不倫がバレて高額な慰謝料を請求された場合、「何とか減額できないか」と考える人がほとんどではないでしょうか。適切に対応すれば、不倫慰謝料の減額交渉を行い、大幅な減額に成功するケースも少なくありません。
しかし、無闇に交渉してしまうと失敗し、逆に慰謝料が増額されてしまうことも。この記事では、
- 慰謝料を減額するための理由
- 慰謝料減額交渉の進め方
- 慰謝料減額交渉の期間はどれぐらいか
- 交渉でありがちな慰謝料減額の失敗パターン
などを整理して解説します。あなたの事案で慰謝料の減額理由があるかチェックしつつ、スムーズな交渉に役立ててください。
2009年 京都大学法学部卒業
2011年 京都大学法科大学院修了
2011年 司法試験合格
2012年~2016年 森・濱田松本法律事務所所属
2016年~ アイシア法律事務所開業
Contents
慰謝料請求された事案の無料法律相談実施中!
- 0円!完全無料の法律相談
- 弁護士による無料の電話相談も対応
- お問合せは24時間365日受付
- 土日・夜間の法律相談も実施
- 全国どこでも対応いたします
慰謝料が減額できる5つの理由
まず、「どんな理由を主張すれば不倫慰謝料は減額できるのか」を確認しましょう。請求された金額が必ずしもそのまま通るわけではなく、以下のような慰謝料の減額理由があれば交渉材料となります。
離婚していない
不倫が原因で相手が離婚に至っていないことは、慰謝料の減額理由になりやすいと考えられます。不倫慰謝料の本質は「精神的苦痛に対する賠償」です。離婚に至るほどのダメージと、離婚に至らないケースでは苦痛の度合いが異なるため、後者のほうが慰謝料額が低くなりやすいのです。
不倫期間が短い・肉体関係が少ない
慰謝料は不倫の悪質性や期間の長さによって金額が変わってきます。数年にわたる長期不倫よりも、ほんの数回・短期間で関係が終わった場合のほうが苦痛の程度は比較的少ないと考えられるため、大きな慰謝料の減額理由になります。
- 不倫期間が半年以内
- 肉体関係が少数回のみ
上記のような場合は、示談交渉で「長期交際ではない」「深刻な精神的苦痛を与えていない」ことを強調するのが有効です。なお、長期不倫でも慰謝料の減額ができないわけではありません。長期不倫で慰謝料減額に成功した事例の解説記事もご覧ください。
不倫に消極的だった
あなた自身が不倫に積極的ではなく、相手からの強い働きかけに押される形で不倫関係になった場合も、慰謝料を減額できる理由になります。例えば、職場の上司から執拗にアプローチされて断りきれなかったなどが典型例です。
裁判例においても、不倫については配偶者がいるのに不倫をした不倫相手に主たる責任があり、不倫相手の責任は副次的と指摘されています(東京高裁昭和60年11月20日判決等)。ただし、強姦に等しい暴力や脅迫がない限り、慰謝料そのものを全額免れるのは難しく、「減額」にとどまる場合が多い点に注意しましょう。
求償権を放棄する
不倫相手が不倫慰謝料を支払った場合、不倫をした配偶者に対して「求償権」を行使し、負担を分担させることが可能です。しかし、離婚をしたない場合、不倫被害者からすれば、結果的に家計からお金が出たり入ったりするだけになります。
そのため、「求償権を放棄する代わりに、慰謝料を半額程度にしてもらう」というのは慰謝料減額の理由となります。詳しくは求償権の解説記事もご覧ください。
求償権放棄による慰謝料減額の具体例
例えば、慰謝料総額が200万円の場合、不倫相手が200万円支払って求償権行使により不倫をした配偶者から100万円を回収するのではなく、不倫相手が100万円を支払って不倫をした配偶者には求償しないという解決になることがあります。
あなたの配偶者も不倫を知っている(W不倫)
あなたも既婚者である「W不倫」ならば、不倫相手の配偶者だけでなく、あなたの配偶者も不倫慰謝料を請求できる立場にあります。お互いの夫婦が離婚しない場合、夫婦の家計全体でみれば双方の慰謝料請求を打ち消し合って慰謝料減額どころか不倫慰謝料0円で和解ができる場合もあります。
もっとも、**「W不倫だから慰謝料ゼロでOK」**と短絡的に主張すると、不倫を反省してないと思われたり、又は相手方が自分の配偶者に対しても好きに慰謝料請求すれば良いと開き直られたりする可能性もあるので注意が必要です。
慰謝料請求された事案の無料法律相談実施中!
- 0円!完全無料の法律相談
- 弁護士による無料の電話相談も対応
- お問合せは24時間365日受付
- 土日・夜間の法律相談も実施
- 全国どこでも対応いたします
不倫慰謝料の減額交渉とは? 流れと成功のポイント
慰謝料減額の理由がある場合、具体的にどう交渉を進めればよいのでしょうか。ここからは、減額交渉の流れや期間を簡単に解説します。
相手からの請求内容を確認
弁護士や本人から内容証明が届いている場合、請求金額・主張の根拠・期限などが明示されています。ここでチェックすべきポイントは、
- 離婚したのか、継続中なのか
- 不倫期間・回数を相手はどう見積もっているか
- 相手に弁護士が付いているかどうか
誤解や事実誤認があれば、減額交渉に利用できる可能性があります。
慰謝料減額交渉の期間
慰謝料減額交渉の期間は、相手方に弁護士がいるかなどの状況に左右されます。
- 一般的な示談交渉
3か月程度で合意に至ることが多い - 不倫被害者本人が高額を譲らない場合
半年以上長引くケースも - 訴訟に発展した場合
裁判手続きでさらに数か月~1年程度かかる
意外と弁護士が付いていない方が、不倫被害者が感情的になってしまい慰謝料減額交渉の期間が長引くこともあります。交渉期間が長引きそうなら、弁護士への依頼を検討し、手続きをスムーズに進める方法を探すのも得策です。
実際の交渉手順
- まずは謝罪・反省を示す
相手の怒りを軽減するために「こちらにも反省がある」という姿勢を伝えつつ、相場を超える請求なら具体的根拠を示して減額を要請 - 減額理由を説明する
「離婚していない」「不倫期間が短い」「強要された部分が大きい」など、当てはまる事情を漏れなく主張 - 合意できたら書面化(示談書)
金額・支払方法・求償権の扱い・再請求防止の清算条項などを明示し、サインしておけば後日トラブルが起きにくい
慰謝料減額の失敗パターン
一方で、交渉方法を誤ると減額どころか請求額が維持・増額されるリスクもあります。以下の**「慰謝料 減額 失敗」**例を参考に、同じ轍を踏まないようにしましょう。
- 無視・放置してしまう
連絡を絶つと相手の怒りが増幅し、裁判へ進む可能性が高まります。裁判ではより高額な請求がされてしまうケースも。 - 逆ギレや挑発的態度
「そちらが誘ってきたんじゃないか!」など感情的に反論すると、相手が「絶対に許さない」と強硬姿勢になり、交渉決裂しやすい。不倫を反省しないことが慰謝料の増額事由となることもあります。 - 嘘や隠しごとがバレる
初期段階で「1度しか関係はなかった」と言っておきながら実は何度も会っていたなど、後から嘘が発覚すると信用がなくなり減額交渉は失敗します。
慰謝料の減額理由を上手く主張して交渉する
不倫慰謝料の「減額理由」「交渉方法」「交渉期間」「失敗事例」などを中心に、どのように対処すればよいか解説してきました。押さえておきたいポイントは次のとおりです。
- 離婚していない、短期間の不倫、求償権放棄などは大きな減額理由
- 交渉期間は3か月が目安だが、相手の状況や態度によって長引く可能性あり
- 失敗例としては、無視・嘘・逆ギレなど感情的な対応が代表的
「不倫慰謝料を必ず減らせる」と断言はできませんが、法的視点で見れば妥当性が乏しい請求額は示談や裁判で下げられる可能性があります。慌てて相手の言い値を払わずに、まずはあなたの事情を整理し、冷静に慰謝料の減額理由があるかチェックすることをおすすめします。
もし交渉のやり方がわからず不安な場合は、早めに弁護士へ相談し、失敗リスクを抑えながら適正額で解決する道を探ってみてください。冷静かつ誠実な対応が、最良の結果につながるはずです。
慰謝料請求された事案の無料法律相談実施中!
- 0円!完全無料の法律相談
- 弁護士による無料の電話相談も対応
- お問合せは24時間365日受付
- 土日・夜間の法律相談も実施
- 全国どこでも対応いたします