります。

不倫相手にも書面を求めるのが向きやすいのは、次のようなケースです。

  • 不倫相手にも慰謝料請求をする方針が固まっている
  • 今後の接触を確実に止めたい(職場が近い・SNSでつながっている等)
  • 相手が「既婚だと知らなかった」など争点があり、早期に整理したい

不倫相手との約束は、誓約書(片務)よりも、慰謝料や接触禁止を含めた示談書(合意書)の形にした方が整理しやすいことが多いです。接触禁止の設計は接触禁止条項の解説も参照してください。

不倫誓約書は公正証書にするべき?(強制執行認諾文言が効く場面)

誓約書を公正証書の形で作成し、さらに強制執行認諾文言(支払いがなければ直ちに強制執行を受けてもよい旨)を入れておくと、金銭の不払いがあったときに裁判を経ずに強制執行(差し押さえ)を検討しやすくなります。

特に公正証書化を検討しやすいのは、次のような場面です。

  • 慰謝料を分割払いにする:途中で止まるリスクがあるため、回収手段を確保したい。
  • 不倫相手との金銭合意:夫婦間の再構築とは切り分けて、金銭部分だけ確実に履行させたい。
  • 支払い能力が不安:相手が転職しそう、収入が不安定など、将来の不払いが心配。

一方で、公正証書にも限界があります。典型的には、金銭の支払いには強い一方、「二度と会わない」「離婚に応じる」といった非金銭の約束を直接差し押さえで実現できるわけではありません。また、公正証書は当事者が公証役場で手続をする必要があり、相手の協力も前提になります。

そのため、実務では「接触禁止そのもの」より、接触禁止に違反した場合の金銭ペナルティを明確にし、その金銭部分を公正証書で担保する、という発想が有効です(ただし金額が過度だと争点になります)。

公正証書の作り方や費用・流れは、不倫慰謝料の公正証書の作り方でも解説しています。

弁護士に依頼するべき?(作成・交渉・アフターフォロー)

誓約書は自作も可能ですが、次のような事情がある場合は、最初から弁護士に依頼した方が結果的に早く安全に進むことがあります。

  • 相手が強硬で、当事者同士だと話し合いが成立しない
  • 慰謝料の金額が大きい/分割や期限の設計が必要
  • 接触禁止や違約金が「無効になり得るライン」を避けたい
  • すでに違反が疑われ、証拠整理や通知が必要

弁護士に依頼するメリットは、単に文章を整えることではありません。抜け漏れのない条項設計に加え、内容証明・交渉・調停や訴訟まで見据えた運用を組み立てられる点にあります。

また、あなたが「書かされる側」でも、弁護士に相談する意義があります。誓約書や示談書に不利な条項が入っていないか、金額が過大ではないか、交渉で修正できる余地があるかを早い段階で把握できます。

ダブル不倫(W不倫)の注意点:逆請求・泥沼化を避ける

自分の配偶者も相手も既婚者というダブル不倫では、通常のケースより利害関係が複雑になります。誓約書を作ろうとするときも、次のリスクを前提に動く必要があります。

  • 相手の配偶者から、こちらの配偶者が逆に慰謝料請求される可能性
  • 不倫が相手方家庭に発覚し、交渉が一気に拡大するリスク
  • 当事者が双方「不貞の当事者」になるため、一方的に責任を追及しにくい

ダブル不倫では、「相手に書かせる」こと自体が交渉の火種になることがあります。相手の配偶者への波及、逆請求、職場や家庭への影響まで含めて、どこまで求めるかを戦略的に決めることが重要です。詳しい注意点は、ダブル不倫の慰謝料問題も参考になります。

結論として、誓約書は「作ること」より「争点を増やさない設計」と「破られたときの動線」が重要です。次の章では、最後に全体を整理し、あなたの状況に合う進め方をまとめます。

誓約書を求められた側(不倫した側/不倫相手)のチェックリスト:サイン前に確認すること

不倫誓約書は、作成する側だけでなく「サインを求められる側」にとっても影響が大きい書面です。焦ってその場で署名押印してしまうと、後から「こんな内容だと思わなかった」と言いにくくなります。

もっとも、すべてを拒否するのが正解というわけでもありません。関係修復を望む場合、誓約書は再発防止のルールを整理するための道具にもなります。大切なのは、現実に守れる内容かつ不当に重すぎない内容に整えることです。

サイン前に必ず確認する7項目

次の項目に一つでも不安があれば、いったん持ち帰って見直すことをおすすめします。

  • 事実の特定:いつからいつまで、誰と、どのような関係だったのか。事実と違う内容や、把握できない内容を断定して書かれていないか。
  • 接触禁止の範囲:禁止される行為(連絡・面会・SNS等)と、例外(子ども関連の連絡、業務上のやり取り等)が整理されているか。「接触」の定義があいまいだと後で揉めやすい。
  • 金銭条項(慰謝料・清算金):金額、支払期限、支払方法(振込口座)、分割条件、遅延損害金の扱いが明確か。現実に支払えるスケジュールか。
  • 違約金の条件:いつ、どんな行為をしたら、いくら発生するのか。期間の上限がなく「一生」続く設計になっていないか。金額が社会通念上過大だと無効・一部無効を争われるリスクがある。
  • 追加の義務:GPSや端末チェック、アプリ削除、転職・転居など、生活の自由を大きく制限する条項がないか。入れるとしても範囲と期間を絞らないと、守れずに再炎上しやすい。
  • 口外禁止と例外:誰に、何を、どこまで話してよいか。弁護士への相談、裁判所手続、家族への最低限の共有など、必要な例外が確保されているか。
  • 書面の作り方:空欄がないか、後から追記できる余白が大きすぎないか。修正があるなら二重線・訂正印などで整合させ、双方が同じ原本(または写し)を保管できるか。

「そのままサイン」は避けたい典型パターン

次のような内容は、後で深刻なトラブルになりやすいので注意が必要です。

  • 金額・期限が空欄のまま署名押印を求められる(後日書き込まれるリスクがある)
  • 禁止行為が広すぎる(例:仕事上の連絡や偶然の同席まで一律に「違反」扱いになる)
  • 違約金が極端に高額、または発生条件が不明確(何をしたら違反なのか分からない)
  • 期間の区切りがなく、事実上「永久に」義務が続く
  • 第三者への暴露やSNS投稿など、名誉やプライバシーを侵害しうる条項が含まれる

不倫誓約書は「反省の気持ち」を示すための書面でもありますが、法的には約束(義務)を固定する文書です。感情の勢いで、現実に守れない約束まで書かないことが重要です。

修正交渉で落としどころを作るコツ

拒否の一点張りよりも、「どこなら受け入れられるか」を提示した方が交渉が進む場面は多いです。たとえば、次のような修正提案は実務上も現実的です。

  • 接触禁止の対象行為を列挙し、例外(子ども・業務など)を明記する
  • 違約金は段階化する(軽微な違反は少額、再度の不貞は高め、など)
  • 義務の期限を区切る(例:半年〜2年など、状況に応じて見直す)
  • 「守れなかったら即離婚」など断定的な条項は、現実の手続(協議・調停・裁判)に合わせて表現を調整する

サインを求められたときの基本手順(持ち帰り→確認→合意)

相手が怒っているときほど、その場で結論を迫られやすいものです。ですが、書面は一度サインすると後戻りが難しくなるため、次の順番で進めるのが安全です。

  • その場で即決しない:まずは「内容を確認したいので持ち帰る」と伝え、写し(写真でも可)を残す。
  • 条項の意味を分解する:義務(やること・やらないこと)/期限/違反の判定方法/違反時の効果(金銭など)に分けて読み直す。
  • 修正案を用意して返す:拒否だけでなく、例外・期限・金額など“受け入れ可能な形”を提示する。
  • 合意できたら形式を整える:空欄や追記余白をなくし、双方が同じ原本(または写し)を保管する。

「持ち帰る」と言いにくい場合でも、少なくとも内容を読み上げてもらう空欄がないか確認する写真を撮って控えを残すだけでもリスクは下がります。

「不貞の事実を認める文言」を入れるときの注意

誓約書には、通常「不貞行為があったことを認める」条項が入ります。これは作る側にとっては重要な証拠になりますが、サインする側からすると、後の交渉や裁判で不利に働く可能性があります。

だからといって事実と異なる内容を無理に否定したり、曖昧なままサインしたりすると、別の争点が増えることもあります。認める範囲(期間・回数・態様)は、把握している事実に合わせて調整し、必要以上に断定しない形に整えるのが現実的です。

すでに誓約書や合意書にサインした後でも、文言のあいまいさや交渉経緯によっては、条件の修正や金額の見直しにつながるケースがあります。たとえば「誓約書・合意書にサインしたが減額できた」事例はこちらでも紹介しています。

よくある質問(FAQ)

不倫誓約書は手書きでないと無効ですか?

パソコン作成でも直ちに無効になるわけではありません。ただし、本人が内容を理解して同意したことを示すために、署名と押印は重要です。印鑑の種類や署名方法も含め、争いになりやすい部分は丁寧に整えましょう。

誓約書にサインしたら、あとから撤回できますか?

一度成立した合意を一方的に「撤回」するのは簡単ではありません。もっとも、脅されて署名した、重要な事実を隠されていた、内容が社会通念上過大など、状況によっては争える余地が出ることがあります。早めに事情を整理することが大切です。

接触禁止に違反したら、必ず違約金を払うことになりますか?

基本は誓約書の条項どおりに判断されます。だからこそ、「どこからが違反か」をあいまいにしないことが重要です。偶然すれ違っただけで違約金、という設計は現実的ではなく、争いの火種になります。

公正証書にすれば、接触禁止もすぐ強制できるのですか?

強制執行が可能になるのは、原則として金銭の支払い義務など、執行になじむ条項です。接触禁止そのものは、強制執行で直接「会うな」と止められる性質のものではないため、設計の段階で実効性の持たせ方を考える必要があります。

不倫相手にも誓約書を書かせるべきですか?

慰謝料請求まで視野に入れるなら、不倫相手との間では誓約書よりも示談書(合意書)で条件を固めた方が整理しやすいことがあります。一方で、相手の家庭事情(ダブル不倫等)によっては波及リスクもあるため、目的とリスクを天秤にかけて判断します。

誓約書を作る前に、まず何をすべきですか?

感情的に詰める前に、事実関係(期間・連絡手段・金銭の動き等)を整理し、何をゴールにするか(関係修復/別居/離婚/慰謝料回収)を決めることが先です。目的が定まると、必要な条項も自然に絞れます。

誓約書の保管はどうすればいいですか?

原本は各当事者が1通ずつ持つ形が良いでしょう。相手に原本を渡しきりにすると、後で内容を確認できず不利になりがちです。夫婦間の誓約書でも、写しを取って安全な場所に保管しましょう。

違約金はいくらが相場ですか?

ケースにより幅が大きく、一概に「この金額なら正解」とは言えません。重要なのは、違反の内容(再度の不貞か、軽微な接触か等)と金額のバランスです。高すぎる金額を入れると、結局守れずに紛争が長期化することもあるため、現実に運用できる水準を意識します。

まとめ(要点)

  • 誓約書は「守れる内容」にしないと、破られて再炎上しやすい
  • 接触禁止・違約金は、範囲と条件を具体化してトラブルを減らす
  • 金銭条項は、金額・期限・分割条件まで書いて争点を残さない
  • 公正証書化は万能ではない。向くケースを見極める
  • サインを求められた側も、持ち帰って確認・修正交渉する余地がある

不倫誓約書は、作る側にとっては再発防止と証拠化、求められた側にとっては責任の整理と再出発のルールになります。いずれの立場でも、条項があいまいだったり、過度に厳しすぎたりすると逆効果になりがちです。

坂尾陽弁護士

誓約書は「書かせること」より「破られたときに動ける形」が重要です。迷ったら早めに弁護士へ。

不倫誓約書の作成・修正、示談書との使い分け、すでに署名してしまった場合の対応などは、状況によって最適解が変わります。早い段階で整理したい方は、無料相談をご利用ください。

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