不倫の事実が発覚し、相手の配偶者から慰謝料を請求されると、頭が真っ白になる方は少なくありません。特に、請求額が100万円〜300万円以上になることもあるため、「支払う必要があるのは分かる。でも、今すぐは払えない……」と追い詰められがちです。
こんな不安や悩みはありませんか?
- 不倫慰謝料を請求されて「とても一括では払えない」と感じている
- 分割払いや借入で対応できるのか、現実的な支払い計画を知りたい
- 無視すると裁判や差押えになるのか、会社・家族バレが心配
- 「払えない」ときに、まず何から手を付けるべきか整理したい
ただ、**不倫慰謝料が払えないときに最も避けたいのは“放置”**です。放置すると、交渉の余地が狭まり、裁判・差押えといった手続に進んでしまうリスクが高まります。
この記事では、まず全体の結論と、「払えない」と「払わなくていい」の切り分け、そして放置した場合の具体的リスクまでを、読者目線で分かりやすく整理します。
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2009年 京都大学法学部卒業
2011年 京都大学法科大学院修了
2011年 司法試験合格
2012年~2016年 森・濱田松本法律事務所所属
2016年~ アイシア法律事務所開業

Contents
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不倫慰謝料が払えないときの結論:放置せず「払える形」に組み替える
不倫慰謝料が払えないときの結論はシンプルです。そのまま放置せず、早い段階で「払える形(減額・分割・借入)」に組み替えることが、結果的にダメージを最小化します。
ポイントは、「いきなり最終解を決める」より先に、次の順番で整理することです。
- まず“支払義務が前提なのか”を確認する(争える余地があるなら早めに切り分ける)
- 次に“現実に払える金額”を数字で算出する(感覚ではなく根拠を作る)
- 最後に“支払い方”を設計する(分割回数、支払日、書面化など)
「払えない」という悩みの正体は、多くの場合、“金額(合計)”がきついか、“タイミング(一括)”がきついか、その両方です。
そこで、金額面は減額の余地を検討し、タイミング面は分割払いや借入で調整する、という発想になります。
ここで大事なのは、相手に対して強く出ることではなく、**「支払う意思はあるが、この条件なら確実に支払える」**という筋の通った提案をすることです。相手も人間ですから、回収の見通しが立つ提案であれば、落としどころが見つかることがあります。
この記事でわかること
この記事では、次の点が分かります。
- 不倫慰謝料が「払えない」ときの最初の整理の仕方(何から手を付けるか)
- 「払えない」と「払わなくていい」を混同しないための判断の入口
- 無視・放置をした場合に起きやすい流れ(裁判・差押え・会社バレのリスク)
よくある状況(内容証明・弁護士からの請求など)
不倫慰謝料の請求は、次のような形で届くことが多いです。
- 相手本人からの連絡(電話、メール、SNS)
- 内容証明郵便での請求書
- 相手が弁護士に依頼し、弁護士名義の通知書(内容証明)が届く
- さらに進むと、裁判所から訴状が届く
「まだ連絡が来ただけだから…」と軽く見てしまうと、気づいたときには手続が進んでしまう場合があります。逆に言えば、訴状になる前(交渉段階)ほど、条件を調整できる余地が大きいのも事実です。
この段階で意識したいのは、次の2点です。
- 連絡を絶たない(無視はしない)
- ただし、その場で口約束・即決はしない(条件は整理してから)
焦って場当たり的に「分割なら払えます」と言ってしまい、後から苦しくなるケースは珍しくありません。“払えるライン”を自分で把握してから提案することが、結果的にあなたを守ります。
「払えない」と「払わなくていい」の違い
不倫慰謝料の相談で非常に多いのが、「払えない」問題と「そもそも払う必要があるのか」問題が混ざってしまうことです。
もし本来は支払義務がない(または争える可能性が高い)のに、「払えないから分割で…」という方向に進むと、不要な負担を背負う危険があります。逆に、支払義務が明確なのに「絶対払わない」と強硬に出ると、相手の態度が硬化し、裁判に進みやすくなります。
このページで扱うのは、基本的に**「支払う前提だが一括が無理」=“払えない”**というケースです。
ただし、最初に次のチェックだけはしておきましょう。
支払義務が争える可能性がある典型例
次のような事情がある場合、慰謝料の支払義務そのもの、または金額について争える余地が出ます(ここでは入口だけ示します)。詳しくは「不倫慰謝料回避マニュアル完全版【弁護士作成】|払いたくない人必見」をご覧ください。
- そもそも「不貞行為」に当たる事実がない(境界線の問題を含む)
- 相手が既婚者だと知らなかった、または注意しても知りようがなかった
- あなたと相手が関係を持つ前から、相手夫婦の婚姻関係が実質的に破綻していた
- 請求が時効(消滅時効)にかかっている可能性がある
たとえば、不倫慰謝料の請求は通常、不貞行為による不法行為(民法709条)を根拠とします。そのため、第三者(不倫相手)が責任を負うには、一般に故意または過失が問題になります。「既婚者だと知らなかった」だけでなく、「注意しても分からなかったのか」という点が焦点になるケースがある、というイメージです。
また、「婚姻関係の破綻(破たん)」が成立していた場合に、慰謝料請求が認められにくくなる(または争える)ことがあります。これも、別ページで詳しく扱う論点です。
ここで大切なのは、あなたが自分で“断定”しないことです。「私は知らなかったからゼロ」「破綻してたはずだから払わない」と決めつけて突っぱねると、かえって状況が悪化する場合があります。入口として気づいたら、早めに専門家に相談するのが安全です。
このページで扱う範囲(払う前提で“払えない”)
上記のような強い争点がなく、または「争うよりも、早期に現実的な条件で終わらせたい」という方は、まず支払方法の設計に進みます。
このページでは主に、次のような状態を想定します。
- 慰謝料を支払う方向で進めたい(ただし金額や一括払いが厳しい)
- 会社・家族に知られたくないので、差押えや裁判は避けたい
- 手取りや生活費の関係で、無理のない分割・減額の着地点を作りたい
「払えない」という悩みは、罪悪感ともセットになりやすく、冷静な判断が難しくなります。だからこそ、ここから先は、感情ではなく手順で整理することが重要です。
関連記事(回避/払わない/減額など)
もしあなたの状況が次に当てはまるなら、先に関連記事も確認してください(このページでは深掘りしません)。
- 不倫慰謝料をそもそも払わなくていい可能性がある → 「不倫慰謝料を払わない方法(支払義務の有無)」
- 既婚者だと知らなかった → 「既婚者と知らなかったのに慰謝料請求されたときの対応方法」
- 婚姻関係の破綻が関係しそう → 「婚姻関係破たんの抗弁」
- 金額を下げたい(減額の論点を整理したい)→ 「不倫慰謝料の減額マニュアル/減額理由」
このように、論点ごとにページを分けて読むことで、情報が混ざらず、判断ミスを防ぎやすくなります。
払えないからと放置するリスク:裁判・差押え・会社バレが現実になる
「払えない」ときに、苦しくて一番やってしまいがちなのが“無視”です。ですが、慰謝料請求を無視することは、あなたにとってメリットがほとんどありません。むしろ、交渉の余地が消え、手続が進んだ結果、より厳しい形で回収されるリスクが高まります。
不倫慰謝料が払えない場合でも、請求の無視・放置はおすすめできません。状況が悪化しやすく、裁判や差押えに進む可能性があります。
ここでは「実際に何が起こりやすいのか」を、できるだけ具体的に説明します。怖がらせたいのではなく、不必要に詰まないための現実の話として読んでください。
無視した場合の典型ルート(内容証明→訴訟→判決)
請求を無視すると、相手は「話し合いで回収できない」と判断し、裁判を検討することがあります。典型的な流れは次のとおりです。
- 相手(または相手の弁護士)から請求書・内容証明が届く
- 回答期限が設定される(例:○月○日までに回答)
- 無視が続くと、訴訟提起の検討・連絡が来る
- 裁判所から訴状が届く
- 何もしないと、相手の主張が通りやすい形で判決が出る可能性がある
特に、弁護士名義の内容証明郵便は、相手が「手続を進める準備がある」ことのサインです。
もちろん、すべてが即座に裁判に進むわけではありませんが、無視したこと自体が相手の不信感を強めるため、交渉がこじれやすくなります。
また、内容証明の段階は、実は「条件調整がしやすい最後のチャンス」になりやすいです。ここで誠実に対応し、減額や分割の提案ができれば、裁判に行かずに解決できる可能性が上がります。
裁判になると“原則一括”が基本:対応しないと不利になりやすい
裁判になると、交渉とは違い、裁判所の手続に従って進みます。訴状が届いたら、通常は指定の期日や、答弁書(反論の書面)の提出期限が示されます。
ここで何もしないと、次のような不利益が生じ得ます。
- 反論や事情(家計状況、分割の希望など)を出せない
- 「争いがない」と扱われ、相手の主張が認められやすくなる
- 判決が確定すると、強制執行(差押え)に進みやすくなる
日本の裁判では、出廷や書面提出をしないことにより、相手の主張を争わないものとして扱われる場面があります。結果として、あなたの側の事情を丁寧に見てもらう機会が減り、**“払えない事情があるのに、原則どおり一括で支払う前提”**になりやすいのです。
さらに、裁判での判決は、原則として一括払いの形になります。後から「やっぱり分割で…」と言っても、手続が進んでしまっていると、交渉のカードが減ります。
もちろん、裁判になっても和解(話し合いによる解決)で分割が入る余地はあります。ただ、そこに持ち込むにも、最初の対応(答弁書の提出など)を落とさないことが重要です。
差押え(強制執行)で起きやすいこと:会社・家族バレのリスクが上がる
慰謝料の支払いを放置して、相手が「債務名義」(たとえば確定判決、裁判上の和解調書、強制執行認諾文言付きの公正証書など)を得ると、強制執行に進む可能性が出てきます。
強制執行では、代表的に次の対象が狙われます。
- 給与(勤務先からの支払いの一部)
- 銀行口座の預貯金
- 場合によっては、その他の財産(保険の解約返戻金など)
特に注意したいのが給与の差押えです。給与差押えが行われると、勤務先側で差押命令への対応が必要になるため、職場に「個人の金銭トラブルが起きている」ことが伝わる可能性が高まります。
不倫慰謝料の件名まで詳細に知られるとは限りませんが、少なくとも「差押えが来た」という事実は、社内で取り扱われることになります。
また、銀行口座の差押えも現実的です。口座が凍結されて日常の引き落としに支障が出ると、家族に不審に思われるなど、別の形で生活に影響が出るリスクがあります。
加えて、無視が続くと相手の感情が悪化し、あなたの配偶者や周囲へ連絡がいくなど、トラブルが拡大する可能性も否定できません。だからこそ、早い段階で「支払う意思」と「払える条件」を示すことが、あなた自身を守ることにつながります。
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支払い計画の作り方(テンプレ):毎月いくら出せるか→逆算して提案する
不倫慰謝料が「払えない」と感じるとき、いきなり「分割にしてください」とお願いしても、相手が納得してくれないことがあります。相手からすると、「本当に払う気があるのか」「途中で止まるのではないか」が一番の不安だからです。
そこで重要になるのが、あなた自身がまず**“毎月いくらなら確実に払えるか”を数字で説明できる状態**にすることです。感覚ではなく、根拠のある支払い計画を作れれば、交渉は一気に現実的になります。
この章では、支払い計画の作り方をテンプレとしてまとめます。ここで作った数字は、後の「分割払いの交渉」や「減額の申し入れ」の土台になります。
月々の支払可能額の出し方(手取り−固定費−最低生活費)
支払い計画は、難しく考える必要はありません。ポイントは「生活が破綻しないライン」を先に決め、その範囲で慰謝料の支払いに回せる金額を算出することです。
まずは、次の3つを整理してください。
- 毎月の手取り収入(給与、事業収入など)
- 固定費(家賃・住宅ローン、光熱費、通信費、保険、学費、既存ローン返済など)
- 生活に最低限必要な変動費(食費、日用品、交通費など)
ここで大事なのは、「この金額なら確実に毎月出せる」という保守的な数字を出すことです。ボーナスや臨時収入を前提にすると、少しの事情で支払いが止まりやすくなり、結果としてトラブルが拡大します。
支払可能額(目安)=手取り収入 − 固定費 − 最低生活費 − 予備費(突発支出のための少額)
たとえば、手取り28万円で、固定費が18万円、最低生活費が8万円なら、残りは2万円です。ここからさらに、病気や冠婚葬祭などの突発支出に備えて少し余裕を見ておき、「毎月1万円〜1万5,000円なら確実」というように決めていきます。
「本当は苦しいけど、早く終わらせたいから」と背伸びした金額を設定すると、途中で延滞しやすくなります。延滞は、分割条件の見直しが難しくなる原因になり得るため、最初の設計がとても重要です。
なお、「既存の借金があるから慰謝料は払えない」と言いたくなる方も多いでしょう。ただ、相手から見ると、あなたの他の支払い事情は関係ないと言われることもあります。だからこそ、最初から“言い訳”として出すより、生活が維持できる現実ラインとして淡々と数字を示す方が受け入れられやすい傾向があります。
提案の型:頭金+分割回数+支払日(テンプレ)
支払い計画ができたら、次は相手に提示する「提案の形」を整えます。分割払いの提案は、次の3点をセットにすると話が進みやすいです。
- 頭金(最初にまとめて支払える金額)
- 分割回数(残額を何回で払うか)
- 支払日(毎月いつ支払うか/振込方法)
たとえば、200万円を請求され、「一括は無理」だとしても、最初に10万円でも支払えるなら「支払う意思」を示しやすく、相手の警戒心が下がることがあります。頭金を入れられない場合でも、理由を添えて分割案を出すことで、交渉のスタートラインに立てます。
また、支払日は「給料日直後」など、あなたが確実に送金できる日に寄せることが重要です。毎月の入金タイミングとズレると、遅れが発生しやすくなります。
提案文の例(刺激しない言い回し)
相手が感情的になっている場面では、言い回し一つで交渉がこじれることがあります。次のように、責任を否定せず、支払う意思と現実的な条件をセットで伝えるのが基本です。
- 「ご請求については真摯に受け止めています。支払う意思はありますが、現状一括でのご用意が難しい状況です。」
- 「毎月の収支を踏まえると、毎月○万円であれば確実にお支払いできます。初回は○万円を先にお支払いし、残額を○回で分割させていただけないでしょうか。」
- 「支払日は毎月○日(給与支給の直後)とし、銀行振込で対応いたします。」
ポイントは、「払えないから無理です」ではなく、**「この条件なら確実に払えます」**という形にすることです。相手にとっても、分割の提案を受けるかどうかは“回収可能性”の話なので、実現可能性の高い提案ほど受け入れられやすくなります。
分割払いの交渉は、相手を言い負かす場ではありません。「確実に支払える条件」を示すことが、結果的にあなた自身を守ります。
必要資料の出し方の注意(出し過ぎない/黒塗り等)
「払えない」事情を説明するには、ある程度の資料を提示した方が説得力が増す場面があります。たとえば、相手の弁護士から「収入状況が分かる資料を出してほしい」と求められることもあります。
ただし、何でもかんでも出してしまうのは危険です。相手方に不用意な個人情報を渡すと、後々のトラブルの火種になる可能性があります。資料は、次の考え方で“必要十分”を意識しましょう。
- 出しやすい例:直近数か月の給与明細、源泉徴収票、家計の概算メモ
- 慎重に扱う例:通帳や口座入出金の詳細、家族の個人情報、勤務先の詳細情報が過度に分かる資料
- 工夫:口座番号・住所・不要な取引履歴は黒塗り(見せる範囲を限定する)
また、資料を出すときは「あなたの生活が回る範囲で、これ以上は無理なく支払えない」という説明に沿うものだけに絞るのが基本です。たとえば、給与明細を出すなら「手取りがいくら」で、固定費や最低生活費がいくらで、残りがいくら、という説明とセットにします。数字がつながっていれば、相手も納得しやすくなります。
一方で、相手が感情的になっている場合に、あなたの住所や家族構成が詳しく分かる資料を渡すと、思わぬ形で使われてしまう不安もゼロではありません。可能なら、相手本人と直接やり取りするより、相手が弁護士を立てている場合は弁護士宛てに提出するなど、窓口を整理した方が安全です。
減額は“払えるライン”を作る手段:ここでは要点だけ
不倫慰謝料が払えないとき、「分割払いの交渉」だけで解決できることもあります。しかし、そもそも請求額が高すぎる場合、分割にしても毎月の負担が重く、生活が破綻しかねません。
そのようなときに考えるのが、**金額そのものを“払えるライン”まで下げる(減額)**という発想です。ここでは、減額の細かい主張方法や裁判例の分析までは踏み込みません。要点だけを押さえ、詳しくは別記事で確認していただく形にします。
減額を検討すべき典型シーン
減額を検討しやすいのは、次のような場面です。
- 相手の請求額が、一般的な相場感から見て明らかに高い
- 不倫期間が短い、回数が少ないなど、事情として重くない要素がある
- 離婚に至っていない、すでに夫婦関係が悪化していたなど、精神的苦痛の評価が問題になり得る
- 支払い能力(収入・貯金)から見て、現実に到底用意できない金額が提示されている
もちろん、「収入が低いから必ず大幅減額できる」という単純な話ではありません。慰謝料は、婚姻関係への影響、不倫期間、当事者の態度など複数要素で判断されます。それでも、請求額が高額に設定されていることは珍しくないため、減額の余地がないかを確認する価値は十分にあります。
減額交渉の進め方(相場確認→根拠→落とし所)
減額交渉で押さえたい基本は、次の流れです。
- ① 相場観を把握する(あなたの事案が「離婚あり/なし」「期間」「悪質性」などでどのあたりか)
- ② 減額の根拠を整理する(感情ではなく、事情を具体的に)
- ③ 落とし所と支払い方法をセットで提案する(減額+分割で“確実に回収できる案”にする)
特に重要なのは、減額の話をするなら「払える金額」「支払い方法」まで同時に示すことです。相手からすると、ただ減額を求められてもメリットがありません。ですが、「○○円に調整いただけるなら、初回○○円+毎月○万円で確実に支払える」と提示されれば、「それなら早く終わらせられる」と感じることがあります。
逆に、先に「この金額で合意した」後で、「やっぱり分割にしてほしい」と言うと、相手は“後出し”と受け取りやすく、拒否される原因になりがちです。減額と分割は、順番や出し方が結果を左右します。
減額の詳細は別記事で確認を(必要なら早めに相談も)
減額が見込めるかどうかは、個別事情で大きく変わります。あなたの状況でどの主張が通りやすいか、どの程度の落とし所が現実的かは、専門家に確認した方が安全です。
なお、減額については別記事で詳しく解説しています。
(参考)不倫慰謝料 減額の完全マニュアル
請求額が高額で「分割にしても払えない」と感じる場合は、あわせて確認してみてください。
分割の話をする前に「金額が相場から外れていないか」を確認するだけでも、交渉の見通しが立ちやすくなります。焦りや不安が強いときほど、順番を間違えないことが大切です。
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分割払いの“実務の肝”:回数の現実ライン・期限の利益喪失・遅延損害金・公正証書
不倫慰謝料が「一括では払えない」というとき、現実的な落としどころになりやすいのが分割払いです。
ただし、分割払いは「月々払えばOK」という単純な話ではありません。むしろ、分割にした人ほど“条件の作り方”で詰みやすいのが実務的な落とし穴です。
特に重要なのが、次の4つです。
- 回数(何回で払うか)=現実的なラインの設計
- 期限の利益喪失(遅れたら残額一括になる条項)
- 遅延損害金(遅れたときのペナルティ)
- 公正証書(=差押えが容易になるリスク)
この章では、相手との感情論ではなく、**「分割を成立させる」「途中で破綻しない」**ためのポイントを、読者目線で整理します。
分割が通りやすい交渉の順序(減額→分割/同時提案の注意)
分割交渉で失敗しやすいのは、最初から「分割にしてください」と切り出すケースです。相手からすると、分割は「回収が遅くなる」「途中で止まるリスクがある」ため、基本的に歓迎しにくいからです。
そこでおすすめの順序は、次のどちらかです(状況で使い分けます)。
- パターンA:減額の余地がある
→ 減額の話をしたうえで「この金額なら確実に分割で払える」と提案 - パターンB:減額は難しそう(または相手が強硬)
→ 金額には触れすぎず「一括は困難なので分割条件を相談したい」と支払い方に焦点
ポイントは、相手の立場でも「受け入れる理由」を作ることです。たとえば、相手にとっては次のようなメリットがあります。
- 裁判にせず、早期に合意できる
- 回収の見通し(毎月の入金)が立つ
- あなたが誠実に対応していることが見える
逆に言えば、あなたが「払えない」「無理」と言うだけで、計画も示さず、期限も守れそうにない状態だと、相手は裁判・差押えに進みたくなります。
分割は「相手が納得して初めて成立」します。だからこそ、分割を通すには“提案の型”と“現実性”が重要です。
回数の現実ライン:家計から“無理のない期間”を作る
「慰謝料の分割は何回まで?」という質問はとても多いのですが、法律で一律に決まっているわけではありません。
最終的には相手との合意(または裁判での和解)で決まります。
ただ、実務的には、“長すぎる分割”は相手が嫌がりやすいのが現実です。なぜなら、期間が伸びるほど、途中で支払いが止まるリスクが高まるからです。
そこで、回数を決めるときは次の発想で組み立てます。
- 毎月いくらなら確実に払えるか(H2-4で作った支払可能額)
- 頭金をいくら用意できるか(小さくても“意思表示”になる)
- 「残額 ÷ 月額」で、必要な月数を逆算する
- 相手が納得しやすいように、期間を短縮できる工夫(頭金増額・ボーナス時加算等)を検討
ここで重要なのは、「最短で終わらせたい」はあなたの希望であっても、“無理して途中で遅れる”方がはるかに危険だという点です。分割で揉める典型は、「最初は頑張れると思ったが、想定外の出費で遅れてしまう」ケースです。
例:150万/200万/300万をどう組むか(考え方)
以下はあくまで考え方の例です。あなたの家計で無理をしない範囲で調整してください。
- 例1:慰謝料150万円
頭金10万円+月々3万円 → 残140万円÷3万円=約47回(約4年)
→ 期間が長いので、月々5万円にできると約40回(約3年4か月)まで短縮可能 - 例2:慰謝料200万円
頭金20万円+月々4万円 → 残180万円÷4万円=45回(約3年9か月)
→ 頭金を30万円にできれば、残170万円で約43回(約3年7か月) - 例3:慰謝料300万円
頭金30万円+月々5万円 → 残270万円÷5万円=54回(約4年6か月)
→ 長期になりやすいので、「減額+分割」や「借入一括」の併用も検討対象
このように、回数は「金額」「頭金」「月額」で決まります。
相手の立場でも“受け入れやすい期間”に寄せるなら、少しでも頭金を入れる、月額を現実的な範囲で上げるなど、短縮の工夫が効きます。
ただし、繰り返しになりますが、背伸びは禁物です。1回の遅れが致命傷になり得るのが、分割払いの怖さだからです。
期限の利益喪失条項とは?(払えない人ほど要注意)
分割払いで最も重要なのが「期限の利益喪失」です。言葉が難しいのですが、意味はシンプルです。
期限の利益喪失=「分割で払う権利」を失うこと
→ たとえば1回でも遅れたら、残り全部を一括で払えと言える条項
相手が「分割を認める」代わりに、ほぼセットで入ってくるのがこの条項です。
そして、払えない人ほど、この条項が入ると危険になります。
なぜなら、あなたが一番恐れているのは「一括で払えない」状況だからです。
それなのに、遅れた瞬間に「残額一括」になれば、結局もともとの問題に戻ってしまいます。
期限の利益喪失がある場合、次の点を必ず意識してください。
- 支払日は“確実に送金できる日”に固定する(給与日の直後など)
- 引き落としではなく、振込でコントロールできる形にする(口座凍結等のリスクも踏まえる)
- 万一遅れそうなときは、期限より前に連絡する(連絡なし遅延が最悪)
また、条項の中身として、次のような「猶予」が入ることもあります。
- 「○日以上の遅滞があったとき」
- 「2回以上遅滞したとき」
相手が必ず応じるわけではありませんが、あなたの家計が薄氷であれば、こうした設計の余地を検討する価値があります。
遅延損害金・支払方法・振込手数料…条件で揉めやすい点
分割払いは、金額と回数だけ決めれば終わりではありません。後から揉めやすいのが、次の論点です。
- 遅延損害金(遅れたときに発生するお金)
- 分割払いに「利息」を付けるか(相手が要求してくることも)
- 支払方法(銀行振込、手渡し、振込先の名義など)
- 振込手数料をどちらが負担するか
よくある誤解として、「分割=利息が必ず付く」と思ってしまう方がいます。しかし、分割はあくまで合意の問題なので、必ず利息が付くとは限りません。
一方で、遅延損害金は別です。遅延損害金は「期日に遅れたときのペナルティ」で、示談書に定められることが多い項目です。
遅延損害金の水準や計算方法はケースによりますが、読者目線で言うと、ここで一番大事なのは次の点です。
- 遅れない設計にする(支払日・金額を無理にしない)
- 遅れる可能性があるなら、事前連絡と再提案で“爆発”を防ぐ
- 条項の内容を理解しないままサインしない
特に「分割の利息」と「遅延損害金」を混同すると、「思っていたより増えた」「相手が追加請求してきた」というトラブルにつながりやすいので注意してください。
公正証書にするか:メリットと“差押えリスク”を天秤にかける
分割交渉で、相手側から「公正証書にしてください」と言われることがあります。
公正証書とは、大ざっぱに言うと、合意内容を公証役場で公的な書面にするものです。
相手が公正証書を求める理由は分かりやすく、**「途中で支払いが止まったときに、裁判をせず差押えに行ける」**からです。
つまり、あなたにとっては、次のようなリスクが増えます。
- 途中で支払いが滞ると、差押え(給与・預金など)に進みやすくなる
- 会社バレ(給与差押え)リスクが上がる
- 「期限の利益喪失」とセットになると、1回の遅れで一括+差押えにつながり得る
もちろん、相手の側から見れば「確実に回収できる」という安心があります。
そのため、公正証書にするかどうかは、次のように考えます。
- あなたが長期間の分割を提案するなら、公正証書を求められやすい
- 短期で終わる設計(頭金を厚めにする等)なら、公正証書なしでも合意しやすいことがある
- あなたの家計が“遅れやすい状態”なら、公正証書はリスクが大きい
公正証書は、分割を成立させるための交換条件として出てくることが多いので、「絶対にダメ」と決めるより、自分の支払い継続可能性と天秤にかける発想が現実的です。
示談書(合意書)に最低限入れるべき項目(詳細テンプレは別ページへ)
分割払いで合意したら、口約束で終わらせるのは危険です。後から「そんな約束はしていない」と言われたり、支払ったのに蒸し返されたりするリスクがあるため、示談書(合意書)で条件を明文化します。
このページでは、最低限の項目だけ整理します(テンプレートや条項の細かい書き方は、「不倫示談書マニュアル」で詳しく扱っています)。
- 合意する金額(総額)
- 支払方法(頭金・分割回数・支払日・振込方法)
- 期限の利益喪失(どの条件で一括になるか)
- 遅延損害金(遅れた場合の扱い)
- 清算条項(これで解決し、追加請求しない趣旨)
- 守秘・接触に関する取り決め(必要な場合のみ)
分割払いは「途中で揉めない設計」がすべてです。書面にすることで、あなたにとっても「これ以上は増えない」「条件どおり払えば終わる」という安心につながります。
借入で一括にする選択肢:優先順位と注意点
分割払いがどうしても厳しい、または「長期間支払い続けるのが精神的に耐えられない」という方は、借入をして一括で支払うという選択肢もあります。
ただし、借入は万能ではありません。利息負担が増え、生活がさらに苦しくなることもあります。
ここでは、借入の優先順位と、実務でハマりやすい注意点を整理します。
借入先の優先順位とリスク(家族→銀行等→消費者金融)
借入の優先順位は、基本的に「総負担(利息)とリスク」で考えます。
- 第1候補:家族・親族(利息負担が小さく、返済条件を相談しやすい)
- 第2候補:銀行・信用金庫等(比較的金利が低い可能性。審査と時間がかかる)
- 第3候補:消費者金融等(借りやすいが金利負担が重く、返済が苦しくなりやすい)
家族から借りるデメリットは、家族バレ(事情説明が必要)になりやすい点です。ただ、慰謝料問題は「先延ばし」ほど悪化しやすいので、長期的な負担を抑えるなら、家族借入が現実解になることもあります。
一方、消費者金融で借りる場合は、「目先の一括支払い」はできても、その後の返済が生活を圧迫し、結局困るケースが少なくありません。特に、住宅ローンや既存債務がある方は、返済の二重苦になりやすいので慎重に判断が必要です。
借入で一括払いを選ぶなら、「借りた後に生活が回るか」を必ずシミュレーションしてください。“慰謝料は終わったが借金が残った”状態が一番つらいからです。
借入一括が“減額材料”になり得る場面
借入で一括支払いを検討する価値があるのは、次のような場面です。
- 相手が分割を嫌がっている(公正証書要求が強い等)
- 長期分割になる見込みで、あなたのリスクが大きい
- 早く終わらせて、生活と精神を立て直したい
相手の立場でも、「分割で何年も待つ」より「今まとまった金額が確実に入る」方が良いと考えることがあります。そのため、借入をして一括で払う姿勢を示すことで、
- 公正証書なしで合意できる
- 総額を多少下げて早期解決に応じる
といった形で、交渉がまとまることがあります。
ここでの大事な考え方は、あなたが利息負担を背負う以上、その分を踏まえた着地点(減額・条件緩和)を探る余地があるという点です。
もちろん、必ず減額できるわけではありませんが、「分割は合意できない」と言われた場合の現実的なカードになります。
肩代わり・求償権についても検討する
借入の周辺でよく出てくるのが、「相手(不倫相手)に肩代わりしてもらえないか」「後から求償できないか」といった話です。
ここは誤解が生まれやすい領域なので、このページでは入口だけお伝えします。
- 肩代わり:不倫相手があなたの分を支払う(または一部負担する)形。合意の作り方とトラブル防止が重要。
- 求償権:あなたが支払った分について、後で不倫相手に一定割合の負担を求める可能性がある話。関係性・合意・割合で揉めやすい。
これらは「使い方を誤ると、トラブルが二重化する」典型でもあります。興味がある方は、肩代わり・求償権の解説ページで、注意点と進め方を確認してください。
(参考)求償権の仕組み・責任割合・トラブル回避策【弁護士解説】
裁判になった場合:原則一括、でも和解なら分割の余地がある
「もう裁判になってしまった。終わった……」と感じる方は多いのですが、裁判になったからといって、すぐにすべてが決着するわけではありません。
むしろ、裁判になった時点で重要なのは、“何もしない”をやめて、手続に乗って現実的な解決(和解)を取りにいくことです。
なお、ここで扱うのは「払う前提で、払えない(特に一括が無理)」ケースにおける基本整理です。裁判手続の細かい進め方や、主張・立証の詳細は別ページで扱っていますので、必要に応じて内部リンクを確認してください。
訴状が届いたら最初にやること(期限・答弁書・欠席リスク)
裁判になった場合、ある日突然、裁判所から封筒が届きます。いわゆる「訴状」です。
このときに絶対にやってはいけないのが、怖くて放置することです。放置すると、あなたの事情(払えない、分割希望など)を裁判所に伝える機会が減り、結果として不利になりやすくなります。
まず最初に確認してほしいのは、次の点です。
- 封筒の中身が「訴状」かどうか(裁判所の事件番号、期日、提出期限などの記載がある)
- 第1回口頭弁論期日(裁判所へ行く日、またはオンライン手続が指定される日が記載されることがある)
- 答弁書の提出について(いつまでに提出するか、提出先はどこか)
訴状が届いた段階で、あなたが取り得る現実的な動きは大きく2つです。
1つ目は、支払義務や金額について争う方向(不貞行為や故意過失、破綻、時効など争点がある場合)です。
2つ目は、争点を大きく広げず、和解を前提に「払える形(分割・場合によって減額)」で終わらせる方向です。
どちらにしても共通して言えるのは、答弁書(あなた側の返事の書面)など、裁判所に必要な提出物を期限内に出すことが大切だという点です。
裁判は「口頭でうまく説明すれば何とかなる」というものではなく、基本的に書面と提出期限で動きます。
訴状を無視したり、期日に出席せず書面も出さないままだと、相手の主張が争われない形で進み、あなたに不利な内容で手続が進むリスクがあります。
「裁判所からの書類=一括で払えと言われる」と決めつけてしまう方もいますが、実際には、裁判になってからでも和解で分割が入る可能性があります。だからこそ、手続から逃げないことが重要です。
また、訴状が届いたら、早い段階で弁護士に相談する価値が上がります。理由はシンプルで、裁判は期限を落とすと挽回が難しいからです。
「払えない」悩みは、裁判の場では特に“伝え方”が重要になります。生活状況は同じでも、出し方次第で、和解条件(回数、頭金、公正証書の要否に近い扱い等)の見通しが変わることがあります。
和解なら分割が入りやすい理由(ただし“債務名義”になる点に注意)
裁判になった場合、最終的な決着は大きく次の2つです。
- 判決(裁判所が結論を出す)
- 和解(当事者同士が合意して終える)
一般に、判決で確定した慰謝料は「一括払い」を前提とする形になりやすいです。もちろん、実際の支払いができない場合もありますが、判決自体は「分割で払います」という書き方にならないことが多く、支払わないと強制執行の局面に進み得ます。
これに対して、和解は話し合いで条件を決めるため、分割払いを入れやすいという特徴があります。裁判所も、当事者の実情に応じて和解を促すことがあり、「現実に回収できる形で終える」方向に寄せられる場合があります。
ただし、ここで知っておいてほしいのが、裁判で成立する和解(和解調書)には、次の性質がある点です。
- 和解調書は、強制執行が可能な“債務名義”になり得る
- 分割にした場合でも、支払いが滞ると差押えなどに進むリスクがある
- 期限の利益喪失や遅延損害金など、分割の“実務の肝”は裁判でも同じく重要
つまり、裁判で分割が入るのは救いになり得ますが、「遅れたらすぐ差押え」という緊張感が増すこともあります。
だからこそ、裁判になった場合も、先ほど整理したように、回数の現実ライン、期限の利益喪失、遅延損害金をきちんと理解したうえで、無理のない条件に落とし込むことが重要です。
「裁判所がいるから安心」と思いたくなる気持ちは分かりますが、裁判所があなたの生活を守ってくれるわけではありません。守れるのは、結局、無理のない支払い条件を自分側で設計し、期限を守り切ることです。
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裁判の詳細は別ページへ
裁判に関する論点は幅が広く、ここで深掘りすると「払えない人の支払方法」という本記事の主軸からズレやすいので、詳細は別ページで確認してください。
「裁判が怖い」のは自然な反応です。ですが、裁判は“放置していい問題”ではありません。むしろ、放置するほど条件が悪くなりやすい分野だからこそ、情報を整理して、早めに動くことが大切です。
弁護士に相談すべきタイミングと準備
不倫慰謝料が払えないとき、「弁護士に相談するのは大げさでは?」と迷う方は多いです。
ただ、払えない状況では、交渉の失敗=裁判・差押え・会社バレなどのリスクに直結することがあります。結果的に、早めに相談する方がトータルの負担を軽くできるケースも少なくありません。
ここでは「どんなときに相談を急ぐべきか」「相談すると何が変わるか」「相談前に何を準備すべきか」を整理します。
相談を急ぐべきケース(放置すると手遅れになりやすい)
次のような状況に当てはまる場合は、できるだけ早めに相談した方が安全です。
- 相手が弁護士を立てており、内容証明や通知書が届いている
- 期限が切られていて、回答が遅れると訴訟に移行しそう
- 請求額が高額(100万円以上)で、分割にしても家計がもたない
- 「公正証書でないと認めない」と言われ、条件が飲めない
- 会社や家族にバレたくない事情が強い(給与差押えが怖い等)
- 訴状が届いた/裁判所から書面が来た
特に、相手が弁護士に依頼していると、交渉は“感情”より“手続と条件”で進みやすくなります。
その反面、こちらが対応を間違えると、手続が機械的に進み、引き返しにくくなることもあります。
「まだ裁判じゃないから」「とりあえずスルーで…」と先延ばしにすると、いちばん困るのはあなたです。分割の設計も、減額の余地も、早い段階ほど作りやすいと考えてください。
弁護士ができること(交渉・条項設計・再燃防止)
弁護士に依頼・相談するメリットは、単に「代わりに交渉してくれる」だけではありません。払えない人にとって実益が大きいのは、次の点です。
- 相手との窓口が一本化され、あなたが直接やり取りしなくて済む
- 現実的な支払い計画(頭金・回数・支払日)を、相手が飲みやすい形に整える
- 期限の利益喪失、遅延損害金、公正証書など“実務の肝”を踏まえ、危険な条件を避ける
- 示談書(合意書)の中身を精査し、蒸し返しや追加請求などを防ぐ工夫ができる
- 裁判になった場合も、期限管理や書面対応を落としにくくなる
「払えない」状況では、あなた自身が精神的に追い詰められていることも多く、冷静に書面を読み、条件を詰めるのが難しくなります。
一方で、相手は強い怒りを抱えていることもあり、直接対応すると火に油になるケースもあります。
弁護士が間に入ることで、あなたの反省や支払意思を“適切な形”で伝えつつ、条件面は淡々と詰めることができます。
これは、会社バレ・家族バレを避けたい人にとっても重要です。余計な感情的衝突を減らせるだけでも、状況は安定しやすくなります。
なお、弁護士費用が不安で相談をためらう方もいますが、事務所によっては分割払いに対応していることもあります。まずは「費用の見通し」「減額・分割でどれくらいメリットが出そうか」を確認するだけでも、判断がしやすくなります。
相談前にまとめる資料(話が早くなる)
弁護士に相談するときは、次の資料があると状況整理がスムーズです。全部そろわなくても構いませんが、あるほど具体的な検討がしやすくなります。
- 相手から届いた請求書・通知書(内容証明、弁護士通知など)
- 不倫関係の経緯が分かるメモ(期間、回数、離婚の有無など、ざっくりでOK)
- あなたの収支が分かる資料(給与明細、源泉徴収票、家計の概算)
- 既存のローンや借入の状況(毎月の返済額が分かるもの)
- 預貯金・保険など資産の概況(細かい明細は後でも可)
“払えない”問題は、結局、数字に落とす必要があります。
だからこそ、「毎月いくらなら確実に払える」というラインを、メモでもいいので用意しておくと、相談が一気に前に進みます。
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まとめ:今すぐやること
不倫慰謝料が払えないとき、苦しさのあまり「考えるのをやめる」「通知を放置する」状態になりやすいです。ですが、放置はあなたを守りません。
むしろ、裁判・差押え・会社バレなど、取り返しのつきにくい方向へ進みやすくなります。
最後に、この記事の重要ポイントを整理します。
- 「払えない」と「払わなくていい」は別。争点があるなら早めに切り分ける
- 放置はNG。交渉の余地が狭まり、裁判・差押えリスクが上がる
- まずは支払い計画を作る(毎月いくらなら確実に払えるか→逆算)
- 分割払いは“条件設計”が命(回数の現実ライン、期限の利益喪失、遅延損害金、公正証書のリスク)
- 借入一括も選択肢。ただし利息負担と生活への影響を必ずシミュレーションする
- 訴状が届いたら、期限管理が最重要。和解で分割の余地もあるので逃げない
- 不安が大きい/相手が弁護士対応/条件が複雑なら、早めに弁護士へ相談する
「払えない」状況で一番大切なのは、“無理な約束をしないこと”です。背伸びした分割条件は、1回の遅れで一括請求・差押えに近づきます。最初から「確実に守れる条件」を作り、期限を守り切ることが、結果的に最短ルートになります。
もし今、通知書や内容証明を前にして動けなくなっているなら、まずは次の一手だけで構いません。
- 期限を確認する(いつまでに回答が必要か)
- 毎月払える上限を“保守的に”出す(生活が崩れないライン)
- 「頭金+分割回数+支払日」の形で提案のたたき台を作る
この3つができれば、状況は「詰み」から「交渉できる状態」へ変わります。
そして、少しでも不安が強いときは、抱え込まずに専門家へ相談してください。早く動いた人ほど、選択肢が多く、傷が浅く済みやすいのが、不倫慰謝料の現実です。
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