【妊娠中の不倫】まさか夫が浮気?|不倫を疑う理由、証拠収集法、離婚・慰謝料を弁護士が解説

妊娠中は、体調やホルモンバランスの変化で心身ともに負担が大きい時期です。その大切なタイミングで「夫が浮気しているかもしれない」と感じたときのショックは、言葉にしきれないものがあります。

ただ、ここで一番大事なのはあなたの心身の安全と、赤ちゃんの安全です。夫を問い詰めるかどうか、離婚するかどうか、慰謝料を請求するかどうかは、結論を急げば急ぐほど後悔につながりやすくなります。妊娠中はとくに「今すぐ決める」よりも、安全に事実確認を進め、産後も見据えて準備することが現実的です。

この記事では、妊娠中に夫の不倫(浮気)が疑われる・発覚した場面を中心に、①なぜ妊娠中に不倫が起きやすいのか、②実際どのくらい起きているのか(データの見方)、③疑ったときのチェックポイント、④妊娠中に動くべきか・健康配慮を優先すべきか、⑤離婚・慰謝料の基本的な考え方、までを弁護士の視点で整理します。あわせて後半では、請求された側(不倫してしまった側)が取るべき初動にも、簡潔に触れます。

 

なお、日常会話では「浮気」「不倫」とまとめて言われますが、慰謝料や離婚の場面では何を証明できるかで結論が変わります。感情の問題と、法的に整理する問題を切り分けながら読み進めてください。「証拠って何を集めればいいの?」が先に気になる方は、証拠の種類を一覧にした解説も参考になります。

(参考)不倫の証拠ガイド:使える証拠一覧・収集方法

坂尾陽弁護士

妊娠中はあなたと赤ちゃんの安全が最優先です。無理な追及は避け、できる範囲で事実確認と準備を進めましょう。
  • 妊娠中は「決断」よりも、体調を守りながら事実確認と準備を優先する
  • 問い詰める前に、記録・証拠の方向性を固める(感情的な衝突は逆効果)
  • 妊娠期の不倫は一定割合で起きるが、数字に振り回されず状況整理が重要
  • 産後に動く選択もあるため、期限(時効など)を意識して管理する
  • 慰謝料・離婚は「不貞の有無」「証明」「事情」で結果が大きく変わる
(執筆者)弁護士 坂尾陽(Akira Sakao -attorney at law-)

2009年      京都大学法学部卒業
2011年      京都大学法科大学院修了
2011年      司法試験合格
2012年~2016年 森・濱田松本法律事務所所属
2016年~     アイシア法律事務所開業

不倫慰謝料に詳しい坂尾陽弁護士

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妊娠中に夫が浮気・不倫しやすい主な理由

最初に確認しておきたいのは、ここで扱う「理由」は、夫の不倫を正当化するためのものではない、ということです。妊娠中の不倫は、配偶者としての信頼を踏みにじる行為であり、時期的にも精神的ダメージが大きくなりやすい点で悪質と評価され得ます。

それでも理由を整理する意味があるのは、「何がきっかけで距離が開き、どこに歪みが出たのか」を言語化できると、①再発防止や夫婦関係修復の可能性を検討しやすくなり、②不倫が継続している場合の兆候を掴みやすくなり、③離婚や慰謝料請求に進むとしても「話し合いの争点」が整理できるからです。

妊娠中に不倫が起きやすい背景には、典型的なパターンがいくつかあります。あなたの状況に近いものがないか、冷静に当てはめてみてください。

性生活・スキンシップのズレが起きやすい

妊娠中は、つわり、倦怠感、腰痛、眠気などで「これまで通りの生活」が難しくなることが珍しくありません。体調が優先になるため、性生活やスキンシップの頻度が下がったり、同じ寝室で過ごす時間が減ったりすることもあります。

一方で、夫側は身体の変化を直接経験しない分、「急に距離を置かれた」「拒否された」と受け止めてしまうケースがあります。コミュニケーションが不足すると、夫が不満や寂しさを外に求める形で不倫に向かうことがあります。

MEMO

妊娠中の性生活は、体調や医師の指示によって制限が必要な場合があります。あなたが悪いわけではないので、「医療上の理由」「今できるスキンシップ(会話・家事分担・短い散歩など)」を、言葉で共有することが大切です。

もちろん、ズレがあったとしても不倫が許されるわけではありません。ただ、夫がこの点を「言い訳」にしてくる場合は、反省の薄さが疑われるため、修復を選ぶとしても条件(再発防止策)を厳密に決める必要が出てきます。

妻が妊娠・出産準備を優先し、夫が疎外感を抱く

妊娠が分かると、妻の生活は一気に「赤ちゃん中心」に動きます。通院、出産準備、食事管理、睡眠確保、体調の波への対応など、やることが増えます。これは当然のことです。

ただ、夫側が「自分の役割が分からない」「自分は必要とされていない」と感じると、疎外感や孤独感を抱えやすくなります。とくに、妊娠前から夫婦の会話が少なかったり、家事・育児の価値観が擦り合っていない場合、すれ違いが不倫の引き金になることがあります。

夫が抱きやすい感情としては、たとえば次のようなものです。

  • 「構ってもらえない」「家庭に居場所がない」と感じる
  • 妊娠中の体調変化を理解できず、どう接していいか分からない
  • 手伝いたい気持ちはあるが、頼られず自己肯定感が下がる

ここで大切なのは、夫の感情に過度に合わせることではなく、「夫婦で乗り越える課題」として共有することです。夫が誠実な人なら、役割が明確になり、支える側に回るほど不倫から遠ざかります。逆に、役割から逃げる人は、妊娠中に限らず今後も不倫を繰り返すリスクがあります。

ホルモン変化や不安で感情が揺れ、衝突が増える

妊娠中はホルモン変化に加え、「出産の不安」「体調の不安」「仕事やお金の不安」「育児への不安」が重なり、気持ちの波が大きくなることがあります。いわゆるマタニティブルーのような状態になり、些細なことで涙が出たり、イライラが強くなったりすることもあります。

夫側がこの変化を理解できないと、「家にいると責められる」「落ち着かない」と受け止め、家の外に逃げる形で不倫へ進むことがあります。ここでも繰り返しになりますが、これは不倫の正当化ではありません。

ただ、妊娠中の妻が「自分が悪いから浮気された」と自責に陥るのは危険です。妊娠中に心が揺れるのは自然なことであり、夫が配偶者として支えるべき局面です。もし夫があなたの不安に寄り添わず、むしろ攻撃してくる場合は、話し合いの安全性(暴言・モラハラ・暴力)も含めて慎重に判断しましょう。

「父親になる責任」へのプレッシャーから逃避する

妊娠期間が進むほど、夫にとっても「もうすぐ父親になる」という現実が迫ります。家計、住まい、仕事と育児の両立、自由時間の減少など、生活の変化を具体的に想像し始める時期です。

このプレッシャーを真正面から受け止めて行動できる人もいますが、未熟な人ほど、現実から目を逸らす形で「刺激」「癒し」「逃げ場」を外に求めることがあります。妊娠中の不倫は、性欲だけでなく、責任不安からの現実逃避として起きることもある、という点は押さえておきましょう。

このタイプは、発覚後に「仕事が大変だった」「家庭が重かった」などの言い訳を並べがちです。修復を検討するなら、言い訳の上手さではなく、再発防止に向けた行動(連絡断ち・誓約・家事育児の実行)が伴うかどうかで判断する必要があります。

生活環境の変化(里帰り・別室・サポート不足)で「隙」が生まれる

妊娠中は、妻が早く寝るようになったり、体調の都合で別室で休むようになったり、里帰り出産の準備で実家に滞在する期間が増えたりします。夫が一人で過ごす時間が増えると、交友関係が広がりやすくなり、不倫が始まるハードルが下がることがあります。

また、夫婦の負担を分散するサポート(家族・自治体・周囲の協力)が薄いと、妻は助けを求めざるを得ず、夫は「求められてばかり」と感じてストレスを溜めることがあります。ストレスのはけ口として不倫に向かう人もいますが、本来は不倫ではなく、夫婦で支援を取りに行くべき局面です。

このパターンで重要なのは、原因が「環境」にあるからといって放置しないことです。不倫が疑われる段階でも、生活の構造(夫婦の役割、サポート導線)を見直すことは、修復・離婚いずれのルートでもあなたを助けます。

ここまでの内容を、いったん整理しておきます。

  • 妊娠中は体調変化で性生活・スキンシップが変わり、すれ違いが起きやすい
  • 妻が妊娠・出産準備を優先する中で、夫が疎外感を抱くことがある
  • 感情の波や不安で衝突が増え、夫が外に逃げる人もいる
  • 父親になる責任への不安から、現実逃避として不倫に走るケースがある
  • 里帰り等で夫の自由時間が増えると、不倫が始まる「隙」が生まれやすい

繰り返しになりますが、これらは不倫の免罪符ではありません。ただし、背景を理解しておくと、「夫の不倫が本当に一時的な逸脱なのか」「今後も繰り返すタイプなのか」を見極める材料になります。


妊娠中の不倫はどれくらいある?データの見方と受け止め方

妊娠中に夫の不倫が疑われると、「こんなこと、うちだけ?」「周りはどうしているの?」と考えてしまう方が多いです。そこで、妊娠中の不倫について触れた調査・アンケート結果を紹介します。

注意(数字の扱い方)

不倫の「定義」(肉体関係まで含むのか/やり取り段階も含むのか)や調査対象によって、数字は大きく変わります。統計は参考材料に留め、あなたの状況の判断は「事実」「安全」「生活設計」を軸に進めてください。

妊娠中の不倫は「27%」という結果が出ている調査もある

妊娠中の不倫(浮気)については、「妊娠中にパートナーの浮気を疑った・実際にあった」という趣旨の設問で、約27%という数字が示される調査があります。

この数値が高いか低いかは捉え方がありますが、少なくとも言えるのは、妊娠中の不倫は「絶対に起きない特殊ケース」ではなく、一定割合で起きてしまっている、という現実です。あなたが今感じている混乱や不安は、決して大げさではありません。

男性の不倫全体のうち、妊娠中が20〜40%程度という見方もある

また、男性の不倫全体を見たときに、「相手(妻)が妊娠している時期に始まった/深まった」割合が20〜40%程度にのぼる、という見方が語られることもあります。

この数字も調査条件で変動しますが、妊娠期は夫婦関係の環境が大きく変わるため、不倫のきっかけになりやすいのは不自然ではありません。妊娠前に目立った問題がなくても、妊娠を契機にすれ違いが生じることがあります。

「初めて浮気をした時期が妊娠中」57%という話もある

さらに、男性側の「初めての浮気(不倫)が起きた時期」に関するアンケートで、妊娠中が大きな割合を占める(たとえば57%)という結果が紹介されることもあります。

このタイプは、妊娠を境に「家庭の空気が変わった」「自分の居場所がない」と感じたり、父親になるプレッシャーに耐えられなかったりして、外に逃げる形で不倫を始めるケースが見られます。発覚後に「初めてだから許してほしい」と言われることもありますが、初めてかどうかよりも、関係を断てるのか/再発防止の行動が伴うのかが重要です。

妊娠中の不倫が「主要な原因」となって離婚に至るのは約7%という見立てもある

一方で、妊娠中の不倫が発覚した場合でも、「最終的に離婚まで進む割合」は必ずしも高くない、という見方もあります。たとえば、妊娠中の不倫が発覚した人のうち離婚に至った割合が約18%程度、さらに「離婚の主な原因が不倫」と答えた割合が約40%程度、といった結果がある場合、全体としては約7%(18%×40%)が“主要因として離婚”に至った計算になります。

もちろん、これはざっくりした算出であり、「不倫以外の要因(お金、モラハラ、親族問題など)」が絡むことも多いので、個別事情で大きく変わります。ただ、少なくとも「妊娠中の不倫=必ず離婚」ではなく、現実には踏みとどまる・修復を選ぶ夫婦も一定数いる、ということが読み取れます。

「離婚を考える」人は25〜30%程度でも、実際の離婚が少なく見える理由

妊娠中に不倫が発覚すると、感情的には「離婚したい」と考えるのが自然です。実際、離婚を考える割合は25〜30%程度とされることがあります。それでも、最終的に離婚が少なく見える理由としては、次のような事情が影響している可能性があります(ここは統計ではなく、相談実務の感覚も踏まえた推測です)。

第一に、女性が幼い子どもを抱えて離婚しづらいという現実があります。妊娠中〜産後は働き方が制限されることも多く、経済的な見通しや育児の支援体制が整うまで、決断を先送りにする方は少なくありません。

第二に、妊娠中の不倫が「一時の過ち」として、通常より許される(許してしまう)ことがある、という点です。これは決して「許すべき」という意味ではありません。ただ、出産を控えた時期は、夫婦関係だけでなく生活全体が大きく変わるため、「今は家庭を壊せない」「産後に改めて判断する」という選択が取られやすい、という意味です。

だからこそ、妊娠中に夫の不倫が疑われたときは、気持ちだけで結論を決めるのではなく、(1)安全、(2)事実、(3)生活設計、(4)期限管理の順で整理することが重要です。次の章では、疑い段階で確認しやすいチェックポイントから、具体的に整理していきます。

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妊娠中に夫が不倫・浮気しているかもしれない…チェックポイントと初動

妊娠中に「夫が浮気しているかも」と感じたとき、心の中は不安と怒りでいっぱいになります。けれど、ここでいきなり問い詰めたり、感情のまま行動したりすると、証拠隠滅夫婦関係の悪化、そして何よりあなたの体調悪化につながりやすくなります。

妊娠中の不倫疑いで大切なのは、結論を急ぐことではなく、(1)安全の確保 →(2)状況の整理 →(3)証拠の方向性の確認 →(4)話し合いの準備の順に、できる範囲で進めることです。ここでは「疑いの段階」で使えるチェックポイントと、妊娠中でも無理なくできる初動を整理します。

妊娠中の「浮気チェック」は“断定”ではなく“記録の材料”と割り切る

チェックポイントを確認する目的は、「夫を罰するため」でも「完璧に見破るため」でもありません。目的は、あなた自身が混乱しないために、状況を客観化することです。

たとえば、浮気の兆候がいくつも重なるなら「一度専門家に相談して動き方を決める」、兆候が弱いなら「しばらく様子を見る」など、あなたが消耗しすぎない判断につながります。

MEMO

妊娠中は睡眠不足や不安で思考がネガティブに傾きやすい時期です。「怪しいかも」と思ったら、頭の中で反芻するより、まずは“事実として残せる情報”を淡々とメモするほうが気持ちが落ち着きやすくなります。

チェックポイント1:帰宅時間・休日の過ごし方が不自然に変わった

不倫の兆候として一番分かりやすいのが、行動パターンの変化です。もちろん仕事が忙しくなる時期もありますが、次のような変化が急に、かつ説明が曖昧な形で増えた場合は注意が必要です。

  • 残業や休日出勤が増えたのに、仕事内容の説明がはっきりしない
  • 出張や外泊が増えた/予定変更が多い
  • 休日に「一人で出かける」「友人と会う」が増えた
  • あなたの体調を気遣わず、家にいない時間が増えた
  • 帰宅後すぐ入浴・洗濯をしたがる(服や匂いを気にする)

この段階で大切なのは、「浮気だ」と決めつけることではなく、いつ・どこで・何が変わったかをメモしておくことです。後で話し合いになったとき、あなたの記憶があいまいだと、夫に言いくるめられたり、あなた自身も混乱してしまいます。

チェックポイント2:スマホの扱いが“極端”になった

スマホは不倫の発覚ルートにもなりやすく、本人も警戒しやすいポイントです。妊娠中は同じ空間にいても会話が減りがちなので、スマホの変化が目立つことがあります。

よくある変化としては次のようなものです。

  • ロックが急に厳重になった/指紋・顔認証を外してパスコード中心になった以前は緩かったのに、急に「絶対に見せない」姿勢になる場合は注意です。
  • 通知が出ない設定になった/トーク履歴を頻繁に消している様子がある通知が一切表示されなくなった、ロック画面の通知がゼロになったなども兆候のひとつです。
  • トイレや風呂場にもスマホを持ち込むようになった妊娠中はあなたが体を休める時間が増える分、夫のスマホ行動が目に入りやすくなります。
  • スマホを裏向きで置く/画面をあなたに見えない角度にする癖の変化は小さいですが、複数の兆候と重なると気になります。

ただし、ここでやってしまいがちなのが、無理にスマホを盗み見ることです。妊娠中に夜中までスマホを探る行為は、あなたの体力を削りますし、夫が気づけば証拠隠滅が進みます。まずは「スマホの扱いが変わった」という事実をメモに残す程度に留めるのが安全です。

チェックポイント3:お金の使い方に“説明のつかない穴”が出る

不倫は感情だけではなく、現実にはお金が動きます。妊娠・出産準備で家計を気にする時期だからこそ、支出の変化は重要な手がかりになります。

  • クレジットカード明細に見慣れない飲食店・ホテル・ギフトの決済がある
  • 現金の引き出しが増えた(使い道を聞くと濁す)
  • 家計に入れる額が減った/生活費の負担を渋るようになった
  • コンビニ・ドラッグストアの購入が不自然に増えた(避妊具・栄養ドリンク等の可能性)

家計の確認は、あなたが安全にできる範囲で十分です。明細をスクリーンショットで残す、日付と金額をメモするなど、「後で説明できる形」で残しておくと話し合いに役立ちます。

チェックポイント4:態度が二極化する(冷たくなる/逆に優しくなる)

浮気をしている人は、罪悪感や後ろめたさから態度が変わることがあります。分かりやすいのは冷たくなるケースですが、逆に“妙に優しくなる”ケースもあります。

たとえば、次のような変化です。

  • あなたの妊娠や体調に無関心になった妊婦健診の話を聞かない、赤ちゃんの話題を避ける、家事分担に協力しないなど。
  • 急に小さなことで怒る/あなたのせいにする自分の後ろめたさを打ち消すために、あなたを悪者にする心理が働くことがあります。
  • 不自然に優しくなる/プレゼントが増える罪悪感の埋め合わせとして優しくなる人もいます。単体では判断できませんが、他の兆候とセットで見ます。

妊娠中はあなたも情緒が揺れやすい時期なので、「冷たくされた」「優しくされた」だけで断定しないことが大切です。ただ、あなたを傷つける言動(暴言・脅し・威圧)が増えている場合は、浮気の有無とは別に、まず安全確保を優先してください。

チェックポイント5:よくある“発覚ルート”を知っておく

「浮気って結局どうやってバレるの?」という視点を持つと、あなたの状況も整理しやすくなります。浮気は、探偵の尾行だけで発覚するわけではありません。むしろ、多くは日常の違和感の積み重ねから、証拠につながっていきます。

発覚ルートや「バレた直後にどう動くべきか」も含めて整理した解説は、こちらも参考になります。

(参考)不倫がバレる確率はどれくらい?発覚ルートとバレた直後の初動

まずやるべき初動:妊娠中でもできる“証拠につながる記録”を残す

妊娠中に「証拠集め」を頑張りすぎるのは危険です。ただし、体を張らなくてもできる“記録”があります。これは離婚する場合だけでなく、夫婦関係を続ける場合にも、「話し合いを有利に進める材料」になります。

おすすめは、時系列メモ(行動ログ)です。紙のノートでも、スマホのメモでも構いません。

  • 日付・時間例:○月○日 22:40帰宅、帰宅後すぐ入浴。
  • 夫の説明(言ったこと)例:「上司と飲み」「取引先と打合せ」など、言い回しもメモ。
  • 違和感の根拠(見た事実)例:レシート、カード明細、香水の匂い、通知オフ、休日外出など。
  • あなたの対応例:遠回しに確認した/体調が悪く話し合いを延期した、など。

このログは、後々「いつから怪しかったか」「どの時期に関係が深まったか」を整理する助けになります。妊娠中は記憶も曖昧になりやすいので、短くても構いません。淡々と残すことが大切です。

問い詰める前に知っておきたいこと:慰謝料は“浮気”ではなく“不貞”が中心

感情としては「浮気をした」という一点で許せないと思うのは当然です。ただ、法的な慰謝料の場面では、主に問題になるのは不貞行為(一般に肉体関係)です。LINEやSNSのやり取りだけ、食事だけ、といった事情だと、慰謝料請求が難しくなったり、金額が低くなったりすることがあります。

そのため、疑い段階で「問い詰めて自白を取る」より、まずは不貞の証明につながる材料を意識して記録・整理するほうが、結果的にあなたを守ります。証拠の種類や集め方は、こちらで全体像を整理しています。

(参考)不倫の証拠ガイド:使える証拠一覧・収集方法

妊娠中にやりがちなNG行動

不安が強いと「今すぐ確かめたい」と思ってしまいますが、妊娠中はとくに、次の行動は避けたほうが安全です。

  • 夜中まで起きてスマホを探る(体調悪化・睡眠不足が一番のリスク)
  • 一人で尾行する(転倒・事故・ストレスの危険が大きい)
  • 確証がない段階で浮気相手に直接連絡する(トラブル化・証拠隠滅・名誉毀損等のリスク)
  • 感情的に詰め寄る(否認・逆ギレ・証拠隠滅・夫婦関係の決裂につながりやすい)

妊娠中は「勝つために頑張る」よりも、「あなたと赤ちゃんを守りながら、必要な準備だけする」という発想が大切です。

妊娠中でも角が立ちにくい“聞き方”の例

夫婦として会話が必要な場面もあります。ただし、問い詰めるのではなく、「確認」と「協力依頼」に寄せたほうが衝突を避けやすいです。

  • 体調を軸にする「最近不安定で、少しでも安心できるようにしたい。帰りが遅い日は、だいたい何時頃かだけ教えてほしい」
  • 家計・予定を軸にする「出産準備で予定を立てたいから、今週の予定を一緒に確認していい?」
  • 攻めずに観察する「最近疲れてる? 何かあった?」と聞き、反応や説明の一貫性をメモする。

この段階では、あなたが納得する“結論”を出す必要はありません。まずは、あなたが安心して過ごせるように、生活の見通しと情報を少しずつ増やすことが目的です。


妊娠中に不倫が発覚した場合の注意点

疑いが確信に変わったとき、あるいは夫が不倫を認めたとき、あなたの気持ちは一気に揺れます。「今すぐ離婚したい」「相手に慰謝料を請求したい」「もう夫の顔を見たくない」と思うのは当然です。

ただし妊娠中は、精神的ショックがそのまま体調に影響しやすい時期です。ここでは、妊娠中に不倫が発覚したときに、後悔しやすいポイントを避けるための注意点を整理します。

最優先は“あなたの心身と赤ちゃん”を守ること

不倫は夫が起こした問題ですが、妊娠中はあなたが無理をすればするほど、あなたにダメージが返ってきます。睡眠が取れない、食事が喉を通らない、動悸がする、涙が止まらないなどが続く場合、我慢して耐え続けるのは危険です。

必要なら、まずは以下のような“守り”を優先してください。

  • 話し合いを一時停止し、休む時間を確保する
  • 信頼できる家族・友人に状況を共有する(完全に一人で抱え込まない)
  • 体調不良や強い不安が続く場合は、医師・助産師等に相談する
  • 夫の言動が威圧的・暴力的なら、安全な場所へ避難する

「気持ちが落ち着いてから考える」は、妊娠中だからこそ正しい選択になることがあります。

発覚直後にやることは“決断”ではなく“整理”

妊娠中に不倫が発覚した場合、すぐに「離婚する/しない」を決める必要はありません。まずは、次の3点を整理するだけでも、気持ちが少し落ち着きます。

  • 不倫の事実関係相手は誰か、期間はどれくらいか、肉体関係があったのか(不貞の有無)、今も続いているのか。
  • あなたの希望今は決められなくても構いません。「絶対に許せない」「条件次第」「今は保留」など、現時点の気持ちを書き出す。
  • 生活への影響産前産後の生活費、住まい、サポート体制、仕事復帰の見通しなど。

ここで重要なのは、夫のペースに飲まれないことです。夫が「一回だけ」「もう終わった」「大したことない」と言ってきても、あなたが納得できないなら、あなたのペースで整理して良いのです。

妊娠中に“すぐ動く”メリット・デメリット

妊娠中に行動するか、産後に動くかは、正解が一つではありません。あなたの体調、夫の態度、証拠の有無、実家などの支援体制で変わります。

判断材料として、メリット・デメリットを整理します。

妊娠中に動くメリット

  • 証拠が確保しやすい不倫関係が続いている場合、行動パターンや支出が残りやすく、証拠につながる可能性があります。
  • 夫に現実を直視させやすい出産前にけじめを付けさせることで、関係修復を選ぶとしても再発防止の土台が作れます。
  • 産後の負担を減らせる産後は育児で時間が取れないため、妊娠中に“整理だけ”しておくと楽になることがあります。

妊娠中に動くデメリット

  • 心身への負担が大きい話し合い・証拠整理・弁護士相談などは、思っている以上に消耗します。
  • 冷静さを欠いた決断をしやすい不安や怒りが強い時期に結論を急ぐと、後で「もう少し準備できたのに」と後悔することがあります。
  • 産後に状況が変わることもある夫が本当に反省するのか、支える行動ができるのかは、時間を置いたほうが見極めやすい面もあります。

「産後に動く」を選ぶ場合でも、今やっておくべきことがある

妊娠中は体調優先で「今は大きく動けない」という方も多いです。その場合でも、産後に備えて“最低限だけ”準備しておくと後悔が減ります。

ポイントは次の3つです。

  • 証拠の方向性を決める(どんな証拠が必要かだけ把握する)
  • 時系列メモを継続する(妊娠中に無理せずできる)
  • 期限の意識を持つ(後回しにしすぎない)
注意:慰謝料には時効(消滅時効)の問題がある

不倫の慰謝料(不法行為に基づく損害賠償)は、原則として「損害および加害者を知った時」から3年で時効になる可能性があります。また、不倫がいつ起きたかによっては、行為の時から一定期間で請求できなくなる枠もあります。妊娠中に無理をしないのは大切ですが、「落ち着いたら…」と先延ばしにしすぎないよう、早めに一度整理しておくと安心です。

中絶など“妊娠そのもの”の判断と、不倫問題の判断は分けて考える

妊娠中に不倫が発覚すると、精神的ショックから「このまま出産していいのか」「産後にやっていけるのか」と、妊娠そのものへの不安が一気に強まることがあります。

ここで大切なのは、不倫の問題と、あなたと赤ちゃんの医療・生活の判断を切り分けることです。不倫が発覚したからといって、あなたが何かを急いで決めなければならないわけではありません。医療や出産に関する判断は、必ず医師等とも相談しながら、あなたの安全を軸に進めてください。

法的な観点では、あなたが妊娠を続けるかどうかと、夫や不倫相手に対して責任追及(慰謝料請求等)をするかどうかは、必ずしも同じタイミングで結論を出す必要はありません。妊娠中は「まず自分の体を守り、法的な判断は後で整理する」という進め方も十分に現実的です。

夫に「誓約書を書かせる」前に、最低限確認したいこと

発覚後、夫が「もうしない」「別れた」と言って、誓約書(念書)を書きたがることがあります。誓約書自体は、関係修復の場面で役立つこともありますが、焦って形式だけ整えると、実態が伴わず再発することもあります。

少なくとも次の点は、確認してから進めるのがおすすめです。

  • 不倫相手との連絡は本当に切れているか口約束だけでなく、連絡手段・職場の関係・会う可能性が残っていないかを整理します。
  • 夫の態度が「言い訳」中心になっていないか反省より自己弁護が強い場合、再発防止の行動に結びつかないことがあります。
  • あなたの条件が整理できているか関係修復の条件(再発時の対応、家事育児、金銭管理、通院同伴など)は、あなたの希望を軸に言語化します。

妊娠中は、あなたが「とにかく安心したい」という気持ちで急いでしまいがちです。誓約書は大切ですが、あなたの負担が増える形(あなたが監視し続ける前提)にならないよう注意してください。もし誓約書や示談書を作成する場合は下記記事も参考にしてください。

不倫相手に直接連絡する前に、いったん立ち止まる

相手女性に怒りが向くのは自然なことです。しかし、妊娠中に不倫相手へ直接連絡をすると、次のようなリスクが出やすくなります。

  • 相手が警戒して証拠が消える
  • 相手が逆上し、あなたの生活圏(職場・SNS等)に干渉してくる
  • 夫が「お前が悪い」と話をすり替え、夫婦の話し合いが壊れる
  • 言葉の選び方次第で、余計なトラブル(名誉毀損等)に発展する可能性がある

相手に責任追及をするにしても、順番としては「事実整理→証拠の確認→方針決定(請求するかどうか)」のほうが安全です。あなたの体調を守るためにも、まずは主戦場を“夫との整理”に置くのが現実的です。

補足:不倫をした側(夫側)が“減額や逃げ”を考え始めたときに起きやすいこと

このサイトは「不倫トラブル」を扱う以上、請求される側の動きにも少し触れておきます。あなた(妻)が慰謝料請求や条件交渉を考えたとき、夫(不倫をした側)が責任を軽くする方向に動くケースがあります。

典型例は次のとおりです。

  • 「肉体関係はない」と言い張る不貞の立証が弱いと、慰謝料や交渉が不利になりやすいです。
  • 「夫婦関係は壊れていた」と主張する実際に破綻があったかはケースで大きく変わりますが、よく使われる言い分です。
  • 「もう終わった」「相手とは連絡していない」と言う口頭だけで済ませようとする場合、再発防止につながりません。

あなたがこの段階でできる対策は、夫と戦うことではなく、事実(いつ・どこで・どんな行動があったか)を淡々と残すことです。それが結果的に、あなたの選択肢(修復・別居・離婚・慰謝料請求)を広げます。


証拠収集の基本:妊娠中でも現実的にできる方法

妊娠中に夫の不倫が疑われる(または発覚した)とき、「証拠を集めるべきかどうか」で悩む方はとても多いです。結論から言うと、離婚するにせよ、関係修復を目指すにせよ、証拠(または証拠に準ずる材料)があるほど、話し合いが現実的に進みやすくなります

ただし妊娠中は、時間や体力を使った行動(尾行・深夜のスマホ確認など)が大きな負担になりやすい時期です。ここでは、あなたと赤ちゃんの安全を最優先にしながら、「できる範囲で、効果が高い順に」証拠収集を進める考え方を整理します。

まず押さえる:慰謝料の中心は「浮気」ではなく「不貞行為」

日常的には「浮気=不倫=裏切り」とまとめて語られがちですが、慰謝料(損害賠償)の場面では、一般に不貞行為(肉体関係)があったかどうかが重要になります。

もちろん、肉体関係がなくても精神的に傷つくのは同じです。しかし、法的な責任追及(慰謝料請求)では、「親密なやり取り」や「二人きりの食事」だけだと争点になりやすく、相手に否認されると難しくなります。だからこそ、証拠を集めるときは「不貞行為を推認できる材料か」を意識することが大切です。

不貞行為の証明は、必ずしも“現場そのもの”を撮影する必要はありません。実務上は、複数の事情を積み上げて「肉体関係があったと考えるのが自然」といえるかがポイントになります。

(参考)不貞行為とは|どこから不貞か(定義・境界線)

証拠の強さは「単発の決定打」より「組み合わせ」で上がる

不倫の証拠と聞くと、「ホテルの出入り写真」のような決定的なイメージを持つかもしれません。確かにそれは強い証拠になり得ますが、妊娠中のあなたが無理に取りに行く必要はありません。

現実的には、次のような材料を組み合わせて強度を上げていきます。

  • 行動ログ(時系列メモ)「いつ・何時に・どこへ・何と言って出かけたか」「帰宅時間」「不自然な予定変更」などを淡々と記録します。単体では弱くても、他の証拠と結びつくと強い土台になります。
  • 金銭の痕跡クレジットカード明細、交通系ICの履歴、ホテル・飲食店の領収書、現金引き出しの増加など。データとして残るため、後で説明がしやすい材料です。
  • やり取りの痕跡LINEやSNSのメッセージ、通話履歴、写真。内容次第では「親密さ」や「宿泊」などの推認に繋がります(ただし入手方法には注意が必要です)。
  • 同伴・宿泊を推認できる材料ホテルの予約メール、二人で遠出した記録、深夜から朝までの行動の空白など。「二人で密室に長時間いた」事情が積み上がるほど、推認が強くなります。
  • 本人の言動(自認・謝罪・説明の矛盾)夫の説明が二転三転する、謝罪の言葉が出るなどは、他の材料と合わせて意味が出ます。会話の内容をメモに残すだけでも、後で整理できます。

「どれか一つがあれば絶対勝てる」という発想より、体に負担が少ない材料を積み上げて“否認しにくい状況”を作ることが、妊娠中の証拠収集では現実的です。

妊娠中でもできる「安全な証拠」:記録・保存・バックアップ

妊娠中は、行動するほど体に負担がかかります。だからこそ「家でできること」を優先して構いません。安全にできる具体策は次のとおりです。

1)時系列メモは“短く・毎日・事実だけ”

メモは長文である必要はありません。ポイントは、後で見返して時系列が再現できることです。

  • 日付/出発・帰宅時間/理由(夫の説明)/違和感の根拠(見た事実)
  • カード明細・領収書・予定変更などと紐づくように書く
  • 「推測」より「観察した事実」を中心にする

妊娠中は睡眠不足や不安で記憶がぶれやすいので、メモはあなたの“思考の安全装置”になります。

2)明細・領収書・画面は「消えない形」で保存する

クレジットカード明細や予約メール、レシートなどは、後から消されにくい材料です。保存するときのコツは、後で「いつ・どこで・いくら」が分かる形に揃えることです。

  • スクリーンショットは「画面全体」を撮る店名・日付・金額が同時に写るように保存します(必要なら複数枚)。
  • 同じデータは“二重に”保管するスマホだけに残すと、紛失や故障で消える可能性があります。あなたが管理できる場所にバックアップを取ります。
  • 編集・加工はしない切り貼りや加工は「信用性」を下げやすく、逆に争点を増やします。元データはそのまま保管するのが安全です。

「何が証拠として使えるのか」を網羅的に整理したページもありますので、全体像を掴みたい場合は参考にしてください。

(参考)不倫の証拠ガイド:使える証拠一覧・収集方法

3)会話は「反応」を残すだけでも価値がある

妊娠中は、詰める話し合いを避けたほうがよい場面も多いですが、「確認の会話」をするなら、後で整理できるように夫の説明をメモしておくだけでも意味があります。

たとえば、「いつ誰と会っていたのか」「帰宅が遅れた理由」などを聞いたときに、説明が不自然だったり、以前の説明と矛盾したりする場合、それ自体が後の交渉で論点になります。

注意:やってはいけない証拠集め(違法・危険・逆効果)

妊娠中に限らず、証拠集めは「強引にやるほど危険」です。無断でパスコードを解除してスマホの中身を見る、ID・パスワードを不正に使ってログインする、盗聴・盗撮機器を設置する、違法なGPS機器を使うなどは、あなた側がトラブルを抱える原因になり得ます。また、発覚してしまうと証拠隠滅が進み、結果的にあなたが不利になることもあります。安全性と法的リスクの両面から、“やらないこと”を先に決めておくほうが得策です。

探偵を検討するライン:費用対効果と依頼のポイント

妊娠中は「自分で動けない」という事情があるため、探偵(調査会社)の利用が選択肢になることがあります。ただし、探偵は万能ではなく、費用も安くはありません。検討の目安は次のように考えると現実的です。

探偵の利用が向きやすいケース

  • 不貞行為を推認できる決定的証拠がどうしても必要(否認が強い/裁判も視野)
  • 夫の行動パターン(曜日・時間・場所)がある程度読めている
  • 妊娠中で尾行や張り込みが危険、精神的にも耐えられない

探偵に依頼する前にやっておくと良いこと

探偵の調査は「闇雲にやる」と費用が膨らみやすいです。依頼前に次の材料を揃えると、調査の精度が上がりやすくなります。

  • 怪しい日時の候補残業が増える曜日、帰宅が遅いパターン、外泊の前兆などを時系列メモから抽出します。
  • 移動手段の目星車か電車か、よく行く駅・繁華街があるか、帰宅経路の癖など。分かる範囲で十分です。
  • 目的の明確化「関係修復のためのけじめ」なのか、「慰謝料請求・離婚のため」なのかで必要な証拠の水準が変わります。

そして重要なのは、探偵に依頼するかどうかを一度弁護士に相談してから決めることです。というのも、あなたの目的(修復・別居・離婚・慰謝料請求)によって、「どの証拠が必要で、どこまであれば足りるか」が変わるからです。先に整理しておけば、過剰な調査費用を避けやすくなります。

弁護士に早めに相談するメリット:証拠の見極め・時効管理・交渉設計

妊娠中の不倫問題は、感情の問題であると同時に、生活と手続きの問題でもあります。弁護士に相談するメリットは、単に「慰謝料を取る」ことだけではなく、あなたの体調を守りながら、最短で整理する道筋を作れる点にあります。

具体的には、次のような整理がしやすくなります。

  • いま手元にある材料で、どの程度「不貞」を主張できるか証拠が弱いのに強気に動くと、否認されて消耗しやすくなります。まず“現実的な勝ち筋”を把握することが大切です。
  • 誰に何を求めるか(夫/不倫相手/夫婦関係修復)「相手にも請求したい」「夫婦でやり直したい」など、希望が混在していても整理できます。
  • 妊娠中に動く/産後に動くの判断と、期限(時効など)の管理妊娠中は無理をしない一方で、先延ばしにしすぎると不利になる論点もあります。現実的なスケジュールを引けます。
  • 話し合いの設計(言ってはいけないこと/言うべきこと)感情のぶつけ合いになると、夫の逆ギレや責任転嫁で傷が深くなりがちです。あなたを守る言い方・進め方を整理できます。

証拠は「集めること」自体が目的ではありません。あなたが望む着地(修復・別居・離婚・慰謝料請求)のために、必要な材料を必要な分だけ揃える、という考え方が大切です。次の章では、集めた材料を踏まえて「離婚か修復か」をどう考えるか、妊娠中ならではの意思決定のポイントを整理します。


離婚か修復か:妊娠中の意思決定と進め方

妊娠中に夫の不倫が発覚すると、「離婚しかない」と感じる方もいれば、「子どものために関係修復したい」と揺れる方もいます。どちらの気持ちも自然です。

ただ、妊娠中は精神的ショックが体調に直結しやすい時期で、短期間で結論を出すほど後悔が増える傾向があります。妊娠中の意思決定で大切なのは、いま無理に“最終結論”を出すことではなく、あなたが安全に選択肢を持てる状態を作ることです。

まず整理したい:あなたが守りたいものの優先順位

不倫問題は「正しさ」だけで片付けられません。妊娠中はとくに、守るべきものが複数あります。まずは、あなたの中で優先順位を言葉にしてみてください。

  • あなたと赤ちゃんの安全(心身の安定、医療、休息)
  • 産前産後の生活(住まい、生活費、サポート体制)
  • 夫婦関係(信頼を回復できるか、再発を防げるか)
  • けじめ(謝罪、誓約、慰謝料など責任の取り方)

優先順位は人によって違いますし、妊娠週数や体調によっても変わります。「今は決められない」でも構いません。決められないときは、“決めないための準備”(証拠・生活設計・相談)を進めるのが現実的です。

関係修復を選ぶなら:再発防止は「気持ち」より「仕組み」で作る

妊娠中の不倫でも、関係修復に進む夫婦は少なくありません。ただし、修復を選ぶ場合に一番の落とし穴は、「謝ったから終わり」「あなたが許したから解決」という形で、再発防止が“夫の気分次第”になることです。

修復を現実的にするには、夫の反省を言葉で確認するだけでなく、行動を具体化し、約束を守らせる仕組みを作る必要があります。たとえば、次のような観点です。

修復の最低条件(例)

  • 不倫相手との関係を断つ(連絡手段も含む)「別れた」と口で言うだけでは足りません。連絡先の扱い、職場が同じ場合の距離の取り方など、現実的な断ち方が必要です。
  • 不倫の事実関係を誠実に説明するあなたが納得できる説明がなければ、修復は“疑いながら生活する”状態になりやすく、妊娠中・産後の負担が増えます。
  • あなたの不安を軽くする行動をする家事育児(準備)への参加、通院の付き添い、生活リズムの安定、金銭管理の透明化など、あなたの負担を減らす行動が伴うかが重要です。
  • 再発時の取り決めを決める「次やったら終わり」ではなく、具体的に何をどうするか(別居、慰謝料、誓約違反の対応など)を決めておくと、あなたが守られます。

妊娠中はあなたがすべてを監視するのは現実的ではありません。だからこそ、修復を選ぶ場合でも「あなたが我慢し続ける修復」ではなく、夫が責任を取り続ける修復になるように設計することが大切です。

別居という選択:冷却期間・安全確保・生活設計のために使える

「離婚までは決められないけれど、今は一緒にいるのがつらい」「話し合いをすると体調が悪化する」という場合、別居は有効な選択肢になり得ます。別居はイコール離婚ではありません。距離を置くことで、あなたの心身を守り、冷静に条件整理をするための手段でもあります。

妊娠中の別居で特に重要なのは、次の2点です。

  • 住まいとサポート体制:実家に頼れるか、家事・通院の支援があるか
  • お金(生活費)の見通し:産前産後は収入が減りやすく、生活費の確保が最優先

別居は感情だけで始めると、生活が不安定になりやすいです。妊娠中はとくに、「安全に暮らせる場所」と「生活費の確保」をセットで考えることが大切です。

離婚を選ぶ場合:妊娠中〜産後の生活設計で外せない論点

夫の不倫が原因で離婚を考える場合、感情面の決着だけでなく、産前産後の生活を守る条件設計が必要です。妊娠中は体力も時間も限られるため、論点を絞って整理するのが現実的です。

離婚の条件で最低限整理したいこと

  • 住まい・生活費の確保出産前後は働けない期間が出やすく、貯蓄の消耗も早いです。実家の支援の有無も含めて見通しを立てます。
  • 財産分与(夫婦の共有財産の清算)預貯金、車、保険、退職金の見込みなど。妊娠中は集められる資料が限られるため、通帳・明細など“把握できる範囲”から始めます。
  • 養育費(子どもの生活費)養育費は子どもの権利です。口約束だと不払いリスクがあるため、取り決め方(書面化)まで視野に入れます。
  • 面会交流(父と子の関わり方)あなたが安全に育児できる形が前提です。不倫の状況や夫の態度によって、適切な取り決めは変わります。

妊娠中は「全部を完璧に決める」より、まずは生活を守る条件を優先して整理し、細部は産後に詰める方法も現実的です。

妊娠中に動くか、産後に動くか:おすすめの現実解(タイムライン例)

妊娠中に不倫が発覚したとき、「今すぐ動くべき?それとも産後?」は大きな悩みになります。結論は、あなたの体調と家庭の安全が保てるかで決めるのが基本です。

考え方としては、妊娠中は「準備と安全確保」、産後は「実行と最終判断」に寄せると、無理が出にくいです。

妊娠中(いま)にやること:準備フェーズ

  • 体調を守る(話し合いの頻度と深さを調整する)
  • 時系列メモと明細等の保存を続ける
  • 今後の生活設計(支援・住まい・お金)をざっくり描く
  • 必要なら弁護士に相談し、動くべき時期と手順を決める

産後(落ち着いた後)にやること:実行フェーズ

産後は育児で動けない時期もありますが、体調が安定してくると、交渉や手続きに取り組みやすくなります。妊娠中に準備しておけば、産後の負担を減らせます。

離婚や慰謝料請求の「判断の順番」や全体像を整理した解説もありますので、全体像の把握に不安がある場合は参考にしてください。

(参考)慰謝料請求と離婚で後悔しない進め方|判断の順番・全体像・注意点

話し合いが危険・不可能な場合:安全確保と第三者の介入を優先

夫が逆ギレする、威圧する、暴言が増える、物に当たる、あなたの行動を制限するなど、話し合いが危険な状態なら、不倫の有無より先に安全確保が必要です。妊娠中はとくに、恐怖やストレスが体に影響しやすい時期です。

この場合は、無理に二人で解決しようとせず、家族・支援機関・専門家など、第三者を介して距離を取ることを優先してください。証拠集めも「あなたが危険を冒してまでやるものではない」という視点が大切です。

補足:不倫相手が妊娠した可能性があるなど、論点が増えるとき

もし「不倫相手が妊娠したかもしれない」「認知の話が出ている」など、通常の不倫より論点が増える場合は、あなたの負担が急増しやすいです。こうしたパターンは、争点整理を間違えると長期化しやすいため、早い段階で全体像を把握しておくと安心です。

(参考)不倫妊娠トラブル総まとめ|離婚・慰謝料・中絶・認知を弁護士が解説

次の章では、妊娠中の不倫における慰謝料の基本(請求先、相場、増減要因、交渉の考え方)を、誤解が起きないように整理します。


妊娠中の不倫における慰謝料・離婚・法的ポイント

妊娠中に夫の不倫が発覚すると、気持ちの整理だけでも大変なのに、「慰謝料はいくら取れるの?」「相手にも請求できる?」「離婚したらどうなる?」と、法的な論点が一気に押し寄せます。

ここでは、妊娠中の妻が知っておくべき法的ポイントを、できるだけ噛み砕いて整理します。結論から言うと、慰謝料や離婚は「不貞の有無(証拠)」「婚姻関係の状況」「相手の認識」「あなたが離婚するかどうか」などで結果が変わります。大枠を押さえたうえで、あなたの状況に当てはめてください。

慰謝料を請求できる相手は「夫」と「不倫相手」(両方に請求できる)

不倫(不貞行為)があった場合、一般的には、あなた(妻)は次の相手に慰謝料を請求できる可能性があります。

  • 夫(配偶者):婚姻関係の信頼を壊したことによる精神的損害
  • 不倫相手:婚姻関係を侵害したことによる精神的損害

また、状況によっては夫と不倫相手の双方に請求する形(共同不法行為に近い整理)になることもあります。ただし「二重取り」ができるわけではなく、最終的には全体として相当な範囲に落ち着きます(夫から一部を回収したら相手への請求余地が減る、など調整が入るイメージです)。詳しくは不倫慰謝料は二重取りできる?を参考にしてください。

実務的には、あなたが望む着地(夫婦関係を続けるのか、離婚も視野なのか)によって、誰にどう請求するのが合理的かが変わります。ここを整理しないまま動くと、感情は晴れないのにトラブルだけが増えることがあります。

慰謝料が認められやすい条件:ポイントは「不貞行為」「婚姻関係」「相手の故意・過失」

慰謝料を請求する場合、典型的に問題になるのは次の点です。

(1)不貞行為があったか

一般に慰謝料の中心になるのは、配偶者以外との肉体関係(不貞行為)です。LINEで親密なやり取りをしていた、二人で食事をしていた、という事情だけでは、相手が否認すると争いになりやすいです。

とはいえ、証拠は「現場そのもの」だけではありません。ホテルの出入り、宿泊をうかがわせる記録、連泊や深夜帯の行動、金銭の痕跡、やり取りの内容など、複数の材料を積み上げて「肉体関係があったとみるのが自然」と言えるかが勝負になります。

(2)婚姻関係が破綻していなかったか

不倫相手に対する請求では、とくに不倫開始前に夫婦関係がすでに破綻していたなどの主張が出ることがあります。別居が長期化していた、夫婦としての実態がなかった、などの事情が強いと、不倫相手の責任が否定・限定されることがあります。

妊娠中の不倫では、一般的には「夫婦関係が破綻していた」とまでは言いにくいケースが多いものの、夫側が言い訳として持ち出すことはあります。妊娠中の生活実態(同居、家計、会話、通院の共有など)も、後で争点になり得るため、雑に扱わないほうが安全です。

(3)不倫相手が「既婚者だと知っていた(または知り得た)」か

不倫相手に請求する場合、相手が既婚者だと知っていたか(故意)、少なくとも注意すれば分かったのに気づかなかったか(過失)が問題になります。

たとえば相手が「独身だと聞いていた」「結婚していると知らなかった」と反論することがあります。この点は、交際経緯、休日の過ごし方、連絡の取り方、SNSの状況など、個別事情で判断されます。

あなたにとっては納得できない話かもしれませんが、法律上は「相手の認識」が争点になることがある、という前提は知っておくとよいでしょう。

慰謝料相場は幅がある:妊娠中は「悪質性」が評価されることもある

慰謝料の相場は一律ではありません。一般論としては、50万円〜300万円程度と幅があると言われることが多く、最終的には事情次第です。

妊娠中の不倫では、時期の特殊性から「精神的苦痛が大きい」「配偶者としての配慮に欠ける」と評価され、悪質性が重く見られることもあります。ただし、妊娠中だから必ず高額、という単純な話でもありません。

金額に影響しやすい代表的な要素は次のとおりです。

  • 離婚に至ったかどうか不倫が原因で離婚に至った場合、慰謝料が増額される傾向が出やすいです。一方、夫婦関係を継続する場合は、相対的に低めに落ち着くこともあります。
  • 不倫の期間・回数・態様短期間の一度きりなのか、長期・反復なのか。妊娠中に繰り返していた、出産直前・直後にも続けていたなどは悪質性を指摘されやすいポイントです。
  • 不倫の発覚後の態度開き直り、逆ギレ、証拠隠滅、嘘の上塗りは、あなたの精神的苦痛を深める事情として不利になり得ます。逆に、早期の謝罪・関係解消・再発防止策は、一定の評価要素になります(ただし「謝ったからゼロ」とはなりません)。
  • あなたの受けた影響体調悪化、強い不安・抑うつ、通院への影響、産前産後の生活破綻の危険など、妊娠中は影響が出やすい時期です。あなたの安全と生活が揺らいだことは、整理して伝えられるようにしておくとよいでしょう。

相場や増減要因をより詳しく知りたい場合は、別ページで整理しています。

(参考)不倫慰謝料の相場はいくら?離婚あり/なし・期間別の目安と増減要因

示談(話し合い)で決めるべき条項:慰謝料より「再発防止」が重要になることも

妊娠中の不倫は、単にお金の問題で終わらないことが多いです。あなたが夫婦関係の継続も視野に入れている場合、とくに重要なのは「二度と繰り返さないために何を約束させるか」です。

示談書(合意書)を作るなら、金額だけでなく、次のような条項を検討します。

  • 支払方法・期限一括か分割か、いつまでに、どの口座へ。分割なら遅延時の取り扱いも決めます。
  • 接触禁止(連絡禁止)不倫相手と夫の連絡・面会を禁止する条項を入れます。職場が同じ等の場合は、現実的な距離の取り方を具体化することが重要です。
  • 違約金(ペナルティ)再接触や再発があった場合の違約金を定めることがあります。金額の妥当性や条項設計は慎重に行う必要があります。
  • 口外禁止家族や職場への拡散を防ぐために定めることがあります(ただし、必要な相談・手続まで縛らない設計が大切です)。
  • 求償(肩代わり)の扱い不倫相手に慰謝料を請求した場合、相手が夫に「肩代わり分を請求する(求償)」をしてくる可能性があります。どこまでを想定し、どう整理するかはケースバイケースです。

妊娠中は、合意書の作成や交渉をあなた一人で抱えるのが負担になりやすい時期です。感情面の安全も含めて、第三者(弁護士)を介したほうが落ち着いて進められることがあります。

離婚する場合のポイント:慰謝料だけでなく「財産分与」「養育費」「生活費」をセットで考える

夫の不倫が原因で離婚を考えるとき、気持ちは「慰謝料」に向きがちです。ただ、妊娠中〜産後の生活を守るためには、慰謝料だけでは足りないことも多く、次の論点をセットで整理する必要があります。

(1)財産分与

婚姻中に夫婦で築いた財産(預貯金など)を清算する制度です。妊娠中や産後は働けない期間が出やすいため、手元資金の確保はとても重要になります。財産が何にいくらあるか、把握できる範囲から整理します。

(2)養育費

生まれてくる子どもの生活費です。これはあなたの権利というより、子どもの権利として整理されます。口約束だけだと不払いが起きやすいので、現実的には書面化(必要に応じて公正証書等)を検討します。

(3)婚姻費用(別居中の生活費)

離婚前に別居する場合、収入差があると生活費の負担が問題になります。妊娠中は支出も増えやすく、別居後に生活が破綻しないよう、早めに見通しを立てることが大切です。

(4)有責配偶者の離婚請求

不倫をした側(夫)が「離婚したい」と言い出しても、相手が有責配偶者である以上、あなたが拒否すれば簡単に離婚が成立するわけではありません(例外的な事情がなければ、裁判で直ちに認められにくいのが一般的です)。この点は交渉の力関係にも影響します。

離婚と慰謝料をどういう順番で整理するか、全体像の考え方は次のページでも整理しています。

(参考)慰謝料請求と離婚で後悔しない進め方|判断の順番・全体像・注意点

産後に動くなら「時効」と「証拠保全」を意識する

妊娠中は「今は無理に動けない」という方も多いと思います。その判断自体は、あなたと赤ちゃんを守るうえで合理的です。

ただ、産後に本格的に動くつもりなら、最低限、次の2点は妊娠中から意識しておくと安心です。

(1)時効の管理

慰謝料請求には期限(消滅時効)があり、一般に「損害および加害者を知った時」から3年で時効になる可能性があります。また、行為の時から一定期間(一般に20年)で請求できなくなる枠もあります。妊娠中に無理をしない一方で、先延ばしにしすぎないよう「いつ知ったか」「いつ頃の不倫か」を時系列メモに残しておくと整理がしやすいです。

(2)証拠の保全

産後まで待つ間に、証拠が消えるリスクがあります。だからこそ、妊娠中にできる範囲で「明細の保存」「行動ログの継続」「バックアップ」をしておくことが重要です。あなたが無理をする必要はありませんが、“後で困らない程度の準備”はしておく価値があります。

弁護士に相談するタイミング:妊娠中は「早い=強い」ことが多い

妊娠中の不倫問題は、あなたの心身の負担が大きいぶん、遠回りするほど消耗しやすい傾向があります。弁護士に相談するタイミングとしては、次のどれかに当てはまるなら「早め」をおすすめします。

  • 証拠がどの程度あればいいか分からず、動けない
  • 夫が否認・逆ギレで話し合いにならない
  • 離婚するか修復するか揺れていて、条件整理ができない
  • 相手に請求したいが、相手の素性(職場等)や進め方が分からない
  • 産後に動くつもりだが、期限管理が不安

妊娠中は、あなたが「頑張れば何とかなる」と無理をしてしまいがちです。けれど、この問題はあなた一人で背負う必要はありません。安全と生活を守るために、使える支援を使ってください。


もし妊娠中の不倫で「請求された側」なら(夫・不倫相手の立場)

ここまで「妊娠中に夫の不倫で傷ついた妻」の立場を中心に解説してきましたが、現実には「慰謝料を請求された」「相手の配偶者から連絡が来た」という立場で悩む方もいます。

妊娠中の不倫は、発覚した側の精神的ショックが大きく、感情的な対立が激化しやすいのが特徴です。請求された側が誤った動きをすると、争いが長期化し、結果的に金銭面でも精神面でも傷が深くなりがちです。初動としては、次の点を意識してください。

最初にやるべきこと:関係解消と「火に油を注がない」対応

請求された側が、まずやるべきことは「言い訳の構築」ではありません。最優先は、これ以上被害が広がらない状態を作ることです。
(参考)慰謝料 請求されたら|今すぐやるべき初動対応を弁護士が5分で解説

  • 不倫関係を直ちに解消する連絡・面会を続けるほど、悪質性が高く見られやすく、解決が遠のきます。
  • 証拠隠滅や脅しはしない履歴の削除、相手への口止め、逆ギレや威圧は、トラブルを拡大させやすい典型です。
  • 不用意な発言を避ける「肉体関係はない」と軽く言い切る、相手配偶者を責める、などは火種になります。状況整理をしてから落ち着いて対応するほうが安全です。

妊娠中の不倫は「時期の特殊性」から相手の傷が深くなりやすいので、誠実な態度がないと、示談よりも訴訟に進むリスクも上がります。

減額や早期解決は「交渉設計」と「法的整理」が重要

慰謝料請求は、金額だけでなく、証拠の強さ、不貞の有無、婚姻関係の状況、相手の認識など、複数の論点で整理されます。感情でぶつかり合うほど、話がこじれて長期化しやすいです。

請求された側としては、「いくらなら払う」だけを先に言うのではなく、どの論点が争点で、どこで譲歩し、どこを守るかを整理したうえで交渉するほうが、結果的に早く収束するケースが多いです(参考:慰謝料減額マニュアル)。早期相談は、相手を刺激しない対応にもつながります。


よくある質問

妊娠中でも離婚できますか?

離婚自体は妊娠中でも可能です(協議離婚・調停離婚など)。ただ、妊娠中は体調面・生活面の負担が大きく、「今すぐ離婚手続を進めること」が最善とは限りません。あなたの安全を守りつつ、必要なら別居や準備(証拠・生活設計)を優先し、産後に本格対応する選択も現実的です。

夫が「離婚したい」と言っています。応じないといけませんか?

不倫した側(有責配偶者)からの離婚請求は、一般に裁判で簡単に認められるわけではありません。あなたが納得できないなら、無理に急いで応じる必要はありません。とはいえ、今後の生活の見通し(支援・お金・住まい)も含め、感情だけでなく条件整理をしたうえで判断することが大切です。

証拠が弱いのですが、慰謝料請求できますか?

不貞行為の証明が弱いと、相手に否認されやすく、請求が難航したり、金額が下がったりすることがあります。ただ、証拠は「決定打」だけではありません。行動ログ、明細、やり取り、宿泊を推認できる事情など、積み上げで強くなることも多いです。現時点の材料でどこまで主張できるかは、早めに整理しておくと見通しが立ちます。

不倫相手が「既婚者だと知らなかった」と言っています。請求できませんか?

不倫相手への請求では「既婚者だと知っていた(または注意すれば分かった)」かが争点になることがあります。相手の言い分だけで結論は決まりません。交際経緯や連絡の取り方など、個別事情で判断されます。ここは感情的に詰めるより、事実関係を整理して対応するほうが安全です。

不倫相手に直接連絡してもいいですか?

気持ちとしては連絡したくなると思いますが、妊娠中はとくに、直接連絡でトラブル化しやすい(証拠隠滅、逆上、生活圏への干渉)ため注意が必要です。責任追及をするにしても、事実整理と方針決定を先に行い、順序を誤らないことが重要です。

探偵は使うべきですか?

妊娠中は自力で動くのが危険なため、探偵が選択肢になることはあります。ただ、費用がかかるので、闇雲な調査は避けたほうが安全です。「あなたの目的に対して、どの程度の証拠が必要か」を整理してから検討すると、無駄な出費が減ります。まずは本当に証拠が必要か弁護士に相談することをおすすめします。

産後に動くなら、いつまでに何をすべきですか?

産後に本格対応する場合でも、妊娠中から「いつ知ったか」「どの時期の不倫か」をメモに残し、明細などを保存しておくことが重要です。慰謝料請求には期限(時効)があるため、「落ち着いたら考える」を先延ばしにしすぎないよう、早めに一度スケジュール感だけでも整理しておくと安心です。


まとめ:妊娠中の不倫はショックでも、体調第一で「整理→準備→判断」へ

妊娠中に夫の不倫が疑われる・発覚するのは、心身に大きなダメージを与えます。だからこそ、あなたが一人で抱え込み、無理をして消耗するのではなく、体調を守りながら「何を・どの順で」進めるかを整理することが大切です。

最後に、この記事の要点をまとめます。

  • 妊娠中は「今すぐ結論」より、心身の安全を確保しながら事実確認と準備を優先する
  • 疑い段階では、問い詰める前に行動・お金・スマホ等の変化を記録し、証拠隠滅を招かない動き方をする
  • 慰謝料・離婚は「不貞の有無(証拠)」「相手の認識」「婚姻関係の状況」「離婚するか」で結論が変わる
  • 産後に動く選択も現実的だが、時効と証拠保全のため“最低限の管理”は妊娠中から意識する
  • 不安が大きいときほど、早めに専門家へ相談し、あなたが安心して出産に臨める状態を作る

妊娠中の不倫問題は、「怒り」や「悲しみ」を整理するだけで精一杯になりがちです。でも、本当に守るべきものは、あなたの安全と赤ちゃんの安全、そして産前産後の生活です。あなたが冷静に動けるように、準備と支援を使いながら進めてください。

坂尾陽弁護士

妊娠中はあなたと赤ちゃんが最優先です。無理に一人で抱え込まず、証拠・期限・生活設計を整理しながら進めましょう。

関連記事もあわせて確認すると、次に取るべき行動がより具体的になります。

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