不倫のお金問題|貢がれたお金・デート代・プレゼントは返す?慰謝料への影響

不倫に関するお金の問題では、「交際中に使ったお金を返す必要があるのか」と「慰謝料の金額に影響するのか」が混同されがちです。

たとえば、既婚者からデート代・ホテル代・プレゼント代・生活費などを出してもらっていた場合、別れた後に既婚者本人から「今までのお金を返してほしい」と言われることがあります。また、既婚者の配偶者から「夫婦のお金を使われたのだから返してほしい」「慰謝料も請求する」と言われることもあります。

しかし、不倫中に受け取ったお金やプレゼントを返す必要があるかは、単に金額が大きいかどうかだけでは決まりません。贈与だったのか、貸付だったのか、不倫関係を維持するための給付だったのか、相手の配偶者からどのような請求を受けているのかを分けて整理する必要があります。

この記事では、既婚者からお金を貢がれた不倫相手の立場を中心に、不倫のお金問題を「返還請求」と「慰謝料への影響」に分けて解説します。

  • 不倫で使われるお金には、デート代・ホテル代・プレゼント代・生活費・家賃などがあります。
  • 貢がれたお金が贈与なら、原則として返還義務を負いにくいです。
  • 貸付や立替の証拠がある場合は、返還義務が争点になります。
  • 配偶者からの請求は、返還請求と慰謝料請求を分けて考える必要があります。
  • 多額のお金を貢がれた事情は、慰謝料の算定で問題になることがあります。

坂尾陽弁護士

まずは「誰から、何を、どの根拠で請求されているか」を分けて考えましょう。
(執筆者)弁護士 坂尾陽(Akira Sakao -attorney at law-)

2009年      京都大学法学部卒業
2011年      京都大学法科大学院修了
2011年      司法試験合格
2012年~2016年 森・濱田松本法律事務所所属
2016年~     アイシア法律事務所開業

不倫慰謝料に詳しい坂尾陽弁護士

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不倫のお金問題は「使ったお金」「返還請求」「慰謝料への影響」に分けて考える

不倫のお金問題を考えるときは、最初に論点を分けることが重要です。相手が交際中に使ったお金があるとしても、それがそのまま返還義務や慰謝料額に直結するわけではありません。

よくある混乱は、「お金を受け取ったのだから返さなければならない」「配偶者が怒っているから、貢がれた分も慰謝料として全部払う必要がある」と考えてしまうことです。しかし、法律上は、誰が誰に何を請求しているのかによって検討すべき内容が変わります。

不倫のお金問題は、大きく次の3つに分けて整理できます。

  • 既婚者が不倫に使ったお金の問題
  • 既婚者本人または配偶者からの返還請求の問題
  • 貢がれたお金が慰謝料に影響するかという問題

この3つを混ぜてしまうと、相手の主張に引きずられて、本来は争える部分まで認めてしまうおそれがあります。とくに、既婚者本人から「返せ」と言われているのか、配偶者から「返せ」と言われているのか、配偶者から慰謝料として請求されているのかは、初期段階で必ず分けて確認してください。

この記事でいう「貢がれたお金」とは

この記事でいう「貢がれたお金」とは、現金を受け取った場合だけを指すものではありません。交際中に相手が負担した費用や、あなたのために支払ったお金も含めて問題になることがあります。

たとえば、次のようなものが典型例です。

  • 現金の手渡しや銀行振込
  • 食事代・デート代・ホテル代
  • バッグ・時計・アクセサリーなどのプレゼント
  • 旅行代、交通費、タクシー代
  • 家賃、生活費、光熱費、携帯代
  • クレジットカードや電子決済の利用分
  • マンション購入資金などの高額な資金援助

これらは日常的にはまとめて「貢いだお金」「貢がれたお金」と呼ばれますが、法律上は一つひとつの性質を確認する必要があります。プレゼントとして渡されたものなのか、一時的に立て替えてもらっただけなのか、返す約束があったのかによって結論が変わるからです。

「返還請求」と「慰謝料請求」は別の請求

不倫のお金問題で最も大切なのは、「返還請求」と「慰謝料請求」を分けることです。

返還請求は、相手が「渡したお金や物を返してほしい」と求めるものです。これに対して、慰謝料請求は、不貞行為によって配偶者が受けた精神的苦痛に対する損害賠償を求めるものです。

たとえば、既婚者本人から「交際中に使った100万円を返せ」と言われている場合は、返還請求の問題であり、贈与・貸付・立替・不法原因給付などが論点になります。一方、既婚者の配偶者から「夫婦関係を壊されたうえに、生活費まで使われたので慰謝料を請求する」と言われている場合は、不貞慰謝料の問題が中心になります。

同じ「お金を払ってほしい」という請求でも、法的な根拠は異なります。請求を受けたときは、まず相手の言い分を次のように分解して考えると整理しやすくなります。

  • 既婚者本人からの返還請求:交際中に渡したお金やプレゼントを返せという主張
  • 配偶者からの返還請求:夫婦の家計や財産から流出したお金を返せという主張
  • 配偶者からの慰謝料請求:不貞行為による精神的苦痛の損害賠償を求める主張

以下では、まず不倫にどのようなお金が使われやすいのかを整理したうえで、既婚者本人から返還請求を受けた場合、配偶者から返還請求を受けた場合の順に解説します。

既婚者は不倫にどのようなお金を使うのか

不倫に使われるお金は、交際の内容や期間、当事者の収入、会う頻度によって大きく異なります。月に数万円程度の交際費にとどまることもあれば、生活費や家賃の援助、高額なプレゼント、クレジットカードの利用などにより、総額が大きく膨らむこともあります。

もっとも、法律上重要なのは、「不倫にいくら使うのが普通か」という平均額ではありません。実際にどのような費目に、どのくらいの金額が使われ、そのお金について返済の約束や証拠があるかが重要です。

そのため、請求を受けた側としては、相手の請求額だけを見て驚くのではなく、費目ごとに次の点を確認する必要があります。

  • 誰が支払ったお金なのか
  • いつ、何のために支払われたのか
  • 返す約束があったのか
  • 証拠としてLINE・メール・明細が残っているのか
  • 配偶者が知ったときの慰謝料請求にどう影響するのか

単なるデート代やホテル代であれば、交際中の費用負担として整理されやすい一方で、生活費・家賃・高額プレゼントのように金額が大きく継続的なものは、返還請求や慰謝料請求で強く主張されやすくなります。

デート代・ホテル代・プレゼント代

不倫でよく問題になるのは、食事代、ホテル代、交通費、旅行代、プレゼント代などです。交際中は相手が任意に支払っていたにもかかわらず、関係が悪化した後に「今までのデート代を返せ」「ホテル代を半分払え」「プレゼントを返せ」と請求されることがあります。

このような費用は、通常の交際関係でも一方が負担することがあるものです。そのため、明確な返済約束がなければ、後から当然に返還義務が生じるとは限りません。相手が自分の意思で支払っていた食事代やホテル代、贈与として渡したプレゼントは、原則として「返すべき借金」とは区別して考えられます。

ただし、例外もあります。たとえば、「今日は立て替えるだけ」「後で半分返して」「この時計は一時的に預けるだけ」といったやり取りが残っている場合は、単なる贈与ではなく立替や貸付、所有権の問題として争われる可能性があります。

MEMO

デート代やホテル代は、領収書やカード明細だけでは「貸したお金」だと直ちに分かるわけではありません。返済約束の有無を示すLINE・メール・通話メモなどが重要になります。

生活費・家賃・高額プレゼント・マンション資金

デート代やホテル代よりも慎重に整理すべきなのが、生活費・家賃・高額プレゼント・マンション購入資金のような大きなお金です。これらは、単なる交際費に比べて金額が大きく、配偶者から見た精神的ショックも大きくなりやすいためです。

たとえば、既婚者が不倫相手の家賃を毎月支払っていた、生活費を継続的に渡していた、高額なブランド品や時計を繰り返し購入していた、マンション購入のために資金援助をしていたという場合、別れた後や不倫発覚後に大きな争いになることがあります。

このようなケースでも、返還請求としては、まず贈与なのか貸付なのかを確認する必要があります。相手が自発的に生活費を援助していたのであれば、直ちに借金になるわけではありません。一方で、「いずれ返す」「収入が入ったら返済する」「一時的に貸す」などのやり取りがある場合は、貸付として返還義務が問題になる可能性があります。

さらに、金額が大きい場合は、配偶者からの慰謝料請求にも影響することがあります。貢がれた金額そのものを慰謝料にそのまま足すという考え方ではありませんが、多額のお金を受け取っていた事実が、配偶者の精神的苦痛を強める事情として主張されることがあるためです。

つまり、高額なお金を受け取っていた場合は、「返す必要があるか」という返還請求の問題と、「慰謝料が高くなる事情になるか」という慰謝料請求の問題を分けて検討する必要があります。

既婚者本人から「貢いだお金を返せ」と言われた場合

別れ話や不倫発覚をきっかけに、既婚者本人から「今まで貢いだお金を返せ」「プレゼントを返せ」「デート代やホテル代を払え」と言われることがあります。

この場合、まず確認すべきなのは、そのお金や物が「贈与」だったのか「貸付」だったのかです。相手が好意や交際関係の中で任意に渡したお金・プレゼントであれば、原則として返還義務を負いにくいです。これに対し、返す約束があるお金であれば、貸付として返還義務が問題になります。

また、不倫関係を維持する目的でお金を渡していた場合には、公序良俗違反や不法原因給付の考え方も関係します。専門用語だけを見ると難しく感じるかもしれませんが、要するに「不倫関係の維持という不適切な目的で渡したお金を、渡した側が後から取り戻せるのか」という問題です。

結論としては、相手が任意に渡したお金やプレゼントであれば、請求されたからといってすぐに返還を約束する必要はありません。ただし、貸付の証拠がある場合や、だましてお金を出させたと評価される事情がある場合は、別の結論になる可能性があります。

贈与なら原則として返す必要はない

交際中に「これを使って」「プレゼントだから受け取って」「生活が大変なら援助する」といった形で渡されたお金や物は、贈与として整理されることがあります。

贈与とは、相手に財産を無償で与える契約です。贈与として成立し、すでにお金や物を受け取っている場合、後になって相手の気持ちが変わったからといって、当然に返さなければならないわけではありません。

たとえば、既婚者が自分の意思でデート代を支払っていた、記念日にバッグや時計を贈った、生活費としてお金を渡したという場合、相手から後に「別れたのだから返せ」と言われても、贈与だったといえる事情があれば返還義務は否定されやすくなります。

もっとも、「贈与だった」と主張するためには、当時のやり取りが重要です。LINEやメールで「あげる」「プレゼント」「返さなくていい」といった表現が残っている場合は、贈与だったことを示す材料になります。一方で、「貸す」「返して」「立て替え」といった表現がある場合は、貸付や立替として争われる可能性があります。

貸付なら返還義務が問題になる

相手から受け取ったお金が貸付だった場合は、返還義務が問題になります。貸付とは、簡単にいえば「返す約束でお金を受け取った」場合です。

貸付かどうかを判断するときは、借用書の有無だけでなく、LINE・メール・振込名義・返済履歴・会話の内容なども確認されます。書面がなくても、やり取り全体から返済約束があったと判断されることがあります。

たとえば、次のような事情がある場合は注意が必要です。

  • 借用書や念書がある:金額、返済時期、利息などが書かれている場合は、貸付の証拠になりやすいです。
  • LINEで返済を約束している:「来月返す」「分割で返す」などのメッセージは、返済義務を認めた証拠として使われる可能性があります。
  • 一部返済している:過去に返済した履歴があると、貸付だったと主張されやすくなります。
  • 立替精算のやり取りがある:家賃やホテル代などについて「後で精算する」と合意していた場合は、単なる贈与とは異なります。

このような事情がある場合、「不倫中にもらったお金だから返さなくてよい」と単純には言えません。相手の請求額、返済約束の有無、証拠の内容を確認したうえで、返還義務の有無や金額を検討する必要があります。

不倫関係を維持する目的のお金は不法原因給付が問題になる

既婚者本人からの返還請求では、不法原因給付という考え方が問題になることがあります。

民法上、公序良俗に反する契約は無効とされます。不倫関係を維持する目的で「毎月お金を渡す」「交際を続けるなら生活費を出す」と約束していた場合、その約束自体は公序良俗に反すると評価される可能性があります。

ただし、すでにお金が渡された後に、渡した側が「不倫のために渡したお金だから返せ」と請求できるかは別問題です。不法な目的で給付した者は、原則として返還を求められないという考え方があるためです。

このため、不倫関係を維持する目的で既婚者が自発的にお金を渡していた場合、渡した側からの返還請求は認められにくい方向で整理されます。相手が「不倫関係のための約束は無効だから返せ」と言ってきたとしても、無効だから当然に返す、という単純な結論にはなりません。

MEMO

不法原因給付は、「違法・不当な目的で渡したお金を、渡した側が後から取り戻せるか」という問題です。約束が無効になることと、すでに渡されたお金を返す必要があることは同じではありません。

詐欺・脅迫・美人局的事情がある場合は別

もっとも、どのような場合でも返還請求が認められないわけではありません。受け取った側に特に強い問題がある場合は、例外的に返還義務や損害賠償責任が問題になることがあります。

たとえば、最初からお金を取る目的で交際を装った、独身だと偽らせるような話を作ってお金を出させた、妊娠やトラブルを偽って金銭を要求した、別れ話や家族への暴露を材料にお金を払わせたといった事情がある場合は、単なる「貢がれたお金」とは評価されにくくなります。

また、いわゆる美人局的な事情や、相手の配偶者からお金を引き出すことを共謀していたような事情がある場合も、返還請求や不法行為責任が問題になり得ます。

注意

相手から請求された直後に「返します」と返信すると、後で贈与だったと反論しにくくなることがあります。返還義務を認める前に、贈与・貸付・立替・脅迫的事情の有無を整理してください。

つまり、既婚者本人から「貢いだお金を返せ」と言われた場合は、原則として返還義務を負いにくいケースが多い一方で、貸付の証拠や不当な金銭要求の事情がある場合には慎重な検討が必要です。

配偶者から「夫婦のお金を返せ」と言われた場合

不倫が発覚すると、既婚者本人ではなく、その配偶者から「夫婦のお金を使われたのだから返してほしい」「家計から出たプレゼント代や生活費を返してほしい」と請求されることがあります。

この場合も、まずは「返還請求」と「慰謝料請求」を分けて考える必要があります。配偶者が強い怒りを感じているとしても、家計からお金が出ていたというだけで、不倫相手に対して当然に全額返還請求できるとは限りません。

夫婦の内部では、既婚者が家計や夫婦財産を不倫に使ったことが問題になることがあります。しかし、その問題は本来、夫婦間の財産管理、離婚時の財産分与、既婚者本人への責任追及などとして整理されることもあります。第三者である不倫相手に対し、どの法律構成で返還を求めるのかは、別途検討が必要です。

したがって、配偶者から「夫婦のお金を返せ」と言われたときも、相手の怒りや請求額だけで判断せず、法的な根拠と請求の中身を確認することが重要です。

家計から出たお金でも直ちに不倫相手への返還請求になるとは限らない

配偶者からの返還請求でよくある主張は、「夫婦の共有財産を勝手に使われた」「生活費を不倫相手に流された」「家族のためのお金を奪われた」というものです。

感情的には理解しやすい主張ですが、法律上は、家計から出たお金であることと、不倫相手に返還義務があることは同じではありません。既婚者が自分の判断でお金を渡した場合、その支出を誰にどのように請求できるのかは、贈与、不当利得、不法行為、夫婦間の清算などを分けて検討する必要があります。

たとえば、既婚者が自分の収入や管理している口座から不倫相手にプレゼントを贈った場合、配偶者が「そのプレゼント代を私に返せ」と直接請求できるかは簡単ではありません。少なくとも、「配偶者が怒っている」「家計から出た可能性がある」というだけで、直ちに不倫相手の返還義務が確定するわけではありません。

一方で、不倫相手が既婚者と共謀して配偶者の預金を引き出した、配偶者名義のカードを不正に使った、家庭のお金をだまし取るような計画に関与したといった事情がある場合は、話が変わります。このような場合は、単なる贈与や交際費ではなく、配偶者に対する不法行為や不当利得として問題になる可能性があります。

配偶者から返還請求を受けた場合は、次の点を確認してください。

  • 請求しているのは既婚者本人か、配偶者か
  • 請求の名目は返還請求か、慰謝料請求か
  • 対象のお金は現金、プレゼント、生活費、家賃のどれか
  • 夫婦財産から出たことを示す証拠があるのか
  • 不倫相手が家庭のお金を流出させることに関与したといえるのか

この整理をせずに「配偶者から言われたから返す」と決めてしまうと、本来は返還義務がない部分まで支払ってしまうおそれがあります。

配偶者からの本命は慰謝料請求になりやすい

配偶者から請求を受ける場合、実務上は「貢がれたお金の返還」そのものよりも、不貞行為による慰謝料請求が中心になりやすいです。

なぜなら、配偶者は、不倫相手に対して「お金を返せ」と主張するよりも、「不貞行為によって精神的苦痛を受けた」として慰謝料を請求する方が、法的に整理しやすい場面が多いからです。

もっとも、貢がれたお金の事情がまったく無関係になるわけではありません。配偶者は、慰謝料請求の中で「高額なプレゼントや生活費援助があった」「家庭のお金が不倫相手に使われていた」「その事実を知って精神的苦痛が大きくなった」と主張することがあります。

この場合、請求の中心は「貢がれた金額をそのまま返せ」ではなく、「そのような事情も含めて慰謝料を高く評価してほしい」という主張になります。つまり、貢がれたお金は、返還請求としてではなく、慰謝料の増額方向の事情として問題になることがあるのです。

配偶者から慰謝料請求を受けた場合の初動全体は、不倫慰謝料を請求されたらまず読むで整理しています。このページでは、貢がれたお金・デート代・プレゼント・生活費などが返還請求や慰謝料にどう影響するかに絞って考えます。

したがって、配偶者から「夫婦のお金を返せ」「慰謝料も払え」と言われた場合は、返還請求として争う部分と、慰謝料請求として争う部分を分けることが重要です。そこで重要になるのが、貢がれたお金が慰謝料の算定でどのように扱われるかです。

貢がれたお金は慰謝料の増額事情になるのか

不倫でお金を貢がれた場合、配偶者から「そんなにお金を使わせたのだから、慰謝料も高くなるはずだ」と主張されることがあります。特に、高額なプレゼント、家賃や生活費の援助、クレジットカード利用、マンション購入資金の援助などがあると、配偶者側の怒りは強くなりやすいです。

もっとも、貢がれた金額そのものが、当然に慰謝料へそのまま上乗せされるわけではありません。不貞慰謝料は、基本的には不倫によって配偶者が受けた精神的苦痛を金銭で評価するものです。既婚者が不倫相手に使ったお金によって家計や夫婦財産が減ったとしても、その経済的不利益をどのように扱うかは、返還請求、夫婦間の清算、離婚時の財産分与などとも関係します。

そのため、本ページでは慰謝料相場全体を詳しく解説するのではなく、「貢がれたお金」という事情が慰謝料の算定でどのように扱われるかに絞って説明します。不倫慰謝料の相場や一般的な増減要素を確認したい場合は、不倫慰謝料の相場もあわせて確認してください。

金額そのものを慰謝料にそのまま上乗せするわけではない

まず重要なのは、「貢がれた金額」と「慰謝料額」は別のものだという点です。たとえば、既婚者が不倫相手に300万円分のプレゼントを贈ったとしても、それだけで不倫相手が配偶者に対して「慰謝料300万円を追加で支払う」と決まるわけではありません。

配偶者から見ると、家庭のお金が不倫相手に使われたことは強い精神的ショックにつながります。しかし、法律上は、既婚者が自分の判断でお金を使った部分と、不倫相手が配偶者に対して負う慰謝料責任を分けて考える必要があります。

特に、不倫相手が受け取ったお金について、既婚者本人から返還請求を受けているのか、配偶者から慰謝料請求を受けているのかは別問題です。返還請求であれば、贈与、貸付、立替、不法原因給付などが問題になります。一方、慰謝料請求であれば、不貞行為の内容、婚姻関係への影響、配偶者の精神的苦痛、発覚後の経過などが問題になります。

MEMO

貢がれた金額が高額でも、「受け取った金額=慰謝料の上乗せ額」ではありません。争点になるのは、その支出を不倫相手がどの程度認識し、配偶者の精神的苦痛をどの程度強めたといえるかです。

したがって、請求された側は、「相手が使った金額が大きいから全部払わなければならない」と考える必要はありません。もっとも、高額な支出が慰謝料算定で一切考慮されないとも言い切れません。次に見るように、貢がれたお金は、配偶者の精神的苦痛を強める事情として問題になることがあります。

増額方向に考慮されやすい事情

貢がれたお金が慰謝料の増額方向で問題になりやすいのは、単に「何かをもらった」という程度を超えて、配偶者の精神的苦痛を強める事情がある場合です。

たとえば、次のような事情があると、配偶者側は「通常の不倫よりも苦痛が大きい」と主張しやすくなります。

  • 金額が多額である:数万円のプレゼントではなく、ブランド品、時計、家賃、生活費、マンション資金など高額な支出がある場合です。
  • 支出が継続している:一度だけの支払いではなく、毎月の生活費、カード利用、旅行代、ホテル代などが長期間続いている場合です。
  • 不倫相手が多額支出を認識していた:既婚者が家庭のある人だと知りながら、高額な支出を受け続けていた場合です。
  • 家庭生活への影響が大きい:生活費が不足した、借金が増えた、家族のためのお金が不倫に使われたなどの事情がある場合です。
  • 配偶者の精神的苦痛が具体的に大きくなった:発覚後に通院した、別居に至った、同居計画を知って大きな衝撃を受けたなどの事情がある場合です。

このような事情がある場合でも、裁判所が機械的に「貢がれた金額の何割を慰謝料に足す」と計算するわけではありません。あくまで、不貞行為全体の悪質性や配偶者の精神的苦痛を判断する一事情として考慮される、という位置づけです。

反対に、支出が一般的なデート代や食事代にとどまる場合、既婚者が自発的に支払っていた場合、不倫相手が家庭のお金を使わせている認識を持ちにくかった場合などは、慰謝料増額の根拠としては弱くなることがあります。

裁判例で見える判断の傾向

裁判例でも、貢がれたお金が問題になったケースがあります。ただし、その読み方には注意が必要です。裁判例は、貢がれた金額をそのまま不倫慰謝料に加算するというよりも、多額支出を知った配偶者の精神的苦痛を強める事情として扱う傾向があります。

たとえば、東京地裁平成21年6月10日判決では、不倫相手に対するブランド品や高級時計の贈与、高級ホテル宿泊代、口座振込、クレジットカード利用などが問題になりました。裁判所は、交際期間中の支出が総額1000万円程度に及ぶことを認定しつつ、その経済的不利益そのものが直ちに不貞行為による慰謝料の損害になるとはしませんでした。

一方で、同判決は、不倫相手が多額の支出を認識しながら交際を続けたことにより、配偶者がさらなる精神的苦痛を受けた点を慰謝料算定の一事情として考慮しています。結論としては、慰謝料200万円と弁護士費用20万円が認められました。

また、東京地裁平成28年12月22日判決では、不倫相手がマンションを購入する際に夫から資金援助を受けていたことを、配偶者が知って強い衝撃を受けた事情が問題になりました。この判決でも、資金援助それ自体を独立の損害として単純に上乗せしたというより、配偶者の衝撃やストレスを基礎づける事情の一つとして整理するのが自然です。結論として、慰謝料180万円が認められています。

このような裁判例からは、次の傾向が読み取れます。

  • 貢がれた金額そのものを慰謝料に単純加算するわけではない
  • 多額・継続的な支出は、精神的苦痛を強める事情になり得る
  • 不倫相手が多額支出を認識していたかが重要になる
  • 配偶者がその事実を知った後の衝撃・通院・別居なども問題になる

不倫慰謝料の裁判例全体を確認したい場合は、不倫慰謝料の判例一覧も参考になります。本ページでは、裁判例の中でも「貢がれたお金が慰謝料にどう影響するか」という点に絞って整理しています。

請求された側が確認すべき反論ポイント

不倫相手の立場で、配偶者から「多額のお金を貢がれていたのだから慰謝料を高く払え」と言われた場合、まずは請求額と根拠を分けて確認する必要があります。

反論として検討しやすいポイントは、次のとおりです。

  • 金額の認識がなかった:相手が家庭のお金を使っていたこと、借金をしていたこと、支出が多額に及んでいたことを知らなかった場合です。
  • 相手が自発的に支払っていた:不倫相手が要求したのではなく、既婚者本人が自分の判断でデート代やプレゼント代を支払っていた場合です。
  • 支出の証拠が不十分である:請求額が概算にすぎない、領収書や明細がない、何に使ったお金か分からない場合です。
  • 不貞行為との関係が薄い:生活費や贈与と不倫関係の維持との結びつきが弱い、または不倫相手が受け取ったとはいえない場合です。
  • 慰謝料総額が過大である:相場や他の増減事情と比べて、請求額が高すぎる場合です。

特に、相手方が「貢いだ金額」「慰謝料」「迷惑料」「示談金」をまとめて請求している場合、何の名目でいくら請求されているのかが不明確になりがちです。請求額が高すぎると感じる場合は、不倫慰謝料の請求額が高すぎると思った場合の考え方も確認しておくと、反論の整理がしやすくなります。

請求された側としては、貢がれたお金があること自体を隠すよりも、金額、経緯、認識、相手の自発性、配偶者の精神的苦痛との関係を整理することが重要です。これにより、返還義務の有無と慰謝料額の妥当性を分けて検討できます。

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返還請求・慰謝料請求を受けたときの初動

既婚者本人や配偶者からお金の返還請求・慰謝料請求を受けたときは、最初の対応が重要です。請求された直後は、驚きや不安から、相手の言う金額をそのまま受け入れたり、とにかく謝って早く終わらせようとしたりしがちです。

しかし、返還請求と慰謝料請求は、根拠も反論方法も異なります。感情的なやり取りの中で返還義務や慰謝料額を認める発言をしてしまうと、後から争いにくくなることがあります。

まずは、請求の種類、相手の立場、対象のお金、証拠の有無を整理し、支払うべきものと争うべきものを分けることが大切です。

まず「誰から何を請求されているか」を分ける

最初に確認すべきなのは、誰が、何を、どの根拠で請求しているのかです。請求している人が既婚者本人なのか、配偶者なのかによって、検討すべき法律関係が変わります。

大きく分けると、次のようなパターンがあります。

  • 既婚者本人から、貢いだお金やプレゼント代の返還を求められている
  • 配偶者から、夫婦のお金を使われたとして返還を求められている
  • 配偶者から、不貞行為の慰謝料を請求されている
  • 配偶者から、返還請求と慰謝料請求をまとめて請求されている
  • 既婚者本人と配偶者の双方から、別々に連絡が来ている

既婚者本人からの請求であれば、まず贈与だったのか、貸付だったのか、不法原因給付にあたるのかを検討します。配偶者からの請求であれば、配偶者がどの権利に基づいて返還を求めているのか、慰謝料請求として整理すべきなのかを確認します。

請求書やLINEに「返せ」「払え」としか書かれていない場合でも、こちらから見ると、法的には返還請求なのか慰謝料請求なのかが分からないことがあります。その場合は、安易に支払う前に、請求の名目と根拠を明確にする必要があります。

証拠として整理すべきもの

次に、やり取りや支払いの証拠を整理します。証拠は、相手の請求を否定するためだけでなく、贈与だったのか貸付だったのか、慰謝料額が妥当かを判断するためにも重要です。

特に、次の資料は早めに確認しておきましょう。

  • お金の動きが分かる資料:銀行の振込履歴、現金受領のメモ、カード明細、領収書、電子マネーや送金アプリの履歴などです。
  • 贈与か貸付かを示すやり取り:「あげる」「返さなくていい」「貸す」「返してほしい」などのLINE、メール、メッセージが重要です。
  • プレゼントの経緯:誕生日、交際記念日、旅行、別れ話、手切れ金的な支払いなど、なぜ渡されたのかを示す事情です。
  • 不倫関係の経過:交際開始時期、既婚者だと知った時期、不貞行為の有無、別れた時期、配偶者に発覚した時期などです。
  • 請求を受けた資料:内容証明、通知書、LINE、メール、録音、相手から提示された明細や計算書などです。

請求された側にとって不利に見える資料でも、勝手に削除しない方が安全です。やり取りの一部だけを消すと、後で経緯が説明しにくくなることがあります。証拠の扱いについては、不倫の証拠はどこまで使えるかも参考になります。

また、相手から内容証明や通知書が届いている場合は、期限が書かれていることがあります。期限があるからといって、相手の主張をそのまま認める必要はありませんが、放置すると次の手続きに進まれることがあります。返事の作り方は、内容証明の回答書の書き方で整理しています。

やってはいけない対応

請求を受けた直後に避けるべき対応もあります。特に、相手が感情的になっている場面では、その場しのぎの発言が後で不利な証拠になることがあります。

注意

相手から強く言われているときほど、返還義務や慰謝料額をその場で認めないでください。「全部返します」「いくらでも払います」といった発言は、後で争いにくくなることがあります。

具体的には、次のような対応は避けるべきです。

  • 請求額をそのまま認める:相手の計算が正しいか、返還義務があるか、慰謝料として妥当かを確認しないまま認めるのは危険です。
  • 動揺して直接会う:配偶者や既婚者本人と直接会うと、録音、誓約書への署名、追加請求、職場や家族への連絡などにつながることがあります。
  • LINEで不用意に認める:「借りた」「だましていた」「家庭のお金だと知っていた」などの表現は、後で重要な証拠として使われることがあります。
  • 示談書にすぐ署名する:清算範囲、求償権、接触禁止、口外禁止、違約金などを確認しないまま署名すると、別のトラブルが残ることがあります。
  • 相手を刺激する投稿や連絡をする:SNS投稿、職場への連絡、家族を巻き込む発言は、名誉毀損やプライバシー侵害など別の争いにつながることがあります。

もちろん、不倫があった場合に謝罪の姿勢を示すこと自体が常に悪いわけではありません。しかし、謝罪と法的責任の承認は別です。謝罪文や返信文を作る場合でも、返還義務、慰謝料額、具体的な支払約束まで不用意に書かないよう注意しましょう。

示談する場合は清算条項・接触禁止・口外禁止にも注意

返還請求や慰謝料請求を示談で解決する場合は、単に支払金額だけを決めればよいわけではありません。特に、不倫に関するお金の問題では、貢がれたお金の返還と慰謝料が混ざりやすいため、何を清算するのかを明確にする必要があります。

示談書で確認すべき主なポイントは、次のとおりです。

  • 清算の範囲:慰謝料だけを清算するのか、貢がれたお金やプレゼントの返還請求も含めて清算するのかを明確にします。
  • 支払名目:返還金、慰謝料、解決金、示談金など、支払いの名目を整理します。
  • 追加請求の禁止:示談後に、同じ不倫関係や同じお金の問題について追加請求されないようにします。
  • 接触禁止:既婚者本人との連絡・面会を禁止する条項が入ることがあります。
  • 口外禁止:家族、職場、SNSなどへ不倫や示談内容を広げない条項が問題になります。
  • 求償権の扱い:不倫相手が慰謝料を支払った後、既婚者本人に負担を求められるかを確認します。

とくに、「これで終わりにする」と思って支払ったのに、後から「プレゼント代は別」「生活費は別」「慰謝料は別」と追加請求されると、紛争が長引きます。そのため、示談書には清算条項を入れ、どこまでを解決対象にするのかを具体的に書くことが重要です。

不倫の示談書では、金額だけでなく、清算条項、接触禁止、口外禁止、違約金、求償権なども確認する必要があります。具体的な示談書の作り方は、不倫の示談書で詳しく整理しています。口外禁止条項が入る場合は、口外禁止条項の範囲や違反時のリスクも確認しておくとよいでしょう。

返還請求と慰謝料請求を受けた場合は、相手の請求を一つの感情的な要求として受け止めるのではなく、法的な名目ごとに分けて整理することが大切です。請求の種類、証拠、金額、示談条件を順番に確認すれば、必要以上に高額な支払いを避けられる可能性があります。

よくある質問

不倫のお金問題では、同じように「もらった」「出してもらった」と見えるお金でも、法律上の扱いが変わることがあります。ここでは、貢がれたお金・デート代・プレゼント・生活費などについて、請求された側が特に迷いやすい点を整理します。

不倫相手からもらったプレゼントは返す必要がありますか

相手が「あげる」と言って渡したプレゼントであれば、原則として贈与として扱われ、後から返還する義務は負いにくいと考えられます。時計、バッグ、アクセサリー、家電などの物であっても、基本的な考え方は同じです。

もっとも、「一時的に預けただけ」「別れたら返す約束だった」「代金を立て替えただけ」といった事情がある場合は、単なるプレゼントではないと主張されることがあります。高額な物を受け取った場合は、渡された経緯、相手の発言、LINEやメールの内容、領収書やカード明細を確認しておくことが大切です。

デート代やホテル代を後から請求されたら払う必要がありますか

通常のデート代、食事代、ホテル代、交通費などは、交際中に相手が自分の意思で負担した交際費として扱われやすく、後からまとめて返還請求されても、直ちに支払義務があるとは限りません。

ただし、毎回「後で半分返してほしい」と言われていた、立替精算の約束があった、旅行代金などを明確に貸してもらった、といった事情がある場合は別です。単に「不倫だったから返さなくてよい」と考えるのではなく、請求されているお金が交際費なのか、立替金なのか、貸付なのかを分けて確認する必要があります。

生活費や家賃を出してもらっていた場合は危険ですか

生活費、家賃、引越し費用、クレジットカード利用額などを継続的に出してもらっていた場合でも、それだけで必ず返還義務が発生するわけではありません。相手が好意や関係維持のために自発的に支払っていたのであれば、贈与や不倫関係に関連する給付として整理される余地があります。

一方で、金額が大きく、支払いが長期間続いている場合は、貸付だったのか、だまして支払わせたのか、配偶者の精神的苦痛を強める事情になるのかが争われやすくなります。特に、家計から出ていたお金であることを知っていた、相手が家庭に戻る意思がないと説明していた、将来の同居や離婚を前提に援助を受けていた、といった事情がある場合は慎重な整理が必要です。

クレジットカードを渡されて使っていた場合はどうなりますか

相手からクレジットカードを渡され、利用を許されていた場合でも、合意された範囲内の利用だったのか、無断利用や過大利用だったのかで見方が変わります。たとえば、相手が明細を把握しながら利用を許していた場合と、使途や金額を隠して利用していた場合では、反論のしやすさが異なります。

カード利用が問題になったときは、利用日時、店舗、金額、相手が承諾していた経緯、カードを渡された時期を整理します。無断で使ったと評価される余地がある場合は、返還請求だけでなく、別のトラブルに発展することもあるため、感情的なやり取りで説明を重ねるのは避けた方が安全です。

貢がれたお金を返さないと慰謝料が高くなりますか

貢がれたお金を返さないこと自体が、機械的に慰謝料の増額理由になるわけではありません。慰謝料は、不貞行為によって配偶者が受けた精神的苦痛を中心に判断されるものであり、「受け取った金額をそのまま慰謝料に足す」という整理は基本的にはしません。

ただし、多額のプレゼントや生活費援助を受けていたことを不倫相手が認識しながら交際を続け、配偶者がその事実を知って大きなショックを受けた場合には、慰謝料算定の一事情として考慮される可能性があります。重要なのは、返すか返さないかだけではなく、金額、期間、認識、夫婦関係への影響を総合的に見ることです。

相手が借金して貢いでいた場合、自分も借金を負いますか

相手が借金をしてまでお金を出していたとしても、あなた自身が借主や保証人になっていない限り、相手の借金そのものを当然に負担するわけではありません。相手が自分の判断で借り入れをして、あなたに現金やプレゼントを渡していた場合、貸金業者やカード会社に対する返済義務は基本的に相手本人の問題です。

もっとも、あなたが借金をさせる目的で虚偽の説明をした、返す約束があるように装った、脅して支払わせた、といった事情がある場合は、返還請求や損害賠償請求のリスクが高まります。また、相手の借金や家計悪化を知りながら高額な支出を受け続けた事情は、配偶者側の慰謝料請求で問題にされることがあります。

配偶者から「家計のお金を返せ」と言われたらどう対応すればよいですか

まず、配偶者が何を請求しているのかを確認します。配偶者が「夫婦のお金を返してほしい」と言っている場合でも、実際には返還請求なのか、不貞慰謝料の請求なのか、両方を合わせた感情的な請求なのかがはっきりしないことがあります。

対応としては、請求額の内訳、根拠となる明細、請求の名目、支払期限、示談書の有無を確認します。その場で「全部返します」と約束したり、相手の配偶者と直接会って話し合ったりすると、返還義務や不貞関係を広く認めたように扱われるリスクがあります。書面やメッセージを保存し、返還請求と慰謝料請求を分けて検討することが重要です。

まとめ

不倫に関するお金の問題では、「相手が使ったお金を返す必要があるか」と「慰謝料の金額に影響するか」を分けて考えることが重要です。貢がれたお金やプレゼントがあると感情的な対立になりやすいですが、法的には請求の名目と証拠を一つずつ確認する必要があります。

  • 不倫で貢がれたお金・プレゼントは、贈与なら原則として返還義務を負いにくいです。
  • 借用書、返済約束、立替精算の合意がある場合は、貸付や立替金として返還義務が問題になります。
  • 不倫関係を維持するためのお金は、不法原因給付として返還請求が制限される余地があります。
  • 多額の贈与や生活費援助は、金額そのものではなく、配偶者の精神的苦痛を強める事情として慰謝料算定に影響することがあります。
  • 請求を受けたときは、誰から何を請求されているのか、請求額の根拠、証拠、示談条件を分けて整理することが大切です。

特に、既婚者本人から「貢いだお金を返せ」と言われているのか、配偶者から慰謝料を請求されているのかによって、反論の方向性は変わります。返還義務を安易に認める発言や、相手方との感情的な直接交渉は、後の示談交渉で不利に使われることがあります。

請求書、LINE、振込履歴、カード明細、プレゼントの経緯などを整理し、返還請求として争う部分と、慰謝料請求として対応する部分を切り分けて検討しましょう。

坂尾陽弁護士

お金を受け取った経緯と請求の名目を分けて整理すると、過大な支払いを避けやすくなります。

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