学生が絡む不倫トラブルは、慰謝料の話だけでなく、親への連絡・学校への波及など“周辺トラブル”が同時に起きやすいのが特徴です。特に未成年(18歳未満)が関係する場合、示談(和解)の進め方を間違えると、後でやり直しになってしまうこともあります。
この記事では、次の疑問に答えます。
- 学生の不倫でも慰謝料は発生する?まず何が前提?
- 未成年が絡むと、親が支払う/親が出る必要はある?
- 親にバレた・学校に連絡されたとき、何がリスク?
- 学生に請求したい(された)場合の証拠・示談の注意点は?
- 「既婚者と知らなかった」は通る?どこが分岐点?
不倫慰謝料は、主に不貞行為の有無、婚姻関係への影響、当事者の認識(故意・過失)などを前提に判断されます(結論は個別事情で変わります)。
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2009年 京都大学法学部卒業
2011年 京都大学法科大学院修了
2011年 司法試験合格
2012年~2016年 森・濱田松本法律事務所所属
2016年~ アイシア法律事務所開業

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学生の不倫で慰謝料が発生するかは「誰が既婚者か」で決まる
まず大前提として、法律上よく言われる「不倫(不貞行為)」は、どちらかが既婚者で、配偶者以外と肉体関係を持つことを指します。
そのため、当事者が学生でも、次のどれに当たるかで見通しが変わります。
- 学生が「不倫相手」(相手が既婚者)になった
- 学生本人が既婚者で、不貞行為をした(既婚の学生もいます)
- どちらも未婚で、単なる交際トラブル(この場合は“不倫慰謝料”とは別論点)
学生が「不倫相手」になったケースでは、既婚者の配偶者から学生(不倫相手)に慰謝料請求が来ることがあります。
ただしこの場合、学生側が責任を負うには、一般に「相手が既婚者だと知っていた/注意すれば分かった」といった点が争点になりやすいです。
一方、学生本人が既婚者で不貞行為をした場合は、配偶者からの請求に加え、(相手も既婚者なら)ダブル不倫としてさらに複雑になります。
ケース別の全体像を先に掴みたい場合は、次のまとめも参考になります。
不倫慰謝料のケース別まとめ|社内不倫・妊娠・アプリ・学生・愛人(特殊事情も整理)
また、不倫慰謝料の「基本(誰が誰に請求できるか/全体像)」は、こちらで整理しています。
不倫慰謝料とは?請求・減額・相場・手続きの全体像(請求する側/請求された側)
未成年が絡む場合の注意点:親の関与・責任能力・示談のやり直し
学生トラブルで特にややこしいのが、**未成年(民法上は18歳未満)**が関係するケースです。高校生や、18歳未満の学生が当事者だと、慰謝料の話に「親(法定代理人)」がほぼセットで出てきます。
ポイントは大きく3つです。
1)未成年でも、慰謝料を請求され得る(ただし前提は丁寧に見る)
未成年だからといって、常に責任ゼロとは限りません。
一方で、相手が既婚者だと知っていたか、関係の実態、年齢差や支配関係など、評価が大きく揺れます。
2)親が「代わりに払う義務」が当然にあるわけではない
よく誤解されますが、親が自動的に支払義務を負う、という話ではありません。
ただし、未成年本人の判断能力(責任能力)や監督状況などによって、親側の責任が問題になる余地が出ることはあります。
3)示談(和解)が“ひっくり返る”リスクがある
未成年本人が親の同意なく示談書に署名した場合、後から**取り消し(やり直し)**が問題になり得ます。
「とりあえずサインして終わり」にしてしまうと、後で揉め直すことがあるので、示談の作り方が重要です。
未成年が絡むと、民事(慰謝料)だけでなく、事案によっては刑事・条例等の別リスクが問題になることがあります。早い段階で弁護士に状況整理をした方が安全です。
親にバレた/学校に連絡された…“周辺トラブル”の火消しポイント
学生案件では、慰謝料の本題とは別に、次のような形で周辺トラブルが起きやすいです。
- 配偶者側が「親に話す」「学校に連絡する」と圧力をかけてくる
- SNSや友人関係に広がり、名誉やプライバシーの問題になる
- 学校生活(部活・サークル・寮など)に支障が出る
ここでやってはいけないのは、感情的に応酬してしまうことです。
「拡散するならこっちもバラす」「学校に言うなら訴える」といった対応は、火に油を注ぐことが少なくありません。
また、相手が職場・学校・親族に言いふらす行為は、ケースによって名誉毀損・脅迫・業務妨害など別問題に発展する可能性があります。
周辺への“ばらし”が論点になりそうなときは、次の記事で一度整理しておくと判断しやすいです。
不倫をバラすのは違法?名誉毀損・脅迫・業務妨害になるケースと止め方
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請求する側(配偶者)の実務:学生相手にどう進める?証拠と回収の現実
配偶者として、学生(不倫相手)に慰謝料請求を考える場合、論点は次の順番で整理するとブレにくいです。
- そもそも不貞行為(肉体関係)を裏付けられるか
- 学生側に「既婚と知っていた/過失がある」と言えるか
- 相手の特定(氏名・住所)と、現実的な回収(分割・合意)の見通し
学生は収入が少ないことも多く、請求が通るとしても「一括で払えない」ことは珍しくありません。
この場合、分割払い・支払方法・再接触防止の条項(口外禁止・接触禁止など)を含め、“終わらせ方”を設計するのが現実的です。
なお、金額の目安(相場)は事案で大きく幅があるため、学生案件でも「学生だから安い/高い」とは一概に言えません。相場の全体像は、こちらで整理しています。
請求された側(学生)の実務:既婚と知らない・関係否認・金額の争い方
学生として慰謝料請求を受けた場合、まず次の3点を切り分けるのが重要です。
- 相手が本当に既婚者なのか(配偶者からの請求として整合しているか)
- 肉体関係があったのか(証拠が何か)
- 既婚と知っていたのか/注意すれば分かったのか(故意・過失)
特に学生側で多いのが、相手が既婚であることを隠して交際が始まっていたパターンです。この場合、「既婚者と知らなかった」ことがポイントになります。
ただし「知らなかった」と言うだけでは足りず、やり取り、会う時間帯、生活感の説明、相手の言動など、具体的な事情で評価されます。
この論点(既婚と知らなかった/過失の判断)は、次の記事で詳しく整理しています。
既婚者と知らなかったのに慰謝料請求された|支払義務(過失)と証拠
また、示談で終わらせる場合は、口外禁止・接触禁止・違約金・清算条項など、学生案件ほど「周辺波及」を止める条項が重要になりがちです。
不倫示談書マニュアル【テンプレート付】|書き方・記載事項・無効リスク・公正証書化まで弁護士が解説
まとめ
学生が絡む不倫でも、慰謝料が発生するかは「学生かどうか」ではなく、不貞行為の有無や既婚認識、未成年かどうかで決まります。最後に要点を整理します。
- 学生でも不貞行為があれば慰謝料は発生し得る(出会い方は本質でない)
- 未成年(18歳未満)が絡むと、親の同意や示談のやり直しが問題になりやすい
- 親や学校への連絡・口外は別の法的トラブルに発展し得るため切り分けが重要
- 請求する側は「証拠→相手特定→回収方法」の順で現実的に設計する
- 請求された側は「既婚認識・不貞の有無・金額」を冷静に争点整理する
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