- ダブル不倫で慰謝料を請求されたがどう対応するべき?
- 自分の家族にW不倫がバレるのは絶対に避けたい
- ダブル不倫だと慰謝料ゼロで和解ができるって本当?
こんな疑問や悩みはありませんか?
ダブル不倫で相手の配偶者から慰謝料を請求された場合、どう対処すればいいのか分からない方は少なくありません。既婚者同士の不倫は、通常の不倫(片方が独身)よりも複雑でリスクが高いと言われます。なぜなら、以下のような事情が絡み合いやすいからです。
- 双方の夫婦が関係者となるため、請求が「二方向」で同時に発生する可能性
- 誰の配偶者が不倫に気づいたか、離婚を検討しているかどうかなどで金額が大きく左右される
- 自分の家族や職場にバレずに解決したいが、相手が感情的になり暴露をほのめかすケースも少なくない
こうした理由から、ダブル不倫の慰謝料請求は単なる浮気以上に複雑なトラブルになりがちです。本記事では、**「ダブル不倫で慰謝料を請求された側」**に焦点を当て、以下のポイントを解説していきます。
- なぜダブル不倫だと請求が複雑になるのか?
- W不倫の慰謝料相場や増減要因は?
- 実際に慰謝料を請求されたら、まず何をすべきか?
- 家族バレや職場への影響を避けるための交渉術とは?
ダブル不倫で慰謝料を請求された場合、家族や職場にバレないためには早期に対処することが最重要です。すぐに対応に動けるように、この記事でダブル不倫で慰謝料請求された場合のポイント・注意点を理解しましょう!
2009年 京都大学法学部卒業
2011年 京都大学法科大学院修了
2011年 司法試験合格
2012年~2016年 森・濱田松本法律事務所所属
2016年~ アイシア法律事務所開業
Contents
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- 全国どこでも対応いたします
ダブル不倫で慰謝料を請求される構造とは?
ダブル不倫とは、既婚者同士が不貞行為(肉体関係を伴う浮気)を行う形態の不倫です。通常の不倫(既婚×独身)と比べると、「お互いの夫婦が関係者」になり得るため、慰謝料請求が二重に発生するリスクが高まります。ここでは、ダブル不倫の慰謝料請求がどう構造化するのか、その概略を押さえましょう。
「ダブル不倫=どちらも既婚者」という点がポイント。被害を受けた配偶者もそれぞれ2人いるので、通常より複雑化しやすいのです。
ダブル不倫で慰謝料請求された場合の特徴
- 相手の夫婦にも自分の夫婦にも影響が出る
→ 例えば、Aさん(既婚)とBさん(既婚)が不倫関係にあり、それをAさんの配偶者Cが知ったとします。CはBに慰謝料を請求できるだけでなく、Aに対しても離婚や慰謝料請求を検討するかもしれません。一方、Bさんの配偶者Dが不倫に気づけば、Aにも請求が飛んでくる恐れが…。このように「二方向同時請求」や「自分の配偶者にも責任を負うリスク」が発生します。 - 誰に不倫がバレているか、離婚の有無が鍵
→ 誰に不倫がバレているかや、不倫の結果「片方または両方の夫婦が離婚するかどうか」で慰謝料の規模や話し合いが大きく変わります。離婚につながれば、一般的に高額な請求が認められやすいです。 - 四者和解といった独特の解決方法
→「互いの慰謝料請求を相殺的にまとめる四者和解」など、ダブル不倫特有の方法が検討されることもあります。
2方向請求・求償権のややこしさ
ダブル不倫の構造を理解するには、「共同不法行為」という民法上の概念が鍵となります。不倫をした当事者2人が同時に被害者(配偶者)に損害を与えているとされるとき、2人は連帯して責任を負います。これが「共同不法行為」の考え方です。
- 一方が全額を支払った場合、他方に対して「求償権」を行使できる場合がある
- しかし実務上は、わざわざ求償権を訴訟で争う例は多くない(費用倒れや感情対立が激化するため
たとえば、不倫期間が1年ほどあり、被害者(相手配偶者)に300万円の慰謝料を請求されているケースで、実際に300万円をあなたが一括で支払ったとします。理屈としては「不倫相手(もう一人の加害者)も同様の責任があるのに、自分が全額払ったのは不当!」と求償できるかもしれません。ところが、不倫相手がすんなり応じる保証はなく、トラブルが再燃しやすいのです。
求償権は理論上は存在しますが、交渉カードとして使われるにとどまるケースが多いかもしれません。「あなたにも責任があるのだから、私だけに請求されるのはおかしい」という形で相手を交渉に引き込む場面などで役立ちます。
ダブル不倫の慰謝料相場・増減要因
実際にダブル不倫で「慰謝料を請求された」場合、どれくらいの金額が相場になるのでしょうか。結論から言うと、「2倍」や「単純に高くなる」わけではなく、普通の不倫と同様に「不倫期間」「被害者夫婦の婚姻関係」「離婚の有無」などで判断されます。
一般的な不倫慰謝料の相場・増減事由の解説記事も参考にしてください。ここでは、ダブル不倫固有の事情も踏まえて、幾つかの増減要因を押さえておきましょう。
増額事由・減額事由
増額しやすいケース
- 離婚に至った:不倫を原因に被害者夫婦が破綻し離婚する場合は高額化しやすい。
- 不倫期間が長い/回数が多い:精神的苦痛が大きいと判断される。
- 積極的・悪質な誘い:脅迫や強制的な要素は増額方向
- 再発・発覚後も関係を続けた:謝罪の意志がないとみなされる。
減額が認められやすいケース
- 夫婦関係がもともと破綻していた:円満な婚姻生活が侵害された度合いが小さい
- 不倫期間が短い/1回だけ:請求額が相場を大きく超えるなら減額余地
- 相手側も落ち度がある:ダブル不倫で相手の配偶者にも別の非があるなど
- 協力したい気持ちを示しつつ、適切に弁護士が交渉:和解をスムーズにする姿勢
具体的な相場のイメージ
不倫そのものの慰謝料相場は「数十万~300万円程度」と言われることが多いですが、下記のような基準が目安です。
- 離婚に至らなかった短期不倫:50~100万円前後
- 長期間の不倫だが離婚していない:100~150万円程度
- 不倫が直接的原因で離婚した:200~300万円程度が多い
ダブル不倫の場合でも、基本的には同様。ただし、**「両方の夫婦が離婚する」「相互に請求する」**など複合要因で変動します。結果的に2方向から請求されれば「合計で300万円+200万円」といった多額になり得ますので、慎重に対応しなければなりません。詳しくは「ダブル不倫 慰謝料」の解説記事をご覧ください。
ダブル不倫で慰謝料請求されたら…今すぐすべき3つのこと
既にダブル不倫の被害者(相手の配偶者)から「慰謝料○○万円を支払え」という通知が届いているなら、時間を無駄にしてはいけません。下記3つの行動を優先的に行うことで、家族バレを防ぐ・減額の余地を確保する・スムーズに和解する確率が高くなります。
- 事実関係の把握と証拠整理
- 減額・分割の可能性を検討(法的根拠を確認)
- 弁護士へ早めに相談し、家族バレ・職場バレを抑止
それぞれ順に見ていきましょう。
ダブル不倫は加害者が2人いる形です。相手の不倫当事者と共同でやりとりすべきこともありますが、トラブルが拡大しないように、まずは自分の側の対応を整えるのが大事です。
事実関係の把握と証拠整理:どのようなダブル不倫で慰謝料を請求されたか
「いつからいつまで、何回くらい不倫をしていたか?」「相手の配偶者がどの程度の証拠を握っているか?」を冷静に整理しましょう。ダブル不倫の証拠があいまいなまま何十万~何百万円もの慰謝料を請求された場合、減額・拒否の主張ができるかもしれません。
- 「不倫期間」はどうだったか?
→ 短期なら慰謝料はそこまで高くないはず - 「相手の夫婦は離婚を考えているか?」
→ 離婚するなら高額化が想定される - 「自分の配偶者は知っているか?」
→ バレていないなら、W不倫が家族にバレないような対応が必要
請求された慰謝料の減額・分割の可能性を検討
相手の主張額が相場とかけ離れていたり、婚姻関係が破綻していたり、あなたが積極的に不倫を誘ったわけではなかったりするなら、減額交渉に応じてもらえるかもしれません(詳しくは「慰謝料減額マニュアル」をご覧ください。)。あるいは、資力が乏しいなら分割払いで合意を目指す余地があります(「不倫慰謝料が払えない場合の対応策」の解説記事もご覧ください。)。
「一切払わない」と突っぱねるだけではリスクが大きいです。相手が感情的になって家族や職場へ暴露する恐れもあるため、法的根拠を示しながら冷静に交渉しましょう。
求償権や相手配偶者の落ち度を主張できるかどうかも検討します。ただし、感情を逆なでする恐れがあるため慎重に扱う必要があります。
ダブル不倫の家族バレ・職場バレを抑止
ダブル不倫は通常の不倫以上に「バレたときのダメージ」が大きく、相手の配偶者も感情的になりやすいため、こじれると職場や家族に広められる最悪の事態が起こりかねません。
とくに、自分の配偶者に不倫慰謝料を請求されたことがバレていない場合、早めに弁護士を通すことで家族バレを防げます。
- 弁護士が介入すれば不倫被害者が感情的な行動を起こさないように警告できる
- 弁護士を代理人にすれば、自宅に郵便が届かないようにするなど家族バレを防ぐノウハウがある
- 「減額や分割の相場」「四者和解などの独特な方法」にも精通している
- 万が一、訴訟により慰謝料を請求された場合もスピーディに対応
「弁護士費用がもったいない」と思うかもしれませんが、不倫慰謝料は数十万~数百万円の金額が動く大きな問題です。減額に成功すれば費用を差し引いてもプラスになることが多く、精神的負担の軽減も大きなメリットです。
ダブル不倫のケース別:家族バレ・離婚有無で異なる対応策
ダブル不倫で慰謝料を請求された場合、実は「自分の配偶者にバレているかどうか」や「離婚問題に発展するかどうか」によって、具体的な対応策や交渉の着眼点が大きく変わります。この章では、その理由や個別状況に応じたポイントをまとめます。
なぜなら、ダブル不倫では関係当事者が最大4人(あなたの夫婦+不倫相手の夫婦)存在するため、誰にバレているか、離婚を検討しているのはどちらの夫婦かによって、請求金額や示談条件、さらには「四者和解」の可否まで変わってくるからです。
以下、「(1) 自分の配偶者にバレているか否か」「(2) 自分や相手の夫婦が離婚するか否か」という2軸で、考えられるパターンと主な対応策を順に解説します。
なお、実際のケースでは「自分はバレていないつもりでも自分の配偶者が薄々知っている」など微妙な状況もあり得ます。まずは自分の状況を冷静に把握したうえで、以下を参考にしてみてください。
「離婚する」「バレる」と一口に言っても、夫婦の事情によっては簡単に離婚しないケースや、配偶者が確信を持っているのにあえて黙っているケースも存在します。できるだけ正確に事実を把握することが、適切な対応の第一歩です。
【ケース1】自分の配偶者にバレていない&相手夫婦が離婚しない
状況と特徴:ダブル不倫が自分の配偶者にバレないことがポイント
- あなたの配偶者はまだW不倫に気づいておらず、相手側の配偶者にはバレているため慰謝料を請求された
- 相手の夫婦は離婚せず婚姻関係を続ける意向が強い(相手の配偶者が不倫を許すか、子どものために離婚を回避するなどの理由)
- この場合、あなたとしては「自分の家族に知られずに解決したい」というニーズが最優先かもしれません
具体的な対応策:早期示談&弁護士介入
- 早期示談で家族バレを防止
できるだけ短期間で相手の要求にある程度応じ(ただし高すぎる請求は減額交渉)、秘密保持条項付きの合意書を作成し、相手配偶者があなたの配偶者に接触しないよう約束してもらうのが現実的 - 弁護士の代理交渉
すべてのやり取りを弁護士を経由で行えば、自宅や会社に郵便物が届くリスクが最小化される内容証明郵便なども弁護士宛に送付してもらう形で進めることで、あなたの配偶者が封筒を見つけてしまうなどのアクシデントを回避
注意点:減額交渉で家族にバレていないことが弱みになる
家族にバレていない状況であっても、相手配偶者が怒りに任せて配偶者に電話やSNSで暴露してくる可能性があります。示談交渉が長引くほど、そのリスクが高まるかもしれません。
また、あまりに慰謝料減額にこだわると、「ダブル不倫をお前の配偶者にばらすぞ」と脅されることも。「今なら払える範囲内である程度妥協して解決したい」という方は、短期決戦での示談を検討してください。
【ケース2】配偶者にバレていない&相手夫婦が離婚
状況と特徴:離婚による高額な慰謝料を請求されるリスク
- 相手夫婦が離婚する場合は「ダブル不倫によって婚姻が破綻した」という形で高めの慰謝料を請求される可能性大
- 配偶者にまだ不倫バレしていないなら、やはり「家族バレを防ぐ」という観点で交渉を急ぐ
対応策:慰謝料の減額交渉もポイントとなる
- 相場を踏まえた減額交渉
離婚する夫婦側は精神的苦痛が大きいため、請求額200~300万円レベルになることも少なくないただし婚姻期間や不倫期間が短いなら「そこまで高くはならない」と主張可能 - 「自分の家族にバレたくない」場合
相手が離婚して怒りMaxの状態だと、暴露しやすい。弁護士に全面的に窓口を任せることで挑発を鎮め、プライバシー条項・接触禁止条項を盛り込んだ形で解決を目指す
注意点:慰謝料の二重取りを防ぐ
相手夫婦が離婚となると、その配偶者(被害者)は気持ちの整理として強気の請求をしてくる傾向が高いです。「家族バレを防ぎたい」「会社バレを回避したい」というあなたの弱点を見透かされ、比較的高めの解決金を要求されることも。
他方で、相手夫婦間で離婚時に慰謝料が払われた場合、あなたに対する慰謝料は二重取りになることも。慰謝料の二重取りを防ぐために、不倫相手と連絡を取り合うこともポイントになります(詳しくは「慰謝料の二重取りとは」をご覧ください。)。ダブル不倫で2倍支払う羽目になる事例もあるので、交渉の際は慎重に状況を見極めましょう。
【ケース3】配偶者にバレている&両夫婦とも離婚しない(四者和解・ゼロ和解の可能性)
状況と特徴
- あなたの配偶者にも不倫がバレており、さらに相手の夫婦も不倫を認識している場合、4名全員が事態を把握していることになります。
- しかし、離婚はどちらの夫婦もしない方針の場合、慰謝料を請求し合っても最終的に金銭面でプラスマイナスがゼロになることがあります。そこで「四者和解」「四者ゼロ和解」という解決策が検討されやすいです。
対応策:四者和解・四者ゼロ和解の可能性
- 四者和解
不倫関係者の四者(相手夫婦とあなたの夫婦)が一挙に話し合い、「どちらがいくら支払うか」「再発防止策」「秘密保持」などをまとめて合意する
例えば、不倫当事者の片方に責任が大きいと判断されれば、その人が一部負担し、他の当事者は慰謝料免除などと取り決めることも - 四者ゼロ和解
相互に慰謝料請求を放棄し合い、0円で決着する形。
お互い配偶者に慰謝料を要求したところで、同じ世帯の家計から出たり入ったりするだけで意味がない、と双方が納得すれば実現する場合がある
注意点:複雑な慰謝料請求・求償権の関係を処理する必要
四者同士で同じテーブルに着くのは、感情的にも負担が大きいものです。あるいは一方の配偶者が不倫相手を心底恨んでいて、ゼロ和解などあり得ないという状況もあり得ます。四者和解・四者ゼロ和解は法律上当然のものではなく、あくまで四者全員の合意が必要です。
もし話し合いがスムーズに進むなら、結果的に請求された慰謝料を支払わずに済む、またはごく少額で解決することが見込まれる大きなメリットがあります。
示談書をしっかり作成し、「一切の請求をしない」「秘密保持を徹底する」などの条項を明記しなければ後日トラブル再燃リスクが残ります。
【ケース4】配偶者にバレている&どちらか or 両方が離婚する
状況と特徴:高額な慰謝料請求をどのように減額するか
- 既にあなたの配偶者にも発覚し、相手の夫婦あるいはあなたの夫婦が離婚を検討中。ダブル離婚に至るケースもあれば、一方のみ離婚の可能性も。
- どちらかの夫婦が離婚する場合は、四者和解・四者ゼロ和解は期待できません。そのため、慰謝料の拒否・免除ができないかがポイントとなります。
- あなたが離婚する場合、相手配偶者と自分の配偶者の両方から慰謝料を請求されるリスクがあります。
対応策:不倫の証拠を踏まえて、適切な減額理由を主張する
- 慰謝料の高額化に備えた減額交渉
例えば、「実際には夫婦仲が破綻しかけていた」「不倫期間がごく短期だった」などを主張して金額を抑える。
相手の不倫当事者に対して求償請求を念頭に入れる。また、「自分の配偶者から不倫相手への慰謝料請求も検討する。 - 離婚条件(財産分与・親権など)とも絡む
自分が離婚する場合、財産分与や親権問題を並行して解決する必要があり、複雑度が増す。弁護士によるトータルサポートがおすすめ
注意点:高額な慰謝料を二重に払うリスクがある
「離婚=慰謝料が確実に高額」とは限らないものの、基本的には増額方向。不倫が直接原因なら200~300万円クラスを請求される余地は大いにある。
自分の配偶者も離婚を選択するなら、こちらも慰謝料を請求される二重請求が発生する可能性が高い。弁護士を通じて冷静に話を進めるようにしましょう。
ダブル不倫で慰謝料を請求された場合、**「配偶者バレの有無」「離婚するか否か」**の2点で大きく対応策が変わってきます。ダブル不倫は通常よりも複雑な交渉を要するため、自分の最重要優先事項(家族バレ防止・短期決着・費用負担を極限まで下げたいなど)を軸に、戦略的に慰謝料請求に対応していく必要があります。
四者和解・四者ゼロ和解の具体例・示談書
ダブル不倫で「配偶者にバレている状態」において、お互いの夫婦が離婚しない場合は、四者(自分と自分の配偶者、不倫相手と相手配偶者)の間で慰謝料問題を一挙に解決する方法が検討できます。その代表的なものが“四者和解”や“四者ゼロ和解”です。ここでは、その具体的な意味や示談書の作成ポイントを分かりやすく解説します。
- 四者和解:
不倫当事者2人と、各々の配偶者2人の計4名が集まり、どちらがいくら支払うか、慰謝料を請求しないかなどをまとめて取り決める解決方法。 - 四者ゼロ和解:
双方が慰謝料を請求し合っても意味がないと判断し、互いに慰謝料を一切請求しないと約束することで0円で解決する形。
四者和解の具体例
たとえば、不倫当事者A(既婚男性)とB(既婚女性)のケースで、それぞれの配偶者(Aの妻X、Bの夫Y)が不倫発覚後に互いを責め合っているような状況を想定します。もしXとYがともに離婚を望まず「家庭を維持したい」と考えているなら、以下のような交渉が成り立つことがあります。
- 不倫当事者A・Bが再発防止を誓う
- 不倫関係を完全解消し、今後はいっさい連絡を取らないという条件を盛り込む
- 転職などが必要になるケースもあるが、そこは当事者間で話し合う
- 慰謝料の負担をどうするか
- たとえば、Bの夫YがAに対して「100万円を請求したい」と言い、XがBに対して「50万円を請求したい」と言うかもしれない
- 四者和解では、それらの請求を「相殺」したり、「Aが50万円だけ払う」と調整したりできる
- 示談書の作成
- この段階で、4名全員が署名・押印し、今後互いに慰謝料を請求しない旨や秘密保持義務、接触禁止条項などを明記
メリット
- 裁判手続きをせずに一括解決:別々に訴訟を起こすより時間も費用も抑えられる
- 追加請求リスクの防止:示談書で「相互に今後慰謝料請求をしない」と明記すれば、後日になって再請求されるリスクが減る
デメリット
- 全員が同時に合意するハードルの高さ:当事者4人の利害や感情が一致する必要がある
- 感情的対立が激しい場合は成立しにくい:とくに、どちらか一方が「絶対に許せない」となると歩み寄りが難しい
四者ゼロ和解の具体例
四者ゼロ和解は、四者和解の一形態で、結論として「慰謝料のやり取りを一切しない」というものです。これは主に、次のようなケースで現実味があります。
- お互いの夫婦が離婚しないし、深刻なダメージを受けていない
- 慰謝料を請求し合っても、家計内や同程度の金額でプラスマイナスゼロになってしまう
- 「大ごとにしない方がみんなにとって得策」という共通認識がある
たとえば、Aの夫婦(AとX)とBの夫婦(BとY)がいて、XがBに慰謝料100万円を求めていて、YがAに100万円を求めているのであれば、夫婦の家計全体の合計額で見れば0円に相殺できるため、「わざわざお金をやり取りしなくていいね」と合意する可能性もあるのです。
注意点
- 必ず示談書を作成する
- 口約束だけで「もう請求しないから大丈夫」と言っても、後日一方が感情を再燃させて「やっぱり請求する」と言い出すリスクを否定できません
- 示談書で「互いに請求権を放棄する」旨を明確にし、接触禁止や秘密保持について取り決めましょう
- 各夫婦の力関係
- 実際に「ゼロ和解」で済むかどうかは、両配偶者がほぼ同じくらいの被害を受けた、と認識しているかに左右されます。もし一方が「うちの夫婦はもっと大ダメージを受けた」と感じているなら、ゼロ円では納得しないかもしれません
四者和解・四者ゼロ和解で示談書を作成する場合のポイント
四者和解や四者ゼロ和解を実現するためには、示談書(合意書)の作成が必須です。具体的には、以下の内容を盛り込むのが一般的です。詳しくは「不倫の示談書作成マニュアル(テンプレート付)」もご覧ください。
- 慰謝料請求権を放棄する旨:
不倫被害者2名が互いに慰謝料の権利を放棄する、あるいは金額を示して請求しない - 秘密保持条項:
不倫問題を親族や職場など第三者に口外しない義務を全員で負う - 今後の接触禁止:
不倫当事者同士が再接触しない、SNSなども含めて一切連絡しない - 違反時のペナルティ:
再度接触が発覚した場合、○○万円の違約金を支払うなどペナルティを設定
加えて、四者全員が署名・押印を行い、各自が1部ずつ保管する形をとります。再度慰謝料を請求されることを防ぐために書面化は必須です。
ダブル不倫で慰謝料を請求された場合、弁護士に依頼するべき場合
ダブル不倫で慰謝料を請求されたとき、自力で解決したいと考える方もいるかもしれません。しかし、ダブル不倫は通常の不倫案件以上に入り組んだ構造(複数人が関与・離婚が絡む・職場バレリスクが増加)を持ち、感情的トラブルに発展しやすいのも事実です。以下では、弁護士に依頼するべき場合を整理します。
ダブル不倫が自分の配偶者にバレるのを防止したい場合
最も多い悩みが「配偶者や子ども、職場に知られたくない」というもの。弁護士が代理人として交渉すれば、相手の配偶者からの連絡や書類はすべて弁護士事務所へ送付してもらう形となり、自宅宛ての内容証明や電話連絡を回避できます。結果的に家族や会社へ気づかれにくくなるのが大きなメリットです。
- 暴露をほのめかす相手への牽制
「これ以上不当な行為をすれば法的措置を検討する」と伝えることで、過激な暴露リスクを下げる - 秘密保持条項の明確化
示談の際に、弁護士が口外禁止・プライバシー保護条項を詳細に盛り込める
ダブル不倫の慰謝料を減額したい場合
請求された慰謝料金額が相場を超えている、または離婚しないのに高額すぎるなど、不当に感じる請求は珍しくありません。弁護士なら、過去の裁判例や相場観に基づきつつ「短期不倫」「夫婦破綻」などの減額根拠を論理的に示せます。
また、どうしても全額一括で払えない場合、分割払いや一時金+残額分割といった形で合意をまとめられる可能性が高まります。
ダブル不倫特有の解決を希望する場合:四者和解・四者ゼロ和解のサポート
ダブル不倫で慰謝料を請求された場合に特有の解決法である四者和解や四者ゼロ和解は、「関係する4人が同意しないといけない」ため調整が非常に難しいです。弁護士が四者それぞれの意見を吸い上げ、示談書案を作成することで、失敗リスクを下げられます。
とくに複雑な請求関係・求償関係の処理に見落としがあると、示談書の不備をついて再度慰謝料を請求されたというトラブルが起こりかねません。四者和解・四者ゼロ和解を希望するなら、弁護士に依頼をするべきです。
訴訟リスクや二次トラブルがある場合
不倫被害者(相手配偶者・自分の配偶者)の怒りが強い場合は、慰謝料請求訴訟や離婚調停・訴訟を起こされる可能性があります。法的な手続きを素人が一人で対応するのは困難です。
また、脅迫や暴露などの違法行為があれば弁護士から警告を出して貰うこともできます。
単に慰謝料を請求されただけでなく、ダブル不倫絡みの訴訟リスク・二次トラブルが予想される場合には弁護士に依頼するべきです。
心理的負担が大きい場合
ダブル不倫は、当事者の罪悪感や相手配偶者の怒り、また家族バレへの恐怖など、考えるべきことが多くあります。そのため、自分で対応する精神的ストレスに耐えられないとして、弁護士に依頼する方は少なくありません。
弁護士を窓口に立てることで、あなたがダブル不倫について直接責められる機会がなくなり、心の負担を減らせます。適切な法的アドバイスを受けながら交渉を進めることで、自分ひとりで抱える苦しみを軽くできるのです。
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ダブル不倫で慰謝料を請求された方からよくある質問(Q&A)
ここからは、ダブル不倫で「慰謝料を請求された」側の方々からよく寄せられる疑問について回答します。
残念ながら「ダブル不倫=どちらも既婚で責任が相殺されるから無効」という考え方は誤解です。
例えば、あなたと不倫相手が共同で相手の配偶者を傷つけたと判断されるなら、不倫相手とは別にあなた自身も相手配偶者へ慰謝料を支払う義務が発生するのです。「お互い様だからゼロになる」という簡単な話ではありません。
ただし、互いの配偶者同士が同時に慰謝料を請求し合う場合、それを相殺的に処理できる「四者和解」や「四者ゼロ和解」が成立することもあります。あくまで当事者全員の合意があれば、相殺状態を作り出せるというだけです。法的に自動的に相殺されるわけではない点にご注意ください。
弁護士に早めに依頼すれば家族バレ・職場バレを防げる可能性は高いです。実際、当事務所においても、ダブル不倫で慰謝料を請求されたほとんどのケースでは家族に秘密のままで示談までこぎつけています。
具体的には弁護士を代理人に立てて相手配偶者とやり取りをし、自宅や会社には書類を送らないよう取り決める形が一般的です。さらに、示談書に「家族や職場に不倫を暴露しない」という秘密保持条項を入れることで、相手が後々になって周囲に言いふらすリスクを抑えられます。
ただし、相手が感情的な場合や「家族に知らせないと気が済まない」という態度を示していると早期決着が必要。長引くほど興奮が冷めず、あなたの配偶者に直接連絡される危険が高まるため、スピーディに示談するのが得策です。
はい、一般的には不倫が原因で離婚した場合、裁判所は高額な精神的苦痛を認める傾向があります。具体的には200~300万円程度が一つの目安ですが、長期間の不倫や悪質性が認定されればさらに上乗せされる例もあり得ます。一方で、不倫期間が短かったり、もともと夫婦関係が破綻しかけていた場合には、そのぶん責任が軽く評価されるケースもあります。
もし相手夫婦が離婚に傾いているなら、あなた単独で高額な負担を追わないように、不倫相手にも一部責任があることを示唆したり、弁護士を通じて減額交渉をするのが重要です。
絶対に可能とは限りませんが、現実に成立するケースは存在します。「お互いの夫婦が離婚せずに続ける」「仮に請求し合っても夫婦の関係に入ったお金が出ていく形で意味がない」と認識し、再発防止など必要な条件を示談書で決めるだけで済むなら四者ゼロ和解があり得ます。ただし、感情対立が激しいと合意できないのが実情です。
“四者和解”では、たとえば「不倫当事者の一方に責任が大きいから、その人だけが一定額を負担し、他の当事者は請求を放棄する」という形にもなりえます。詳細な落としどころは4名全員の合意次第。
不倫被害者が感情的になって高額な慰謝料を請求されることはよくあります。しかし、実際に法的に認められる金額は、婚姻関係の破綻度合いや不倫期間・回数など客観的事情によって決まるため、短期の不倫で「500万円」などの請求が来たら減額交渉を検討するべきです。証拠や裁判例を元に「短期で精神的苦痛はそこまで大きくない」と主張すれば、相手側も折れてくるかもしれません。
理屈上、共同不法行為の加害者同士で「一方が全額を被害者に払ったら、他方に求償できる」制度はあります。しかし、不倫相手が素直に応じない場合は訴訟など余計な費用と時間がかかり、さらに相手との対立が深まります。結果として費用対効果が低いケースが多いのが実情です。多くの場合、求償権は「交渉カード」として使われるに留まります。
公務員や厳格な就業規則を持つ企業では、不倫行為自体を懲戒事由とする可能性はゼロではありません。しかし、一般的な民間企業では、仕事上の重大な違反がない限り即解雇はレアケース。ただし、社内不倫や取引先不倫の場合、周囲に知れ渡って居づらくなり自主退職に追い込まれるケースもあります。家族バレと同様、会社バレを防ぐためにも弁護士を通じた秘密裡の示談交渉が有効です。
まとめ:ダブル不倫で慰謝料を請求されたらケース別で対応方針を検討する
ダブル不倫で慰謝料を請求された場合は、通常の不倫よりも請求関係が複雑なうえ、家族バレや職場バレなどのリスクが倍増します。
誰の配偶者にバレているか、両夫婦が離婚するのか否かなどが絡み合い、請求金額も上振れしやすい傾向にあるのです。
- バレていないうちに早期和解を図るのも一策(秘密保持+短期決着で被害拡大を防ぐ)
- 既に発覚しているなら、四者和解・四者ゼロ和解で一挙に解決する道もある
- 離婚が絡むケースでは高額請求が想定されるため、減額交渉や分割提案を慎重に行う
何より重要なのはスピードと専門家の力。ダブル不倫で慰謝料請求された場合は不倫被害者の感情的が悪化しやすく、放置すると追加のトラブル(SNS暴露、職場通報など)に発展しかねません。弁護士に相談すれば、家族バレ・職場バレを最小限に抑えつつ、相場を踏まえた減額や分割を図ることも期待できます。ぜひ早期に法的アドバイスを受け、冷静に対処していきましょう。
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